JPH10147747A - 複合塗膜の塗装仕上げ方法及び塗装物品 - Google Patents

複合塗膜の塗装仕上げ方法及び塗装物品

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JPH10147747A
JPH10147747A JP31862496A JP31862496A JPH10147747A JP H10147747 A JPH10147747 A JP H10147747A JP 31862496 A JP31862496 A JP 31862496A JP 31862496 A JP31862496 A JP 31862496A JP H10147747 A JPH10147747 A JP H10147747A
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Japan
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compound
acid
group
paint
clear
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JP31862496A
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Futoshi Nakanishi
太 中西
Hiroki Mizutani
広樹 水谷
Susumu Aoki
進 青木
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐汚染性及び防食性に優れた複合塗膜
の塗装仕上げ方法及び塗装物品を提供する。 【解決手段】電子共役系の構造を含まないポリエステル
ポリオール樹脂と、電子共役系の構造を含まないイソシ
アネート基及び/又はブロックイソシアネート基を1分
子中に2個以上含有するポリイソシアネート化合物及び
アミノプラスト樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の
化合物を含有してなるクリアープライマー塗料を基材上
に塗装し、焼き付けた後、さらに(A)1分子中に、特
定のビニルエーテル化合物又はビニルチオエーテル化合
物によりブロックされたカルボキシル基2個以上を有す
る化合物、(B)1分子中に、前記ブロックされたカル
ボキシル基と化学結合を形成しうる反応性官能基2個以
上を有する化合物、及び(C)加熱硬化時に活性を示す
熱潜在性酸触媒を含有して成るクリアートップコート塗
料を塗装し、焼き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上に芳香族環
に代表される電子共役系の構造を有さない特殊ポリエス
テルポリオール樹脂を有するクリアープライマー塗料を
塗装し、これを焼き付けた後、さらにクリアートップコ
ート塗料を塗装して焼き付ける複合塗膜の塗装方法及び
その塗装物品に関する。さらに詳しくは、本発明は耐候
性、耐汚染性及び防食性に優れた複合塗膜を与える塗装
仕上げ方法と、その塗装仕上げ方法により塗装された塗
装物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋外、建物外装及び自動車外板部位など
に用いられる塗装金属板の耐候性に関し、市場の要求性
能は一段と高くなってきている。また、金属板は、非常
に優れた意匠性を有しているが、同時に耐汚染性、防食
性などの問題を抱えている。そこで、金属板の優れた意
匠性を生かし、なおかつ防食性、耐汚染性などの性能を
付与させる手法としてクリアー塗料を金属板状に塗布す
る方法が採用されている。しかし、基材状に、従来のポ
リエステル樹脂を含有するクリアープライマー塗料を塗
装し、これを焼き付けた後、さらに高耐候性のクリアー
トップコート塗料を塗装し、焼き付ける複合塗膜は、太
陽光暴露時に剥離、白化などの現象が生じた。これは、
太陽光暴露時に、ポリエステル樹脂を含有するクリアー
プライマー塗料中に存在する芳香族環に代表される電子
共役系の構造が、クリアートップコートを通過した紫外
光、可視光を吸収することにより生じるラジカルによっ
て、クリアープライマーバインダーをラジカル崩壊させ
ることによるものである。これによりクリアープライマ
ー塗膜とクリアートップコート塗膜との界面において剥
離や白化などの減少が生じるものと思われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の太陽光暴露による複合塗膜の剥離や白化の問題を解決
した、耐候性、耐汚染性及び防食性に優れた特殊ポリエ
ステルポリオール樹脂を有するクリアープライマー塗料
を含む複合塗膜の塗装仕上げ方法、及び塗装物品を提供
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する複合塗膜を形成させる塗装仕上げ方
法について鋭意検討を重ねた結果、基材上に特殊ポリエ
ステルポリオール樹脂を有するクリアープライマー塗料
を塗装し、これを焼き付けた後、さらにクリアートップ
コート塗料を塗装して焼き付ける塗装方法により、上記
課題を解決できることを見い出し、その知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、基材
上にクリアープライマー塗料を塗装し、焼き付けた後、
さらにクリアートップコート塗料を塗装して焼き付ける
塗装方法において、該クリアープライマー塗料として、
(i)芳香族環に代表される電子共役系の構造を含まな
いポリエステルポリオール樹脂と、(ii)芳香族環に代
表される電子共役系の構造を含まないイソシアネート基
及び/又はブロックイソシアネート基を1分子中に2個
以上含有するポリイソシアネート化合物、及びアミノプ
ラスト樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を
含有してなる塗料を使用し、かつ該クリアートップコー
ト塗料として、(A)1分子中に、一般式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1
酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2
個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基
と化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する
化合物、及び(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸
触媒を含有して成る塗料を使用することを特徴とする複
合塗膜の塗装仕上げ方法を提供するものである。また、
本発明は、上記複合塗膜の塗装仕上げ方法によりして得
られたことを特徴とする塗装物品をも提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のおけるクリアープライマ
ー塗料は、樹脂バインダーとして芳香族環に代表される
電子共役系の構造を含まないポリエステルポリオール樹
脂を使用している。該ポリエステルポリオール樹脂は、
例えば、芳香族環に代表される電子共役系の構造を含ま
ないヒドロキシ化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸
エステル、酸無水物などから適宜選択された化合物を単
量体を重合して得られる重合体組成物であり、上記単量
体より公知の縮合重合反応、あるいは付加重合反応を経
て得ることができる。
【0008】上記のヒドロキシル化合物としては、例え
ば炭素数1〜20の一価の脂肪族アルコール;エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ペンタン
ジオール、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノー
ルA、グリセリン、ソルビトール、ネオペンチルグリコ
ール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マ
ニトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、
ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;これ
らの多価アルコール類とγ−ブチロラクトンやε−カプ
ロラクトンなどのラクトン化合物との開環付加体;該多
価アルコール類とエチレングリコール、プロピレングリ
コールなどとの付加体、付加重合体;該多価アルコール
類とイソシアネート化合物とのアルコール過剰下での付
加体;該多価アルコール類とエチレングリコールジビニ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタンジオー
ルジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテ
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエー
テルなどのビニルエーテル化合物とのアルコール過剰下
での付加体;及び該多価アルコール類とアルコキシシリ
コーン化合物とのアルコール過剰下での縮合体などのう
ち、芳香族環に代表される電子共役系を含まないものが
挙げられる。
【0009】上記のカルボン酸としては、例えば炭素数
1〜20の一価の脂肪族カルボン酸、コハク酸、マレイ
ン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメ
チレンジカルボン酸などの炭素数2〜22の脂肪族ポリ
カルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒド
ロフタル酸などの脂環式ポリカルボン酸化合物などであ
り、芳香族環に代表される電子共役系の構造を含まない
ものが挙げられる。上記酸無水物としては、例えばコハ
ク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの多
価カルボン酸の酸無水物化合物などであって、芳香族環
に代表される電子共役系の構造を含まないものが挙げら
れる。
【0010】本発明のおけるクリアープライマー塗料
は、架橋剤として芳香族環に代表される電子共役系の構
造を含まない架橋剤を使用する。架橋剤は、上記ポリエ
ステルポリオール樹脂と反応することにより、架橋構造
を形成する。架橋剤としては、芳香族環に代表される電
子共役系の構造を含まないイソシアネート基及び/又は
ブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上含有す
るポリイソシアネート化合物、又はアミノプラスト樹脂
が挙げられる。アミノプラスト樹脂の例としては、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂などが好適に挙げられる。これらの
アミノプラスト樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。さらに具体的には、反応性
基を1分子中に2個以上含有していればそれ以外に何ら
制限はなく、メラミンあるいは尿素樹脂1分子中に存在
するトリアジン環は1つでも、それ以上でも差し支えな
い。それらの樹脂に存在する反応性基として、好ましく
は、メチロール基、イミノ基、さらにはメチロール基を
メタノールやブタノールなどによりエーテル化したもの
が挙げられる。好ましい架橋剤としては、1分子当たり
イソシアネート基を2個以上、好ましくは2〜50個有
するポリイソシアネート化合物とヒドロキシカルボン酸
またはアミノ酸を付与させた化合物、エポキシ基を1分
子中に2個以上有する化合物、及びメラミン樹脂などが
挙げられる。
【0011】また、1分子当たりイソシアネート基2個
以上を有するポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサン−1,6−ジイソシアネート、リジンメチルエス
テルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシ
アネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソ
シアネートヘキサノエート及びこれらのビュレット体、
イソシアヌレート体などであって、芳香族環に代表され
る電子共役系の構造を含まないものが挙げられる。上記
のアミノ酸としては、例えばDL−アラニン、L−グル
タミン酸、グリシン、L−テアニン、グリシルグリシ
ン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L−
チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セリ
ンなどであって、芳香族環に代表される電子共役系の構
造を含まないものが挙げられる。
【0012】エポキシ基を1分子中に2個以上有する化
合物としては、たとえば、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルメタクリレートなどの単独重合体又は共重合
体、ポリカルボン酸あるいはポリオールとエピクロルヒ
ドリンとの反応により得られるポリグリシジル化合物な
どのエポキシ基含有化合物;1,2−ビス(2−オキサ
ゾリニル−2)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリ
ニル−2)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリニル
−2)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリニル−
2)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−
2)シクロヘキサンなどのアルキル鎖にオキサゾリン環
が結合したオキサゾリン化合物などであって、芳香族環
に代表される電子共役系の構造を含まないものが挙げら
れる。
【0013】クリアープライマー塗料の樹脂バインダー
及び架橋剤の配合割合については、架橋剤がイソシアネ
ート基及び/又はブロックイソシアネート基を1分子中
に2個以上含有するポリイソシアネート化合物である場
合は、樹脂バインダーの前記ポリエステルポリオール樹
脂のヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基に対する
架橋剤のイソシアネート基及び/又はブロック化イソシ
アネート基のモル比が0.6〜1.6の範囲であること
が好ましく、特に好ましくは0.8〜1.2の範囲であ
る。このモル比が0.6未満であると、架橋剤のポリイ
ソシアネート化合物と樹脂バインダーのポリエステルポ
リオール樹脂との架橋反応に際し、樹脂中のヒドロキシ
ル基及び/又はカルボキシル基が一部未反応で残存する
ことがあり、得られる塗膜の耐水性や耐湿性が低下し、
ひいては塗膜の耐候性が悪化する原因となることがあ
る。一方、モル比が1.6を超えるとイソシアネート基
及び/又はブロック化イソシアネート基が未反応で残存
することがあり、この場合も塗膜の耐水性や耐湿性が低
下し、ひいては塗膜の耐候性が悪化する原因となること
がある。
【0014】架橋剤がアミノプラスト樹脂である場合
は、樹脂バインダーと架橋剤の加熱残分重量比が97:
3〜60:40の範囲であることが好ましく、95:5
〜65:35の範囲であることがより好ましく、特に9
1:9〜70:30の範囲であることが好ましい。これ
は、97:3の配合比よりもアミノプラスト樹脂が少な
いと塗膜の架橋密度が低く耐溶剤性などの物性を満足さ
せることができないことがあり、60:40の配合比よ
りもアミノプラスト樹脂が多いと塗膜の加工性が低下し
てしまうなどの不具合を生じることがあるため好ましく
ない。なお、クリアープライマー塗料には、通常用いら
れる各種添加剤、たとえば界面活性剤、レベリング剤、
チクソトロピー剤、充填剤、抗発泡剤、有機溶剤、触媒
などを添加することができる。
【0015】クリアープライマー塗料においては、架橋
剤としてイソシアネート基及び/又はブロックイソシア
ネート基を1分子中に2個以上含有するポリイソシアネ
ート化合物を使用する場合は、硬化反応触媒を使用して
もよい。硬化反応触媒としては、例えばスズ化合物や亜
鉛化合物が挙げられる。スズ化合物としては、例えば塩
化スズ、臭化スズなどのハロゲン化スズ、ジブチルスズ
ジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機ス
ズ化合物などが、亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜
鉛、臭化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、オクチル酸亜鉛、
ラウリン酸亜鉛などの有機酸の亜鉛塩などが挙げられ
る。硬化反応触媒としてのスズ化合物や亜鉛化合物は、
1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよ
く、また他の硬化反応触媒と併用してもよい。硬化反応
触媒は、塗料組成物中の全加熱残分に対して、0.01
〜5重量%の割合で用いることが好ましい。この量が
0.01重量%未満であると、硬化反応の促進効果が十
分に発揮されないことがあるし、5重量%を超えると、
塗膜の耐水性や耐湿性などが低下し、ひいては塗膜の耐
汚染性、耐候性などが低下する原因となることがある。
硬化速度及び塗膜物性のバランスの面から、この硬化反
応触媒のより好ましい配合量は、組成物中の全加熱残分
に対して0.01〜2重量%の範囲である。
【0016】クリアープライマー塗料においては、架橋
剤としてアミノプラスト樹脂を使用する場合は、アミノ
プラスト樹脂の硬化反応触媒を使用してもよい。アミノ
プラスト樹脂の硬化反応触媒の例としては、例えば、リ
ン酸系硬化触媒、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸などのスルホン酸系硬化触媒、あるいはそ
れらのアミンブロック体などが好ましい。これらの化合
物は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いても何ら差し支えなく、さらにその他の化合物と組み
合わせて硬化時間の調整を行うことも可能である。ま
た、アミノプラスト樹脂の硬化反応触媒の添加量は塗料
全加熱残分中0.01〜2重量%の範囲が好ましい。そ
の理由としては、0.01重量%未満では塗料が硬化す
る上でアミノプラスト樹脂の硬化反応触媒の効果が発現
されないことがあり、2重量%を越えると塗膜形成後に
アミノプラスト樹脂の硬化反応触媒の影響で塗膜の耐水
性や耐湿性などの性能に悪影響を与え、ひいては塗膜の
耐汚染性、汚染除去性、耐候性が低下してしまうことが
ある。
【0017】本発明において、クリアートップコート塗
料は、上記クリアープライマー塗膜上に、該塗料が加熱
硬化された状態で塗装される。クリアートップコート塗
料において、(A)成分として用いられる化合物は、一
般式(1)
【0018】
【化3】
【0019】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、Y1は酸素
原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以
上、好ましくは2〜50個を1分子中に有する化合物で
あって、前記一般式(1)で表される官能基は、カルボ
キシル基と一般式(2)
【0020】
【化4】
【0021】(式中のR1、R2、R3、R4及びY1は、
前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテル化
合物、ビニルチオエーテル化合物あるいは酸素原子又は
イオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を持つ
複素環式化合物との反応により、容易に形成させること
ができる。
【0022】前記一般式(1)及び(2)における
1、R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
18のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの
有機基、R4は炭素数1〜18のアルキル基、アリール
基、アルカリール基などの有機基であって、これらの有
機基は適当な置換基を有していてもよく、またR3とR4
は、互いに結合してY1をヘテロ原子とする置換基を有
しない又は有する複素環を形成していてもよい。R1
2及びR3の好ましいものとしては、水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基で
あり、R4の好ましいものとしては、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アルカリール基である。該
(A)成分の化合物は、芳香族環に代表される電子共役
系の構造を含まないものが好ましい。
【0023】上記アルキル基の適当な具体例としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、、n−ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペン
チル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシ
ル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチ
ル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘ
キシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオク
チル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、
n−オクタデシル基などが挙げられ、またこのアルキル
基にはシクロブチル基、シクロヘキシル基などのシクロ
アルキル基も含まれる。好ましいアルキル基は、炭素数
1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、tert−ブチル、、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペン
チル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘ
プチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル及びシクロヘキシル基が挙げられる。
【0024】前記一般式(2)で表される化合物の具体
例としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニル
エーテル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオ
エーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、
3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピ
ラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒ
ドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ
−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4
−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジ
ヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなど
の環状ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する環状
ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。
【0025】該(A)成分の化合物は、1分子中に2個
以上、好ましくは2〜50個のカルボキシル基を有する
化合物と、前記一般式(3)で表される化合物との反応
により得ることができる。1分子中に2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジ
カルボン酸などの脂肪族ポリカルボン酸、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ
フタル酸などの脂環式ポリカルボン酸、及び1分子中に
カルボキシル基2個以上を有するポリエステルポリオー
ル樹脂、アクリル樹脂、及びポリフルオロ(アルキル又
はアルキレン)基を有するフッ素樹脂などが挙げられ
る。さらに、カルボキシル基含有シリコーンオイル、例
えばX−22−162A、X−22−162C(いずれ
も商品名、信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0026】また、前記1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する化合物は、例えば(1)1分子当たりヒ
ドロキシル基2個以上、好ましくは2〜50個を有する
ポリオールと酸無水物とをハーフエステル化させる、
(2)1分子当たりイソシアネート基2個以上、好まし
くは2〜50個を有するポリイソシアネート化合物とヒ
ドロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加させる、
(3)カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体を単独
重合又は他のα,β−不飽和単量体と共重合させる、
(4)カルボキシル基末端のポリエステルポリオール樹
脂を合成するなどの方法により得られる。
【0027】前記1分子当たりヒドロキシル基2個以上
を有するポリオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ジエチレングリコール、ペンタンジオー
ル、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノールA、
グリセリン、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、
1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタン
トリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マニトー
ル、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジペン
タエリスリトールなどの多価アルコール類;これらの多
価アルコール類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラク
トンなどのラクトン化合物との開環付加体;該多価アル
コール類とエチレングリコール、プロピレングリコール
との付加体、付加重合体;該多価アルコール類とイソシ
アネート化合物とのアルコール過剰下での付加体;該多
価アルコール類とエチレングリコールジビニルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン
ジオールジビニルエーテル、ペンタンジオールジビニル
エーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4
−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどの
ビニルエーテル化合物とのアルコール過剰下での付加
体;及び該多価アルコール類とアルコキシシリコーン化
合物、例えばKR−213、KR−217、KR−92
18(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)などと
のアルコール過剰下での縮合体などを挙げることができ
る。さらに、水酸基含有シリコーンオイル、例えばX−
22−160AS、KF−6001(いずれも商品名、
信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0028】一方、これらのポリオールと反応させる酸
無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカル
ボン酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メ
チルヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン酸の酸無
水物体を挙げることができる。また、1分子当たりイソ
シアネート基2個以上を有するポリイソシアネート化合
物としては、例えば1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、リ
ジンメチルエステルジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネー
ト、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネ
ートヘキサノエート及びこれらのビュレット体、イソシ
アヌレート体などを挙げることができる。
【0029】また、ヒドロキシカルボン酸としては、例
えば乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、リンゴ酸などを挙げることがで
き、アミノ酸としては、例えばDL−アラニン、L−グ
ルタミン酸、グリシン、L−テアニン、グリシルグリシ
ン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L−
チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セリ
ンなどを挙げることができる。
【0030】さらに、カルボキシル基含有α,β−不飽
和単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などを
挙げることができ、他のα,β−不飽和単量体として
は、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート、アクリロニト
リルなどを挙げることができ、さらには2,2,2−ト
リフルオロメチルアクリレート、2,2,2−トリフル
オロメチルメタクリレートといった含フッ素α,β−不
飽和単量体などを挙げることができる。
【0031】また、カルボキシル基末端のポリエステル
樹脂は、多価アルコールに対して多塩基酸過剰下での通
常のポリエステル樹脂の合成法に従い、容易に形成させ
ることができる。このようにして得られた1分子中にカ
ルボキシル基2個以上を有する化合物と前記一般式
(2)で表される化合物との反応は、通常酸触媒の存在
下、室温〜100℃の範囲の温度において行われる。ま
た、該(A)成分の化合物は、カルボキシル基含有α,
β−不飽和単量体と前記一般式(2)で表される化合物
との反応生成物を単独重合又は他のα,β−不飽和単量
体と共重合させることによっても得ることができる。本
発明のクリアートップコート塗料においては、この
(A)成分の化合物は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0032】本発明のクリアートップコート塗料におい
て、(B)成分として用いられる化合物としては、前記
(A)成分の化合物における一般式(1)で表されるブ
ロック化官能基が加熱により、遊離カルボキシル基を再
生した際、これと反応して化学結合を形成しうる反応性
官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1分子中に有
するものが使用される。該反応性官能基については前記
性質を有するものであればよく、特に制限はないが、例
えばエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アル
コキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ
基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、
シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオ
エーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメ
チロール基、アセタール基、ケタール基などが好ましく
挙げられる。これらの反応性官能基は1種含まれていて
もよいし、2種以上が含まれていてもよい。該(B)成
分の化合物は、芳香族環に代表される電子共役系の構造
を含まないものが好ましい。
【0033】このような(B)成分の化合物の具体例と
しては、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルメタクリレートなどの単独重合体又は
共重合体、グリシジルアリルエーテルとフッ化ビニリデ
ン及びビニルエーテルから成る共重合体、ポリカルボン
酸あるいはポリオールとエピクロルヒドリンとの反応に
より得られるポリグリシジル化合物及びエポキシ基含有
シリコーンオイル、例えばKF−101、KF−10
3、KF−105、X−22−169AS(いずれも商
品名、信越化学工業(株)製)などのエポキシ基含有化
合物;1,2−ビス(2−オキサゾリニル−2)エタ
ン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)ブタン、
1,6−ビス(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、
1,8−ビス(2−オキサゾリニル−2)オクタン、
1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサ
ンなどのアルキル鎖にオキサゾリン環が結合したオキサ
ゾリン化合物、及び2,2’−ビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2’−ビス(5−メチル−2−オキサゾリ
ン)などのビス(2−オキサゾリン)化合物、ヒドロキ
シアルキル−2−オキサゾリンと前記ポリイソシアネー
ト化合物との反応により得られる多価オキサゾリン化合
物、さらには2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−
オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−
オキサゾリンなどの単独重合体、又は共重合体などのオ
キサゾリン基含有化合物、さらには市販されているオキ
サゾリン基含有化合物、例えば商品名CX−RS−12
00、CX−RS−3200(いずれも(株)日本触媒
製)、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メタクリロイルオキシプロピルトリ−n−ブトキシ
シランなどのα,β−不飽和シラン化合物の単独重合体
又は共重合体、及びこれらの化合物の加水分解生成物な
どのシラノール基やアルコキシシラン基含有化合物;脂
肪族ポリオール類、ポリアルキレンオキシグリコール
類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなど
のα,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体、及
びこれらのポリオール類のε−カプロラクトン付加物な
どのヒドロキシル基含有化合物;脂肪族のジアミノ化合
物やポリアミノ化合物及び前記ポリオールのシアノエチ
ル化反応生成物を還元して得られるポリアミノ化合物な
どのアミノ基含有化合物;脂肪族ポリイミノ化合物など
のイミノ基含有化合物;1,4−テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネー
ト、リジンメチルエステルジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシア
ネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシ
アネートヘキサノエート及びこれらのビュレット体やイ
ソシアヌレート体、さらにはこれらのイソシアネート類
と前記ポリオールとのアダクト化合物などのイソシアネ
ート基含有化合物;前記イソシアネート基含有化合物の
ラクタム類、活性メチレン類、アルコール類、酸アミド
類、イミド類、アミン類、イミダゾール類、尿素類、イ
ミン類、オキシム類によるブロック体などのブロック化
イソシアネート基含有化合物;3−アクリロイルオキシ
プロピレンカーボネート、3−メタクリロイルオキシプ
ロピレンカーボネートの単独重合体又は共重合体、前記
エポキシ基含有化合物と二酸化炭素との反応により得ら
れる多価シクロカーボネート基含有化合物などのシクロ
カーボネート基含有化合物;前記多価ヒドロキシル基含
有化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテル類との反
応によって得られる多価ビニルエーテル化合物、ヒドロ
キシアルキルビニルエーテル類と多価カルボキシル基含
有化合物や前記ポリイソシアネート化合物との反応によ
り得られるポリビニルエーテル化合物、ビニルオキシア
ルキルアクリレート類やビニルオキシアルキルメタクリ
レート類とα,β−不飽和化合物との共重合体などのビ
ニルエーテル化合物、及びこれらに対応するビニルチオ
エーテル化合物などのビニルエーテル基やビニルチオエ
ーテル基含有化合物;メラミンホルムアルデヒド樹脂、
グリコリルホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、アミノメチロール基やアルキル化アミノメチロ
ール基含有α,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重
合体などのアミノメチロール基やアルキル化アミノメチ
ロール基含有化合物;多価ケトン、多価アルデヒド化合
物、前記多価ビニルエーテル化合物などとアルコール類
やオルソ酸エステル類との反応によって得られる多価ア
セタール化合物、及びこれらとポリオール化合物との縮
合体、さらには前記ビニルオキシアルキルアクリレート
やビニルオキシアルキルメタクリレートとアルコール類
やオルソ酸エステルとの付加物の単独重合体又は共重合
体などのアセタール基やケタール基含有化合物などが挙
げられる。
【0034】本発明のクリアートップコート塗料におい
ては、(B)成分の化合物として、1種の反応性官能基
を有する前記化合物の他に、反応性官能基2種以上を有
する化合物を用いてもよいし、また該(B)成分は2種
以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、この際、そ
れぞれの官能基が互いに活性である組み合わせは貯蔵安
定性が損なわれ好ましくない。このような好ましくない
組み合わせとしては、例えばエポキシ基、イソシアネー
ト基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、シク
ロカーボネート基及びシラノール基の中から選ばれる官
能基とアミノ基又はイミノ基との組み合わせ、イソシア
ネート基又はビニルエーテル基とヒドロキシル基との組
み合わせなどが挙げられる。
【0035】本発明のクリアートップコート塗料におい
ては、前記(A)成分及び/又は(B)成分の中から選
ばれた少なくとも1つがα,β−不飽和化合物の重合体
又はポリエステル樹脂であることが好ましく、また該組
成物中の前記一般式(1)あるいは(2)で表される官
能基と、これと加熱により化学結合を形成しうる反応性
官能基とが当量比0.2:1.0乃至1.0:0.2の
割合になるように各成分を含有させることが望ましい。
【0036】本発明における(A)成分の一般式(1)
で表される官能基は、加熱下において、遊離カルボキシ
ル基を再生し、(B)成分の反応性官能基と化学結合を
形成するものであるが、この反応の他に分子内分極構造
に基づく、いわゆる活性エステルとして(B)成分の反
応性官能基に付加反応を起こし得る。この際には、架橋
反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機物質の排
出低減にも貢献することができる。
【0037】上述したクリアートップコート塗料には、
場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に
保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促
進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する
目的で、場合により(C)成分として加熱硬化時に活性
を示す熱潜在性酸触媒を含有させることができる。この
熱潜在性酸触媒は、50℃以上の温度において、酸触媒
活性を示す化合物が好ましい。この熱潜在生産触媒が5
0℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成
物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくな
い事態を招来するおそれがある。
【0038】(C)成分の熱潜在性酸触媒としては、ブ
レンステッド酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和し
た化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合
物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウ
ム化合物、及び(i)エポキシ基を含有する化合物、
(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸を必須成分
とし、場合により(iv)カルボン酸化合物及び/又は無
水カルボン酸化合物から成る化合物が好ましく挙げられ
る。
【0039】該(C)成分の熱潜在性酸触媒は1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
たその配合量は、(A)成分と(B)成分との総固形分
量100重量部当たり、通常0.01〜20重量部の範
囲、好ましくは0.02〜10重量部の範囲で配合され
るように選ばれる。
【0040】熱潜在性酸触媒の量が0.01重量部未満
では触媒量が少な過ぎて反応を促進させる効果が十分に
発揮されないことがある。また、熱潜在性酸触媒の量が
20重量部を超えると、量のわりには反応を促進させる
効果の向上が見られず、むしろクリアートップコート中
に触媒が多量に残存することにより塗膜の物性が低下す
る場合があり好ましくない。本発明に使用されるクリア
ートップコート塗料は、そのままで、あるいは必要に応
じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、流動調整剤などの各種添加剤を配合することがで
きる。また、耐汚染性、汚染除去性及び耐候性をさらに
向上させる手法として、セラミック成分である酸化アル
ミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル
及び酸化アンチモンゾルなどの無機酸化物ゾルの分散体
を添加することができる。
【0041】本発明の複合塗膜の塗装仕上げ方法に使用
する基材としては、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ
ニウム−亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウ
ム板又はアルミニウム合金板などが挙げられる。これら
の基材は、予め表面処理されたものでもよいし、予め表
面に塗膜が形成されたものでもよい。
【0042】本発明の複合塗膜の塗装仕上げ方法の好適
な例は、クリアープライマー塗料を必要に応じて加温し
たり、有機溶媒又は反応性希釈剤を添加することにより
所望の粘度に調整した後、ロールコーターなどの通常使
用される塗装機、又はバーコーターなどを用いて乾燥後
の塗膜の膜厚が通常約3〜20μm、好ましくは5〜1
0μmになるように塗布し、100〜300℃で、好ま
しくは150〜280℃の温度で5秒〜1時間、好まし
くは15秒〜30分加熱硬化させる。次いで、クリアー
トップコート塗料を上記方法を用いて乾燥後の塗膜の膜
厚が通常約2〜40μm、好ましくは5〜15μmにな
るように塗布し、100〜300℃で、好ましくは15
0〜280℃の温度で5秒〜1時間、好ましくは15秒
〜30分加熱硬化させる。
【0043】本発明の塗装方法により得られる塗装物品
としては、例えば構造物、木製品、金属製品、プラスチ
ック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック製品、ガラス
製品などが挙げられる。より具体的には、自動車、鋼板
などの金属板、二輪車、船舶、鉄道車両、航空機、家
具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用品、スポ
ーツ用品、玩具などが挙げられる。
【0044】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制
限されるものではない。なお、塗膜性能は次のようにし
て求めた。
【0045】(1)耐候性 サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(JIS
K−5400(1990)9.8.1)を用いて12
00時間曝露後、塗膜の60度鏡面光沢値(JIS K
−5400(1990)7.6 鏡面光沢度)を測定
し、塗膜の異常を目視にて判定又は未暴露時の光沢度値
と比較した。また、暴露後の碁盤目付着試験(JIS
K−5400(1990)8.5.2碁盤目テープ法)
に準じて行い、次の基準に従い密着性を評価した。 ○:10点 △:8点 ×:6点以下
【0046】(2)耐屋外汚染性 JIS K−5400(1990)9.9耐候性に準じ
て、30日間屋外にて暴露後、塗膜の無洗浄面の色(J
IS K−5400(1990)7.4.2計測法)を
測定し、測定したL値と暴露前の初期L値との差(△
L)により塗膜表面の汚染性を評価した。 [△L=(暴露前の初期L値)−(暴露後のL値)]
【0047】(5)防食性 JIS K−5400(1990)9.1耐塩水噴霧性
に準じて、24時間装置内に保持した後、塗膜の状態を
目視にて確認し、次の基準に従い評価した。 ○:現状試験片と比べて、表面状態に異常がない。 ×:現状試験片に比べて、塩水による錆、塗膜の膨れ及
びはがれがある。
【0048】製造例1 (A)成分化合物A溶液の製造 (1)ポリカルボン酸化合物A(a)溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し14
0℃に昇温した。 トリメチロールプロパン 112.3重量部 ヘキサヒドロキシフタル酸 351.7重量部 ソルベッソ100 95.2重量部 次いで、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/
1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加
熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、
277以下になるまで加熱撹拌を継続することによっ
て、3官能ポリカルボン酸化合物A(a)溶液を得た。 注) ソルベッソ100:エッソ(株)製;芳香族系石油ナフ
【0049】(2)化合物A溶液の製造 前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用い
て、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込
み、80℃を保ちながら撹拌した。 前記(1)のポリカルボン酸化合物溶液 559.2重量部 n−プロピルビニルエーテル 216.1重量部 ソルベッソ100 1.0重量部 イソブチルビニルエーテル 18.0重量部 混合物の酸価が11以下となったところで反応を終了
し、表1記載の特性を有する化合物A溶液を得た。
【0050】
【表1】 注) 不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥後の残
【0051】製造例2 (B)成分化合物B溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、初期仕込み溶剤(キシレン、ソルベッソ
100共に13.25重量部)を仕込み、撹拌下で加熱
し、140℃を保った。次に140℃の温度で、表2記
載の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を
2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了
後、140℃の温度を0.5時間保ち、さらに105℃
まで冷却した後、表2記載の組成の重合開始剤溶液(追
加成分)を添加し、105℃の温度を2時間保ったとこ
ろで反応を終了し、表2記載の特性を有する化合物B溶
液を得た。
【0052】
【表2】 注) パーブチルO:日本油脂(株)製、登録商標、t−ブチ
ルペルオキシオクトエート 不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥後の残
【0053】製造例3 (C)成分化合物Cの製造 表3記載の成分を(I)、(II)、(III)の順に
加え撹拌することにより表3記載の熱潜在性酸触媒溶液
を得た。
【0054】
【表3】
【0055】製造例4〜6 クリアープライマー塗料用ポリエステルポリオール樹脂
の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、それぞれ表4記載の成分の単量体を
仕込み、撹拌下で加熱し140℃を1時間保った。その
後180℃まで撹拌下で加熱し、表4記載の成分の単
量体を加え、180℃を1時間保持した後、200℃ま
で撹拌下で加熱した。そして混合物の酸価が16以下に
なるまで200℃を保持し、表4に示す成分を加える
ことで、ポリエステルポリオール樹脂を得た。
【0056】
【表4】 注) ソルベッソ150:エッソ(株)製;芳香族系石油ナフ
サ 不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥後の残
【0057】実施例1〜4 (1)クリアープライマー塗料の製造 表5の組成の原料を混合し、クリアープライマー塗料と
した。
【0058】
【表5】 スミマールM40S:住友化学(株)製、メラミン樹脂
(固形分80重量%) TPLS2135:住友バイエルウレタン(株)製、ブ
ロックイソシアネート樹脂(固形分65重量%) 触媒:スミマールM40Sの場合は、p−トルエンスル
ホン酸(20重量%ソルベッソ100溶液)、TPLS
2135の場合は、ジブチル錫ジラウリレート(10重
量%ソルベッソ100溶液)
【0059】(2)クリアートップコート塗料の製造 表6記載の原料を混合し、クリアートップコート塗料と
した。
【0060】
【表6】
【0061】(2)試験片の作成及び塗膜性能の検討 冷延鋼板上にクリアープライマー塗料を、バーコーター
で乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、加熱時間60
秒、最高板温度232℃の硬化条件で焼き付けた。次
に、クリアートップコート塗料をバーコーターで乾燥膜
厚5μmとなるように塗装し、加熱時間60秒、最高板
温度232℃の硬化条件で焼き付けることで複合塗膜の
試験片を作成した。塗膜性能を表7に示すが、いずれの
場合においても均一でツヤがあり、耐候性、耐屋外汚染
性、防食性に優れた塗膜が得られた。これに対して、ク
リアープライマー塗料として電子共役系の構造を含む化
合物からなる塗料を使用している比較例1及び比較例2
は、いずれも耐候性、耐屋外汚染性に劣る。
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】本発明の複合塗膜の塗装仕上げ方法によ
り得られた塗装物品は、優れた仕上がり外観性を有して
いる上に、耐汚染性、耐候性、防食性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 201/02 C09D 201/02 //(C09D 175/06 161:20)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にクリアープライマー塗料を塗装
    し、焼き付けた後、さらにクリアートップコート塗料を
    塗装して焼き付ける塗装方法において、該クリアープラ
    イマー塗料として、(i)芳香族環に代表される電子共
    役系の構造を含まないポリエステルポリオール樹脂と、
    (ii)芳香族環に代表される電子共役系の構造を含まな
    いイソシアネート基及び/又はブロックイソシアネート
    基を1分子中に2個以上含有するポリイソシアネート化
    合物、及びアミノプラスト樹脂の中から選ばれた少なく
    とも1種の化合物を含有してなる塗料を使用し、かつ該
    クリアートップコート塗料として、(A)1分子中に、
    一般式(1) 【化1】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有す
    る化合物、(B)1分子中に、前記官能基と化学結合を
    形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物、及び
    (C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有し
    て成る塗料を使用することを特徴とする複合塗膜の塗装
    仕上げ方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合塗膜の塗装仕上げ
    方法により塗装して得られたことを特徴とする塗装物
    品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220094864A (ko) * 2020-12-29 2022-07-06 한국화학연구원 이중 경화형 블록 이소시아네이트를 포함하는 자동차용 이중 경화 일액형 클리어코트 조성물, 이를 이용한 멀티코트 코팅 방법 및 멀티코트 코팅층

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KR20220094864A (ko) * 2020-12-29 2022-07-06 한국화학연구원 이중 경화형 블록 이소시아네이트를 포함하는 자동차용 이중 경화 일액형 클리어코트 조성물, 이를 이용한 멀티코트 코팅 방법 및 멀티코트 코팅층

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