JP3021755B2 - 熱硬化性組成物、潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物及びその製造方法 - Google Patents
熱硬化性組成物、潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物及びその製造方法Info
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Description
潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物及
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、良好な化学性能、物理性能及び耐候性を
有するとともに、特に貯蔵安定性に優れ、例えば塗料、
インク、接着剤、成形品などに好適な熱硬化性組成物、
並びにこれを与えうる潜在化ヒドロキシル化合物又は潜
在化チオール化合物、及びこのものを効率よく製造する
方法に関するものである。
有する化合物と、これらの基と加熱により化学結合を形
成しうる反応性官能基、例えばエポキシ基、カルボキシ
ル基、酸無水基、シラノール基、アルコキシシラン基、
イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シク
ロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエー
テル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール
基、アセタール基、ケタール基などを有する化合物との
組合せから成る熱硬化性組成物は公知である。これら熱
硬化性組成物は、得られる硬化物の化学性能、物理性
能、さらには耐候性などが優れていることから、例えば
塗料、インク、接着剤、あるいはプラスチック成形品な
どの分野において広く利用されている。しかしながら、
ヒドロキシル基やチオール基と前記反応性官能基とは反
応性が高いため、ヒドロキシル基やチオール基含有化合
物と該反応性官能基を含有する化合物とが共存する組成
物においては、貯蔵中にゲル化を起こし、可使時間が短
くなるなどの問題が生じる。したがって、現実にはそれ
ぞれの官能基を含む化合物を別々の容器に貯蔵し、使用
する直前に混合して用いる、いわゆる二液型の硬化性組
成物として用いられてきた。また、ヒドロキシル基をア
セタール化した化合物が米国特許公報第3,530,16
7号に記載されているが、アセタール基そのものを反応
点として利用しているものであり、熱潜在性酸触媒の利
用に関しては何等触れられていない。
温度において、化学性能、物理性能、さらには耐候性な
どに優れる硬化物を与え、かつ良好な貯蔵安定性を有
し、一液型として利用可能な熱硬化性組成物及びこれを
提供するのに有用な潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在
化チオール化合物を得ることを目的としてなされたもの
である。
ましい性質を有する熱硬化性組成物を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、(A)特殊なビニルエーテル基、ビニ
ルチオエーテル基、あるいは酸素原子又はイオウ原子を
ヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環式基で
ブロック化されたヒドロキシル基及び/又はチオール基
2個以上を1分子中に有する化合物、及び(B)該ブロ
ック化されたヒドロキシル基やチオール基と加熱により
化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する化
合物、及び(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触
媒を必須成分として含有して成る組成物、あるいは
(D)1分子中に前記ブロック化されたヒドロキシル基
及び/又はチオール基1個以上と、このブロック化され
たヒドロキシル基やチオール基と加熱により化学結合を
形成しうる反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型
化合物及び前記(C)成分を必須成分とし、さらに場合
により前記(A)成分及び/又は(B)成分を含有して
成る組成物によりその目的を達成しうることを見い出す
とともに、さらに前記の好ましい性質を有する熱硬化性
組成物を与えうる潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化
チオール化合物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定の低分子量ポリオール化合物又はポリチオール化合物
をビニルエーテル化合物と反応させて、該化合物におけ
るヒドロキシル基又はチオール基をブロック化させるこ
とにより、その目的を達成しうることを見い出し、これ
らの知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(A)1分子中に、一般式
ン基、アリーレン基又はアルカリーレン基、R2、R3
及びR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキ
ル基、アリール基又はアルカリール基、R5は炭素数1
〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリール基で
あって、R3とR5もしくはR4とR5はたがいに結合
してY2をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよ
く、Y1及びY2はそれぞれ酸素原子又はイオウ原子で
ある)で表される官能基2個以上を有する化合物、
(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を
形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物、及び
(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成
分として含有して成る熱硬化性組成物、(D)1分子中
に、(イ)一般式
ン基、アリーレン基又はアルカリーレン基、R7、R8
及びR9はそれぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキ
ル基、アリール基又はアルカリール基、R10は炭素数
1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリール基
であって、R8とR10もしくはR9とR10はたがい
に結合してをヘテロ原子とする複素環を形成していても
よく、Z1及びZ2はそれぞれ酸素原子又はイオウ原子
である)で表される官能基1個以上と、(ロ)該官能基
と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基1個以
上とを有する自己架橋型化合物、及び(C)加熱硬化時
に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分とし、さらに場
合により前記(A)成分及び/又は(B)1分子中に、
前記一般式[2]で表される官能基又は前記一般式
[1]で表される官能基あるいはその両方と加熱により
化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する化
合物を含有して成る熱硬化性組成物、及び1分子当たり
ヒドロキシル基又はチオール基2個以上を有し、かつヒ
ドロキシル当量又はチオール当量1000g/mol以
下及び数平均分子量4000以下のポリオール化合物又
はポリチオール化合物において、該ヒドロキシル基又は
チオール基をビニルエーテル化合物により、一般式
レン基、アリーレン基又はアルカリーレン基、R12、
R13及びR14はそれぞれ水素原子、炭素数1〜18
のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R15
は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカ
リール基であって、R13とR15もしくはR14とR
15はたがいに結合してY4をヘテロ原子とする複素環
を形成していてもよく、Y3及びY4はそれぞれ酸素原
子又はイオウ原子である)で表されるブロック化ヒドロ
キシル基又はブロック化チオール基に変性させて成る潜
在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物を提
供するものである。本発明に従えば、前記潜在化ヒドロ
キシル化合物又は潜在化チオール化合物は、酸触媒の存
在下、1分子当たりヒドロキシル基又はチオール基2個
以上を有し、かつヒドロキシル当量又はチオール当量1
000g/mol以下及び数平均分子量4000以下の
ポリオール化合物又はポリチオール化合物をビニルエー
テル化合物と反応させることにより、製造することがで
きる。
成物において、(A)成分として用いられる化合物は、
一般式
びY2は前記と同じ意味をもつ)で表される官能基2個
以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20
個を1分子中に有する化合物であって、前記一般式
[1]で表される官能基は、一般式 −R1−Y1H …[4] (式中のR1及びY1は前記と同じ意味をもつ)で表され
る有機残基におけるヒドロキシル基又はチオール基と、
一般式
は前記と同じ意味をもつ)で表されるビニルエーテル化
合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子又
はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をも
つ複素環式化合物との反応により、容易に形成させるこ
とができる。前記一般式[1]及び[4]におけるR1
は炭素数1〜18のアルキレン基、アリーレン基又はア
ルカリーレン基である。
R2、R3及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜
18のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R
5は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアル
カリール基であって、これらの基は適当な置換基を有し
ていてもよく、また、R3とR5若しくはR4とR
5は、たがいに結合してY2をヘテロ原子とする置換基
を有しない又は有する複素環を形成していてもよい。
例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテ
ル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテ
ル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジ
ヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4
−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メ
トキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメ
チル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2
−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエ
ーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニルチオエー
テル化合物などが挙げられる。
以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20
個のヒドロキシル基及び/又はチオール基を有する化合
物と、前記一般式[5]で表される化合物との反応によ
り得ることができる。1分子中に2個以上のヒドロキシ
ル基(以下、多価ヒドロキシル基含有化合物と称す)及
び/又はチオール基(以下、多価チオール基含有化合物
と称す)を有する化合物としては、例えばエチレングリ
コール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,
3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、ペンタンジオール、ジメチルブタン
ジオール、水添ビスフェノールA、グリセリン、ソルビ
トール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、キニトール、マニト
ール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコール類;これらの
多価アルコール類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラ
クトンなどのラクトン化合物との開環付加体;該多価ア
ルコール類とトリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート
化合物とのアルコール過剰下での付加体;該多価アルコ
ール類とエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエ
チレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジ
ビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、
ヘキサンジオールジビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル化合物とのアルコール過剰下での付加体;及び該多価
アルコール類とアルコキシシリコーン化合物、例えばK
R−213、KR−217、KR−9218[いずれも
信越化学工業(株)製、商品名]などとのアルコール過剰
下での付加体、また、前記ポリヒドロキシ化合物のヒド
ロキシル基のすべて若しくは一部をチオール基に置き換
えた化合物、さらには1分子中にヒドロキシル基及び/
又はチオール基2個以上を有するポリエステル樹脂、ポ
リアクリル樹脂、ポリビニルアルコールなどが挙げられ
る。
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチル
アクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、
4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブ
チルメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−
カプロラクトン付加物ヘキサ(メタ)アクリレートなど
のα,β−不飽和ヒドロキシ化合物やこれらに対応する
α,β−不飽和チオール化合物と前記一般式[5]で表
される化合物との反応生成物を単独重合させることによ
っても得ることができるし、該反応生成物を他の反応性
官能基をもたないα,β−不飽和化合物と共重合させる
ことによっても得ることができる。この反応性官能基を
もたないα,β−不飽和化合物としては、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリロニト
リルなどを挙げることができる。
チオール基2個以上、好ましくは2〜50個、より好ま
しくは2〜20個を有する化合物と前記一般式[5]で
表される化合物との反応は、通常酸性触媒の存在下、室
温ないし100℃の範囲の温度において行われる。本発
明組成物においては、この(A)成分の化合物は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
用いられる化合物としては、前記(A)成分の化合物に
おける一般式[1]で表される官能基が加熱により遊離
ヒドロキシル基又はチオール基に再生した際、これと反
応して化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上、好
ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分
子中に有するものが使用される。該反応性官能基につい
ては前記性質を有するものであればよく、特に制限はな
いが、例えばエポキシ基、カルボキシル基、酸無水基、
シラノール基、アルコキシシラン基、イソシアネート
基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート
基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アクリ
ロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アミノメチ
ロール基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール
基、ケタール基などが好ましく挙げられる。これらの反
応性官能基は1種含まれていてもよいし、2種以上が含
まれていてもよい。
しては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなど
の単独重合体又は共重合体、ポリオール又は多価カルボ
ン酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリ
グリシジルエーテル化合物及びポリグリシジルエステル
化合物などのエポキシ基含有化合物;脂肪族多価カルボ
ン酸類、芳香族多価カルボン酸類、脂環式多価カルボン
酸類、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
などの単独重合体又は共重合体、1分子中にカルボキシ
ル基2個以上を含有するポリエステル樹脂、マレイン化
ポリブタジエン樹脂などの多価カルボキシル基含有化合
物;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不
飽和酸無水物の単独重合体又は共重合体などの多価酸無
水基含有化合物;一般式 (R16)n−Si(OR17)4-n …[6] (式中のR16及びR17は、それぞれ炭素数1〜18のア
ルキル基又はアリール基、nは0、1又は2である)で
表される化合物の縮合体、アクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリ
−n−ブトキシシランなどのα,β−不飽和シラン化合
物の単独重合体又は共重合体、及びこれらの化合物の加
水分解生成物などのシラノール基やアルコキシシラン基
含有化合物;p−フェニレンジイソシアネート、ビフェ
ニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネ
ート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フ
ェニルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソ
シアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレー
ト、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
ルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,
6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュ
レット体やイソシアヌレート体、さらにはこれらのジイ
ソシアネート類と前記多価ヒドロキシル基含有化合物と
のアダクト化合物などのイソシアネート基含有化合物;
前記イソシアネート基含有化合物のフェノール類、ラク
タム類、活性メチレン類、アルコール類、酸アミド類、
イミド類、アミン類、イミダゾール類、尿素類、イミン
類、オキシム類によるブロック体などのブロック化イソ
シアネート基含有化合物;3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピレンカーボネートの単独重合体又は共重合
体、前記エポキシ基含有化合物と二酸化炭素との反応に
より得られる多価シクロカーボネート基含有化合物など
のシクロカーボネート基含有化合物;前記多価ヒドロキ
シル基含有化合物あるいは前述多価カルボキシル基含有
化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテル類との反応
によって得られる多価ビニルエーテル基含有化合物、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル類と多価カルボキシル
基含有化合物や前記ポリイソシアネート化合物との反応
により得られる多価ビニルエーテル化合物、ビニルオキ
シアルキル(メタ)アクリレート類とα,β−不飽和化
合物との共重合体などの多価ビニルエーテル基含有化合
物、及びこれらに対応する多価ビニルチオエーテル基含
有化合物などの多価ビニルエーテル基含有化合物や多価
ビニルチオエーテル基含有化合物;エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、アセタールグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンとの付加
物のヘキサ(メタ)アクリレートなどの多価(メタ)ア
クリロイルオキシ基含有化合物;メラミンホルムアルデ
ヒド樹脂、グリコルリルホルムアルデヒド樹脂、尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、アミノメチロール基やアルキル化
アミノメチロール基含有α,β−不飽和化合物の単独重
合体又は共重合体などのアミノメチロール基やアルキル
化アミノメチロール基含有化合物;多価ケトン、多価ア
ルデヒド化合物、前記多価ビニルエーテル基含有化合物
などとアルコール類やオルソ酸エステル類との反応によ
って得られる多価アセタール化合物又はケタール化合
物、さらには前記ビニルオキシアルキル(メタ)アクリ
レートとアルコール類やオルソ酸エステルとの付加物の
単独重合体又は共重合体などのアセタール基やケタール
基含有化合物などが挙げられる。
合物として、1種の反応性官能基を有する前記化合物の
他に、反応性官能基2種以上を有する化合物を用いても
よいし、また該(B)成分は2種以上を組み合わせて用
いてもよい。本発明組成物は、前記(A)成分の化合物
と(B)成分の化合物とを含有するものであってもよい
し、(D)1分子中に、(イ)一般式
及びZ2は前記と同じ意味をもつ)で表される官能基1
個以上、好ましくは1〜50個、より好ましくは1〜2
0個と、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を形成し
うる反応性官能基1個以上、好ましくは1〜50個、よ
り好ましくは1〜20個とを有する自己架橋型化合物を
含有するものであってもよく、さらに、この(D)成分
の化合物と前記(A)成分の化合物及び/又は(B)成
分の化合物とを含有するものであってもよい。
式[2]で表される官能基としては、前記(A)成分に
おける官能基、すなわち一般式[1]で表される官能基
の説明において例示したものと同じものを挙げることが
できる。また、(ロ)反応性官能基としては、前記
(B)成分の化合物における反応性官能基として例示し
たものと同じものを挙げることができる。
ドロキシル基及び/又はチオール基1個以上、好ましく
は1〜50個、より好ましくは1〜20個と該反応性官
能基1個以上、好ましくは1〜50個、より好ましくは
1〜20個とを有する化合物を出発原料とし、前記
(A)成分の化合物の製法で説明したのと同様な方法で
製造することができるし、あるいは前記一般式[2]で
表される官能基を有するα,β−不飽和化合物と前記の
反応性官能基を有するα,β−不飽和化合物とを共重合
させることによっても製造することができる。また、該
(D)成分の化合物は、前記一般式[2]で表される官
能基とともに、該反応性官能基を2種以上含有するもの
であってもよい。
一般式[1]及び[2]で表される官能基は加熱下にお
いて遊離ヒドロキシル基を再生し、(B)成分、(D)
成分の反応性官能基と化学結合を形成するものである
が、これら反応の他に、同官能基の高い分極構造に基づ
き、(B)成分、(D)成分の反応性官能基に直接、付
加反応を起こし得る。この際には、架橋反応時に脱離反
応を伴わないため揮発性有機物質の排出低減にも貢献す
ることができる。
(A)成分及び/又は(B)成分、あるいは(D)成分
及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)
成分の中から選ばれた少なくとも1つがα,β−不飽和
化合物の重合体又はポリエステル樹脂であることが好ま
しく、また、該組成物中のブロック化官能基と、これと
加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基とが当量
比0.2:1.0ないし1.0:0.2の割合になるように
各成分を含有させることが望ましい。
組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低
温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進し、硬化物
に良好な化学性能及び物理性能を付与する目的で、
(C)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触
媒を含有させる必要がある。この熱潜在性酸触媒は、6
0℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が望
ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温度で酸触
媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘した
り、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来するおそ
れがある。
プロトン酸を塩基で中和した化合物、ルイス酸を塩基で
中和した化合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステ
ル類及びオニウム化合物類が好ましく挙げられる。該プ
ロトン酸を塩基で中和した化合物としては、例えばハロ
ゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル
類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル
類、ホウ酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、
モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペ
リジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミ
ン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンなどの各種アミン
で中和した化合物、トリアルキルホスフィン、トリアリ
ールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリ
ールホスファイトで中和した化合物、さらには、酸−塩
基ブロック化触媒として市販されているネイキュア25
00X、X−47−110、3525、5225(商品
名、キングインダストリー社製)などが挙げられる。
しては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、AlC
l3、ZnCl2などのルイス酸を前記の塩基で中和した
化合物が挙げられる。該スルホン酸エステル類として
は、例えば一般式
基、ナフチル基、置換ナフチル基又はアルキル基、R19
は一級炭素又は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と
結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽
和若しくは不飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシク
ロアルキル基である)で表される化合物、具体的にはメ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類
と、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノ
ール、n−オクタノールなどの第一級アルコール類又は
イソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノー
ル、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの第二
級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホ
ン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られ
るβ−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが
挙げられる。該リン酸エステル類としては、例えば一般
式
基、シクロアルキル基又はアリール基、mは1又は2で
ある)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、
n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといっ
た第一級アルコール類、及びイソプロパノール、2−ブ
タノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シク
ロヘキサノールといった第二級アルコール類のリン酸モ
ノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられ
る。
般式 [R21 3NR22]+X- …[9] [R21 3PR22]+X- …[10] [R21 2OR22]+X- …[11] 及び [R21 2SR22]+X- …[12] (式中のR21は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基又
はシクロアルキル基であって、2個のR21はたがいに結
合してN、P、O又はSをヘテロ原子とする複素環を形
成していてもよく、R22は水素原子、炭素数1〜12の
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール
基、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -又はBF4 -であ
る)で表される化合物などが挙げられる。
熱潜在性酸触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよく、またその配合量は(A)成分と
(B)成分、あるいは(D)成分と場合により用いられ
る(A)成分及び/又は(B)成分との総固形分量10
0重量部当たり、通常0.01〜10重量部の範囲で選
ばれる。
度及び時間については、前記一般式[1]又は[2]で
表されるブロック化官能基から、遊離ヒドロキシル基や
チオール基を再生する温度、反応性官能基の種類、熱潜
在性酸触媒の種類などにより異なるが、通常50〜20
0℃の範囲の温度で、2分ないし10時間程度加熱する
ことにより、硬化が完了する。本発明の熱硬化性組成物
はそのままで、あるいは必要に応じ、着色顔料、フィラ
ー、溶剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを
配合して、塗料、インク、接着剤、成形品などに用いる
ことができる。
もに、潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化
合物及びその製造方法を提供するものであり、該潜在化
ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物は、1分
子当たりヒドロキシル基又はチオール基2個以上、好ま
しくは2〜50個より、好ましくは2〜20個を有し、
かつヒドロキシル当量又はチオール当量1000g/mo
l以下及び数平均分子量4000以下、好ましくは20
00以下のポリオール化合物又はポリチオール化合物
と、一般式
は前記と同じ意味をもつ)で表されるビニルエーテル化
合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子又
はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をも
つ複素環式化合物などの環状ビニルエーテル化合物と
を、酸性触媒の存在下、好ましくは室温ないし100℃
の温度で付加させ、該ヒドロキシル基又はチオール基
を、一般式
Y3及びY4は前記と同じ意味をもつ)で表されるブロッ
ク化官能基に変性させることにより、容易に製造するこ
とができる。前記潜在化ヒドロキシル化合物又は潜在化
チオール化合物の原料となるポリオール化合物又はポリ
チオール化合物において、ヒドロキシル基又はチオール
基の数が1分子当たり2個未満の場合やヒドロキシル当
量又はチオール当量が1000g/molを超える場合
は、最終目的の熱硬化性組成物が硬化不十分となるおそ
れがあるし、数平均分子量が4000を超える場合は、
該熱硬化性組成物が高粘度となり、作業性が低下する傾
向がみられる。
合物としては前記熱硬化性組成物における(A)成分の
説明において例示した化合物を挙げることができる。ま
た、前記一般式[13]で表されるビニルエーテル化合
物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子又は
イオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ
複素環式化合物などの環状ビニルエーテル化合物として
は、前記熱硬化性組成物において、(A)成分の製造に
用いられる一般式[5]で表される化合物の説明で例示
したものを挙げることができる。該潜在化ヒドロキシル
化合物又は潜在化チオール化合物は、本発明の熱硬化性
組成物における前記(A)成分として好適に用いられ
る。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、塗膜性能は次のようにして求
めた。 (1)耐酸性−1 40wt%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、20
℃で8時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定した。 (2)耐酸性−2 40wt%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、40
℃で30分間加熱後、塗膜の異常を目視にて判定した。 (3)耐酸性−3 試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、40℃で24時間
保ったのち、塗膜の異常を目視にて判定した。
13.3 B法]を用い、半径6.35mmの撃ち型に試験
片をはさみ、500gのおもりを40cmの高さから落下
させた際の塗膜の損傷を目視にて判定した。 (5)耐候性 サンシャインウェザーメーター(JIS B-7753)
を用いて1000時間又は3000時間曝露後、塗膜の
60度鏡面光沢度値[JIS K-5400(1979)
6.7 60度鏡面光沢度]を測定し、塗膜の異常を目
視にて判定又は未曝露時の光沢度値と比較した。 (6)ヌープ硬度 (株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定し
た。数値の大きいほど硬いことを示す。
A−3の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコにそれぞれ第1表の組成の混合物を仕込
み、35℃を保ちながら第1表のビニルエーテル化合物
を滴下ロートより1.5時間かけて等速滴下した。滴下
終了後、35℃の温度で4時間撹拌し、それぞれ炭酸水
素ナトリウム21gを加えたのち、さらに35℃で5時
間反応させた。その後、炭酸水素ナトリウムをろ過し、
それぞれ過剰のビニルエーテルを減圧下で留去すること
によって第1表に示す収率で化合物A−1〜A−3を得
た。
ンポリオール、不揮発分100wt%、水酸基価307 2)商品名:キング社製ポリエステルジオール、不揮発
分96wt%、水酸基価235 3)淀化学(株)製、純度91%、メルカプタン当量11
9 4)収率は未反応ビニルエーテルのガスクロマトグラフ
ィー分析値より求めた。
A−6の製造 (1)α,β−不飽和化合物の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコにそれぞれ2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート911.0重量部及び35wt%塩酸1.8重量部を仕
込み、撹拌しながら加熱し35℃を保った。次に、製造
例4では3,4−ジヒドロ−2H−ピラン618.2重量
部、製造例5ではエチルビニルエーテル529.9重量
部及び製造例6ではブチルビニルエーテル736.5重
量部を滴下ロートより1.5時間かけて等速滴下した。
滴下終了後、35℃の温度で4時間撹拌し、それぞれ炭
酸水素ナトリウム21重量部を加えたのち、さらに5時
間反応させた。反応終了後、製造例1〜3と同じ後処理
を行うことによって、それぞれ以下の収率でα,β−不
飽和化合物を得た。 A−4(a):92.3% A−5(a):93.3% A−6(a):91.8%
口フラスコに、それぞれ第2表記載の初期仕込み溶剤
(キシレン)を仕込み、撹拌下で加熱し80℃を保っ
た。次に80℃の温度で、単量体及び重合開始剤混合物
(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下し
た。滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、重合開始
剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4
時間保ったところで反応を終了し、それぞれ第2表記載
の特性を有する化合物A−4〜A−6を得た。
〜B−5の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(酢酸n−ブ
チル)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し100
℃を保った。次に100℃の温度で第3表記載の単量体
及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下
ロートより等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度
を1時間保ち、重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、
さらに100℃の温度を2時間保ったところで反応を終
了し、それぞれ第3表記載の特性を有する化合物B−1
〜B−5を得た。
キシシラン MAGME:MAGME100、三井サイアナミド(株)
製、メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテル IEM:イソシアネートエチルメタクリレートGMA:
グリシジルメタクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート AIBN:2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 2)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 ガードナー粘度(25℃):JIS K-5400(19
79)4.2.2あわ粘度計による
造 温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコ
に下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し100℃を保っ
た。経時的にフラスコ内混合物の酸価を測定し、酸価が
2以下になったところで反応を終了し、不揮発分50.
8wt%、ガードナー粘度(25℃)Y−Zの特性を有す
る化合物B−6を得た。 製造例11の化合物B−5 100.0重量部 アクリル酸 7.2重量部 ハイドロキノン 0.1重量部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.1重量部 キシレン 7.0重量部
造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコにオルソギ酸メチル206.0重量部及び
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル0.3重量部を仕込
み、撹拌下で氷冷しフラスコ内混合物を0〜5℃に保っ
た。次に5℃以下の温度でブチルビニルエーテル87.
7重量部を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
滴下終了後、5℃以下の温度を1時間保ち、ナトリウム
メチラートの30wt%メタノール溶液0.4重量部を添
加して反応を終了した。得られた生成物は、75〜80
℃(4mmHg)で蒸留することによって、有効分98wt%
のアセタール化物を得た。次に、温度計、ディーンスタ
ークトラップを挿入した還流冷却器、撹拌機、滴下ロー
トを備えた4つ口フラスコに、得られた精製アセタール
化物618重量部、トリメチロールプロパン134重量
部及びp−トルエンスルホン酸4重量部を仕込み、撹拌
下で加熱し90℃を保った。反応の進行とともに脱メタ
ノール反応が生じ、96重量部のメタノールが回収され
たところで反応を終了し、不揮発分98wt%、ガードナ
ー粘度X−Yの特性を有する化合物B−7を得た。
1〜D−3の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、それぞれ第4表記載の初期仕込み溶剤
(酢酸n−ブチル)を仕込み、撹拌下で加熱し80℃を
保った。次に80℃の温度で、単量体及び重合開始剤混
合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴
下した。滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、重合
開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度
を4時間保ったところで反応を終了し、それぞれ第4表
記載の特性を有する化合物D−1〜D−3を得た。
の製造 撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管を装備した4つ
口フラスコに2−プロパノール315重量部を入れて氷
冷し、そこへカリウム−t−ブトキシド44.9重量部
を加えて溶解したのち、ジエチルエーテル300重量部
に溶かした塩化p−トルエンスルホニル53.4重量部
を30分間かけて滴下した。滴下後1時間で氷浴をはず
し、さらに1時間反応させた。反応終了後、反応混合物
を水300重量部で3回洗浄したのち、モレキュラーシ
ーブ4A1/16[和光純薬(株)製]を加え脱水乾燥処
理を施し、溶媒をエバポレーターにて留去することによ
りp−トルエンスルホン酸(1−メチルエチル)40重
量部(収率67%)を得た。得られた熱潜在性酸触媒は
キシレン238重量部にて溶解しp−トルエンスルホン
酸換算で10重量%に希釈した。
ールの代わりに2−オクタノールを用い、製造例19に
ついては製造例17における塩化p−トルエンスルホニ
ルの代わりに塩化ドデシルベンゼンスルホニルを用いた
以外は、製造例17と同様な操作を行うことによって、
製造例18ではp−トルエンスルホン酸(1−メチルヘ
プチル)を収率72%で、また製造例19ではドデシル
ベンゼンスルホン酸(1−メチルエチル)を収率83%
で得た。得られた熱潜在性酸触媒は、製造例17と同様
にそれぞれp−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸換算で10重量%となるようにキシレンに
て希釈した。
合物の製造 製造例20 ポリオール化合物Aの製造 温度計、ディーンスタークトラップを装着した還流冷
却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、シリコーンK
R−213[信越化学工業(株)製、メトキシシリコーン
化合物、メトキシ基当量160]480.0重量部、ネ
オペンチルグリコール312.0重量部、p−トルエン
スルホン酸0.8重量部を仕込み、撹拌しながら加熱し
160℃の温度を保った。反応開始後、140℃以上の
温度で脱メタノール反応が進行し、96重量部のメタノ
ールが得られるまで反応を継続することにより、不揮発
分95wt%、水酸基価242のポリオール化合物Aを得
た。
8.0重量部、3,4−ジヒドロ−2H−イル−メチル−
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシレー
ト224重量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸0.
4重量部を室温で24時間撹拌することにより、不揮発
分96wt%、水酸基価456のポリオール化合物Bを得
た。
口フラスコに、それぞれ第5表の組成の混合物を仕込
み、35℃を保ちながら第5表のビニルエーテル化合物
を滴下ロートより、1.5時間かけて等速滴下した。滴
下終了後、35℃の温度で4時間撹拌し、それぞれ炭酸
水素ナトリウム6重量部を加えたのち、さらに35℃で
5時間反応させた。その後、炭酸水素ナトリウムをろ過
し、それぞれ過剰のビニルエーテルを減圧下で留去する
ことによって、第5表に示す収率で潜在化ヒドロキシル
化合物[1]〜[5]及び潜在化チオール化合物[6]
を得た。
ンポリオール、不揮発分100wt%、水酸基価579 2)商品名:キング社製ポリエステルジオール、不揮発
分96wt% 水酸基価235 3)商品名:キング社製ウレタンジオール、不揮発分9
7.5wt%、水酸基価350 4)製造例20で製造したもの 5)製造例21で製造したもの 6)淀化学(株)製、純度91%、チオール当量119 7)収率は未反応ビニルエーテルのガスクロマトグラフ
ィー分析値より求めた。
口フラスコにそれぞれ2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート911.0重量部及び35wt%塩酸1.8重量部を仕
込み、撹拌しながら加熱し35℃を保った。次に実施例
7では3,4−ジヒドロ−2H−ピラン618.2重量
部、実施例8ではエチルビニルエーテル529.9重量
部を滴下ロートより1.5時間かけて等速滴下した。滴
下終了後、35℃の温度で4時間撹拌し、それぞれ炭酸
水素ナトリウム21重量部を加えたのち、さらに5時間
反応させた。反応終了後、炭酸水素ナトリウムをろ過
し、それぞれ過剰のビニルエーテルを減圧下で留去する
ことによって、以下の収率でα,β−不飽和化合物を得
た。 実施例7(1):92.3wt% 実施例8(1):93.3wt%
口フラスコに、それぞれ第6表記載の初期仕込み溶剤
(キシレン)を仕込み、撹拌下で加熱し100℃を保っ
た。次に100℃の温度で、単量体及び重合開始剤混合
物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下
した。滴下終了後、100℃の温度を30分間保ち、重
合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに100℃の
温度を2時間保ったところで反応を終了することによっ
て、潜在化ヒドロキシル化合物溶液[7]及び[8]を
得た。実施例1〜8を第7表に記す。
1mmHgで3時間乾燥
つ口フラスコにキシレン200重量部を仕込み、撹拌下
で加熱し80℃を保った。次に80℃の温度で、下記成
分を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終
了後、80℃の温度を1時間保ち、酢酸n−ブチル5
7.0重量部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
3.0重量部を添加し、さらに80℃の温度を4時間保
つことによって、不揮発分50.3wt%、ガードナー粘
度(25℃)V−Wの化合物A−7を得た。 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 130.0重
量部 n−ブチルメタクリレート 100.0重
量部 メチルメタクリレート 175.1重
量部 2−エチルヘキシルアクリレート 94.9重
量部 酢酸n−ブチル 217.5重
量部 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 22.5重
量部
施例10では化合物A−2、実施例11及び12では化
合物A−3、実施例13ではKR−214、実施例14
ではサイメル303、実施例15では化合物B−7、実
施例16ではコロネートEH、実施例19ではデナコー
ルEX−421を除いた混合物を、また実施例17及び
18では全原料をサンドミルに仕込み、粒度が10μm
以下になるまで分散した。その後、実施例17及び18
ではそのまま、また実施例9〜16及び実施例19では
顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、一液型
塗料とした。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢
酸n−ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフ
ィールド型粘度計の20℃での測定値)に希釈したの
ち、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、
再び粘度測定したところ、それぞれ第9表に示すよう
に、ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性
を示した。
ーンワニス、水酸基当量490、不揮発分70wt% 2)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)製
メチル化メラミン樹脂、不揮発分98wt% 3)コロネートEH:商品名、日本ポリウレタン工業
(株)製ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、イソシ
アネート含有量21wt% 4)デナコールEX421:商品名、ナガセ化学工業
(株)製ポリエポキシ化合物、エポキシ当量155 5)二酸化チタンJR602:商品名、帝国化工(株)製
ルチル型二酸化チタン 6)モダフロー:商品名、モンサント社製レベリング剤 7)10%PTSA:p−トルエンスルホン酸の10wt
%イソプロピルアルコール溶液 8)10%ピリジン:ピリジンの10wt%キシレン溶液
4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20μ
mとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付
け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラー
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付
けることにより試験板を作成した。次いで、前記(1)
の生塗料をそれぞれシンナー(キシレン/酢酸n−ブチ
ル=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.
4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した
試験板にエアスプレーにて塗装し、第9表記載の条件で
焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を第9表に示す
が、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、優
れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
ーター(JIS B-7753)を用いて1000時間曝
露後、塗膜の60度鏡面光沢度値[JIS K-5400
(1979)6.7 60度鏡面光沢度]を測定し、未曝
露時の光沢度と比較。
トールテトラキス(チオグリコレート)、比較例2では
コロネートEHを除いて、実施例9〜19と同様にして
顔料分散後、塗料化した。
て貯蔵安定性試験を行ったところ、比較例1ではチオー
ル基とエポキシ基の架橋反応において、両官能基ともな
んらブロックされていないため、また比較例2では水酸
基とイソシアネート基の架橋反応において、両官能基と
もなんらブロックされていないため、いずれの場合も経
時的に著しく粘度増加し、最終的には前者は5日、後者
では3日でゲル化した。
用 実施例20〜23 (1)クリヤー塗料の製造 第11表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー塗料と
した。得られた各塗料は、実施例9〜19と同様にして
貯蔵安定性試験を行ったところ、第12表に示すよう
に、いずれの場合もほとんど粘度増加が認められず、優
れた貯蔵安定性を示した。
した。次いで、実施例9〜19と同様の方法で作成した
試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタリッ
クベースコート塗料[商品名、日本油脂(株)製]をエア
スプレーにてインターバル1分30秒、2ステージで乾
燥膜厚15μmになるように塗装し、20℃で3分間セ
ット後、前記の各希釈クリヤー塗料をエアスプレー塗装
し第12表記載の条件で焼き付けて試験片を作成した。
塗膜性能を第12表に示すが、いずれの場合も均一でツ
ヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候
性、硬度を示した。
(JIS B-7753)を用いて3000時間曝露後、
塗膜の状態を目視判定した。
例9〜19と同様にして貯蔵安定性試験を行ったとこ
ろ、水酸基とイソシアネート基の架橋反応において、両
者の官能基ともなんらブロックされていないため、経時
的に著しく粘度増加し最終的には3日後にゲル化した。 化合物A−7 100.0重量部 コロネートEH 20.0重量部 モダフロー 0.1重量部 キシレン 5.0重量部 酢酸n−ブチル 1.0重量部
1、実施例25では化合物A−2、実施例26及び27
では化合物A−3、実施例28ではKR−214、実施
例29ではサイメル303、実施例30では化合物B−
7、実施例31ではコロネートEH、実施例34ではデ
ナコールEX−421を除いた混合物を、また実施例3
2及び33では全原料をサンドミルに仕込み、粒度が1
0μm以下になるまで分散した。その後、実施例32及
び33ではそのまま、また実施例24〜31及び実施例
34では顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合
し、一液型塗料とした。得られた各塗料はシンナー(キ
シレン/酢酸n−ブチル=8/2重量比)で1ポイズ
(ブルックフィールド型粘度計の20℃での測定値)に
希釈したのち、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日
間貯蔵後、再び粘度測定したところ、それぞれ第14表
に示すように、ほとんど粘度増加が認められず、優れた
貯蔵安定性を示した。
t1203の略称、イムペックスケミカルス(株)製非イ
オン性熱潜在性酸触媒、不揮発分50wt% 10)酸触媒A:製造例17のp−トルエンスルホン酸
(1−メチルエチル)のキシレン溶液 11)酸触媒B:製造例18のp−トルエンスルホン酸
(1−メチルヘプチル)のキシレン溶液 12)酸触媒C:製造例19のドデシルベンゼンスルホ
ン酸(1−メチルエチル)のキシレン溶液 13)酸触媒D:リン酸ジ2−エチルヘキシル[和光純
薬(株)製]の10wt%メチルエチルケトン溶液
4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20μ
mとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付
け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラー
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付
けることにより試験板を作成した。次いで、前記(1)
の生塗料をそれぞれシンナー(キシレン/酢酸n−ブチ
ル=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.
4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した
試験板にエアスプレーにて塗装し、第14表記載の条件
で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を第14表に
示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
トールテトラキス(チオグリコレート)、比較例5及び
6ではコロネートEHを除いて実施例24〜34と同様
にして顔料分散後、塗料化した。
性試験を行ったところ、比較例4ではチオール基とエポ
キシ基の架橋反応において、両官能基ともなんらブロッ
クされていないため、また比較例5では水酸基とイソシ
アネート基の架橋反応において両官能基ともなんらブロ
ックされていないため、いずれの場合も経時的に著しく
粘度増加し、最終的には前者は5日、後者は3日でゲル
化した。また、得られた塗料を用いて、実施例24〜3
4と同様にして試験片を作成したところ、第16表に示
すように比較例6では、熱潜在性酸触媒を用いていない
ため、実施例23と比較し120℃硬化時の塗膜性能に
劣った。
注1)と同じ)
用 実施例35〜41 (1)クリヤー塗料の製造 第17表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー塗料と
した。得られた各塗料は、実施例24〜34と同様にし
て貯蔵安定性試験を行ったところ、第18表に示すよう
に、いずれの場合もほとんど粘度増加が認められず、優
れた貯蔵安定性を示した。
釈した。次いで、実施例24〜34と同様の方法で作成
した試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタ
リックベースコート塗料[商品名、日本油脂(株)製]を
エアスプレーにてインターバル1分30秒、2ステージ
で乾燥膜厚15μmになるように塗装し、20℃で3分
間セット後、前記の各希釈クリヤー塗料をエアスプレー
塗装し、第18表記載の条件で焼き付けて試験片を作成
した。塗膜性能を第18表に示すが、いずれの場合も均
一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃
性、耐候性、硬度を示した。
ルスルホキシドにて10重量%に希釈した溶液 5)酸触媒F:3−メチル−2−ブチニルテトラメチレ
ンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの50重
量%ジクロロエタン溶液 6)酸触媒G:4−メトキシベンジルピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネートの20重量%アセトン溶液
し、実施例24〜34と同様にして貯蔵安定性試験を行
ったところ、比較例7では水酸基とイソシアネート基の
架橋反応において、両者の官能基ともなんらブロックさ
れていないため、経時的に著しく粘度増加し最終的には
3日後にゲル化した。また、得られた塗料を用いて、実
施例35〜41と同様にして試験片を作成したところ、
第20表に示すように、比較例8では熱潜在性酸触媒を
用いていないため、実施例36と比較し120℃硬化時
の塗膜性能に劣った。
脚注1)と同じ
用 実施例42〜50 (1)クリヤー塗料の製造 第21表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー塗料と
した。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢酸n−
ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィール
ド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したのち、
50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、再び
粘度測定したところ、それぞれ第22表に示すように、
ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性を示
した。
4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20μ
mとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付
け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラー
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付
けることにより試験板を作成した。次いで、ベルコート
No.6000シルバーメタリックベースコート塗料
[商品名、日本油脂(株)製]をエアスプレーにてインタ
ーバル1分30秒、2ステージで乾燥膜厚15μmにな
るように塗装し、20℃で3分間セット後、前記(1)
のクリヤー塗料を塗装粘度(フォードカップNo.4、
20℃で25秒)に希釈した各塗料をエアスプレー塗装
し、第22表記載の条件で焼き付けて試験片を作成し
た。塗膜性能を第22表に示すが、いずれの場合も均一
でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、
耐候性、硬度を示した。
いてクリヤー塗料を作成し、実施例42〜50と同様に
して貯蔵安定性試験を行ったところ、比較例9は実施例
45に比べ潜在化ヒドロキシル化合物を用いていないた
め、また比較例10は実施例47に比べ潜在化チオール
化合物を用いていないため、前者は3日、後者は5日後
にゲル化した。
用 実施例51〜53 (1)クリヤー塗料の製造 第24表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー塗料と
した。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢酸n−
ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィール
ド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したのち、
50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、再び
粘度測定したところ、それぞれ第25表に示すように、
ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性を示
した。
施した試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメ
タリックベースコート塗料[商品名、日本油脂(株)製]
をエアスプレーにてインターバル1分30秒、2ステー
ジで乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、20℃で3
分間セット後、前記(1)のクリヤー塗料を塗装粘度
(フォードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈し
た各塗料をエアスプレー塗装し、第25表記載の条件で
焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を第25表に示
すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、
優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
物理性能及び耐候性に優れる硬化物を与えるとともに、
貯蔵安定性にも優れており、例えば塗料、インク、接着
剤、成形品などに好適に用いられる。また、本発明の潜
在化ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物は、
比較的低い焼付温度で前記の優れた性能を有する硬化物
を与える一液型として利用可能な熱硬化性組成物を提供
するのに好適に用いられるとともに、本発明方法により
効率的に製造することができる。
Claims (14)
- 【請求項1】 (A)1分子中に、一般式 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜18のアルキレン基、アリー
レン基又はアルカリーレン基、R2、R3及びR4はそ
れぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリー
ル基又はアルカリール基、R5は炭素数1〜18のアル
キル基、アリール基又はアルカリール基であって、R3
とR5もしくはR4とR5はたがいに結合してY2をヘ
テロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1及び
Y2はそれぞれ酸素原子又はイオウ原子である)で表さ
れる官能基2個以上を有する化合物、(B)1分子中
に、前記官能基と加熱により化学結合を形成しうる反応
性官能基2個以上を有する化合物、及び(C)加熱硬化
時に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分として含有し
て成る熱硬化性組成物。 - 【請求項2】 (B)成分の反応性官能基がエポキシ
基、カルボキシル基、酸無水基、シラノール基、アルコ
キシシラン基、イソシアネート基、ブロック化イソシア
ネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、
ビニルチオエーテル基、アクリロイルオキシ基、メタク
リロイルオキシ基、アミノメチロール基、アルキル化ア
ミノメチロール基、アセタール基及びケタール基の中か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の熱硬化
性組成物。 - 【請求項3】 (C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン
酸又はルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス
酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エ
ステル類、リン酸エステル類及びオニウム化合物の中か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載の
熱硬化性組成物。 - 【請求項4】 (A)成分及び/又は(B)成分がα,
β−不飽和化合物の重合体である請求項1、2又は3記
載の熱硬化性組成物。 - 【請求項5】 (A)成分及び/又は(B)成分がポリ
エステル樹脂である請求項1、2又は3記載の熱硬化性
組成物。 - 【請求項6】 (D)1分子中に、(イ)一般式 【化2】 (式中のR6は炭素数1〜18のアルキレン基、アリー
レン基又はアルカリーレン基、R7、R8及びR9はそ
れぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリー
ル基又はアルカリール基、R10は炭素数1〜18のア
ルキル基、アリール基又はアルカリール基であって、R
8とR10もしくはR9とR10はたがいに結合してを
ヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Z1及
びZ2はそれぞれ酸素原子又はイオウ原子である)で表
される官能基1個以上と、(ロ)該官能基と加熱により
化学結合を形成しうる反応性官能基1個以上とを有する
自己架橋型化合物、及び(C)加熱硬化時に活性を示す
熱潜在性酸触媒を必須成分とし、さらに場合により
(A)1分子中に、一般式 【化3】 (式中のR1は炭素数1〜18のアルキレン基、アリー
レン基又はアルカリーレン基、R2、R3及びR4はそ
れぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリー
ル基又はアルカリール基、R5は炭素数1〜18のアル
キル基、アリール基又はアルカリール基であって、R3
とR5もしくはR4とR5はたがいに結合してY2をヘ
テロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1及び
Y2はそれぞれ酸素原子又はイオウ原子である)で表さ
れる官能基2個以上を有する化合物、及び/又は(B)
1分子中に、前記一般式[2]で表される官能基又は前
記一般式[1]で表される官能基あるいはその両方と加
熱により化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を
有する化合物を含有して成る熱硬化性組成物。 - 【請求項7】 (D)成分及び場合により用いられる
(B)成分の反応性官能基がエポキシ基、カルボキシル
基、酸無水基、シラノール基、アルコキシシラン基、イ
ソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロ
カーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテ
ル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール
基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少な
くとも1種である請求項6記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項8】 (C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン
酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ル
イス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン
酸エステル類、リン酸エステル類及びオニウム化合物の
中から選ばれた少なくとも1種である請求項6又は7記
載の熱硬化性組成物。 - 【請求項9】 (D)成分及び場合により用いられる
(A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少な
くとも1種が、α,β−不飽和化合物の重合体である請
求項6、7又は8記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項10】 (D)成分及び場合により用いられる
(A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少な
くとも1種がポリエステル樹脂である請求項6、7又は
8記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項11】 1分子当たりヒドロキシル基又はチオ
ール基2個以上を有し、かつヒドロキシル当量又はチオ
ール当量1000g/mol以下及び数平均分子量40
00以下のポリオール化合物又はポリチオール化合物に
おいて、該ヒドロキシル基又はチオール基をビニルエー
テル化合物により、一般式 【化4】 (式中のR11は炭素数1〜18のアルキレン基、アリ
ーレン基又はアルカリー レン基、R12、R13及びR
14はそれぞれ水素原子、炭素数1〜18のアルキル
基、アリール基又はアルカリール基、R15は炭素数1
〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリール基で
あって、R13とR15もしくはR14とR15はたが
いに結合してY4をヘテロ原子とする複素環を形成して
いてもよく、Y3及びY4はそれぞれ酸素原子又はイオ
ウ原子である)で表されるブロック化ヒドロキシル基又
はブロック化チオール基に変性させて成る潜在化ヒドロ
キシル化合物又は潜在化チオール化合物。 - 【請求項12】 ポリオール化合物又はポリチオール化
合物がポリエステル樹脂である請求項11記載の潜在化
ヒドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物。 - 【請求項13】 ポリオール化合物又はポリチオール化
合物がアクリル樹脂である請求項11記載の潜在化ヒド
ロキシル化合物又は潜在化チオール化合物。 - 【請求項14】 酸触媒の存在下、1分子当たりヒドロ
キシル基又はチオール基2個以上を有し、かつヒドロキ
シル当量又はチオール当量1000g/mol以下及び
数平均分子量4000以下のポリオール化合物又はポリ
チオール化合物をビニルエーテル化合物と反応させるこ
とを特徴する請求項11、12又は13記載の潜在化ヒ
ドロキシル化合物又は潜在化チオール化合物の製造方
法。
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