JP3055258B2 - (メタ)アクリル酸誘導体、その製造方法及び該誘導体を用いた熱硬化性組成物 - Google Patents

(メタ)アクリル酸誘導体、その製造方法及び該誘導体を用いた熱硬化性組成物

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JP3055258B2
JP3055258B2 JP3287131A JP28713191A JP3055258B2 JP 3055258 B2 JP3055258 B2 JP 3055258B2 JP 3287131 A JP3287131 A JP 3287131A JP 28713191 A JP28713191 A JP 28713191A JP 3055258 B2 JP3055258 B2 JP 3055258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な(メタ)アクリル
酸誘導体、その製造方法及び該誘導体を用いた熱硬化性
組成物に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明は、良好な貯蔵安定性を有するとともに、化学性能、
物理性能、特に耐傷付き性に優れる硬化物を与える熱硬
化性組成物、この組成物の原料となる新規な(メタ)ア
クリル酸誘導体及びこのものを製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボキシル基を有する化合物
と、該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成しう
る反応性官能基、例えばエポキシ基、シラノール基、ア
ルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ
基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、
シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオ
エーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメ
チロール基、アセタール基、ケタール基などを有する化
合物との組合せから成る熱硬化性組成物は公知である。
これら熱硬化性組成物は、得られる硬化物の化学性能、
物理性能、さらには耐候性などが優れていることから、
例えば塗料、インク、接着剤、あるいはプラスチック成
形品などの分野において広く利用されている。しかしな
がら、カルボキシル基と前記反応性官能基とは反応性が
高いため、カルボキシル基含有化合物と該反応性官能基
を含有する化合物とが共存する組成物においては、貯蔵
中にゲル化を起こしたり、可使時間が短くなるなどの問
題が生じることがあった。また、近年、消費者の高級化
指向に伴い、より優れた化学性能や物理性能が求められ
てきているが、塗料のような柔軟性と剛直性が同時に要
求される分野では、他の塗膜性能を低下させることな
く、高付加価値化を達成するのは極めて困難である。中
でも自動車業界においては、最近耐傷付き性に優れた塗
料の開発が強く望まれているが、種々研究されているも
のの実用化に至っていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な貯蔵
安定性を有するとともに、化学性能、物理性能、特に耐
傷付き性に優れる硬化物を与える熱硬化性組成物及びこ
の組成物に好適に用いられる新規な材料を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル
基が特定の化合物でブロックされた新規な(メタ)アク
リル酸誘導体は熱硬化性組成物用材料として極めて有用
であること、及びこのものを用いた熱硬化性組成物は良
好な貯蔵安定性を有するとともに、化学性能、物理性
能、特に耐傷付き性に優れる硬化物を与えることを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式
【0005】
【化6】
【0006】(式中のRは水素原子又はメチル基、Zは
炭素数2〜5の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、
1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜1
8のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R4
は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカ
リール基であって、R3とR4はたがいに結合してYをヘ
テロ原子とする複素環を形成していてもよく、Yは酸素
原子又はイオウ原子、nは1〜10の整数である)で表
される(メタ)アクリル酸誘導体、(A)(a)前記
(メタ)アクリル酸誘導体10〜100モル%と(b)
該(メタ)アクリル酸誘導体のブロック化カルボキシル
基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基をも
たないα,β−不飽和化合物90〜0モル%とから得ら
れた重合体、(B)1分子中に、該(A)成分重合体の
ブロック化カルボキシル基と加熱により化学結合を形成
しうる反応性官能基2個以上を優する化合物、及び場合
により用いられる(C)加熱時に活性を示す熱潜在性酸
触媒を含有して成る熱硬化性組成物、並びに(D)
(a)前記(メタ)アクリル酸誘導体10〜90モル%
と(b)該(メタ)アクリル酸誘導体のブロック化カル
ボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官
能基をもたないα,β−不飽和化合物0〜80モル%と
(c)該(メタ)アクリル酸誘導体のブロック化カルボ
キシル基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能
基を有するα,β−不飽和化合物10〜90モル%とか
ら得られた重合体、及び場合により用いられる(C)加
熱時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有して成る熱硬化
性組成物を提供するものである。本発明に従えば、前記
(メタ)アクリル酸誘導体は、一般式
【0007】
【化7】
【0008】(式中のR、Z及びnは前記と同じ意味を
もつ)で表されるカルボキシル基含有α,β−不飽和単
量体のカルボキシル基に、一般式
【0009】
【化8】
【0010】(式中のR1、R2、R3、R4及びYは前記
と同じ意味をもつ)で表される化合物を反応させて、該
カルボキシル基をブロックすることにより、製造するこ
とができる。以下、本発明を詳細に説明する本発明の
(メタ)アクリル酸誘導体は、一般式
【0011】
【化9】
【0012】(式中のR、Z、R1、R2、R3、R4、Y
及びnは前記と同じ意味をもつ)で表されるカルボキシ
ル基がブロックされた構造を有するものであって、一般
【0013】
【化10】
【0014】(式中のR、Z及びnは前記と同じ意味を
もつ)で表されるカルボキシル基含有α,β−不飽和単
量体のカルボキシル基に、一般式
【0015】
【化11】
【0016】(式中のR1、R2、R3、R4、及びYは前
記と同じ意味をもつ)で表される化合物、すなわちビニ
ルエーテル化合物、ビニルチオエーテル化合物、あるい
は酸素原子又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型
二重結合をもつ複素環式化合物を、酸性触媒の存在下で
室温ないし100℃の範囲の温度で反応させて、該カル
ボキシル基をブロックすることにより得られる。
【0017】前記一般式[2]で表されるカルボキシル
基含有α,β−不飽和単量体は、Rが水素原子又はメチ
ル基、Zが炭素数2〜5の直鎖状又は分枝状のアルキレ
ン基、nが1〜10の整数であって、単一化合物として
用いてもよいし、nが異なる化合物の混合体として用い
てもよい。このようなカルボキシル基含有α,β−不飽
和単量体は、例えばアクリル酸又はメタクリル酸を多量
体化反応することによって、前記一般式[2]における
Zがエチレン基又は2,3−プロピレン基、nが1〜1
0の混合物として得られるので、この混合物をそのまま
で、あるいは蒸留又はクロマトグラフィー処理により単
一化合物として用いることができる。また、アクリル酸
又はメタクリル酸とポリカプロラクトンとを付加反応す
ることによって、前記一般式[2]におけるZがペンタ
メチレン基、nが1〜10の混合物として得られるの
で、この混合物をそのままで、あるいは蒸留又はクロマ
トグラフィー処理により単一化合物として用いることが
できる。さらに、市販されているものとして、アクリル
酸多量体のアロニックスM−5600[商品名、東亜合
成化学(株)製]が、またアクリル酸とポリカプロラクト
ンとの付加体のアロニックスM−5300[商品名、東
亜合成化学(株)製]などがあり、これらを用いてもよ
い。
【0018】前記一般式[1]及び[3]における
1、R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
18のアルキル基、アリール基、アルカリール基の有機
基、R4は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、
アルカリール基の有機基であって、これらの有機基は適
当な置換基を有していてもよく、また、R3とR4は、た
がいに結合してYをヘテロ原子とする置換基を有しない
又は有する複素環を形成していてもよい。
【0019】前記一般式[3]で表される化合物の具体
例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテ
ル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテ
ル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジ
ヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4
−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メ
トキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメ
チル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2
−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエ
ーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニルチオエー
テル化合物などが挙げられる。本発明は2種の硬化性組
成物を提供するものであって、第1の組成物において
は、(A)成分として、(a)前記一般式[1]で表さ
れる(メタ)アクリル酸誘導体10〜100モル%と、
(b)該(メタ)アクリル酸誘導体のブロック化カルボ
キシル基、すなわち一般式
【0020】
【化12】
【0021】(式中のR1、R2、R3、R4及びYは前記
と同じ意味をもつ)で表されるブロック化カルボキシル
基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基をも
たないα,β−不飽和化合物90〜0モル%とから得ら
れた重合体が用いられる。前記一般式[1]で表される
(メタ)アクリル酸誘導体の使用量が10モル%未満で
は、十分な耐傷付き性向上効果が発揮されず、本発明の
目的が達せられない。
【0022】該(b)成分のα,β−不飽和化合物とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−不飽
和カルボン酸と前記一般式[3]で表される化合物との
反応により得られたもの、さらにはメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p
−ビニルトルエン、アクリロニトリルなどを挙げること
ができる。本発明組成物においては、この(A)成分の
重合体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0023】該組成物には、(B)成分として、前記
(A)成分の重合体における一般式[4]で表されるブ
ロック化カルボキシル基が加熱により遊離カルボキシル
基に再生した際、これと反応して化学結合を形成しうる
反応性官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1分子
中に有するものが使用される。該反応性官能基について
は前記性質を有するものであればよく、特に制限はない
が、例えばエポキシ基、シラノール基、アルコキシシラ
ン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシア
ネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボ
ネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、
アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、
アセタール基、ケタール基などが好ましく挙げられる。
これらの反応性官能基は1種含まれていてもよいし、2
種以上が含まれていてもよい。
【0024】このような(B)成分の化合物の具体例と
しては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなど
の単独重合体又は共重合体、ポリカルボン酸あるいはポ
リオールとエピクロルヒドリンとの反応により得られる
ポリグリシジル化合物などのエポキシ基含有化合物;一
般式 (R5)nSi(OR6)4-n …[5] (式中のR5及びR6は、それぞれ炭素数1〜18のアル
キル基又はアリール基、nは0、1又は2である)で表
される化合物の縮合体、アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリ−
n−ブトキシシランなどのα,β−不飽和シラン化合物
の単独重合体又は共重合体、及びこれらの化合物の加水
分解生成物などのシラノール基やアルコキシシラン基含
有化合物;脂肪族ポリオール類、フェノール類、ポリア
ルキレンオキシグリコール類、2−ヒドロキシ(メタ)
アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートなどのα,β−不飽和化合物の単独重合体又は共
重合体、及びこれらのポリオール類のε−カプロラクト
ン付加物などのヒドロキシル基含有化合物;脂肪族、芳
香族のジアミノ化合物やポリアミノ化合物及び前記ポリ
オールのシアノエチル化反応生成物を還元して得られる
ポリアミノ化合物などのアミノ基含有化合物;脂肪族、
芳香族ポリイミノ化合物などのイミノ基含有化合物;p
−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル
−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−
ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネ
ート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、ビス
(イソシアネートエチル)フマレート、イソホロンジイ
ソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネー
ト、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネ
ートヘキサノエート及びこれらのビュレット体やイソシ
アヌレート体、さらにはこれらのイソシアネート類と前
記ポリオールとのアダクト化合物などのイソシアネート
基含有化合物;前記イソシアネート基含有化合物のフェ
ノール類、ラクタム類、活性メチレン類、アルコール
類、酸アミド類、イミド類、アミン類、イミダゾール
類、尿素類、イミン類、オキシム類によるブロック体な
どのブロック化イソシアネート基含有化合物;3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピレンカーボネートの単独
重合体又は共重合体、前記エポキシ基含有化合物と二酸
化炭素との反応により得られる多価シクロカーボネート
基含有化合物などのシクロカーボネート基含有化合物;
前記多価ヒドロキシル基含有化合物とハロゲン化アルキ
ルビニルエーテル類との反応によって得られる多価ビニ
ルエーテル化合物、ヒドロキシアルキルビニルエーテル
類と多価カルボキシル基含有化合物や前記ポリイソシア
ネート化合物との反応により得られるポリビニルエーテ
ル化合物、ビニルオキシアルキル(メタ)アクリレート
類とα,β−不飽和化合物との共重合体などのビニルエ
ーテル化合物、及びこれらに対応するビニルチオエーテ
ル化合物などのビニルエーテル基やビニルチオエーテル
基含有化合物;メラミンホルムアルデヒド樹脂、グリコ
ルリルホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹
脂、アミノメチロール基やアルキル化アミノメチロール
基含有α,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体
などのアミノメチロール基やアルキル化アミノメチロー
ル基含有化合物;多価ケトン、多価アルデヒド化合物、
前記多価ビニルエーテル化合物などとアルコール類やオ
ルソ酸エステル類との反応によって得られる多価アセタ
ール化合物、及びこれらとポリオール化合物との縮合
体、さらには前記ビニルオキシアルキル(メタ)アクリ
レートとアルコール類やオルソ酸エステルとの付加物の
単独重合体又は共重合体などのアセタール基やケタール
基含有化合物などが挙げられる。
【0025】本発明組成物においては、(B)成分の化
合物として、1種の反応性官能基を有する前記化合物の
他に、反応性官能基2種以上を有する化合物を用いても
よいし、また該(B)成分は2種以上を組み合わせて用
いてもよい。ただし、この際、それぞれの官能基がたが
いに活性である組合せは貯蔵安定性が損なわれ好ましく
ない。このような好ましくない組合せとしては、例えば
エポキシ基、イソシアネート基、ビニルエーテル基、ビ
ニルチオエーテル基、シクロカーボネート基及びシラノ
ール基の中から選ばれる官能基とアミノ基又はイミノ基
との組合せ、イソシアネート基又はビニルエーテル基と
ヒドロキシル基との組合せなどが挙げられる。
【0026】一方、第2の組成物においては、前記
(A)成分及び(B)成分の代わりに、(D)成分とし
て、(a)前記一般式[1]で表される(メタ)アクリ
ル酸誘導体10〜90モル%と(b)該(メタ)アクリ
ル酸誘導体のブロック化カルボキシル基と加熱により化
学結合を形成しうる反応性官能基をもたないα,β−不
飽和化合物0〜80モル%と(c)該(メタ)アクリル
酸誘導体のブロック化カルボキシル基と加熱により化学
結合を形成しうる反応性官能基を有するα,β−不飽和
化合物10〜90モル%とから得られた重合体が用いら
れる。
【0027】この(D)成分重合体における(b)成分
及び(c)成分のα,β−不飽和化合物としては、それ
ぞれ前記(A)成分における(b)成分及び前記第1の
組成物における(B)成分の説明において例示したもの
と同じものを挙げることができる。また、該(c)成分
のα,β−不飽和化合物は、前記(B)成分の化合物と
同様に、それぞれの官能基がたがいに活性である組合せ
は貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。前記第1及び
第2の組成物におけるブロック化カルボキシル基と、こ
れと加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基との
当量比は、0.2:1.0ないし1.0:0.2の範囲にあ
るのが望ましい。
【0028】本発明においては、これらの組成物に、場
合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保
ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進
し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目
的で、(C)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在
性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性酸触
媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化
合物が望ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温
度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に
増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来
するおそれがある。
【0029】該(C)成分の熱潜在性酸触媒としては、
プロトン酸を塩基で中和した化合物、スルホン酸エステ
ル類、リン酸エステル類、及びオニウム化合物類が好ま
しく挙げられる。該プロトン酸を塩基で中和した化合物
としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸
類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル
類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル
類などを、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチル
アミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリ
ン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエ
チノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどの各種アミンで中和した化合物、さらには、
酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュ
ア2500X、X−47−110、3525、5225
(商品名、キングインダストリー社製)などが挙げられ
る。該スルホン酸エステル類としては、例えば一般式
【0030】
【化13】
【0031】(式中のR7はフェニル基、置換フェニル
基、ナフチル基、置換ナフチル基又はアルキル基、R8
は一級炭素又は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と
結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽
和若しくは不飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシク
ロアルキル基である)で表される化合物、具体的にはメ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類
と、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノ
ール、n−オクタノールなどの第一級アルコール類又は
イソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノー
ル、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの第二
級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホ
ン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られ
るβ−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが
挙げられる。該リン酸エステル類としては、例えば一般
【0032】
【化14】
【0033】(式中のR9は炭素数3〜10のアルキル
基、シクロアルキル基又はアリール基、mは1又は2で
ある)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、
n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといっ
た第一級アルコール類、及びイソプロパノール、2−ブ
タノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シク
ロヘキサノールといった第二級アルコール類のリン酸モ
ノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられ
る。
【0034】また該オニウム化合物としては、例えば一
般式 [R10 3NR11]+- …[8] [R10 3PR11]+- …[9] [R10 2OR11]+- …[10] 及び [R10 2SR11]+- …[11] (式中のR10は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基又
はシクロアルキル基であって、2個のR10はたがいに結
合してN、P、O又はSをヘテロ原子とする複素環を形
成していてもよく、R11は水素原子、炭素数1〜12の
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール
基、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -又はBF4 -であ
る)で表される化合物などが挙げられる。
【0035】本発明組成物においては、該(C)成分の
熱潜在性酸触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよく、またその配合量は(A)成分と
(B)成分、あるいは(D)成分の総固形分量100重
量部当たり、通常0.01〜10重量部の範囲で選ばれ
る。本発明の熱硬化性組成物の硬化に要する温度及び時
間については、前記一般式[4]で表されるブロック化
カルボキシル基から、遊離カルボキシル基を再生する温
度、反応性官能基の種類、場合により用いられる熱潜在
性酸触媒の種類などにより異なるが、通常60〜200
℃の範囲の温度で、2分ないし1時間程度加熱すること
により、硬化が完了する。 本発明の熱硬化性組成物はそのままで、あるいは必要に
応じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤などを配合して、塗料、インク、接着剤、成形品
などに用いることができる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、塗膜性能は次のようにして求め
た。 (1)耐傷付き性 ポリエチレン製自動車用洗車ブラシの中心から15cmの
位置に試験片を固定し、水流下400rpmで1時間洗車
ブラシを回転させた際の塗面上の傷を目視にて判定。 良 好:塗面にほとんど傷が認められない。 やや不良:塗面の傷が目立つ 不 良:塗面に密に傷が認められる。 (2)耐酸性 40wt%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、20
℃で48時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定した。 (3)耐衝撃性 衝撃変形試験器[JIS K-5400(1979)6.
13.3 B法]を用い、半径6.35mmの撃ち型に試験
片をはさみ、500gのおもりを40cmの高さから落下
させた際の塗膜の損傷を目視にて判定した。 (4)耐候性 サンシャインウェザーメーター[JIS B-7753]
を用いて1000時間又は3000時間曝露後、塗膜の
60度鏡面光沢度値[JIS K-5400(1979)
6.7 60度鏡面光沢度]を測定し、未曝露時の光沢度
値と比較した。 (5)ヌープ硬度 (株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定し
た。数値の大きいほど硬いことを示す。
【0037】実施例1、2 新規アクリル酸誘導体の製
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコ
に、それぞれ第1表記載の組成の混合物を仕込み、50
℃を保ちながら撹拌した。混合物の酸価が30以下とな
ったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物
を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10wt%
炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部及び飽和食塩水
100重量部でアルカリ洗浄した。静置後、水層を分離
除去し、有機層の酸価が1以下になるまで洗浄作業を繰
り返した。その後、飽和食塩水100重量部で洗浄作業
を3回繰り返し、有機層中に硫酸ナトリウムを加えて室
温で3日間乾燥することによって、それぞれ第1表記載
の新規アクリル酸誘導体[1]及び[2]を得た。ま
た、原料として用いたアロニックスM−5300、アロ
ニックスM−5600及び得られた新規アクリル酸誘導
体[1]、[2]について、赤外線吸収スペクトル測定
を行ったところ、それぞれ図1、図3、図2、図4に示
す吸収チャート、及び第1表に示す特性吸収が得られ
た。また、実施例2について同様にゲル浸透クロマトグ
ラフィー測定を行ったところ、図5に示すチャートが得
られた。なお図5のチャートにおいて、破線はアロニッ
クスM−5600、実線は新規アクリル酸誘導体[2]
の場合であり、nは前記一般式[2]における値であ
る。この際、該一般式[2]におけるRは水素原子、Z
はエチレン基である。
【0038】
【表1】
【0039】注 1)アロニックスM−5300:酸価175.0mgKOH/
g、一般式[2]におけるRが水素原子、Zがペンタメ
チレン基、nが平均2.0の混合物、東亜合成化学(株)
製、商品名 2)アロニックスM−5600:酸価287.0mgKOH/
g、一般式[2]におけるRが水素原子、Zがペンタメ
チレン基、nが平均1.4の混合物、東亜合成化学(株)
製、商品名 3)ガスクロマトグラフィーにより求めた。
【0040】比較例1 α,β−不飽和化合物[3]の
製造 実施例1の4つ口フラスコを用い、第2表に示す原料組
成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行うことに
よって、第2表に示す特性値を有するα,β−不飽和化
合物[3]を得た。
【0041】
【表2】
【0042】注 1)第1表の脚注3)と同じである。
【0043】製造例1〜6 (A)成分化合物及び
(D)成分化合物溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ第3表記載の量の初期仕込み溶
剤(キシレン)を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保
った。次に80℃の温度で、第3表記載の組成の単量体
及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下
ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を
1時間保ち、第3表記載の組成の重合開始剤溶液(追加
触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったと
ころで反応を終了することによって、それぞれ第3表記
載の特性を有する化合物A−1〜A−5及びD−1溶液
を得た。
【0044】
【表3】
【0045】注 1)第1表脚注2)と同じである。 2)不揮発分測定条件 50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 3)ガードナー粘度(25℃) [JIS K-5400(1979)4.2.2 あわ粘度
計による]
【0046】製造例7 (B)成分化合物溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、第4表記載の量の初期仕込み溶剤(キシ
レン)を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保った。
次に100℃の温度で、第4表記載の組成の単量体及び
重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロー
トより等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度を1
時間保ち、第4表記載の組成の重合開始剤溶液(追加触
媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間保ったと
ころで反応を終了し、それぞれ第4表記載の特性を有す
る化合物B−1溶液を得た。
【0047】
【表4】
【0048】注 1)第3表脚注1)と同じである。 2)第3表脚注2)と同じである。
【0049】製造例8 (B)成分化合物の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコにオルトギ酸メチル206.0重量部及び三
フッ化ホウ素ジエチルエーテル0.3重量部を仕込み、
撹拌下で氷冷してフラスコ内混合物を0〜5℃に保っ
た。次に5℃以下の温度でブチルビニルエーテル87.
7重量部を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
滴下終了後、5℃以下の温度を1時間保ち、ナトリウム
メチラートの30wt%メタノール溶液0.4重量部を添
加して反応を終了した。得られた生成物は、75〜80
℃(4mmHg)で蒸留することによって、有効分98wt%
のアセタール化物を得た。次に、温度計、ディーンスタ
ークトラップを挿入した還流冷却器、撹拌機、滴下ロー
トを備えた4つ口フラスコに、得られた精製アセタール
化物618重量部、トリメチロールプロパン134重量
部及びp−トルエンスルホン酸4重量部を仕込み、撹拌
下で加熱し90℃を保った。反応の進行とともに脱メタ
ノール反応が生じ、96重量部のメタノールが回収され
たところで反応を終了し、化合物B−2を得た。
【0050】製造例9 (C)成分の熱潜在性酸触媒C
−1の製造 撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管を装備した4つ口
フラスコに2−プロパノール315重量部を入れて氷冷
し、そこへカリウム−t−ブトキシド44.9重量部を
加えて溶解したのち、ジエチルエーテル300重量部に
溶かした塩化p−トルエンスルホニル53.4重量部を
30分間かけて滴下した。滴下後1時間で氷浴をはず
し、さらに1時間反応させた。反応終了後、反応混合物
を水300重量部で3回洗浄したのち、モレキュラーシ
ーブ4A1/16[和光純薬(株)製商品名]を加え脱水
乾燥処理を施し溶媒をエバポレーターにて留去すること
によりp−トルエンスルホン酸(1−メチルエチル)4
0重量部(収率67%)を得た。得られた熱潜在性酸触
媒はキシレン238重量部にて溶解しp−トルエンスル
ホン酸換算で10重量%に希釈した。
【0051】実施例3〜6 (1)クリヤー塗料の製造 第5表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー生塗料を
作成した。得られた各塗料は、シンナー(キシレン/酢
酸ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィー
ルド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したの
ち、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、
再び粘度測定したところ、それぞれ第6表に示すよう
に、ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性
を示した。 (2)試験片の作成 リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.
4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20μ
mとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼付け、
さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラー[商
品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなるよう
にエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付ける
ことにより試験板を作成した。次いで、前記(1)の生
塗料をそれぞれシンナー(キシレン/酢酸ブチル=8/
2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4、20
℃で25秒)に希釈した。次に、前記の方法で作成した
試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタリッ
クベースコート塗料[日本油脂(株)製、商品名]をエア
スプレーにてインターバル1分30秒、2ステージで乾
燥膜厚15μmになるように塗装し、20℃で3分間セ
ット後、前記の各希釈クリヤー塗料をエアスプレー塗装
し、120℃で30分間焼付けて試験板を作成した。塗
膜性能を第6表に示すが、いずれの場合も均一でツヤの
ある塗膜が得られ、優れた耐傷付き性、耐酸性、耐衝撃
性、耐候性、硬度を示した。
【0052】
【表5】
【0053】注 1)エポリードGT400:エポキシ当量187、不揮
発分100%、ダイセル化学工業(株)製、商品名 2)10%PTSA:p−トルエンスルホン酸の10wt
%イソプロピルアルコール溶液 3)10%ピリジン:ピリジンの10wt%キシレン溶液 4)酸触媒C−1:製造例8のp−トルエンスルホン酸
(1−メチルエチル)のキシレン溶液 5)モダフロー:モンサント社製レベリング剤、商品名
【0054】
【表6】
【0055】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン
酸 2)耐候性:曝露時間1000時間
【0056】比較例2、3 (1)クリヤー塗料の製造 第7表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー生塗料を
作成した。得られた各塗料は、実施例3〜6と同様にし
て貯蔵安定性試験を行ったところ、第8表に示すよう
に、比較例2ではほとんど粘度増加が認められず、優れ
た貯蔵安定性を示したが、比較例3では、カルボキシル
基とエポキシ基の架橋反応において両者の官能基ともな
んらブロックされていないため、7日後にゲル化した。 (2)試験片の作成 得られた生塗料は、実施例3〜6と同様に希釈、塗装
し、120℃で30分焼付けて試験片を作成した。塗膜
性能を第8表に示すが、比較例2では(A)成分化合物
中の新規アクリル酸誘導体の含有量が10モル%未満で
あったため、耐傷付き性に劣っていた。
【0057】
【表7】
【0058】注 1)第5表脚注1)と同じである。 2)第5表脚注4)と同じである。 3)第5表脚注5)と同じである。
【0059】
【表8】
【0060】注 1)第6表脚注1)と同じである。 2)第6表脚注2)と同じである。 3)第5表脚注1)と同じである。
【0061】
【発明の効果】本発明の新規(メタ)アクリル酸誘導体
は、カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体のカルボ
キシル基を、ビニルエーテル化合物、ビニルチオエーテ
ル化合物、あるいは酸素原子又はイオウ原子をヘテロ原
子とするビニル型二重結合をもつ複素環化合物を用いて
ブロックしたものであって、このものを用いた熱硬化性
組成物は、良好は貯蔵安定性を有するとともに、化学性
能、物理性能、特に耐傷付き性に優れる硬化物を与え、
例えば塗料、インク、接着剤、成形品などに好適に用い
られる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で用いたアロニックスM−5
300の赤外吸収スペクトルチャートである。
【0063】
【図2】図2は、実施例1で得られたアクリル酸誘導体
の赤外吸収スペクトルチャートである。
【0064】
【図3】図3は、実施例2で用いたアロニックスM−5
600の赤外吸収スペクトルチャートである。
【0065】
【図4】図4は、実施例2で得られたアクリル酸誘導体
の赤外吸収スペクトルチャートである。
【0066】
【図5】図5は、実施例2で用いたアロニックスM−5
600及びこのものから得られたアクリル酸誘導体のゲ
ル浸透クロマトグラフィーチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−147658(JP,A) 特開 平2−209907(JP,A) 特開 平1−135811(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/54 C07C 67/283 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中のRは水素原子又はメチル基、Zは炭素数2〜5
    の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、R1、R2及びR3
    はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基又はアルカリール基、R 4 は炭素数1〜18
    のアルキル基、アリール基又はアルカリール基であっ
    て、3とR4はたがいに結合してYをヘテロ原子とする
    複素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ
    原子、nは1〜10の整数である)で表される(メタ)
    アクリル酸誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 【化2】 (式中のRは水素原子又はメチル基、Zは炭素数2〜5
    の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、nは1〜10の整
    数である)で表されるカルボキシル基含有α,β−不飽
    和単量体のカルボキシル基に、一般式 【化3】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリール
    基、R 4 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又
    はアルカリール基であって、3とR4はたがいに結合し
    てYをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
    Yは酸素原子又はイオウ原子である)で表される化合物
    を反応させて、該カルボキシル基をブロックすることを
    特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル酸誘導体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】(A)(a)一般式 【化4】 (式中のRは水素原子又はメチル基、Zは炭素数2〜5
    の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、R1、R2及びR3
    はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基又はアルカリール基、R 4 は炭素数1〜18
    のアルキル基、アリール基又はアルカリール基であっ
    て、3とR4はたがいに結合してYをヘテロ原子とする
    複素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ
    原子、nは1〜10の整数である)で表される(メタ)
    アクリル酸誘導体10〜100モル%と(b)該(メ
    タ)アクリル酸誘導体のブロック化カルボキシル基と加
    熱により化学結合を形成しうる反応性官能基をもたない
    α,β−不飽和化合物90〜0モル%とから得られた重
    合体、(B)1分子中に、該(A)成分重合体のブロッ
    ク化カルボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる
    反応性官能基2個以上を有する化合物、及び場合により
    用いられる(C)加熱時に活性を示す熱潜在性酸触媒を
    含有して成る熱硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(B)成分の反応性官能基がエポキシ基、
    シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、
    アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イ
    ソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテ
    ル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、ア
    ルキル化アミノメチロール基、アセタール基及びケター
    ル基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項3記
    載の熱硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸
    を塩基で中和した化合物、スルホン酸エステル類、リン
    酸エステル類及びオニウム化合物の中から選ばれた少な
    くとも1種である請求項3又は4記載の熱硬化性組成
    物。
  6. 【請求項6】(D)(a)一般式 【化5】 (式中のRは水素原子又はメチル基、Zは炭素数2〜5
    の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、R1、R2及びR3
    はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基又はアルカリール基、R 4 は炭素数1〜18
    のアルキル基、アリール基又はアルカリール基であっ
    て、3とR4はたがいに結合してYをヘテロ原子とする
    複素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ
    原子、nは1〜10の整数である)で表される(メタ)
    アクリル酸誘導体10〜90モル%と(b)該(メタ)
    アクリル酸誘導体のブロック化カルボキシル基と加熱に
    より化学結合を形成しうる反応性官能基をもたないα,
    β−不飽和化合物0〜80モル%と(c)該(メタ)ア
    クリル酸誘導体のブロック化カルボキシル基と加熱によ
    り化学結合を形成しうる反応性官能基を有するα,β−
    不飽和化合物10〜90モル%とから得られた重合体、
    及び場合により用いられる(C)加熱時に活性を示す熱
    潜在性酸触媒を含有して成る熱硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(D)(c)成分の反応性官能基がエポキ
    シ基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシ
    ル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロッ
    ク化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニル
    エーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール
    基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール基及び
    ケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求
    項6記載の熱硬化性組成物。
  8. 【請求項8】(C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸
    を塩基で中和した化合物、スルホン酸エステル類、リン
    酸エステル類及びオニウム化合物の中から選ばれた少な
    くとも1種である請求項6又は7記載の熱硬化性組成
    物。
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