JP2002020418A - 一部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂及びその製造法 - Google Patents

一部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂及びその製造法

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JP2002020418A
JP2002020418A JP2000209436A JP2000209436A JP2002020418A JP 2002020418 A JP2002020418 A JP 2002020418A JP 2000209436 A JP2000209436 A JP 2000209436A JP 2000209436 A JP2000209436 A JP 2000209436A JP 2002020418 A JP2002020418 A JP 2002020418A
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Toshihiko Ito
敏彦 伊藤
Masaru Tanaka
勝 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラーの分散安定性に優れ、かつ、取扱い
性が良好な一部がブロックされたカルボキシル基含有樹
脂及びその製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数
1〜12のアルキル基を示す。)で表されるユニットと
一般式(II) 【化2】 (式中、R1 は一般式(I)におけると同義であり、R
3 はモノエポキシ化合物の残基を表す一価の有機基を示
す。)で表されるユニットを有し、ブロックされたカル
ボキシル基の酸価が400〜800KOHmg/gであ
る一部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂及び
(A)ブロックされたポリカルボン酸と(B)モノエポ
キシ化合物とを(A)成分中のカルボキシル基1当量に
対して、(B)成分中のエポキシ基が1当量未満となる
ような割合で反応させる一部がブロックされたカルボキ
シル基含有樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用バインダー
樹脂、接着剤などに用いられる一部がブロックされたカ
ルボキシル基含有樹脂及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基含有樹脂は、そのカルボ
キシル基が強い凝集力を有することからフィラーの分散
安定性、耐薬品性、基材との接着性等に優れており、塗
料用バインダー樹脂、接着剤等に広く利用されている。
しかし、脆弱で潮解性を有するため取扱い性に劣るとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、フ
ィラーの分散安定性に優れ、かつ、取扱い性の良好な一
部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、フィラーの分散安定
性により優れた一部がブロックされたカルボキシル基含
有樹脂を提供することにある。本発明の他の目的は、よ
り取扱い性の良好な一部がブロックされたカルボキシル
基含有樹脂を提供するものである。
【0004】本発明の他の目的は、フィラーの分散安定
性に優れ、かつ、取扱い性の良好なカルボキシル基含有
樹脂の製造法を提供することにある。本発明の他の目的
は、フィラーの分散安定性により優れたカルボキシル基
含有樹脂の製造法を提供することにある。本発明の他の
目的は、取扱い性のより良好なカルボキシル基含有樹脂
の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0006】
【化3】 (式中、R1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数
1〜12のアルキル基を示す。)で表されるユニットと
一般式(II)
【0007】
【化4】 (式中、R1 は一般式(I)におけると同義であり、R
3 はモノエポキシ化合物の残基を表す一価の有機基を示
す。)で表されるユニットを有し、カルボキシル基の固
形分酸価が400〜800KOHmg/gである一部が
ブロックされたカルボキシル基含有樹脂に関する。ま
た、本発明は、R1 が水素である上記の一部がブロック
されたカルボキシル基含有樹脂に関する。また、本発明
は、R3 が芳香環を有するモノエポキシ化合物の残基で
ある上記の一部がブロックされたカルボキシル基含有樹
脂に関する。
【0008】また、本発明は、(A)ブロックされたポ
リカルボン酸と(B)モノエポキシ化合物とを(A)中
のブロックされたカルボキシル基1当量に対して、
(B)中のエポキシ基が1当量未満となるような割合で
反応させる一部がブロックされたカルボキシル基含有樹
脂の製造法に関する。
【0009】また、本発明は、(A)がブロックされた
ポリアクリル酸である上記の一部がブロックされたカル
ボキシル基含有樹脂の製造法に関する。また、本発明
は、(B)成分が芳香環を有するモノエポキシ化合物で
ある上記の一部がブロックされたカルボキシル基含有樹
脂の製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一部がブロックされたカ
ルボキシル基含有樹脂は、一般式(I)
【0011】
【化5】 (式中、R1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数
1〜12のアルキル基を示す。)で表されるユニットと
一般式(II)
【0012】
【化6】 (式中、R1 は一般式(I)におけると同義であり、R
3 はモノエポキシ化合物の残基を表す一価の有機基を示
す。)で表されるユニットを有し、カルボキシル基の固
形分酸価が400〜800KOHmg/g、好ましくは
500〜700KOHmg/gの樹脂であり、フィラー
の分散安定性向上の点で一般式(I)及び一般式(II)
におけるR1 が水素であるものが好ましく、また、脆弱
さの改善及び潮解性の低減による取扱い性向上の点で一
般式(II)におけるR3 が芳香環を有するモノエポキシ
化合物の残基であることが好ましい。
【0013】一部がブロックされたカルボキシル基の固
形分酸価が、400KOHmg/g未満であるとフィラ
ーの分散安定性が低下する傾向があり、800KOHm
g/gを超えると脆弱性、潮解性が増大し、取扱い性が
低下する。モノエポキシ化合物の反応量を調整して固形
分酸価が調整される。
【0014】また、一般式(I)で表されるユニットと
一般式(II)で表されるユニットの割合は(II)/
(I)=40/60〜3/97(モル%)であることが
好ましい。また、重量平均分子量(ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィーで測定、緩衝剤として塩化ナトリ
ウムを0.1モル/リットルの濃度になるように調合し
た水溶液を溶離液として用い、標準ポリエチレンオキサ
イド又はポリエチレングリコールを用いて作成した検量
線からポリエチレンオキサイド又はポリエチレングリコ
ール換算値として算出した値)は、10,000〜5,
000,000であることが好ましく、30,000〜
3,000,000であることがより好ましく、50,
000〜2,000,000であることがさらに好まし
く、100,000〜1,000,000であることが
特に好ましい。この重量平均分子量が10,000未満
であるとフィラーの分散安定性が低下する傾向があり、
5,000,000を超えると有機溶媒に対する溶解性
が低下し、樹脂溶液の高粘度化や樹脂溶液からの樹脂の
析出が起こる傾向がある。
【0015】上記の一部がブロックされたカルボキシル
基含有樹脂は、例えば(A)ブロックされたポリカルボ
ン酸と(B)モノエポキシ化合物とを(A)中のブロッ
クされたカルボキシル基1当量に対して、(B)中のエ
ポキシ基が1当量未満となるような割合で反応させて製
造される。
【0016】本発明に用いる(A)ブロックされたポリ
カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、プロピ
ルビニルエーテル基、イソプロピルビニルエーテル基、
ブチルビニルエーテル基、イソブチルビニルエーテル基
等のアルキルビニルエーテル基でブロックされたポリア
クリル酸又はポリメタクリル酸等の化合物が使用され
る。これらのうちではフィラーの分散安定性の向上の点
でアルキルビニルエーテル基でブロックされたポリアク
リル酸が好ましい。これらの(A)成分は、単独で又は
二種以上を組合せて用いられる。
【0017】本発明に用いる(B)モノエポキシ化合物
としては、特に制限はなく、例えば、フェニルグリシジ
ルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジ
ルフタルイミド、ジブロモフェニルグリシジルエーテ
ル、メチルジブロモフェニルグリシジルエーテル、クレ
ジルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド等の芳香
環を有するモノエポキシ化合物、2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、アリル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、デシ
ルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテ
ル、グリシドール、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルメタクリレート、シクロヘキセンオキサイド、シク
ロヘキセンビニルモノオキサイド、ジペンテンモノオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
2,3−エポキシ−トランス−デカリン、イソホロンオ
キサイド等の脂肪鎖のみからなるモノエポキシ化合物な
どが使用される。これらのうちで脆弱さの改善及び潮解
性の低減による取扱い性向上等の点で芳香環を有するモ
ノエポキシ化合物が好ましい。これらの(B)成分は、
単独で又は二種以上を組合せて用いられる。
【0018】本発明の一部がブロックされたカルボキシ
ル基含有樹脂を製造するための(A)成分と(B)成分
との配合割合[(A)成分中のブロックされたカルボキ
シル基/(B)成分中のエポキシ基]が、当量比で1/
1未満とすることが好ましく、1当量/0.01当量〜
1当量/0.60当量とすることがより好ましく、1当
量/0.03当量〜1当量/0.40当量とすることが
さらに好ましく、1当量/0.05当量〜1当量/0.
20当量とすることが特に好ましい。この配合割合が1
当量/1当量以上であると(B)成分が未反応物として
多量に残留しやすい傾向があり、また、反応生成物中に
カルボキシル基が失われやすく、カルボキシル基の収率
が低下する傾向がある。
【0019】(A)成分と(B)成分との反応は、有機
溶媒中で行うことができる。この有機溶媒としては、特
に制限はなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等のアミド系溶媒、N,N−ジメチルエチレン
ウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメ
チル尿素等の尿素系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−カ
プロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネ
ート等のカーボネート系溶媒、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系
溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブ
アセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等
のエステル系溶媒、ジグライム、トリグラム、テトラグ
ライム等のグライム系溶媒、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサノン等の炭化水素系溶媒、スルホラン等のスル
ホラン系溶媒などが挙げられる。これらのうちでは高溶
解性、高反応促進性等の点でアミド系溶媒及び尿素系溶
媒が好ましく、中でも(A)成分と(B)成分の反応を
阻害しやすい活性水素を有しない等の点でN−メチル−
2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルエチレンウレア及びテトラメチル尿素が特
に好ましい。
【0020】有機溶媒の使用量は、(A)成分と(B)
成分の総量100重量部に対し、50〜10,000重
量部とすることが好ましく、200〜5,000重量部
とすることがより好ましく、300〜3,000重量部
とすることがさらに好ましい。この使用量が50重量部
未満では溶解性が乏しく、反応系の不均一化や高粘度化
を起こしやすい傾向があり、10,000重量部を超え
ると反応が進みにくく、反応が完結しにくい傾向があ
る。これらの有機溶媒は、単独で又は組合せて用いるこ
とができる。
【0021】(A)成分と(B)成分の反応温度は、4
0〜250℃とすることが好ましく、80〜200℃と
することがより好ましく、120〜180℃とすること
がさらに好ましい。この反応温度が40℃未満では反応
が進みにくく、反応が完結しにくい傾向があり、反応温
度が250℃を超えると、副反応により系がゲル化する
こともあり、反応を制御しにくい傾向がある。本発明に
おいては、一部がブロックされたカルボキシル基含有樹
脂が得られるが、上記の(B)成分との反応時に(A)
成分中の一般式(I)で表されるユニットにカルボキシ
ル基が生成し上記の範囲の酸価が示される。
【0022】本発明の一部がブロックされたカルボキシ
ル基含有樹脂の製造においては、必要に応じて触媒を用
いることができる。触媒としては、特に制限はなく、例
えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、
N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリ
ン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペラ
ジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物、ジ
ブチルチンジラウリレート、1,3−ジアセトキシテト
ラブチルスタノキサン等の有機スズ化合物、臭化テトラ
エチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、
塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチ
ルメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウ
ム、ヨウ化ドデシルトリメチルアンモニウム等の四級ア
ンモニウム塩等が挙げられる。これらの触媒は、単独で
又は2種以上を組合わせて用いることができる。これら
の触媒の使用量は、反応系の固形分に対して0.01〜
10重量%程度である。
【0023】本発明の一部がブロックされたカルボキシ
ル基含有樹脂の製造では、この樹脂が、通常、有機溶媒
に溶解した溶液状態で得られる。この樹脂溶液(樹脂製
造後の反応液)は、使用した有機溶媒を取り除くことな
く、そのまま塗料用など各種用途のバインダー樹脂、接
着剤などに利用できる。また、この樹脂溶液には、必要
に応じて製造に使用した有機溶媒以外の有機溶媒、硬化
剤、熱可塑性樹脂等を配合することもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 <(A)ブロックされたポリアクリル酸の合成例>混合
機及び冷却器を備え付けた1リットルの反応器にN−メ
チル−2−ピロリドン100重量部を入れ、100℃に
加熱し、イソブチルアルコールビニルエーテル基でブロ
ックしたアクリル酸(日本油脂(株)製)125重量部
を3時間で滴下し、6時間保温した。その後N−メチル
−2−ピロリドン300重量部にベンゾイルパーオキサ
イド1重量部を溶解した溶液を約4時間で滴下、2時間
保温してポリエチレンオキサイドとポリエチレングリコ
ール換算の重量平均分子量80,000の(A)ブロッ
クされたポリアクリル酸を得た。
【0025】実施例1 混合機、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装備した
1リットルのセパラブルフラスコ内に窒素雰囲気下、上
記の合成例で合成した(A)ブロックされたポリアクリ
ル酸425重量部を仕込み、100℃まで昇温後、
(B)モノエポキシ化合物としてフェニルグリシジルエ
ーテル13.50重量部及びN−メチル−2−ピロリド
ン40.5重量部を添加した。同温度で5時間保温し
て、(A)成分と(B)成分を反応させた後、室温まで
冷却し、前記一般式(I)及び一般式(II)におけるR
1 が水素、R2 がイソブチル基、一般式(II)における
3 がフェノキシメチル基、固形分酸価が594.3K
OHmg/gの本発明の一部がブロックされたカルボキ
シル基含有樹脂の溶液を得た。得られた樹脂の重量平均
分子量は、85,000で一般式(II)/(I)=6/
94(モル%)であった。
【0026】実施例2 実施例1と同様の材料を表1に示す割合で用い、実施例
1と同様の操作で、前記一般式(I)及び一般式(II)
におけるR1 が水素、R2 がイソブチル基、一般式(I
I)におけるR3 がフェノキシメチル基、固形分酸価が
530.5KOHmg/gの本発明の一部がブロックさ
れたカルボキシル基含有樹脂の溶液を得た。得られた樹
脂の重量平均分子量は、87,000で一般式(II)/
(I)=12/88(モル%)であった。
【0027】実施例3 実施例1と同様の材料を表1に示す割合で用い、実施例
1と同様の操作で、前記一般式(I)及び一般式(II)
におけるR1 が水素、R2 がイソブチル基、一般式(I
I)におけるR3 がフェノキシメチル基、固形分酸価が
384.2KOHmg/gの本発明の一部がブロックさ
れたカルボキシル基含有樹脂の溶液を得た。得られた樹
脂の重量平均分子量は、93,000で一般式(II)/
(I)=30/70(モル%)であった。
【0028】比較例1 実施例1において、(B)成分を使用しないこと以外
は、実施例1と同様の操作で、固形分酸価が693.5
KOHmg/gの比較用の樹脂の溶液を得た。
【0029】
【表1】 実施例1〜3及び比較例1の樹脂の溶液をN−メチル−
2−ピロリドンで固形分が20重量%となるように希釈
し、それぞれにフィラーとして真比重1.52、平均粒
径20μmの非晶質炭素粉末(呉羽化学(株)製)を固
形分換算で全体の95重量%となるように混練、分散さ
せて分散安定性評価用のスラリーを調合した。
【0030】次いで各スラリーを内径15mmφ×外径
17mmφ×高さ38mmのポリプロピレン製容器に半
分程入れ23℃で72時間静置した後、容器内の底部の
スラリーをスパチュラでかき混ぜ、フィラーの分散安定
性を調べた。フィラーの分散安定性はスパチュラの触診
でフィラーの沈降が認められない場合を良好、フィラー
の沈降が認められる場合を不良と判定した。
【0031】また、実施例1〜3及び比較例1の樹脂の
溶液を乾燥膜厚が30μmとなるようにテフロン(登録
商標)シート上に均一に流延した後、80℃で1時間乾
燥し、更に150℃で1時間乾燥させ塗膜を作製した。
次いで、各塗膜を60%RHの雰囲気下に1時間置いた
後、指先を塗膜の表面に押し付け塗膜の潮解性を調べ
た。塗膜の潮解性は、指先による触診でタックが認めら
れず表面に指紋が付かない場合を潮解性なし、タックが
認められ表面に指紋が付く場合を潮解性有りと判定し
た。
【0032】また、各乾燥塗膜をテフロンシートより剥
離した樹脂塗膜について、180°折り曲げ試験を行
い、樹脂塗膜の可とう性を調べた。樹脂塗膜の可とう性
は、クラックが発生しない場合を良好、クラックが発生
する場合を不良(脆弱)と判定した。
【0033】なお、取扱い性は、塗膜に潮解性が無く、
かつ、樹脂塗膜の可とう性が良好な場合を良好、塗膜に
潮解性が有り、かつ、樹脂塗膜が脆弱な場合を不良と判
定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
【0034】
【表2】 以上の結果から、本発明の一部がブロックされたカルボ
キシル基含有樹脂は、フィラーの分散安定性に優れ、か
つ、比較用樹脂では得られない優れた取扱い性を有して
いることが示される。
【0035】
【発明の効果】本発明の一部がブロックされたカルボキ
シル基含有樹脂は、フィラーの分散安定性に優れ、か
つ、取扱い性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG031 GA06 GA07 LA02 NA02 NA04 NA12 4J100 AL08P AL08Q BA02H BA02Q BA03H BA03Q BA04P BA04Q BC43H BC43Q CA01 CA31 DA01 DA29 HA00 HA13 HA29 HA61 HC39 HC42 HC43 HC45 HC63 HC85 JA01 JA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数
    1〜12のアルキル基を示す。)で表されるユニットと
    一般式(II) 【化2】 (式中、R1 は一般式(I)におけると同義であり、R
    3 はモノエポキシ化合物の残基を表す一価の有機基を示
    す。)で表されるユニットを有し、カルボキシル基の固
    形分酸価が400〜800KOHmg/gである一部が
    ブロックされたカルボキシル基含有樹脂。
  2. 【請求項2】 R1 が水素である請求項1記載の一部が
    ブロックされたカルボキシル基含有樹脂。
  3. 【請求項3】 R3 が芳香環を有するモノエポキシ化合
    物の残基である請求項1又は2記載の一部がブロックさ
    れたカルボキシル基含有樹脂。
  4. 【請求項4】 (A)ブロックされたポリカルボン酸と
    (B)モノエポキシ化合物とを(A)中のブロックされ
    たカルボキシル基1当量に対して、(B)中のエポキシ
    基が1当量未満となるような割合で反応させることを特
    徴とする一部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂
    の製造法。
  5. 【請求項5】 ポリカルボン酸がポリアクリル酸である
    請求項4記載の一部がブロックされたカルボキシル基含
    有樹脂の製造法。
  6. 【請求項6】 (B)モノエポキシ化合物が芳香環を有
    するモノエポキシ化合物である請求項4又は5記載の一
    部がブロックされたカルボキシル基含有樹脂の製造法。
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