JPH06172698A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH06172698A
JPH06172698A JP35197792A JP35197792A JPH06172698A JP H06172698 A JPH06172698 A JP H06172698A JP 35197792 A JP35197792 A JP 35197792A JP 35197792 A JP35197792 A JP 35197792A JP H06172698 A JPH06172698 A JP H06172698A
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尊士 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飲料缶等の熱処理工程に耐え得る耐水性を有
し、缶の搬送過程で傷付き難い程度の高硬度、靭性を有
し、しかも各種の缶形状に加工できるという特性を有す
る塗膜を形成でき、かつ有機溶剤含有量が少ない缶外面
用水性塗料を提供できる水性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) 酸無水物エステル型グラフト変性エ
ポキシ樹脂(A2)と、付加重合型およびエステル型の
共存したグラフト変性重合体(B2)と、エチレン型不
飽和単量体をグラフト変性重合体(B2)の存在下に反
応させた付加重合体(C2)とを含み、かつ酸価が30
〜250である反応生成した樹脂ブレンド組成物(i)
5〜70重量部と、(b) 水性アミノ樹脂(ii)20
〜60重量部、および(c) 酸価30〜150のカル
ボン酸含有樹脂(iii)5〜50重量部を樹脂成分とする
水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは、耐レトルト性、加工性、耐傷付き
性に優れ、溶剤の含有量を低減できる水性塗料組成物に
適した水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】清涼飲料水等を収容する飲料缶および食
品を包装する食缶の外面は、缶材の腐食を防止し、美的
商品価値を高め、かつ食品殺菌処理時の熱処理工程に耐
えうる塗膜により被覆形成されている。従来これらの塗
膜は、エポキシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミノ系樹
脂、ポリエステル/アミノ系樹脂等の有機溶剤溶液であ
る塗料をロールコーターを用いて塗装し、ガスオーブン
で焼付硬化する方法で形成されてきた。しかしこれらの
塗料は、焼付時に多量の溶剤揮散をもたらし、大気汚染
の原因となり、省資源の点からも好ましいものではなか
った。このため、上記の問題点を解決できる水性塗料の
開発は強く望まれていた。
【0003】缶外面用水性塗料としては、特開平3−7
2577号公報などに提案されている。しかしこれらの
缶外面用塗料は、主剤として水性アクリル樹脂、ときに
水性ポリエステル樹脂を併用し、これら主剤に水性アミ
ノ樹脂を配合したものである。これらの配合物には、水
希釈可能でありかつ有機溶剤10〜20重量%(塗料
中)の共存下での水に対する溶解性、その時の粘度等の
特性を満足させるため、従来の水を使わない溶剤型塗料
に比して、低分子量かつ親水性で反応性に富む官能基の
比率が高い樹脂が使用されてきた。このため、一般的に
硬化塗膜の架橋密度が高く、フレキシビリティに欠け、
脆性の大きな塗膜が形成されるという問題点を有してい
た。
【0004】従来使用されてきた缶用水性塗料には、水
分散性塗料と水溶性塗料との2種類があり、水分散性塗
料は缶内面用塗料として、水溶性塗料は缶外面用塗料と
して使用されることが多い。水分散性塗料はスプレー方
式で缶内面に塗布される。水分散性塗料は、構造粘性を
有しており、リバースコーター等の特殊なコーターを除
いた一般的なコーターでは、十分な品質を保持した塗膜
を得ることが困難なため、缶外面用塗料としては適して
いない。脆性を改善するために、より高分子の樹脂を使
用した缶外面用塗料では、十分な溶解性、低粘度、耐レ
トルト性を満足することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した缶
外面用塗料の有する諸問題を解決できる水性樹脂組成物
を提供することを目的とする。すなわち、飲料缶、食缶
殺菌処理の熱処理工程、特にレトルト処理にも耐え得る
耐水性を有し、缶の搬送過程で傷付き難い程度の高硬
度、靭性を有し、しかも各種の缶形状に加工できるとい
う特性を有する塗膜を形成でき、かつ有機溶剤含有量が
少ない缶外面用水性塗料を提供できる水性樹脂組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) 酸無
水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A2)と、
付加重合型およびエステル型の共存したグラフト変性重
合体(B2)と、エチレン型不飽和単量体をグラフト変
性重合体(B2)の存在下に反応させた付加重合体(C
2)とを含み、かつ酸価が30〜250である反応生成
した樹脂ブレンド組成物(i)であって、上記酸無水物
エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A2)が、1ま
たは2の水素原子を有する脂肪族骨格炭素原子を含む芳
香族モノまたはジエポキシ樹脂(A1)を、該モノまた
はジエポキシ樹脂(A1)のエポキシ基の一部あるいは
全部、およびペンダントしている2級もしくは1級の水
酸基の一部あるいは全部を酸無水物に対し実質的に不活
性な溶剤中で酸無水物と反応させて生成する酸無水物エ
ステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A2)であり、上
記付加重合体(C2)が、水酸基含有単量体もしくはカ
ルボン酸含有単量体の少なくとも一方を含むエチレン型
不飽和単量体(C1)を、付加重合型グラフト開始剤と
してのフリーラジカル発生剤および酸無水物エステル型
グラフト変性エポキシ樹脂(A2)の存在下に反応させ
た付加重合体(C2)であり、上記共存型グラフト変性
重合体(B2)が、上記変性エポキシ樹脂(A2)の脂
肪族骨格炭素原子の少なくとも一部に上記エチレン型不
飽和単量体(C1)を付加重合型グラフトしたグラフト
変性重合体(B2)であり、上記共存型グラフト変性重
合体(B2)および上記酸無水物エステル型グラフト変
性エポキシ樹脂(A2)の両者の合計エポキシ樹脂成分
が、上記樹脂ブレンド組成物の全重量の少なくとも5重
量%である樹脂ブレンド組成物(i)5〜70重量部、
(b) 水性アミノ樹脂(ii)20〜60重量部、およ
び(c) 酸価30〜150のカルボン酸含有樹脂(ii
i)5〜50重量部(ただし、上記(a)、(b)および
(c)の合計量を100重量部とする)を樹脂成分とす
ることを特徴とする水性樹脂組成物を提供する。
【0007】1または2の水素原子を有する脂肪族骨格
炭素原子を含む芳香族モノまたはジエポキシ樹脂(A
1)としては、強度、加工性の向上を図る意味で、比較
的高分子の樹脂が用いられる。好ましくは数平均分子量
1,400〜20,000、特に好ましくは4,000
〜20,000の範囲である。好ましい芳香族モノまた
はジエポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンをビス
フェノールAと反応させて製造される樹脂が挙げられ
る。また他のジエポキシ化合物を使用し、分子量を適当
な範囲に調整した樹脂もしくはエポキシ基を3個以上持
つようなノボラック型エポキシ樹脂等を使用することも
できる。
【0008】変性エポキシ樹脂(A2)中のオキシラン
基(エポキシ基)含量は、酸無水物を一定量以上使用す
る場合には実質的にオキシラン基が消失すると考えられ
るが、オキシラン基含量の多い低分子量のエポキシ樹脂
を使用しかつ酸無水物による変性量を少なくしてオキシ
ラン基を残す条件で反応させることもできこの場合に
は、硬化反応に寄与するためのオキシラン基は当然考慮
されるべきである。最終的に10〜20重量%の有機溶
剤を含んだ水溶性樹脂組成物を調整しようとする場合に
は、酸無水物による変性率を上げなくては溶解させるこ
とが難しいため、実質的にオキシラン基を消失させるこ
とが多い。
【0009】エチレン型不飽和単量体(C1)は水酸基
含有単量体もしくはカルボン酸含有単量体の少なくとも
一方を含んでいる。これらの単量体は、単一種もしくは
複数種の単量体の混合物であってもよい。これらの単量
体を酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A
2)およびフリーラジカル発生剤の共存下に付加重合型
のグラフト反応を起こさせて付加重合体(C2)が製造
される。付加重合型およびエステル型の共存したグラフ
ト変性重合体(B2)は、酸無水物エステル型グラフト
変性エポキシ樹脂(A2)の脂肪族骨格炭素原子の少な
くとも一部に付加重合用単量体(C1)を付加重合型グ
ラフトした重合体であり、上記付加重合体(C2)の反
応生成時に共に生成される。
【0010】エチレン型不飽和単量体(C1)は、塗膜
物性、溶液物性等を考慮して選択される。エチレン型不
飽和単量体(C1)には、カルボン酸基含有単量体、水
酸基含有単量体、反応性基含有単量体、反応性基非含有
単量体がある。
【0011】カルボン酸基含有単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等が例示され、アクリル酸、メタクリル
酸が特に好ましい。使用量は、単量体総量中0〜100
重量%であり、単独で使用することもできるが、耐水性
等の点から0〜20重量%が好ましい。
【0012】水酸基含有単量体としては、ヒドロキシメ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアク
リレート、ヒドロキシアミルアクリレート等のヒドロキ
シアルキルアクリレートもしくはメタクリレートが例示
され、特に好ましい単量体としてヒドロキシメチルアク
リレートおよびヒドロキシエチルアクリレートを挙げる
ことができる。また他にN−メチロール(メタ)アクリ
ルアマイドも例示される。
【0013】他の反応性基を持つ単量体として、N−ア
ルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド、(メタ)ア
クリルアマイド、(メタ)アクリロニトリルが例示さ
れ、特に好ましい単量体としてN−メトキシメチルアク
リルアマイド、N−ブトキシメチルアクリルアマイドが
例示される。
【0014】反応性基を有しない単量体としては、スチ
レン系単量体、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル
があり、例えばスチレン、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート
および相当するメタクリレートが例示される。特に好ま
しい単量体としては、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン
が例示される。
【0015】付加重合型グラフト開始剤としては、フリ
ーラジカル発生剤が使用される。発生剤として好ましい
ものにパーオキサイド型があり、特に好ましいものとし
てパーベンゾエート型のベンゾイルパーオキサイドが挙
げられる。しかし発生剤はこれらに限定されるものでは
なく、次のような発生剤も例示される。キュメンハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−
ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、クロロベンゾイルパ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
イソバレロニトリル。フリーラジカル発生剤の使用量
は、付加重合用単量体(C1)に対し3〜15重量%、
好ましくは5〜10重量%である。
【0016】付加重合体(C2)および付加重合型およ
びエステル型の共存したグラフト変性重合体(B2)
は、酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A
2)と付加重合用単量体(C1)とをフリーラジカル発
生剤の存在下に反応させることで製造される。反応は無
溶媒下でも実施できるが、通常有機溶剤中で実施され
る。好ましい溶媒系としては、アルキルアルコール、セ
ロソルブ類、カルビトール類、トルエン、キシレン、あ
るいはセロソルブ、カルビトールのジアルキルエーテル
化物が例示される。これらの溶媒は単一でも混合したも
のであってもよい。中でも、沸点150℃以下程度の溶
媒を併用しておくと、合成後脱溶剤し易く、また単量体
等の臭気軽減も容易となるので好ましい。好ましい溶剤
としては、トルエン、ブタノール、イソプロパノール、
イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルプ
ロピレングリコール、プロピルプロピレングリコール、
ブチルプロピレングリコール、ソルフィット、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトール等
が例示される。反応温度は、約100〜130℃、好ま
しくは110〜120℃である。反応温度が低すぎると
グラフト効率が下がり、反応温度が高すぎると水酸基と
カルボキシル基とのエステル化反応が生じることとな
り、架橋による増粘を起こし易くなるので好ましくな
い。このようなエステル型の架橋有無は、グラフト反応
後に酸価を測定することで分かる。
【0017】酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ
樹脂(A2)は、1または2の水素原子を有する脂肪族
骨格炭素原子を含む芳香族モノまたはジエポキシ樹脂
(A1)中のエポキシ基、1級水酸基および2級水酸基
の、それぞれ一部あるいは全部と反応しうる量の酸無水
物を実質的に酸無水物に対し不活性な溶媒中で芳香族モ
ノまたはジエポキシ樹脂(A1)にエステル型グラフト
させて得られる。使用される酸無水物としては、無水コ
ハク酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸、無水ジク
ロロマレイン酸、無水イタコン酸、無水ドデセニルコハ
ク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒ
ドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチル
テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水フタ
ル酸、無水ピロメリット酸等の環状酸無水物、直鎖状の
酸無水物である無水アゼライン酸、無水アジピン酸、無
水セバチン酸等が挙げられる。好ましくは無水メチルヘ
キサヒドロフタル酸等の液状酸無水物およびこれらの混
合物、無水アゼライン酸等の直鎖状酸無水物が挙げられ
る。これらは適宜単独でもあるいは混合しても使用でき
る。また固状酸無水物を単独であるいは併用することも
できる。
【0018】反応溶剤は酸無水物に対し実質的に不活性
な溶剤であればよく、例えば、トルエン、キシレン等の
芳香族系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン(TH
F)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコールもしくはジプロピレングリコール等
のジアルキルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド等が例示される。好
ましくは、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランが挙
げられる。これらは単独でもあるいは混合しても使用で
きる。
【0019】反応は、これら溶剤中で無触媒あるいは触
媒の存在下で実施される。反応条件は、溶剤の種類、例
えば沸点等、酸無水物の性状、溶解性等を考慮して決め
られる。酸無水物が液状もしくは直鎖状の化合物である
場合は、トルエン等の貧溶媒であっても反応温度を10
0℃以上に上げることができ、これにより均一に溶解す
るので、無触媒であっても反応は十分に進行する。この
場合反応温度は、110〜120℃が好ましい。120
℃を超えるとエステル化反応を促進することとなり、架
橋による増粘のおそれがある。固状の酸無水物を使用す
る場合には、THF等の溶解力の強い溶剤を使用するこ
とにより均一反応系とすることができるが、反応温度が
低くなるので、反応時に触媒が使用される。触媒として
は3級アミン等が例示される。
【0020】芳香族ジエポキシ樹脂(A1)の変性率
は、使用するエポキシ原料の分子量によって水への溶解
性が左右されるので、変性エポキシ樹脂(A2)の酸価
は、0〜250の範囲が採用される。好ましくは30〜
200である。付加重合型グラフト変性をする場合にも
酸価をもたせることができるので、最終酸価を次のよう
にして適当な範囲に調整できる。
【0021】芳香族モノまたはジエポキシ樹脂として、
数平均分子量1,400〜20,000のものを使用し
た場合には、該樹脂のエポキシ基と水酸基の合計モル数
の50〜100%を酸無水物と反応させたものが水への
溶解性を十分もたせる上で好ましい。それより小さな分
子量の樹脂では、同様に0〜100%を酸無水物と反応
させたものが好ましい。また場合によっては、異なる条
件で反応して得られた変性エポキシ樹脂(A2)もしく
は未変性のエポキシ樹脂のいずれかの2種以上を混合
し、付加重合型グラフト変性を実施してもよい。
【0022】酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ
樹脂(A2)は、そのまま使用しても水への溶解性はあ
るが、他の樹脂、例えば、アミノ樹脂、水性カルボン酸
含有樹脂等との相溶性が十分でないことが多く、塗膜が
白濁するため実用には適さないことが多い。このため付
加重合型グラフト変性をする必要がある。
【0023】水性アミノ樹脂(ii)は、水性媒体中に溶
解もしくは分散可能なアミノ樹脂であって、部分アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂、部分アルキルエーテル化ベ
ンゾグアナミン樹脂、または下記構造式を有するスピロ
グアナミン単独またはスピログアナミンとメラミンもし
くはベンゾグアナミンとの混合物をメチロール化し、炭
素数1〜3のアルコールで部分アルキルエーテル化した
スピログアナミン樹脂から選ばれる。スピログアナミン
樹脂は、塗料の焼付時に発生するタール状低分子量物の
発生がメラミン樹脂またはベンゾグアナミン樹脂に比較
して少ないという点で好ましく使用される。
【化1】
【0024】水性アミノ樹脂は、全水性樹脂組成物の樹
脂固形分中、20〜60重量部使用される。上記範囲の
下限よりも少ないと硬度が十分でなく、上限を超えると
塗膜の加工性が低下する。
【0025】酸価30〜150のカルボン酸含有樹脂
(iii)としては、水性ポリエステル樹脂、水性アクリル
樹脂等が好ましく使用される。水性ポリエステル樹脂
は、多価アルコールと多価カルボン酸とを縮重合させて
得られる。フェニル核を有するアルコールもしくはカル
ボン酸を使用することにより導入されるフェニル核を樹
脂中に5〜50重量%含む水性ポリエステル樹脂が好ま
しい。フェニル核を有するアルコールとしては、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエー
テル、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA等が例
示される。その他の多価アルコールとして、水素化ビス
フェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサン
ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル等の2価アルコール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタ
ン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、ジグ
リセリン等の3価以上のアルコールが例示される。
【0026】フェニル核を有するカルボン酸としては、
(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無
水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸等が例示
される。その他のカルボン酸として、テトラヒドロ(無
水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、メチレ
ンジクロロヘキセントリカルボン酸(無水物)、(無
水)ハイミック酸、(無水)アジピン酸、(無水)アゼ
ライン酸、(無水)コハク酸、(無水)マレイン酸、フ
マル酸、(無水)セバチン酸、イタコン酸等の多価カル
ボン酸あるいはその無水物が例示される。その他必要に
応じて、安息香酸、t−ブチル安息香酸等の一塩基酸を
カルボン酸として使用してもよい。また上記アルコール
およびカルボン酸に、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、
サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油等
の油もしくはその脂肪酸の少なくとも一種を加えて得ら
れるアルキッド樹脂であってもよい。また上記ポリエス
テル樹脂にアクリル樹脂をグラフトしたグラフト変性ポ
リエステル樹脂であってもよい。水性ポリエステル樹脂
中のフェニル核は、5〜50重量%が好ましく採用され
る。5重量%未満では塗膜の硬度が劣り、50重量%を
超えると塗膜の可撓性が劣るので好ましくない。
【0027】水性アクリル樹脂は、α・β−モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸とホモポリマーの理論ガラス転移
点が90℃以上であるビニルモノマーおよびこれ以外の
ビニルモノマーを共重合させて得られるものがよい。α
・β−モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等が例示され、特にアクリル酸、メタ
クリル酸が好ましい。ホモポリマーの理論ガラス転移点
が90℃以上であるビニルモノマーとしては、メタクリ
ル酸メチル(ホモポリマーのガラス転移点が105℃、
以下同じ)、スチレン(100℃)、アクリルアミド
(153℃)、アクリロニトリル(100℃)等が例示
され、特にメタクリル酸メチル、スチレンが好ましい。
上記モノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、
ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキ
シアミルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレー
トおよび相当するメタクリレート等の水酸基含有ビニル
モノマーならびにアクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエス
テル、もしくはメタクリル酸アルキルエステル、ならび
にN−(メトキシメチル)アクリルアミド、N−(イソ
ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチ
ル)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル置換ア
ミド含有ビニルモノマー、酢酸ビニル、ビニルエーテル
等が例示される。
【0028】アクリル樹脂におけるα・β−モノエチレ
ン性カルボン酸は共重合体中で2〜20重量%が好まし
く、2重量%未満では水性化が困難であり、20重量%
を超えると耐水性が十分でなくなる。ホモポリマーの理
論ガラス転移点が90℃以上であるビニルモノマーは、
0〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。3
0重量%を超えると塗料粘度が高くなり過ぎると共に塗
膜の可撓性が劣る。さらに本発明の水性アクリル樹脂
は、水酸基価20〜250の水酸基を有し、重量平均分
子量5000〜30000であることが好ましい。
【0029】本発明の水性樹脂組成物の水性化は、通常
の塩基を用いて中和した後、水溶化もしくは水分散化さ
れる。塩基としては水酸化ナトリウム等の金属塩類を用
いてもよいが、好ましくは揮発性塩基を用いることが好
ましい。揮発性塩基としては、1級、2級もしくは3級
のアルキルアミン、アルカノールアミン、芳香族アミン
およびアルカノールアルキル混合アミンがあり、例え
ば、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、
モノエタノールアミン、トリエチルアミン、水酸化アン
モニウム等が例示される。
【0030】本発明の水性樹脂組成物に、必要に応じ硬
化助剤として、例えばp−トルエンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン
酸等の酸触媒およびこれらをアミンでブロックしたも
の、リン酸およびそのエステルを構造中に持つ化合物等
を樹脂固形分100重量部に対し0.1〜2重量部を添
加して塗料化する。他に水性塗料用樹脂として一般的に
用いられている水溶性樹脂、水分散性樹脂、例えばマレ
イン化脂肪酸、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリウレ
タン樹脂、尿素樹脂等を混合してもよい。同様にレベリ
ング剤、消泡剤、潤滑剤等を添加してもよい。さらには
顔料をこれら樹脂溶液と練肉し、顔料ペーストを作成
し、塗料化することもできる。
【0031】本発明の水性塗料は、ロール塗工、スプレ
ー塗工、はけ塗り等の各種手段により基材に塗装され
る。基材としては、電気錫メッキ鋼板、ティンフリステ
ィール、アルミニウム等およびこれらの基材を表面処理
した金属基材が例示される。本発明の水性塗料は、15
0〜200℃で10分間程度の焼付から250℃で10
秒間程度の高温短時間焼付まで幅広い条件で硬化させる
ことができる。
【0032】以下実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。例中、部および%は特に断りのない限りそれぞ
れ重量部および重量%を意味する。 製造例1 水性アクリル樹脂溶液AC−1の製造 温度計、撹拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹込管
を備えた四つ口フラスコに、n−ブタノール60部、ブ
チルセロソルブ40部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ
撹拌しながら温度を110℃に保ち、滴下槽からスチレ
ン15%、エチルアクリレート52%、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート20%、N−メトキシメチルアク
リルアミド5%、アクリル酸8%の混合物100部に、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部
を混合したものを3時間かけて滴下した。その後110
℃に保ち、1時間反応させ、ついでt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート0.6部を添加し、さら
に1時間反応させた後終了した。これを減圧下に100
℃以下で不揮発分71%となるまで留去し、その後10
0%中和量のアミン9.9部と水を入れ、固形分50%
の透明で粘稠な水性アクリル樹脂AC−1を得た。
【0033】製造例2 水性アクリル樹脂溶液AC−2
の製造 滴下槽から製造例1で使用した混合物の代わりにメチル
メタクリレート25%、エチルアクリレート45%、2
−エチルヘキシルアクリレート10%、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート10%、アクリル酸10%の混合物
を滴下した他は、製造例1と同様に操作して水性アクリ
ル樹脂溶液AC−2を得た。
【0034】製造例3 水性ポリエステル樹脂溶液PE
−1の製造 温度計、撹拌機、分離槽付き還流冷却器、窒素ガス吹込
管を備えた四つ口フラスコに、ジエチレングリコール3
8.7部、ブチルエチルプロパンジオール52.6部、
1,4ブタンジオール39.4部、トリメチロールプロ
パン29.3部、イソフタール酸48.5部を仕込み、
窒素ガスを導入しつつゆっくり撹拌しながら温度を18
0℃に加温し、1時間後に滴下槽から無水ヘキサヒドロ
フタール酸142.8部を入れ、徐徐に240℃まで昇
温した。酸価が20になったところで180℃まで冷却
し、無水ヘキサヒドロフタール酸37.7部を追加して
180℃で2時間反応させた後、ブチルセロソルブを入
れ、酸価55、固形分70%の粘稠な水性ポリエステル
樹脂PE−1を得た。
【0035】製造例4 スピログアナミン樹脂AM−1
の製造 製造例1と同じ装置を用い、スピログアナミン22.9
部、ホルムアルデヒド40%含有メタノール溶液77.
1部を仕込み、25%水酸化ナトリウム0.16部を添
加後、60℃で3時間加熱した。次に62%硝酸0.1
5部(pH3.5)を仕込み、引き続き70℃で8時間
反応させた。反応終了後、25%水酸化ナトリウムで中
和し、70℃以下でメタノールおよび水を減圧除去し、
ブチルセロソルブで固形分75%に調整した後、濾紙で
濾過してスピログアナミン樹脂AM−1を得た。得られ
た樹脂の一分子当たりの平均結合ホルムアルデヒド数は
5.8個、平均結合アルキルエーテル基は4.4個であ
った。なお平均結合ホルムアルデヒド数は、リン酸分解
法およびNMR分析により、平均結合アルキルエーテル
基は、NMR分析により測定した。
【0036】製造例5 酸無水物エステル型グラフト変
性エポキシ樹脂A2−1の製造 製造例1と同じ装置を用い、エピコート1010(油化
シェルエポキシ(株)製)70.8部、トルエン146.
8部、ジエチレングリコールジメチルエーテル22.4
部を仕込み、100〜110℃に加温し、ゆっくり撹拌
しながら溶解させた。固形状物質がなくなったところで
無水ヘキサヒドロフタル酸と無水メチルヘキサヒドロフ
タル酸の3:7の混合物(商品名“リカシッドMH−7
00”新日本理化(株)製酸無水物)を42.0部入れ、
還流条件下110〜120℃で約8時間反応させた。つ
いでブチルセロソルブ209部を入れ、125℃で2時
間反応させた後、減圧下110℃以下でトルエンを留去
し、固形分35%、酸価140、エピコート1010分
として62.8%の粘稠な変性エポキシ樹脂A2−1を
得た。
【0037】製造例6 酸無水物エステル型グラフト変
性エポキシ樹脂A2−2の製造 フェノキシ樹脂YP−50S(東都化成(株)製)712
部、トルエン1480部、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル227.8部の加温溶解、リカシッド(新日
本理化(株)製)427部の添加以外は、製造例5と同様
に操作して、固形分35%、酸価170、フェノキシY
P−50S分として62.5%の粘稠な変性エポキシ樹
脂A2−2を得た。
【0038】製造例7 酸無水物エステル型グラフト変
性エポキシ樹脂A2−3の製造 エピコート1004(油化シェルエポキシ(株)製)47
5部、トルエン944部の加温溶解、ドデニセル無水コ
ハク酸469部の添加以外は、製造例5と同様に操作し
て、固形分45%、酸価135、エピコート1004分
として50.3%の粘稠な変性エポキシ樹脂A2−3を
得た。
【0039】製造例8 樹脂ブレンド組成物i−1の製
製造例1と同じ装置を用い、109.2部の変性エポキ
シ樹脂A2−1、n−ブタノール74部、ブチルセロソ
ルブ27部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ撹拌しなが
ら120℃に保持し、滴下槽からエチルアクリレート5
0%、2−ヒドロキシエチルアクリレート44%、メタ
クリル酸6%のモノマー混合物81.8部にナイパーB
W(過酸化ベンゾイル755の含水品、日本油脂(株)
製)1.6部を入れ溶解させたものを3時間にわたって
滴下した。また別に、ナイパーBW0.9部づつを滴下
開始時から30分毎に四つ口フラスコに添加する操作を
滴下終了時まで7回繰り返した。滴下終了後30分後に
さらにナイパーBW0.9部を添加し、さらに120℃
で1時間反応させた。減圧下100℃以下でn−ブタノ
ールを留去して、固形分65%、酸価94、エピコート
1010分として20%の樹脂ブレンド組成物i−1を
得た。
【0040】製造例9 樹脂ブレンド組成物i−2の製
変性エポキシ樹脂A2−1をA2−2に変え、モノマー
混合物量を81.8部から81.6部と変えた他は製造
例8と同様に操作して、固形分65%、酸価98、フェ
ノキシ樹脂YP−50S分として20%の樹脂ブレンド
組成物i−2を得た。
【0041】製造例10 樹脂ブレンド組成物i−3の
製造 変性エポキシ樹脂A2−1を106部のA2−3に変
え、滴下槽からエチルアクリレート20%、メチルメタ
クリレート30%、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト42%、メタクリル酸8%のモノマー混合物72.3
部に、ナイパーBW1.6部をナイパーBW1.5部に
変えた他は、製造例8と同様に操作して、固形分65
%、酸価105、エピコート1004分として20%の
樹脂ブレンド組成物i−3を得た。
【0042】実施例1〜6 表1の配合比に従って各成分を混合した後、ブチルセロ
ソルブ、水および100%中和型のジメチルエタノール
アミンを添加して、塗料中の有機溶剤量18%、固形分
35%に調整した。なお表1に示す配合比は固形分の百
分率で示す。これにパラトルエンスルホン酸0.3%、
シリコーン系レベリング剤0.3%を添加して水性塗料
組成物を得た。この塗料をロールコーターを使用して、
ET板(錫メッキ鋼板)またはスチールDI缶上に塗装
し、200℃で5分間焼付硬化させた。膜厚6〜8μm
であった。
【0043】比較例1〜4 表1の配合比に従って各成分を混合した他は、実施例1
と同様に操作して塗装板を得た。
【0044】実施例および比較例で作成した塗料の安定
性および塗膜物性の測定結果を表2に示す。各特性の試
験方法は次の通りである。 塗膜安定性試験:塗料を2ケ月間常温で保存した後、塗
料中の樹脂の沈降分離状態を観察した。 塗膜物性試験:内容積350ミリットルのスチールDI
缶にロールコーターを用いて乾燥後膜厚7μmとなるよ
うに塗装し、ガスオーブンにより雰囲気温度200℃で
5分間焼付して塗装パネルを作成した。なお傷付き性は
2ピース缶に塗装して試験した。 耐水性試験:塗装パネルを水中に浸漬し、100℃で3
0分間熱処理した後の塗膜の溶解および白化状態を評価
した。 加工性試験: エリクセン試験:JIS Z−2247に準じ、下地の
金属板が割れはじめるところまで押出加工した後の塗膜
の状態を評価した。 耐衝撃性試験:デュポン衝撃試験機を用い、1/2イン
チ径の撃心を試料上に接触させた後、500gの錘を落
下させた。塗膜にクラックが生じない高さにより耐衝撃
性を評価した。 鉛筆硬度試験:JIS規格「鉛筆引っ掻き試験」(JI
S K5400)に準じて実施した。 密着性試験:ゴバン目剥離試験を実施した。 傷付き性:内容物を詰めた缶を箱詰めにし、運送時の振
動により缶外面を接触させて塗膜の傷付きの程度を評価
した。 塗装性試験:ロールコーターで塗装後、直ちにガスオー
ブンで焼付け、レベリング状態を評価した。 塗膜破断強度および伸び率:厚さ0.23mmのブリキ
板にスピンコーターを用い膜厚が15μm程度となるよ
うに塗装し、ガスオーブンを用い200℃で10分間焼
付けた。塗膜を剥離した後、幅1cmの試験片を作成
し、テンシロン試験機(東洋ボールドウイン(株)製)に
より5mm/分の引張速度で破断強度(kg/cm2
および破断時の伸び率(%)を測定した。
【0045】 表1 実施例 比較例 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 AC−1 15 30 50 50 34 PE−1 50 PE−1 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 i−1 50 i−2 50 50 35 20 i−3 50 A2−2 16サイメル 303 25 25 10 25 25 25 25 25 10 25サイメル 1123 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 AM−1 15 15 注:単位%、固形分比サイメル 303:ヘキサメトキシメチロールメラミン(三井サ
イアナミド(株)製)サイメル 1123:ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナミド
(株)製)
【0046】 表2 実施例 1 2 3 4 5 6 塗料安定性 良 良 良 良 良 良 耐水性 合格 合格 合格 合格 合格 合格 耐レトルト性 合格 合格 合格 合格 合格 合格 塗膜の白濁 合格 合格 合格 合格 合格 合格 加工性 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 耐衝撃性 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 鉛筆硬度 4H 4H 4H H 4H 3H 密着性 なし なし なし なし なし なし 傷付き性 合格 合格 合格 合格 合格 あり 塗膜破断強度 780 810 820 650 660 550 破断時の伸び率 6.2 6.5 6.6 3.5 3.3 2.8 注:耐水性試験温度100℃、耐レトルト性試験温度1
30℃ 密着性;剥離の有無、 傷付き性;傷付きの有無 ◎:優秀 ○:良 △:可 ×:不可
【0047】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜の耐レトルト性、
加工性、特に耐傷付き性に優れた水性塗料組成物が得ら
れる水性樹脂組成物が提供される。特に本発明の水性樹
脂組成物は、組み込まれたエポキシ樹脂あるいはフェノ
キシ樹脂により適度な可撓性と強靭性を発揮できること
に特徴がある。さらに本発明の水性樹脂組成物は、有機
溶剤の含有率が水性媒体中の20重量%より少なくなっ
ても、塗料安定性が良く、塗装適性も優れた水性塗料組
成物を提供する。本発明の水性樹脂組成物は、飲料缶、
食缶等の外面塗料としても有用である。すなわち本発明
の水性樹脂組成物から得られる水性塗料組成物を缶外面
用に適用するときは、食品殺菌時のレトルト処理に耐
え、缶搬送過程での傷付き発生がない程度に高強度を有
し、しかも各種缶形状への加工に適した加工性を有する
塗膜が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 酸無水物エステル型グラフト変
    性エポキシ樹脂(A2)と、付加重合型およびエステル
    型の共存したグラフト変性重合体(B2)と、エチレン
    型不飽和単量体をグラフト変性重合体(B2)の存在下
    に反応させた付加重合体(C2)とを含み、かつ酸価が
    30〜250である反応生成した樹脂ブレンド組成物
    (i)であって、 上記酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A
    2)が、1または2の水素原子を有する脂肪族骨格炭素
    原子を含む芳香族モノまたはジエポキシ樹脂(A1)
    を、該モノまたはジエポキシ樹脂(A1)のエポキシ基
    の一部あるいは全部、およびペンダントしている2級も
    しくは1級の水酸基の一部あるいは全部を酸無水物に対
    し実質的に不活性な溶剤中で酸無水物と反応させて生成
    する酸無水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A
    2)であり、 上記付加重合体(C2)が、水酸基含有単量体もしくは
    カルボン酸含有単量体の少なくとも一方を含むエチレン
    型不飽和単量体(C1)を、付加重合型グラフト開始剤
    としてのフリーラジカル発生剤および酸無水物エステル
    型グラフト変性エポキシ樹脂(A2)の存在下に反応さ
    せた付加重合体(C2)であり、 上記共存型グラフト変性重合体(B2)が、上記変性エ
    ポキシ樹脂(A2)の脂肪族骨格炭素原子の少なくとも
    一部に上記エチレン型不飽和単量体(C1)を付加重合
    型グラフトしたグラフト変性重合体(B2)であり、 上記共存型グラフト変性重合体(B2)および上記酸無
    水物エステル型グラフト変性エポキシ樹脂(A2)の両
    者の合計エポキシ樹脂成分が、上記樹脂ブレンド組成物
    の全重量の少なくとも5重量%である樹脂ブレンド組成
    物(i)5〜70重量部、(b) 水性アミノ樹脂(i
    i)20〜60重量部、および(c) 酸価30〜150
    のカルボン酸含有樹脂(iii)5〜50重量部(ただし、
    上記(a)、(b)および(c)の合計量を100重量
    部とする)を樹脂成分とすることを特徴とする水性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の芳香族ジエポキシ樹脂
    (A1)が、数平均分子量330〜25000の範囲で
    あり、末端エポキシが加水分解しているかもしくはエポ
    キシ以外の末端構造であり、かつオキシラン基を実質的
    に含有しない樹脂、ならびにフェノキシ樹脂を含有する
    芳香族ジエポキシ樹脂である請求項1記載の水性樹脂組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009203300A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性塗料組成物及びそれを塗布してなる被塗物
WO2010013655A1 (ja) * 2008-07-30 2010-02-04 東洋製罐株式会社 水性塗料から成る塗膜が形成されたアルミニウム製蓋

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