JPH0418565A - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JPH0418565A
JPH0418565A JP12274490A JP12274490A JPH0418565A JP H0418565 A JPH0418565 A JP H0418565A JP 12274490 A JP12274490 A JP 12274490A JP 12274490 A JP12274490 A JP 12274490A JP H0418565 A JPH0418565 A JP H0418565A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機光導電性化合物を含有する光導電層を有
し、電子写真法によりトナー画像を形成した後、トナー
画像部以外の非画像部の光導電層を除去することにより
印刷版とする電子写真式製版用印刷原版、特に露光終了
からトナー現像開始までの時間が短縮されることにより
製版時間を短縮することが可能な、光応答性の改良され
た電子写真式製版用印刷原版に関する。
〔従来の技術〕
今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物と
フェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤やアクリル
系千ツマ−1またプレポリマーを主成分とするネガ型感
光剤を用いるPS版等が実用化されているが、これらは
すべて低感度のため、予め画像記録されたフィルム原版
を密着露光して製版を行っている。
一方、コンピューター画像処理と大容量データの保存お
よびデータ通信技術の進歩によって、近年では原稿入力
、補正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピュ
ーター操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔
地の末端プロッタに出力できる電子編集システムが実用
化している。特に、即時性の要求される新聞印刷分野に
おいて電子編集システムの要求度は高い。
また、オリジナルが原版フィルムの形で保存され、これ
をもとに必要に応じて印刷版が複製されている分野にお
いても、光ディスクなどの超大容量記録メディアの発達
に伴い、オリジナルがこれらの記録メディアにデジタル
データとして保存されるようになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版を
作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておらず、
電子編集システムの稼動しているところでも出力は銀塩
写真フィルムに行われ、これをもとに間接的に82版へ
密!Fil光により印刷版が作成されているのが実状で
ある。
これは、出力プロッターの光源(例えばHeNeレーザ
ー、半導体レーザー等)により、実用的な時間内に印刷
版を作成できるだけの高い感度を有する直接型印刷版の
開発が困難であることも1つの原因であった。
直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する感光体と
して、電子写真感光体が考えられており、トナー画像形
成後、非画像部の光導電層の除去を行う型の電子写真式
製版用印刷原版がすでに多く知られている。例えば、特
公昭3’l−17162号、同38−6961号、同3
8−7758号、同41−2426号、同46−394
05号、特開昭50−19509号、同50−1951
0号、同52−2437号、同54−145538号、
同54−134632号、同55−105254号、同
55−153948号、同55−161250号、同5
7−147656号、同57161863号等に記載の
電子写真式製版用印刷原版があげられる。
電子写真感光体を印刷版として使用するには、非画像部
をエツチングで除去し、親水性の面を露出させる必要が
あるため、結合樹脂としてアルカリ性溶剤に溶解するか
、もしくは膨潤して脱離する結合樹脂を用いることが多
い。通常、電子写真感光体の結合樹脂として広く用いら
れているポリカーボネート樹脂等にくらべて、これらの
親水性の高い樹脂は、無機光導電性化合物との相互作用
が著しく強く、均一な分散物が形成できず、感光体を作
成することができない。
また親水性を低くすると、エツチングによる非画像部の
除去が不可能となり、印刷原版として画像部と非画像部
(即ち親水性部)の判別ができず、印刷原版としての使
用に供されなくなってしまうという問題がある。
また、アルカリ性溶剤に溶解又は分散する樹脂は、有機
光導電性化合物との相溶性が悪く、このため有機光導電
性化合物の電子写真感光層への導入量が制限される。光
導電層中で表面電位を打ち消すのに充分なキャリアーが
発生していても、有機光導電性化合物の光導電層中での
含有量が低いと、光導電層中でのキャリアーの移動速度
が低下し、表面電位の減衰速度、即ち応答速度が低下す
る。このため、露光終了後、表面電位がかぶりを与えな
い程度まで充分減衰し、トナー現像を開始できるまでの
時間が無くなる。プロセス時間をできるだけ短くするた
めに、露光照度をあげて露光時間を短くしていくほどこ
の応答時間は長くなる。従って、応答速度の遅さは全プ
ロセス時間の短縮の大きな妨げになっている。
また、レーザー光源等の高照度光源によって走査露光を
行う場合には別の問題を生ずる。即ち、応答速度が遅い
と、書き込み開始部と書き込み終了部では表面電位の減
衰率が異なってくるため、書き込み開始部ではかぶりは
ないが、書き込み終了部ではかぶりの多い画像ができあ
がり、印刷版の作成に不都合を生じる現象が発生するの
である有機光導電性化合物を使用した電子写真式製版用
印刷原版に用いられている従来公知の結合樹脂としては
、特公昭41−2426号、同37−17162号、同
38−6961号、特開昭52−2437号、同54−
19803号、同54−134632号、同55−10
5254号、同50−19509号、同19510号等
に記載の、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビ
ニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン
酸共重合体、フェノール樹脂等が知られている。
しかしながら、これらを電子写真式製版用印刷原版に用
いたときは、種々の問題点を有していることがすでに知
られている。
即ち、スチレン−無水マレイン酸共重合体を結合樹脂と
した場合は、形成皮膜が硬く、印刷版を湾曲させた時に
ひび割れを生じることがある。又、膜の接着性に乏しく
多数枚の印刷に耐えられない。
フェノール樹脂を結合樹脂として用いた場合は、形成皮
膜が脆弱で、耐刷性が悪い。酢酸ビニルクロトン酸共重
合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体はやはり耐
刷性に問題があった。
以上のような、主として耐刷性不足に起因する種々の問
題を解決したとして特開昭57−161863号、同5
8−76843号には、アクリル酸エステルモノマーも
しくはメタクリル酸エステルモノマーとカルボン酸含有
モノマーとの共重合体が開示されている。これらの結合
樹脂を用いれば電子写真式製版用印刷原版として使用す
ることは可能である。
しかしながら、印刷原版とするための非画像部の溶出性
がいまだ不充分で、非画像部の光導電層を完全に除去し
て充分に親水化し、印刷物における非画像部の地汚れが
生じない程に、溶出処理を行うと、トナー画像部のサイ
ドからのエツチングが進行し、特に画像部の細線、細字
などが欠落したり、画像部の細りが生じて印刷物の画像
再現性が低下することが判明した。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の第1の目的は、高感度で応答速度の速い電子写
真式製版用印刷原版を提供することである。
本発明の第2の目的は、非画像部の溶出性と画像部の耐
剛性に優れた電子写真式製版用印刷原版を提供すること
である。
本発明の第3の目的は、レーザーなどの走査露光による
画像形成に適した電子写真式製版用印刷原版を提供する
ことである。
本発明の第4の目的は、静電特性、溶出性及び耐刷性に
優れた電子写真式製版用印刷原版の製造方法を提供する
ことである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電子写真式製版用印刷原版は、導電性支持体上
に、少なくとも光導電性化合物および結合樹脂を含有す
る光導電層を有し、画像露光し、トナー画像を形成した
後、トナー画像部以外の非画像部の光導電層を除去する
ことにより印刷版とする電子写真式製版用印刷原版にお
いて、前記光導電層の結合樹脂が下記一般式(I)で示
される単量体成分の少なくとも1種及び該単量体成分と
共重合性を有する酸性官能基を有する単量体成分を少な
くとも1種含有する共重合体であり、且つ該共重合体が
その主鎖の片末端に酸性官能基を結合しており、重量平
均分子量がlXl0’〜lX104の共重合体であるこ
とを特徴とする。
oo−R (式中、Rは、脂肪族基又はアリール基を表す。)即ち
、本発明に供される共重合体からなる結合樹脂は、特定
の繰り返し単位の共重合体成分と、酸性基(以下、本明
細書中では特にことわらない限り酸性基の語の中に環状
酸無水物も含むものとする)含有の共重合体成分から構
成され、且つ該重合体主鎖の片末端に酸性基を含有して
成る重量平均分子量が1×103〜lXl0’であるこ
とを特徴とする。
本発明の結合樹脂の第」の共重合体成分として、上記一
般式(I)で示されるメタクリレート成分が挙げられる
。上記一般式(I)においてRは脂肪族基又はアリール
基を示す。
好ましいRは、炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチ
Jlz、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル等)、炭素数7〜13の置換されてもよいアラルキル
基(例えばベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピ
ル、ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、2−メチル
ベンジル、2.6−シメチルベンジル、2−クロロベン
ジル、2,6−ジクロロベンジル、2−ブロモベンジル
、2゜6−ジブロモベンジル、2−クロロ−6−メチル
ベンジル等)、置換されてもよいアリール基(例えばフ
ェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、2.6−シメ
チルフエニル、2−エチルフェニル、2−プロピルフェ
ニル、2−ブチルフェニル、2−クロロフェニル、2−
ブロモフェニル、2゜6−ジクロロフェニル、2.6−
ジブロモフェニル、2−ヨードフェニル、2−ブロモ−
6−クロロフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル
、0−ビフェニル、2−アセチルフェニル、2−プロピ
オニルフェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−メトキ
シカルボニルフェニル−2−エトキシカルボニルフェニ
ル、2−ベンゾイルオキシカルボニルフェニル、2−シ
アノフェニル等)が挙げられる。より好ましくは、Rは
W換されてもよいベンゼン環又はナフタレン環を含有す
る置換基が挙げられる。
本発明の結合樹脂の第2の共重合成分としては、酸性官
能基含有の重合体成分が挙げられる。
酸性官能基としては、−POJi基、−3O3H基、C
0OH基、−P(R)02H基、フェノール性DH基、
環状酸無水物含有基を挙げることができる。より好まし
くは−PO,H,基、−SO,H基、−COOH基、環
状酸無水物含有基が挙げられる。
上記−P(R)O,H基において、Rは炭化水素基、又
は、OR’基(R’は炭化水素基を表す)を表し、R及
びR′は、好ましくは炭素数1〜7の脂肪族基(例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチルヘキシル、2−クロ
ロエチル、2−メトキシエチル、3−エトキシプロピル
、アリル、クロトニル、ブテニル、ベンジル、クロロベ
ンジル、フロロベンジル、メトキシベンジル等)、又は
置換されてもよいアリール基(例えばフェニノベ トリ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、クロロフェニ
ル、フロロフェニル、ブロモフェニル、クロロ−メチル
−フェニル、ジクロロフェニル、メトキシフェニル、シ
アノフェニル、アセトアミドフェニル、アセチルフェニ
ル、ブトキシフェニル等)等を表す。
また環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環状酸
無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水物と
しては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカルボン
酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無水
物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、シ
クロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシク
ロ[2,2゜2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙
げられ、これらの環は、例えば塩素原子、臭素原子等の
ハロゲン原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシ
ル基等のアルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル酸
無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピリジ
ン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン酸
無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば塩素、臭
素等のハロゲン原子、メチノベエチル、プロピル、ブチ
ル等のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ
基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ基としては、
例えばメトキシ、エトキシ等)等が置換されていてもよ
い。
酸性官能基を含をする重合体成分としては、数式(I)
で示される重合体成分に相当する単量体と共重合し得る
、酸性官能基を含有するビニル系化合物であればいずれ
でもよく、例えば、高分子データ[高分子データ・ハン
ドブック〔基礎編〕培風館(1986年)等に記載され
ている。
具体的には、アクリル酸、α及び/又はβ置換アクリル
酸(例えばα−アセトキシ体、α−アセトキシメチル体
、α−(2−アミノ)メチル体、α−クロロ体、α−ブ
ロモ体、α−フロロ体、α−トリブチルシリル体、α−
シアノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−
β−メトキシ体、α、β−ジクロロ体等)、メタクリル
酸、イタコン酸、イタコン酸半エステル類、イタコン酸
半アミド類、クロトン酸、2−アルケニルカルボン酸類
(例えば2−ペンテン酸、2−メチル−2=ヘキセン酸
、2−オクテン酸、4−メチル−2=ヘキセン酸、4−
エチル−2−オクテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸
半エステル類、マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼン
カルボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、ビニルホスホン酸、ジカルボン酸類のビニル基又
はアリル基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン
酸又はスルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置
換基中に該酸性官能基を含有する化合物等が挙げられる
酸性官能基を含有する重合体成分について、以下に例示
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない
i−2) l−3) !−4) → CH2−C→− ■ 0OH b+=H,CH3(b+:以下同じ) CH3 一← CH−CH→− OOH I −+−CH2−C→− Coo (CH2> ncOOH n=2〜4の整数 一+−CH2−C→− CON H(CH2) n COOH n=1〜4の整数 (以下余白) n=1〜3の整数 Coo (CH2)20COCH=CH−COOHO3
K 0OH −← CH−C→− Coo (CH2)n503H n=2〜4の整数 H3 0H CH2COOH CH2C00R R=C+〜4のアルキル基 C0NH(CH2)2S03H i−32) → H−C →− Coo (CH2rVCH−CH2 / \ j−35) bl i−36)b+ R:C+〜4のアルキル基、ベンジル基、フェニル基R
:CI〜4のアルキル基、ベンジル基、フェニル基本発
明の結合樹脂は、上記結合樹脂を構成するのに必要な重
合体成分以外に、更に他の重合体成分を含有してもよく
、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
ロレイン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、α−オレフィ
ン類、アクリル酸エステル類(例えば、メチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート
、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート等)、スチレン誘導一体(例えば、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ア
セチルスチレン等)、ビニルケトン類(例工ば、メチル
ビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケト
ン等)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル
等)、脂肪族カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸
、酪酸、吉草酸等)のビニルエステル類、あるいはアリ
ルエステル類、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、
メチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸等)のビニルエ
ステル類、あるいはアリルエステル類、アクリル酸アミ
ド誘導体、メタアクリル酸アミド誘導体、クロトン酸ア
ミド誘導体等の二重結合基含有のカルボン酸アミド誘導
体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルチオ
フェン、ビニルピロリドン等の二重結合基置換の複素環
化合物類等が挙げられる。
更に、本発明における共重合体は、その重合体主鎖の片
末端にのみ酸性官能基を結合して成る事を特徴とする。
この酸性官能基としては前記した酸性官能基含有の重合
体成分における酸性官能基と同様のものが挙げられる。
重合体主鎖の片末端のみに結合する前記の酸性官能基は
、重合体主鎖の一方の末端に直接結合するか、或いは任
意の連結基を介して結合した化学構造を有する。結合基
としては炭素−炭素結合(−重結合あるいは二重結合)
、炭素−へテロ原子結合(ヘテロ原子としては例えば、
酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子等)、ヘ
テロ原子−へテロ原子結合の原子団の任意の組合せで構
成されるものである。
R2+ 例えば、  (C)   (flat 、R22は水素
原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)
、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル等)等を示す)、−SO,−−C
ON−−3O,N−1−N)ICOO−−NHCON)
I−一5i−(ここでR[、R□は各々水素原子、炭素
数1〜8の炭化水素基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ベンジル、フェネチル、フェニル、トリル
等)、又は−0R2s (R2=はR23の炭化水素基
と同一の内容を表す)を表す)等が挙げられる。
重合体主鎖の少なくとも1つの片末端にのみ酸性官能基
を結合して成る本発明の樹脂は、従来公知のアニオン重
合或いはカチオン重合によって得られる、リビングポリ
マーの末端に種々の試薬を反応させる方法(イオン重合
法による方法)、分子中に酸性官能基を含有する重合開
始剤及び/又は連鎖移動剤を用いてラジカル重合させる
方法(ラジカル重合法による方法)、或いは以上の如き
イオン重合法もしくはラジカル重合法によって得られた
末端に反応性基含有の重合体を高分子反応により本発明
の特定の酸性官能基に変換する方法等の合成法によって
容易に製造することができる具体的には、P 、 Dr
eyfuss、 R、P 、 Quirk 。
Bncycl、  polym 、Sci 、  Bn
g 、  7: 55H1987) 、中條善樹、山下
雄也「染料と薬品」、30.232 (1985)、上
田明、永井進「化学と工業」60.57 (1986)
等の総説、及びそれに引用の文献等の記載の方法によっ
て製造することができる。
本発明における共重合体は、 ■、具体的には、一般式(1)で示される繰返し単位に
相当する単量体、前記した架橋構造を形成させるたtの
多官能性単量体、及び任意の他の単量体、並びに片末端
に結合させるべき酸性官能基を含有する連鎖移動剤を混
合して、重合開始剤(例えばアゾビス系化合物、過酸化
物等)により重合する方法、 ■、或いは連鎖移動剤を用いずに酸性官能基を含有する
重合開始剤を用いて重合する方法、■、或いは連鎖移動
剤及び重合開始剤のいずれにも酸性官能基を含有する化
合物を用いる方法、■、更には前記3つの方法において
、連鎖移動剤或いは重合開始剤の置換基として、アミノ
基、ハロゲン原子、エポキシ基、酸ハライド基等を含有
する化合物を用いて重合反応後、更に高分子反応でこれ
らの官能基と反応させることにより酸性官能基を導入す
る方法等を用いて製造することができる。
用いる連鎖移動剤としては、例えば酸性官能基あるいは
酸性官能基に誘導しうる置換基を含有するメルカプト化
合物(例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサ
リチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプ
トプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メル
カプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチ
ン酸、3− [N−(2−メルカプトエチル)カルバモ
イル]プロピオン酸、3− [N−(2−メルカプトエ
チル)アミノコプロピオン酸、N−(3−メルカプトプ
ロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン
酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプ
トブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノール、3−
メルカプト−1,2−ブロパンジオ−ル、1−メルカプ
ト−2−プロパツール、3−メルカプト−2−ブタノー
ル、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミ
ン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3
−ビリジノール等)、或いは上記酸性官能基又は置換基
を含有するヨード化Tルキル化合物(例えばヨード酢酸
、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨ
ードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸
等)が挙げられる。好ましくはメルカプト化合物が挙げ
られる。
これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤は、各々全単量
体100重量部に対して、0.5〜15重量部であり、
好ましくは1〜10重量部である。
以下、本発明の結合樹脂について例示するが、本発明の
範囲はこれに限定されるものではない。
尚、下記の例示の中で、Rは上記一般式(1)における
Rと同一の内容を示し、またaは、−H。
−CH,、又は−C82Co○Hを表す。
(以下余白) n=1又は2 mは2〜6の整数 には1〜4の整数 本発明の結合樹脂において、一般式(1)で示される単
量体の存在割合は、該重合体100重量部中に、40〜
90重量%、好ましくは50〜80重量%である。又酸
性官能基含有の単量体の存在割合は、10〜60重量部
、好ましくは、20〜50重量部である又、重合体主鎖
片末端に含有する酸性官能基の存在量は、共重合体10
0重量部に対して、更に0.5〜15重量%の使用量で
ある。
結合樹脂の重量平均分子量はlXl0’〜lXl0’好
ましくは5XIP〜9X10’である。
一般式(I)で示される単量体の存在割合が40重量%
以下、或いは酸性官能基含有単量体が60重量%以上と
なると電子写真特性の低下(高感度、高暗電荷保持、応
答測度)が生じる。
一方、一般式(1)の単量体の存在割合が90重量%以
上或いは酸性官能基含有単量体が10重量%以下となる
と、溶出性が低下し、印刷物の画質が悪化(地汚れの発
生、細線、細字の飛び等)してしまったり、また画像部
の膜強度低下による耐刷性が生じる等の問題が起こる。
重合体主調における片末端に含有される酸性官能基の存
在量は、結合樹脂の重合平均分子量を支配することにな
り、0.5重量%以下の使用量では、重量平均分子量が
lXl0’以上となってしまい、結果として溶出性を低
下させてしまう。
一方、15重量%以上の使用量では重量平均分子量がl
Xl0”以下となってしまい、その結果耐刷性が劣化し
てしまう。
本発明における結合樹脂は、前記一般式(1)の単量体
群、及び酸性官能基を含有する単量体群、及び連鎖移動
剤、及び/又は重合開始剤のうちから選ばれる化合物を
所望の割合で共重合させる、従来の公知の方法によって
容易に製造することができる。重合方法としては溶液重
合、懸濁重合、沈澱重合、乳化重合等の公知の方法を用
いることにより製造することができる。
好ましくは、溶液重合法が挙げられ、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパツール
、メトキシプロピルアセテート等の単独或いは混合溶媒
中、所定の化合物を用いて重合せしめ、共重合体溶液を
得ることができ、これを乾燥するか、又は貧溶剤に添加
して析出させることにより所望の共重合体を得ることが
できる。
また、本発明における結合樹脂は2種以上混合して使用
することができる。混合樹脂を2種以上混合して使用す
る場合は、結合樹脂の少なくとも1種が本発明における
特定の樹脂であればよく、混合使用される他の樹脂は、
前述した従来公知の樹脂でもかまわない。しかし、全結
合樹脂中の30重量部以下の範囲で用いることが好まし
い。
本発明において用いられる光導電性化合物としは、有機
化合物群が好ましい。有機化合物としては、従来公知の
化合物のいずれでもよく、具体的に電子写真式製版用印
刷原版としてはつぎの2種が従来公知の例として知られ
ている。
第1は特公昭37−17162号、同62−5’146
2号、特開昭52−2437号、同54−19803号
、同56−10724.6号、同57−161863号
記載のような、有機光導電性化合物、増感染料、結合樹
脂を主体とする光導電層を有するものであり、第2は特
開昭56−146145号、同60−17751号、同
60−17752号、同60−17760号、同60−
254142号、同62−54266号記載のような電
荷発生剤、電荷輸送剤、結合樹脂を主体とする光導電層
を有するものである。
第2の例の特別な場合として、特開昭60−23014
7号、同60−230148号、同60−238853
号等に記載のような電荷発生剤と電荷輸送剤とをそれぞ
れ別の層に含有した2層構成の光導電層も知られている
本発明の電子写真式製版用印刷原版は、上記の2種の光
導電層のいずれの形態をとっていてもよい。第2の例の
場合には、本発明でいうを機先導電性化合物が電荷輸送
剤としての機能をはたす。
本発明における、有機光導電性化合物としては、(a)
米国特許第3.112.197号明細書等に記載のトリ
アゾール誘導体、 (b)米国特許第3.189.447号明細書等に記載
のオキサジアゾール誘導体、 (c)特公昭37−16.096号等公報等に記載のイ
ミダゾール誘導体、 (d)米国特許第3.615.402号、同3.820
.989号、同3.542.544号、特公昭45−5
55号、同51−10.983号、特開昭51−93.
224号、同55−108.667号、同551569
53号、同56−36.656号等に記載のポリアリー
ルアルカン誘導体、 (e)米国特許第3.180.729号、同4.278
.746号、特開昭55−88.064号、同55−8
8.065号、同49−105゜537号、同55−5
1.0813号、同56−80.051号、同56−8
8.141号、同57−45.545号、同54−11
2.637号、同55−74.546号等に記載のピラ
ゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、 (f)米国特許第3.615.404号、特公昭51−
10.105号、同46−3.712号、同47−28
.336号、特開昭54−83.435号、同54−1
10.836号、同54.119.925号等に記載の
フユニレンジアミン誘導体、 (g)米国特許第3.567、450号、同3.180
.703号、同3.240.597号、同3.658.
520号、同4.232.103号、同4.175.9
61号、同4.012.376号、西独国特許(D A
 S >  1.110.518号、特公昭49−35
.702号、同39−27.577号、特開昭55−1
44.250号、同56−119゜132号、同56−
22.437号等に記載のアリールアミン誘導体、 (h)米国特許第3.526.501号明細書記載のア
ミノ置換カルコン誘導体、 い)米国特許第3.542.546号明細書記載のN、
Nビカルバジル誘導体、 (」)米国特許第3.257.203号明細書記載のオ
キサゾール誘導体、 (k)特開昭56−46.234号公報記載のスチリル
アントラセン誘導体、 (1)特開昭54−110.837号公報記載のフルオ
レノン誘導体、 (m)米国特許第3.717.462号、特開昭54−
59.143号(米国特許第4.150.987号に対
応)、同55−52、063号、同55−52.064
号、同55−46.76i(1号、同55−85.49
5号、同57−11.350号、同57−148.74
9号、同57−104.144号等に記載のヒドラゾン
誘導体、(n)米国特許第4.047.948号、同4
.047.949号、同4.265.990号、同4.
273.846号、同4.299.897号、同4.3
06.008号明細書記載のベンジジン誘導体、 (o)特開昭58−190.953号、同59−95.
540号、同59−97.148号、同59−4!11
5.658号、同62−36.674号公報記載のスチ
ルベン誘導体、 (p)特公昭34−10.966号公報記載のポリビニ
ルカルバゾール及びその誘導体、 (q)特公昭43−18.674号、同43−19.1
92号公報記載のポリビニルピレン、ポリビニルアント
ラサン、ポリ−2−ビニル−4−(4’〜ジメチルアミ
ノフエ=ル)−5−フェニルオキサゾール、ポリ−3−
ビニル−N−エチルカルバゾール等のビニル重合体、(
s>特公昭43−19.193号公報記載のポリアセナ
フチレン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの
共重合体等の重合体 (1)特公昭56−13.940号公報などに記載のピ
レン−ホルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムア
ルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド
樹脂等の縮合樹脂、 (u)特開昭56−90.883号、同56−161.
550号公報に記載された各種のトリフェニルメタンポ
リマーなどがある。
なお本発明において、有機光導電性化合物は、(a)〜
(u)にあげられた化合物に限定されず、これまで公知
の全ての有機光導電性化合物を用いることができる。こ
れらの有機光導電性化合物は場合により2種類以上を併
用することが可能である。
第1の例の光導電層に含有される増感色素としては、電
子写真感光体に使用される従来公知の増感色素が使用可
能である。これらは「電子写真」129、  (197
3)、  r有機合成化学J 24 (11)、 10
10゜(1966)等に記載されている。例えば米国特
許第3゜141、770号、同4.283.475号、
特公昭48−25658号、特開昭62−71965号
等に記載のビリリウム系染料、AppIied 0pt
ics Supplement、 3 、50(196
9)、特開昭50−39548号等に記載の) !77
!I−ルメタン系染料、米国特許第3.597.196
号等に記載のシアニン系染料、特開昭60−16304
7号、同59−164588号、同60−252517
号等に記載のスチリル系染料などが有利に使用される。
第2の例の光導電層に含有される電荷発生剤としては、
電子写真感光体において従来公知の有機及び無機の各種
の電荷発生剤が使用できる。例えばセレン、セレン−テ
ルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、および以下(1)〜
(9)に示す有機顔料を使用することができる。
(1)米国特許第4.436.800号、同4,439
.506号、特開昭47−37543号、同58−12
3.541号、同58−192.042号、同58−2
19.263号、同59−78.356号、同60−1
79、746号、同61−148.453号、同61−
238.063号、特公昭60−5941号、同60−
45.664号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、ト
リスアゾ顔料などのアゾ顔料、 (2)米国特許第3.397.086号、同4.666
、802号、特開昭51−90827号、同52−55
643号等に記載の無金属あるいは金属フタロシアニン
等にフタロシアニン顔料、 (3)米国特許第3.371.884号、特開昭47−
30330号等に記載のペリレン系顔料、 (4)英国特許第2.237.680号、特開昭47−
30331号等に記載のインジゴ、チオインジゴ誘導体
、(5)英国特許第2.237.679号、特開昭49
−30332号等に記載のキナクリドン系顔料、 (6)英国特許第2.237.678号、特開昭59−
184.348号、同62−28.738号、同47−
18544号等に記載の多環キノン系顔料、 (7)特開昭47−30.331号、特開昭47−18
543号等に記載のビスベンズイミダゾール系顔料、(
8)米国特許第4.396.610号、同4.644.
、082号等に記載のスクアリウム環系顔料、 (9)特開昭59−53.850号、同61−212.
542号等に記載のアズレニウム塩系顔料、などである
。これらは単独もしくは2種以上を併用して用いること
もできる。
また、有機光導電性化合物と結合樹脂の混合比は、有機
光導電性化合物と結合樹脂との相溶性によって有機光導
電性化合物の含有率の上限が決まり、これを上回る量を
添加すると有機光導電性化合物の結晶化がおこり好まし
くない。
有機光導電性化合物の含有量が少ないほど電子写真感度
は低下するので、有機光導電性化合物の結晶化が起こら
ない範囲内でできるだけ多くの有機光導電性化合物を含
有させるのが好ましい。有機光導電性化合物の含有率と
しては、結合樹脂100重量部に対し有機光導電性化合
物5〜120重量部、好ましくは有機光導電性化合物1
0〜100重量部である。また、有機光導電性化合物は
、単独であるいは2種以上混合して使用してもよい。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層には、電
子写真感光体に従来使用されてきた種々の公知の添加剤
を含有させることができる。これらの添加剤としては、
電子写真感度を改良するための化学増感剤、皮膜性を改
良するための各種の可塑剤、界面活性剤などが含まれる
。化学増感剤としては、例えばp−ベンゾキノン、クロ
ラニル、フルオレノン、ブロマニル、ジニトロベンゼン
、アントラキノン、2.5−ジクロルベンゾキノン、ニ
トロフェノール、無水テトラクロルフタル酸、23−ジ
クロロ−5,6−ジクロルベンゾキノン、ジニトロフル
オレノン、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチ
レン等の電子吸引性化合物、特開昭58−654.39
号、同58−102239号、同58−129439号
、同62−71965号等に記載の化合物等を挙げるこ
とができる。
可塑剤としては、例えばジメチルフタレート、ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニルフォ
スフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケ
ート、ジブチルセバケート、ラウリン酸ブチル、メチル
フタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコールフ
タレートなどを光導電層の可撓性を向上するために添加
できる。
これらの可塑剤は光導電層の静電特性、エツチング性を
劣化させない範囲で含有させることができる。
以上の如き光導電体層に、更に本発明の結合樹脂の光照
射による光分解反応促進のために、光増感剤を添加する
ことができる。その添加量は、本発明の結合樹脂100
重量部当たり0.1〜20重量部が適当である。光増感
剤としては、感光性高分子で用いられる従来公知の化合
物いずれをも用いることができ、例えば角田隆弘「感光
性樹脂」、印刷学会出版部(1972年刊)、永松元太
部、乾英夫「感光性高分子」講談社(1977年刊)等
の総説弓例の化合物が挙げられる。具体的には、ベンゾ
フェノン、ミヒラーズケトン、ビフェニル、アントラキ
ノン、メチル−β−ナフチルケトン、ブチル安息香酸、
チオ安息香酸エステル等が挙げられるまた、本発明の光
導電層の膜厚は薄すぎると現像に必要な表面電位を帯電
することができず、逆に厚すぎると光導電層を除去する
際にサイドエッチと呼ばれる平面方向のエツチングを起
こし良好な印刷版が得られない。光導電層の膜厚として
は0.1μm〜30μm1好ましくは0.5μm〜10
μmである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表面
を有するプラスチックシート、または特に溶剤不透過性
および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、また
は銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅
板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛鉄板、クロム−銅−ステンレス板等のト
ライメタル板等の、親水性表面を有する導電性支持体が
用いられ、その厚さは0.1mm〜3Iulが好ましく
、特に0.1mm〜0.5鵬が好ましい。これらの支持
体の中でもアルミニウム板が好適に使用される。本発明
において用いられるアルミニウム板は、アルミニウムを
主成分とする純アルミニウムや微量の異原子を含むアル
ミニウム合金などの板状体であり、その組成が特定され
るものではな〈従来公知、公用の素材を適宜使用するこ
とが出来る。
このアルミニウム板は、従来公知の方法で砂目立て、陽
極酸化して用いることが出来る。砂目立処理に先立って
アルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望に
より界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処理
が施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方法
には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に表
面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方
法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、ボ
ール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、パフ研磨
法等と称せられる公知の方法を用いることが出来る。ま
た電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液
中で交流または直流によりおこなう方法がある。また、
特開昭54−63902号に開示されている様に両者を
組み合わせた方法も利用できる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は必要に応じてア
ルカリエツチング処理及び中和処理され、次いで陽極酸
化処理される。陽極酸化処理に用いられる電解質として
は硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸
が用いられ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類
によって適宜状められる。陽極酸化の処理条件は用いる
電解質により種々変わるので、−概に特定し得ないが、
船釣には電解質の濃度が1重量%〜80重量%溶液、液
温は、5℃〜70℃、電流密度5A/cn 〜60^/
m’、電圧IV〜100V、電解時間10秒〜50分の
範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量は、O,Ig
/m″〜10g/m’が好適であるが、より好ましくは
Ig/m’〜6g/m’の範囲である。
さらに、特公昭47−5125号公報に記載されている
ようにアルミニューム板を陽極酸化処理した後に、アル
カリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に
使用される。また、米国特許第3658662号明細書
に記載されているようなシリケート電着も有効である。
西独公開特許第1621478号公報に記載のポリビニ
ルスルホン酸による処理も適当である。
また、本発明においては導電性支持体と光導電層との間
に、密着性や電子写真式製版用印刷原版の静電特性を改
良するなどの目的のため、必要によりカゼイン、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸な
どからなるアルカリ可溶性の中間層を設けることができ
る。
また、本発明においては、光導電層上に必要により、静
電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特性、
印刷特性などを改良する目的で、光導電層除去時に同時
に除去することが可能なオーバーコート層を設けること
ができる。このオーバーコート層は機械的にマット化さ
れたもの、あるいはマット剤が含有される樹脂層であっ
てもよい。この場合マット剤としては、二酸化珪素、ガ
ラス粒子、アルミナ、デンプン、酸化チタン、酸化亜鉛
、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、フェノー
ル樹脂などの重合体の粒子および米国特許第27012
45号、同第2992101号明細書に記されているマ
ット剤が含まれる。これらは2種以上併用することがで
きる。
オーバーコート層に使用される樹脂としては、光導電層
を除去するエツチング液との組み合わせにより適宜選択
される。具体的には、例えばアラビアゴム、ニカワ、セ
ルロース類、でん粉類、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどがあ
る。これらは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるトナーは、非画像部と画像部との光
照射の判別をするために着色されたものであり、且つ非
画像部を除去するエツチング液に対する耐性を有し、こ
のエツチング液からトナー画像部の光導電層の溶出を防
ぐ機能を有し、乾式現像剤、液体現像剤など電子写真の
トナーとして使用されるものであればいずれも使用可能
であるが、高解像度の画像を得るためには液体現像剤を
使用するのが好ましい。更には疎水憧でインク受容性の
トナー画像を与えるものが望ましい。
例えばトナー粒子の成分としては、ポリスチレン系樹脂
、ポリエステル系樹脂、アクリルエステルのホモポリマ
ー及び共重合体、メタクリルエステルのホモポリマー及
び共重合体、エチレン共重合体、環化ゴム、酢酸ビニル
のホモポリマー及び共重合体、塩化ビニルなどの高分子
物質が使用される。またトナーの定着性や分散性および
耐エツチング性に悪影響を及ぼさない範囲内で着色剤、
例えばカーボンブラック、ニグロシン系顔料、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、ベンジジンイ
エロー、アルカリブリー、カーミン6Bなどのような顔
料および染料を含有させる。更に各種の荷電調節剤、そ
の他の添加剤を含有していてもよい。
トナー画像形成後のトナー非画像部の光導電性絶縁層を
除去するエツチング液としては、光導電性絶縁層を除去
できるものなら任意の溶剤が使用可能であり特に限定さ
れるものではないが、好ましくはアルカリ性溶剤が使用
される。ここでいうアルカリ性溶剤とは、アルカリ性化
合物を含有する水溶液、またはアルカリ性化合物を含有
する有機溶剤、もしくはアルカリ性化合物を含有する水
溶液と有機溶剤との混合物である。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸
カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム
、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア、及
びモノエタノールアミン、ジェタノールアミン、トリエ
タノールアミン等のアミノアルコール類等などの有機お
よび無機の任意のアルカリ性の化合物を挙げることが出
来る。
エツチング液の溶媒としては前述のように、水もしくは
多く有機溶剤を使用することが出来るが、臭気、公害性
の点から水を主体としたエツチング液が好ましく使用さ
れる。水を主体としたエツチング液には、必要に応じて
各種の有機溶剤を添加することも出来る。
好ましい有機溶剤としては、メタノール、エタノール、
プロパツール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール等の低級アルコール、芳香族アルコー
ルおよびエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、セ
ロソルブ類、及びモノエタノールアミン、ジェタノール
アミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類
等を挙げることが出来る。
また、エツチング液には界面活性剤、消泡剤、その他必
要に応じて各種の添加剤を含有したものが使用される。
次に、本発明の電子写真式製版用印刷原版から印刷版を
作成する方法について説明する。本発明の電子写真式製
版用印刷原版は従来公知の電子写真プロセスにより画像
形成される。すなわち、暗所で実質的に一様に帯電し、
画像露光により静電潜像を形成する。露光方法としては
、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯などを
光源として反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密
着露光や、レーザー光、発光ダイオードなどによる走査
露光があげられる。
走査露光を行う場合は、ヘリウム−ネオンレーザ−、ヘ
リウム−カドミウムレーザー、アルゴンイオンレーザ−
、クリプトンイオンレーザ−Yへ〇レーザー、ルビーレ
ーザー、窒素レーザー、色素レーザー、エキサイマーレ
ーザー、GaAa/GaA Il^s、 InGaAs
Pのような半導体レーザー、アレキサンドライトレーザ
ー、銅蒸気レーザー、エルビウムレーザーなどのレーザ
ー光源による走査露光、あるいは発光ダイオードや液晶
シャッターを利用した走査露光(発光ダイオードアレイ
、液晶シャッターアレイなどをもちいたラインプリンタ
ー型の光源も含む)によって露光することができる。
次に、上記静電潜像をトナーによって現像する現像方法
としては、乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラシ現
像、パウダークラウド現像)、液体現像法のいずれも使
用できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成する
ことができ、印刷版を作成するた約に好適である。
更に正現像によるポジーポジ現像や、適当なバイアス電
圧の印加による反転現像によるネガ−ポジ現像も可能で
ある。形成されたトナー画像を、加熱定着、圧力定着、
光照射定着、溶剤定着等により定着し、形成したトナー
画像をレジストとして作用させ、非画像部の光導電層を
エツチング液により除去することにより印刷版を作成で
きる。
〔作用〕
電子写真方式で画像を作成後、エツチング処理(即ち、
非画像部を除去すること)して印刷版を作成する方法に
おいて、公知の結合樹脂と有機光導電性化合物とから成
る従来公知の感光体においては、電子写真特性エツチン
グ処理適性(即ち、容易に非画像部を除去する)及び高
耐剛性(即ち、原稿に忠実なトナー画像部を保持し、且
つ高耐刷を維持する)とを満足するには種々の問題があ
った。
即ち、光導電性化合物を結合樹脂と均一に分散すること
は、結合樹脂中の親木基含有成分に左右され、またエツ
チング適性を向上させるために親水性基含有成分を多く
すると分散性が揖なわれてしまい、結果として感光体を
形成しても電子写真特性(例えば初期電位、光感度、暗
減衰等)に満足すべき特性が得られなくなってしまう。
逆に、親水性基成分を少なくすると、電子写真特性は満
足できてもエツチング処理による非画像部の除去が、結
合樹脂の水溶性不足のために不充分となり、結果として
印刷物の非画像部に地力ブリが発生してしまう。
或いは、アルカリエツチング処理適性が良好な結合樹脂
類(例えば無水マレイン酸共璽合体、脂肪族カルボン酸
ビニルエステル/クロトン酸共重合体等)では、電子写
真特性が不満足で、特にレーザー光源を用いたスキャニ
ング露光方式では、複写画像の画質が低下してしまうと
いう問題があった。
本発明の結合樹脂は、これらの矛盾する問題を解決する
ことができるものである。
即ち、一般式(I)で示される重合体成分と酸性官能基
含有の重合体成分とを含有し、且つ共重合体主鎖の片末
端に酸性官能基を含有すると共に、特定の分子量をもつ
共重合体とすることにより、光導電層形成用分散物の分
散が均一になされ、且つ光導電性化合物との相互作用が
適切になされ、電子写真特性の高性能化が達成されるも
のと考えられる。
更に、アルカリエツチング時の非画像部の溶出性が著し
く改良され、迅速化されることにより、トナー画像部へ
のエツチング処理液のサイド側からの浸出が抑制され、
細線や細文字部分の欠損や画像部分のサイドの細り現象
がなくなり、原稿に対する忠実な画像再現が可能となる
ものである。
更に、樹脂の分子量を下げたことによる画像部の膜強度
低下により耐刷性の劣化が懸念されるにも係わらず、高
耐刷性が達成されるが、これは本発明における結合樹脂
が特定の分子量に調節されていることにより、均一な分
散効果及び酸性官能基の位置の特定化効果等の相乗作用
で強度維持がなされるものと考えられる。
以下、本発明における結合樹脂の合成例を説明する。
(合成例 1)・・・結合樹脂P−1の合成ベンジルメ
タクリレート75g1メタクリル酸25g1チオグリコ
ール酸2g及びメトキシプロピルアセテ−) 200g
の混合溶液を窒素気流下に温度75℃に加温した。
これにアゾビスイソブチロニトリル(^、 1. B、
 N。
)1.5gを加え、4時間反応させ、更にA、 l、 
B。
N、0.8gを加えて3時間反応させた。冷却後、ヘキ
サン11中に再沈し、析出物を1果して乾燥した。
得られた粉末の収量は80gで重量平均分子量(畦)は
8X10’であった。
(重量比) (合成例 2〜13)・・・結合樹脂P−2〜F−13
の合成 上記合成例1において、ペンジルメタクリレト及びチオ
グリコール酸の代わりに、下記表のメルカプト化合物を
用いて、それぞれ重合体を製造した。各重合体のMwは
6XIO’〜9X10’の範囲であった。
(以下余白) (合成例 14)・・・結合樹脂P−14の合成例ベン
ジルメタクリレート50g1エチルメタクリレート30
g、アクリル酸20g及びメトキシプロピルアセテ−)
 200gの混合溶液を、窒素気流下に温度85℃に加
温した。これに4.4°−アゾビス(4シアノ吉草酸)
  (A、B、CJ、) 8gを加え4時間反応し、更
に^、B、C,V、  Igを加え、3時間反応させた
冷却後、ヘキサン11中に再沈し、析出物を1果し乾燥
した。得られた粉末の収量は83gで、匹7゜8X10
3であった。
P−14+ (重量比) (合成例 15)・・・結合樹脂P−15の合成例2−
クロロフェニルメタクリレート80g、2−カルボキシ
エチルアクリレート20g1子オサリチル酸3g及びメ
トキシプロピルアセテート200gの混合溶液を、窒素
気流下に75℃に加温した。これに上記合成例で使用し
たA、 B、 C,V、 1. gを加え、5時間反応
させ、更に^、B、C,V、 0.6gを加え、3時間
反応させた。得られた重合体のiは7.5810’であ
った。
〔実施例1〕 電荷発生剤として下記の、トリスアゾ化合物・・・・・
・1.0部、 但し、 (3/2>重量比 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。尚、実施例において、「部」は全
て重量部を示す。
有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物           ・・・・・・2,0部共重合
体:p−t        ・・・・・・10.0部テ
トラヒドロフラン      ・・・・・・1008B
を、50f1m+のガラス製容器にガラスピーズ止具に
いれ、ペイントシェーカー(東洋精機製作所r1@)で
60分間分散した後、ガラスピーズを濾別して光導電層
用分散液とした。
次に、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ0.
25fiのアルミニウム板上に塗布、乾燥し、乾燥膜厚
5,1μmの光導電層を有する電子写真式製版用印刷原
版を調整した。
〔比較例A〕〜〔比較例C〕 実施例1において、共重合体P−1の代わりに、下記樹
脂を各々用いた他は実施例1と同様に操作して各電子写
真感光体を作製した。
〔比較例A〕
共重合体(A) スチレン−無水マレイン酸共重合体 (無水マレイン酸含有率:33モル%)〔比較例B〕 共重合体(B) 酢酸ビニル、クロトン酸共重合体 (カネボウNSC社製:R日5YN−28−1310)
〔比較例C) 共重合体(C) ペンジクメタクリレートーメタクリル酸(75/25重
量比)  Mw 4.0XIO’このようにして作製し
た印刷版を、ハフダスター800CDオフセツト印刷機
を用いて常法により印刷した印刷性(耐刷性等)を調べ
た。
以上の結果をまとめて、下記表に示す。
(以下余白) 上記表に示した評価項目の実施態様は以下の通りである
注1)静電特性二 温度20℃、65%RHおよび(30℃、80%RH)
の暗室中で、各感光材料にペーパーアナライザー(ノロ
電機■製品ペーパーアナライザー5P−428型)を用
いて+7kVで20秒間コロナ放電をさせた後、10秒
間放置し、この時の表面電位Viaを測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置した後の電位V+
ioを測定し、180秒間減衰させた後の電位の保持性
、即ち、暗減衰保持率(DRR(%)〕を、(V、。/
v+a) X100(%)で求めた。又、コロナ放電に
より光導電層表面を+400Vに帯電させた後、該光導
電層表面を照度2,0ルツクスの可視光で照射し、表面
電位(V、。)が172に減衰するまでの時間を求め、
これから露光量B1/2 (ルックス・秒)を算出する
又、同様にV +aが1710に減衰するまでの時間を
求め、これから露光量El、□。(ルックス・秒)を算
出する。
注2)撮像法 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。
これらの感光材料の静電特性について、環境条件を(2
0℃、65%RH)と、(30℃、80%R)I)とし
て各々測定した。
更に、これらの感光材料を、暗所で表面電位+450V
に帯電させた後、He−Neレーザーを用いて633部
mの光で版面での露光量が30erg/cnfになるよ
うに露光し、これを、アイソパーH(エッソスタンダー
ド社)11中にポリメチルメタクリレート粒子(粒子サ
イズOJμm)5gをトナー粒子として分散し、荷電調
節剤として大豆油レシチン0.01gを添加して作製し
た液体現像剤を用い、30Vのバイアス電圧を対抗電極
に印加して現像することによりトナー画像を得た。
更に100℃で1分間加熱してトナー画像を定着した。
この様にして得られた製版後の原版の複写画像の原稿画
像への再現性(カブリ、画像の画質)について、目視評
価した。
注3)エツチング処理性 注2)に従って得られた製版後の原版を、ケイ酸カリウ
ム40部、水酸化カリウム10部、エタノール100部
を水800部に希釈したエツチング液中に5秒間浸漬す
ることによって除去し、30秒間水洗した後、ドライヤ
ーにて風乾した。
この印刷用原版の非画像部分の膜の残存程度及び画像部
分の細線・細文字の欠損の有無を、60倍のルーバ(P
BAK■製)にて目視評価した。
注4)耐刷性: 各感光材料を、上記性2)と同条件で、製版して、トナ
ー画像を形成し、上記性3)と同条件でエツチング処理
をした後、ガム引きして、オフセット用印刷原版を作製
した。
これらをオフセット印刷機(桜井製作所■オリバー52
型)にかけ、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画
質に問題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷事項
が多い程、耐刷性が良好なことを表わす)。
静電特性において、比較例Cは良好であったが、光感度
(E l/+ 01 E l/□。。)は、本発明のも
のに及ばなかった。比較例A及びBは、D、 R,R,
および光感度(B)が不充分であり、又環境条件が変わ
った時に、その値が更に劣化してしまった。
実際にこれらの感光体の撮像性を調べて見ると、上記の
静電特性に対応し、環境が変わっても良好な複写画像を
示すものは本発明のものであった。
次に、印刷版とするためにエツチング処理をしたところ
、本発明、比較例A及びBは非画像部が5秒という短時
間で完全に溶出したが、比較例Cは残膜が顕著で溶出が
不充分であった。
更に、オフセットマスター原版として印刷したところ、
本発明のもののみが、10万枚印刷しても、印刷物の画
質は地汚れのない鮮明な画像のものであった。比較例C
は溶出が不充分のため、刷りだしから非画像部の地汚れ
が著しかった。
又比較例A、 Bは、非画像部の溶出は充分で、地汚れ
は全く認められなかったが、複写画像の画質が不満足で
、得られた印刷物の画像部の欠落が刷り出しから生じて
いた。
以上のように、本発明の印刷原版のみが電子写真特性と
印刷特性を満足した。
〔実施例2〜実施例10〕 実施例1において、共重合体P−1の代わりに、下記波
の共重合体を用いた他は、実施例1と同様にして電子写
真式製版用印刷原版を作成した。
実施例1と同様にして静電特性、撮像性、印刷性を調べ
た。上記表に過酷条件の(30℃、80%RH)下での
静電特性を示した。
各感光体ともいずれも、実施例1と同様に良好な結果を
示した。又、撮像性、印刷性(耐刷性10万枚)につい
ても、いずれも実施例1の感光体と同等の結果を示した
〔実施例11〕 有機光導電性化合物として、実施例1で用いたヒドラゾ
ン化合物の代わりに、下記のオキサジアゾール化合物を
用いるほかは、実施例1と同様にして電子写真式製版用
印刷原版を作成した。
オキサジアゾール化合物 結合樹脂として、共重合体二P−9・・・・・・75部
増感色素として下記チオビIJ IJウム塩化合物・・
・・・・1 18部 実施例1と同様に測定した所、いずれの特性についても
実施例1と同等の結果を示した。
〔実施例12〕 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物            ・・・・・・25部を、メ
チレンクロライド510部、メチルセルソルブアセテー
ト150部の混合溶媒に溶解した。
この溶液を砂目型てした厚さ0.25mmのアルミニウ
ム板上に塗布、乾燥し乾燥膜厚53μの光導電層を有す
る電子写真式製版用印刷原版を作成した。
次に、この試料を暗所で表面電位+450■に帯電させ
た後、He−Neレーザーを用いて632部mの光で露
光し、これを、アイソパーH(エッソスタンダード社)
If中にポリメチルメタクリレート10gをトナー粒子
(粒子サイズ0.3μm)として分散し、荷電調節剤と
して大豆油レシチン0.01gを添加して作製した液体
現像剤で現像して、書き込み開始部も書き込み終了部も
かぶりのない鮮明なポジのトナー画像を得ることができ
た。
更に、100℃で加熱してトナー画像を定着した。この
電子写真式製版用印刷原版を、メタケイ酸ナトリウム永
和物70gをグリセリン140m1、エチレングリコー
ル550T111、及びエタノール150+n1に溶解
したエツチング液に約5秒間浸漬して、水流で軽くブラ
ッシングしながら洗うことにより、トナーの付着してい
ない非画像部の光導電層を完全に除去することができた
このようにして作製した印刷版を、ハマダスター 60
0CDオフセット印刷機を用いて常法により印刷したと
ころ、非画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を10
M枚印刷することができた。
〔実施例13〕及び比較例D−F 有機光導電性化合物として、X型無金属フタロシアニン
(大日本インキ■製)  ・・・・・・1.9部添加剤
として、下記に示すチオバルビッール酸化合物    
         ・・・・・・0.15部共重合体二
P−1        ・・・・・・17部テトラヒド
ロフラン/シクロヘキサン (8/2>重量比混合溶液 ・・・・・・100部 を、500mJ2のガラス製容器にガラスピーズと共に
入れ、ペイントシェーカーで60分間分散した後、ガラ
スピーズを濾別して光導電層用分散液とした。
次にこの光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ0.2
5Mのアルミニウム板上に塗布、乾燥し、乾燥膜厚6.
0μmの光導電層を有する電子写真式製版用印刷原版を
調整した。
〔比較例D〕〜〔比較例F〕 実施例13において、共重合体P−1の代わりに、下記
樹脂を各々用いた他は、実施例13と同様に操作して各
電子写真感光体を作製した。
〔比較例D〕 :共重合体(B) 〔比較例E〕 :共重合体(C) 〔比較例F〕 :共重合体(D> ベンジルメタクリレート−メタクリル酸(75/25)
重量比 匹4X10’ これらの感光材料の静電特性、撮像性について各々測定
した結果をまとめて下表に示す。
(以下余白) 表に示した評価項目の実施態様は以下の通りである。
注5)静電特性: (温度20℃165%R11)および(30℃、80%
R11)の暗室中で、各感光材料にペーパーアナライザ
ー(川口電機■製、ペーパーアナライザー5P−428
型)を用いて+6kVで20秒間コロナ放電をさせた後
、10秒間放置し、この時の表面電位VIOを測定した
次いでそのまま暗中で180秒間静止した後の電位V1
gOを測定し、180秒間暗減衰させた後の電位の保持
性、即ち、暗減衰保持率[DRR(%)〕を、(V +
so/V to) X 100(%)で求めた。
又、コロナ放電により光導電層表面を+400Vに帯電
させた後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位
(V、。)が172に減衰するまでの時間を求め、これ
から露光量E I/2 (erg/Cr1)を算出する
更にEl、2測定と同様にコロナ放電により+400V
に帯電させた後、波長780r++++の単色光で照射
し、表面電位(V、0)がl/10に減衰するまでの時
間を求め、これから露光量E +z+o(erg/ c
at)を算出す注6)撮像性 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。
次に+5kVで帯電し、光源として、2.8mW出力の
ガリウムーアルミニウムーヒ素半導体レーザー(発振波
長780nm)を用いて、感光材料表面上で、60er
g/cn[の照射量下、ピッチ25μm及びスキャニン
グ速度300m/secのスピードで露光後、液体現像
剤として実施例1で使用したものを用いて現像、定着し
、さらに光照射することで得られた複写画像(カブリ、
画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は、20℃、65%RHと30℃、8
0%RHで実施した。
各感光体の静電特性において、比較例りは他の感光体に
比べ、いずれの値も省っていた。一方、比較例Eは、比
較例りに比べ、V、o、 D、R,R,、E17□、E
l/10のいずれも良化し、環境が(30℃、80%R
1()と過酷になっても、その変化は比較的ちさくなっ
たが充分とは言えなかった。
これらに対し本発明の感光体及び比較例Fは、いずれの
静電特性も著しく良化し、且つ環境変動してもその変化
は極めて小さくなったが、比較例Fは、本発明に比べ光
感度が劣っていた。
実際に、半導体レーザー光でスキャニングで露光して撮
像した各感光体の複写画像は、上記した静電特性と対応
し本発明が良好であった。
更に、実施例1と同様にしてオフセット印刷用原版とし
た後印刷したところ、本発明のもののみが10万枚印刷
することができた。
〔実施例14〕〜〔実施例24〕 実施例13における共重合体P−1の代わりに、下記式
で示される共重合体である下記表に示す電子写真式製版
用印刷原版を、実施例13と同様にして作成した。
Mw  5XIO−9XIO3 これらを実施例13と同様にして、各特性を調べた。い
ずれの感光材料も良好な静電特性及び撮像性を示し、更
に過酷な条件(30℃、80%R)I)においても、実
施例13と同様の良好な性能を示した。
更にオフセットマスター原版として、エツチング処理し
たところ、いずれも非画像部はすみやかに溶出した。実
際に印刷したところ、5万枚印刷後の印刷物の画質は地
力ブリのない鮮明な画像のものであった。
〔発明の効果〕
本発明の電子写真式製版用印刷原版は、応答測度及びエ
ツチング性が改良された優れた電子写真式製版用印刷原
版であり、原稿を忠実に再現した印刷物を多数枚印刷す
ることを実現することができた。
また本発明の電子写真式製版用印刷原版によると、レー
ザーなどの操作露光方式による直接型印刷版における応
答速度の遅さに起因する、書き込み終了部での残留電位
の上昇のために発生していたかぶりの発生の問題を解決
することができ、書き込み開始部、書き込み終了部とも
にかぶりのない良好な印刷原版とすることができる。
出 願  人

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)導電性支持体上に、少なくとも光導電性化合物お
    よび結合樹脂を含有する光導電層を有し、画像露光し、
    トナー画像を形成した後、トナー画像部以外の非画像部
    の光導電層を除去することにより印刷版とする電子写真
    式製版用印刷原版において、前記光導電層の結合樹脂が
    下記一般式( I )で示される単量体成分の少なくとも
    1種及び該単量体成分と共重合性を有する酸性官能基を
    有する単量体成分を少なくとも1種含有する共重合体で
    あり、且つ該共重合体がその主鎖の片末端に酸性官能基
    を結合しており、重量平均分子量が1×10^3〜1×
    10^4の共重合体であることを特徴とする電子写真式
    製版用印刷原版。 一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Rは、脂肪族基又はアリール基を表す。)
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