JPH0416048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、合成樹脂、若しくは、これを主材と
した強化プラスチツク等により形成された継手本
体に、内側の空間部に内面テーパーを有した非磁
性金属材質のテーパー環体を別体に装着した押圧
袋ナツトを螺合し、押圧袋ナツトの端部に設けた
挿入口を経て継手本体の端部から挿入した接続管
と、テーパー環体の内面テーパー間に介装した喰
込み部材を配したリテーナの前記喰込み部材を押
圧袋ナツトの締付けで内面テーパーによつて喰込
み部材を接続管に喰込ませるとき、押圧袋ナツト
の回転を容易にして接続管の抜けを阻止する管継
手に関する。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 従来管接続装置としては種々なものが存在し、
特に類似構造の管接続装置が特開昭57−163792号
公報がある。しかし、この構造では球体等の喰込
み部材は、継手本体に押圧ナツトを締付ける時、
球体が円周方向の移動の時に生じる抵抗は極めて
強く、接続管の円周面及び押圧ナツト内面テーパ
ー面に発生する傷跡は大で、また締付け力を増大
すればする程強く抵抗して押圧ナツトは締付け回
転を不能にする欠点がある。また、近来、配管に
は防蝕性及び軽量による施工性の面より合成樹脂
被覆鋼管や合成樹脂管の使用が増加してきてい
る。特に塩害地や、橋に沿つて配管する場合には
錆による腐食を防ぐために合成樹脂被覆鋼管が使
用される。また配管に使用される継手は、溶融亜
鉛メツキ鋼管を使用の場合は亜鉛電気メツキを施
した継手や、合成樹脂被覆を行つたものが使用さ
れている。ところが、管の接続に対して、押圧袋
ナツト或いは継手本体を回転し締付ける場合、外
面に締め具により傷をつけることが多く、腐食の
原因となる。

また継手一端の管挿入口と接続管との隙間や、
螺合部より外部水が侵入し、継手内部の腐食の原
因となつている。

また合成樹脂により形成された連接用管の継手
として多く使用されているものは、その材質は全
く同質のもので接着式若しくは内部にシール及び
抜け止めパツキングを介在させた差込式のものが
使用されているが、引抜け抵抗力を始め不等沈下
に困る許容撓角保持力に難点があるのが現状で、
度々現場では問題を起こしている。

また、内面テーパーとリテーナに配した球体の
相関関係で接続管の移動を防止する構造のものを
樹脂系管の連接に使用する場合は、樹脂系管の滑
りが良いので球体が管に対しての喰込作用が生じ
難く、継手として十分な効果が発揮できない欠点
がある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は斯様な実情に鑑み、これ等の問題点に
対処するために創案したもので、即ち、両端部の
外周にねじを螺設した合成樹脂または強化プラス
チツクの非磁性材からなる筒状の継手本体と、該
本体の前記外周ねじに螺合する内面ねじと、この
内面ねじに連続して形成する空間部内に、前記内
面ねじ側に向かつて内径を大きくしたテーパー面
を有する非磁性金属材質のテーパー環体を嵌合
し、更に、テーパー環体の内部に円周に喰込み部
材を配装し、且つ一端縁に球面状の膨大部を成形
したリテーナを嵌在させた押圧袋ナツトを継手本
体に螺合し、前記リテーナに配装する喰込み部材
を押圧袋ナツトの一端側から挿入された非磁性接
続管の外周面と前記テーパー環体のテーパー面の
間に位置にさせ、前記押圧袋ナツトの前記螺進に
より、テーパー環体のテーパー面および非磁性接
続管の外周面に喰込み部材を喰込ませ非磁性接続
管の抜け出しを阻止し且つ、管の締付けを容易と
し、特にテーパー環体を活用し、気密効果を発揮
することを目的に提供するものである。

［実施例］ 次に本考案に係る管継手の一実施例を図面によ
り説明する。

１は樹脂または、強化プラスチツク等の非磁性
体からなる筒状の継手本体で、該本体１の両端部
の外周にはねじ１ａを螺設し、内壁の中央には凹
溝２を周設して、これに本体１の両端から挿入す
る接続管Ｐ，Ｐを受止める非磁性のストツパー用
環体３を嵌めてある。

また外周ねじ１ａの基端側には、止水リング４
を嵌める凹溝５を周設し、外周ねじ１ａに螺合し
た後記押圧袋ナツト６の先端側内壁に螺設した内
面ねじ６ａで締付けた時押圧袋ナツト６の先端内
壁で押圧し止水作用を行うようにしてある。

前記押圧袋ナツト６は、樹脂または強化プラス
チツク材等非磁性からなり、接続管Ｐを挿入する
挿入孔７を端部に設け、また内面ねじ６ａに連続
して押圧袋ナツト６の底面６ｂの間に環状の空間
部８を形成し、この空間部８内に、前記接続管挿
入孔７側に向かつて内径を小さくしたテーパー内
面９ａと、挿入孔７側にテーパー９ｂを設けた非
磁性金属材質のテーパー環体９を嵌めてある。

前記テーパー環体９のテーパー内面９ａと、前
記接続管Ｐの間には、円周に等間隔で冠体、歯車
状ローラ等の喰込み部材１０を配したリテーナ１
１を介装し、テーパー内面９ａと喰込み部材１０
の相関関係により喰込み部材１０をテーパー内面
９ａにより接続管Ｐの外周に押付けて喰込ませて
接続環の移動を防止する。またリテーナ１１は、
一端に球面状の膨大部１１ａを成形して止水リン
グとしての作用も併用できるようにしてある。

尚、図中１２はパツキングで押圧袋ナツト６の
底面６ｂとテーパー環体９のテーパー面９ｂの間
に介装して、押圧袋ナツト６および継手本体１の
螺合による締付け時に、押圧袋ナツト６に装嵌し
たテーパー環体９は回らないで締付け接続管Ｐと
の水密性を発揮するようにしてある。

［作用］ 本考案は、前記構成から明らかなように、非磁
性体からなる継手本体１の外周に螺設した外周ね
じ１ａに、内部空間部にテーパー環体９を嵌めた
押圧袋ナツト６の内面ねじ６ａを螺合して、継手
本体１内に挿込まれた接続管Ｐと押圧袋ナツト６
内のテーパー内面９ａの間に喰込み部材１０を配
したリテーナ１１を介装し、押圧袋ナツト６を継
手本体１に螺進することによつてテーパー環体９
は回転しないで締付方向に移動し、テーパー環体
９のテーパー内面９ａと喰込み部材１０の相関関
係で接続管Ｐに喰込み部材１０を押圧して喰込ま
せ、接続管Ｐの移動を防ぐと共に、リテーナ１１
の一端に設けた球状の膨大部１１ａは継手本体１
の端面とテーパー環体９のテーパー内面により押
されて接続管Ｐの外周に密着し止水と抜止め効果
を充分に発揮するものである。

また接続管、継手本体及び押圧袋ナツトは合成
樹脂、若しくは、これを主材とした強化プラスチ
ツク等による非磁性材質であり、テーパー環体も
非磁性金属材質である。

［効果］ 本考案は上述のように両端部の外周にねじを螺
設した合成樹脂または強化プラスチツクの非磁性
材からなる筒状の継手本体と、本体の前記外周ね
じに螺合する内面ねじと、この内面ねじに連続し
て形成する空間部内に、前記内面ねじ側に向かつ
て内径を大きくしたテーパー内面を有する非磁性
金属材質のテーパー環体を嵌合し、更にテーパー
環体の内部に円周に喰込み部材を配装し、且つ一
端縁に球面状の膨大部を成形したリテーナを嵌在
させた押圧袋ナツトを継手本体に螺合し、前記リ
テーナを配装する喰込み部材を押圧袋ナツトの一
端側から挿入された非磁性接続管の外周面と前記
テーパー環体のテーパー面の間に位置させ前記押
圧袋ナツトの螺進によりテーパー面および非磁性
接続管の外周面に喰込み部材を喰込ませ、接続管
の抜け出しを阻止する管継手であつて、前記した
非磁性の継手本体に螺合する非磁性材の押圧袋ナ
ツト内の空間部に、接続管挿入孔側を小径とした
テーパー内面を有した非磁性金属材質のテーパー
環体を装嵌し、更に継手本体内に挿入した非磁性
接続管の外周面とテーパー環体のテーパー内面の
間に、円周に喰込み部材を配し、一端縁に球面状
の膨大部を設けたリテーナを介装し、押圧袋ナツ
トを回わして締付け螺進させるとき、押圧袋ナツ
トとテーパー環体は別体であつてテーパー環体は
回転動作をせず、接続管体と平行に移動し、喰込
み部材とテーパー内面の相関関係で喰込み部材の
接続管に対する喰込み作用と密封作用を発揮さ
せ、また締付けは、前記した押圧袋ナツトとテー
パー環体は別体のため締付けは低トルクでよく容
易である。更に管体への震動も極度に間接的とな
るため弊害が除去できる。また抜け止め効果と外
部水の侵入を防ぎ、耐蝕効果を発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に掛かる管継手の一実施例を示し
たもので、第１図は締付前と締付接続後を示した
一部を断面した側面図、第２図はテーパー環体の
側面図、第３図はリテーナの側面図、第４図は喰
込み部材で、Ａは冠状形体、Ｂは歯を設けたロー
ルを示したものである。 １……継手本体、１ａ……ねじ、２……凹溝、
３……ストツパ用環体、４……止水リング、５…
…凹溝、６……押圧袋ナツト、６ａ……ねじ、６
ｂ……底面、７……挿入孔、８……空間部、９…
…テーパー環体、９ａ……テーパー内面、９ｂ…
…テーパー面、１０……喰込み部材、１１……リ
テーナ、１１ａ……膨大部、１２……パツキン
グ、Ｐ……接続管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端部の外周にねじを螺設した合成樹脂または
   強化プラスチツクの非磁性材からなる筒状の継手
   本体と、該本体の前記外周ねじに螺合する内面ね
   じと、この内面ねじに連続して形成する空間部内
   に、前記内面ねじ側に向かつて内径を大きくした
   テーパー面を有する非磁性金属材質のテーパー環
   体を嵌合し、更にテーパー環体の内部に円周に喰
   込み部材を配装し、且つ一端縁に球面状の膨大部
   を成形したリテーナを嵌在させた押圧袋ナツトを
   継手本体に螺合し、前記リテーナに配装する喰込
   み部材を押圧袋ナツトの一端側から挿入された非
   磁性接続管の外周面と前記テーパー環体のテーパ
   ー面の間に位置にさせ前記押圧袋ナツトの前記螺
   進により、テーパー環体のテーパー面および非磁
   性接続管の外周面に喰込み部材を喰込ませ非磁性
   接続管の抜け出しを阻止することを目的とした管
   継手において管の締付けを容易とし、且つ締付力
   を減ずるため特にテーパー環体を活用することを
   特徴とした管継手。