JPH0134792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （従来技術とその欠点） 従来、内面被覆鋼管を接続する場合、管端面の
防食を図り、しかも接続部からの液体もれを防止
するため、例えば実公昭58−32069号の如く、開
口端部内周面に雌ねじ部が設けられ、その奥部内
周面に周方向に沿つて凹溝が設けられ、その奥部
に周方向に沿つて突堤が設けられてなる管継手本
体の突堤側面に、短筒体の一端が当接され、該短
筒体と前記管継手本体との間に環状パツキングが
装着されてなる管継手が提案されている。

そして、通常は、管継手本体の内面には防食性
被膜が設けられるので、上記凹溝及び突堤の表面
も防食性被膜で被覆されている。しかしながら、
上記従来の管継手の場合、管端部外周面に雄ねじ
部が設けられた内面被覆鋼管を管継手の雌ねじ部
に螺合して締付ける際、締付けすぎると短筒体と
の当接面で突堤表面の防食性被膜が傷つけられ、
このため継手本体の地肌が露出し、該露出部より
腐食が生じて赤水が発生するという欠点があつ
た。

（目的） 本考案は叙上の欠点を鑑み、従来の管継手にお
いて防食性被膜で被覆された管継手本体の突堤側
面に当接される側の短筒体の端面を覆うように円
筒状の環状パツキングを短筒体の外周面に沿つて
延設することにより、短筒体の端面が直接突堤側
面の防食性被膜に接触せず、赤水の発生しない管
継手を提供することを目的とするものである。

（構成） 本考案の要旨は、開口端部内周面に雌ねじ部が
設けられ、その奥部内周面に周方向に沿つて凹溝
が設けられ、その奥部に周方向に沿つて突堤が設
けられ、少なくとも凹溝及び突堤の表面が防食性
被膜で被覆されてなる管継手本体の突堤側面に、
同一軸心を有するようにして短筒体の一端面が当
接され、該短筒体と管継手との間に円筒状の環状
パツキングが装着されてなる管継手において、前
記円筒状の環状パツキングが、短筒体の外周面に
沿つて、突堤側面に当接される側の短筒体の端面
を覆うように延設されていることを特徴とする管
継手に存する。

以下、本考案を図面の実施例により説明する。

１は管継手本体であつて、その端部の内周面に
テーパー雌ねじ部１１が設けられ、その奥部内周
面に周方向に沿つて凹溝１２が設けられ、その奥
部内周面に周方向に沿つて突堤１３が設けられ、
突堤１３の側面内周部に環状の切欠き部１３１が
設けられ、凹溝１２及び突堤１３の表面は合成樹
脂等の防食性被膜１４で被覆されている。

２は短筒体である。短筒体２は外力が加わつて
も変形せずしかも防食性の材料例えばステンレス
管等からなり、その一端外方に鍔部２１が設けら
れている。短筒体２の内径は管継手本体１の突堤
１３の内径とほぼ同径とされ、その長さは管継手
本体１の凹溝１２の巾よりも長くされている。こ
の短筒体２は管継手本体１の突堤１３の側面即
ち、切欠き部１３１に同一軸心を有するようにし
て鍔部２１を当接せしめる。

３は弾性材料からなる円筒状の環状パツキング
であり、第２図に示す如く、大径部３１と小径部
３２とから構成されており、その幅が管継手本体
１の凹溝１２の幅よりやや長く、短筒体２の長さ
よりやや長くされている。大径部３１はその厚さ
が短筒体２とテーパー雌ねじ部１１の間隔よりも
やや大とされ、外周面に周方向に沿つて切欠き部
３１１が設けられ、その切欠き部３１１は凹溝１
２の側壁と雌ねじ部１１との角部に係止可能とさ
れている。小径部３２はその幅が凹溝１２の幅と
ほぼ同じでかつ凹溝１２の径より小径となされ、
短筒体２の外周面に沿つて突堤１３の切欠き部１
３１に当接される鍔部２１の端面を覆うように延
設されている。環状パツキング３は短筒体２の外
周に単に装着されているだけでよいが、小径部３
２が焼付け等の手段にて接着されて一体化されて
いるほうが、内面被覆鋼管を接続する際、ねじ込
み時の短筒体の共回りによる環状パツキングのね
じ切れを防止できるので好ましい。

環状パツキング３は切欠き部３１１を凹溝１２
の角部に係止して短筒体２と管継手本体１との間
に装着されている。

短筒体２及び環状パツキング３を管継手本体１
に装着するには、例えば、第２図に示す如く、短
筒体２の外周に環状パツキング３を装着し、これ
を管継手本体１内へ挿入していつて、切欠き部３
１１を凹溝１２の側壁と雌ねじ部１１との角部に
係止すれば、環状パツキング３の一部はテーパー
雌ねじ部１１と短筒体２との間で押圧状態となさ
れ、短筒体２の鍔部２１及び環状パツキング３の
小径部３２の一端面を管継手本体１の突堤１３の
切欠き部１３１に当接固定して本考案の管継手が
形成されている（第１図参照）。

叙上の実施例の如く、環状パツキング３が管継
手本体１のテーパー雌ねじ部１１と短筒体２との
間で押圧状態で装着されておれば、短筒体２及び
その外周に装着された環状パツキング３が管継手
本体１の突堤１３と同一軸心を有するようにして
装着される。

また、突堤１３の側面内周部に環状の切欠き部
１３１が設けられ、該切欠き部１３１に短筒体２
の鍔部２１が嵌合されたものとする場合には、短
筒体２を突堤１３の所定位置に確実に固定でき
る。このように突堤１３の切欠き部１３１に短筒
体２の鍔部２１が嵌合される場合には、必ずしも
環状パツキング３を管継手本体１のテーパー雌ね
じ部１１と短筒体２との間で押圧状態で装着しな
くともよい。

つぎに叙上の本考案の第１図の実施例の一使用
態様を第３図により説明する。

４は管継手により接続される内面被覆鋼管であ
り、鋼管４１の内面に合成樹脂などの耐食性被覆
層４２が設けられ、その管端部の外周面にテーパ
ー雄ねじ部４３が設けられている。管継手本体１
のテーパー雌ねじ部１１に内面被覆鋼管４のテー
パー雄ねじ部４３を螺合し締付けていくと、まず
内面被覆鋼管４の管端面が環状パツキング３に当
接し、さらに締付けていくと、環状パツキング３
は圧縮変形するが短筒体２に支持されているので
内方に膨出することなく、凹溝１２の空間に向け
て変形し、短筒体２の外周面と凹溝１２の内周面
との間で圧縮されて、内面被覆鋼管４の管端面に
より有効に圧縮されるとともにテーパー雌ねじ部
１１とテーパー雄ねじ４３の螺合部の手前をシー
ルする。

尚、叙上の実施例中の突堤１３の切欠き部１３
１、短筒体２の鍔部２１は必ずしも必須のもので
はない。

本考案継手は叙上の如く構成されており、円筒
状の環状パツキングが管継手本体の突堤側面に当
接される側の短透体の端面を覆うように短筒体の
外周面に沿つて延設されているので、この管継手
の雌ねじ部に内面被覆鋼管を螺合して締付ける場
合、締付けすぎても突堤部の防食性被膜が従来の
管継手の様に直接短筒体の当接面で傷つけられて
地肌面が露出することはなく、このため赤水の発
生は防止され、清浄な水質を確保することができ
る。

又、上記短筒体の端面を覆う弾性体は管継手本
体と短筒体との間に装着される環状パツキングよ
り延設されて一体となされているので、単に管継
手本体の突堤側面に環状弾性体を介在して短筒体
の一端を当接したものに比べ、内面被覆鋼管のね
じ込みの際、弾性体を過度に圧縮しても弾性体が
管内面に脱落すことはなく、完全なシールを行え
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠き正面
図、第２図は本考案の実施例に用いる環状パツキ
ングを示す一部切欠き正面図、第３図は本考案の
実施例の使用態様を示す一部切欠いた正面図であ
る。 １……管継手本体、１１……雌ねじ部、１２…
…凹溝、１３……突堤、１３１……切欠き部、１
４……防食性被膜、２……短筒体、２１……鍔
部、３……環状パツキング、３１……大径部、３
２……小径部、３１１……切欠き部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開口端部内周面に雌ねじ部が設けられ、その
   奥部内周面に周方向に沿つて凹溝が設けられ、
   その奥部に周方向に沿つて突堤が設けられ、少
   なくとも凹溝及び突堤の表面が防食性被膜で被
   覆されてなる管継手本体の突堤側面に、同一軸
   心を有するようにして短筒体の一端面が当接さ
   れ、該短筒体と管継手との間に円筒状の環状パ
   ツキングが装着されてなる管継手において、前
   記円筒状の環状パツキングが、短筒体の外周面
   に沿つて、突堤側面に当接される側の短筒体の
   端面を覆うように延設されていることを特徴と
   する管継手。 ２ 環状パツキングの外周面に周方向に沿つて切
   欠き部が設けられ、該切欠き部が凹溝の側壁と
   雌ねじ部との角部に係止されてなる実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の管継手。 ３ 環状パツキングが管継手本体の雌ねじ部に押
   圧状態で装着されてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の管継手。