JPH0414381B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、キーボードから入力された仮名文字
文章を仮名漢字混じり文章に変換する仮名漢字変
換装置に関する。

＜従来技術＞ 一般に、この種の仮名漢字変換装置では次のよ
うな変換処理が行なわれる。即ち、句点または文
節単位に入力された仮名文字列は、最長一致法に
よつて、終端から１文字ずつ削られて単語辞書と
比較、照合され、最も長い文字列で一致した漢字
が変換候補とされる。そして、同音異義語につい
ては、使用頻度の高い漢字（頻度学習）または最
近用いられた漢字（最新使用学習）が選択され、
自立語の連続する付属語や活用のある語は、文法
解析によつてその接続可能性が検定される。ま
た、辞書の単語を組み合わせる合成語処理によつ
て複合語漢字への変換が行なわれる。このような
語長・優先順位・文法・意味などの情報を使用し
た変換処理の性質から、従来、仮名漢字変換処理
の改良は、もつぱらいかに迅速かつ能率的に漢字
変換をせしめるかに重点が置かれてきた。

しかし、最近、句点または読点単位の長い仮名
文を一度に漢字に変換する新しいタイプの仮名漢
字変換処理が用いられるに至つて、変換された仮
名漢字混じり文をCRTデイスプレイ画面上でチ
エツクし、訂正をする際に不都合が生じるように
なつた。即ち、仮名文が長くなるほど誤変換や間
違つた文節区切りが増えるうえ、変換された仮名
漢字混じり文が長いため、チエツクの際どこで文
節に区切られ、どれが誤変換された漢字かが一見
しただけでは分からないという問題が生じる。ま
た、訂正の際には、取り消しで１行全部が仮名文
字列に戻るとか、カーソルが１文字ずつしか移動
できないとかで労力と手間がかかるという問題が
ある。これらの欠点は、とりも直さず従来の仮名
漢字変換装置が、装置内で行つた文節区切り結果
をその表示装置に表示する構造になつておらず、
利用者がこの文節区切り結果を全く生かせなかつ
たことに起因している。

＜発明の目的＞ そこで、本発明の目的は、表示装置の画面上の
仮名漢字混じり文字列の任意の位置に文節カーソ
ルを文節単位で移動し、このカーソルの示す漢字
混じり文節を前方へ向かつて１文節ずつ順次仮名
文字文節に戻すことにより、変換文のチエツクや
訂正が容易かつ迅速に行なえる仮名漢字変換装置
を提供することである。

＜発明の構成＞ 上記目的を達成するため、本発明の仮名漢字変
換装置は、仮名文字を入力する仮名キーと、変換
された漢字を変換前の仮名状態に戻すことを指示
する取消キーと、上記仮名キーより入力された仮
名文字列の文節の区切りを自動的に判断し、文節
単位で漢字に変換する変換装置と、変換された仮
名漢字混じり文と文節区切り情報を記憶する変換
文記憶手段と、上記仮名漢字混じり文に対応する
仮名文と文節区切り情報を記憶する仮名文記憶手
段と、上記変換文記憶手段と仮名文記憶手段に記
憶された文字情報を切り換え表示する表示手段と
を備え、上記取消キーの操作毎に、上記表示手段
に表示された仮名漢字混じり文を、予め記憶され
た文節区切り情報に基づき文頭方向に１文節ずつ
順次上記仮名文記憶手段に記憶されている対応す
る仮名文字に換えて表示し、この表示された仮名
文字を訂正し、上記変換装置により再度変換でき
るようにしたことを特徴とする。

＜実施例＞ 以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明
する。

第１図は、仮名漢字変換装置のブルツク図を示
し、１は仮名文字データを入力する仮名キーや変
換後の漢字を仮名に戻すための取消キーを含むキ
ーボード、２は入力された仮名文字データを格納
する仮名文入力バツフア、３は所定のプログラム
に従つて変換処理を制御する中央処理装置CPU、
４は上記キーボード１から入力された仮名文字デ
ータを仮名漢字辞書５および文法情報辞書６と照
合して、文節に区切つて漢字変換する変換装置、
７は変換された仮名漢字混じり文を記憶する変換
文バツフア、８はこの変換文に対応する仮名文を
記憶する仮名文バツフア、９は入力された仮名文
や変換後の仮名漢字混じり文を画面に表示する
CRTデイスプレイ、１０はCRTデイスプレイ９
の表示を制御する表示コントローラである。

文節カーソル位置ポインタ１１（CNT1）は、
上記CPU３が文章最先頭から文節単位で計数し
たCRTデイスプレイ９の画面上の現在の文節カ
ーソル位置を表示する。変換文文節区切りバツフ
ア１２（CNT2）は、上記変換装置４から入力さ
れる文節区切り情報を、変換文バツフア７に記憶
された仮名漢字混じり文字列における各文節の先
頭文字のアドレス値として順次記憶する。また、
仮名文文節区切りバツフア１３（CNT3）は、上
記文節区切り情報を、仮名文バツフア８に記憶さ
れた仮名文字列における各文節の先頭文字のアド
レス値として順次記憶する。なお、上記変換文バ
ツフア７と変換文文節区切りバツフア１２で変換
文記憶手段を構成し、上記仮名文バツフア８と仮
名文文節区切りバツフア１３で仮名文記憶手段を
構成している。

次に、上記構成の仮名漢字変換装置の動作につ
いて説明する。キーボード１から入力された仮名
（片仮名、記号、数字、英字を含む）文字列は、
CPU３の制御下で、第２図ｂに示すように句読
点または改行までの１単位ごとに変換装置４へ送
られるとともに、仮名文バツフア８に送られて順
次記憶される。

変換装置４は、上記仮名文字列を、仮名漢字辞
書５および文法情報辞書６と照合しながら自動的
に文節に区切つて漢字に変換し、変換された第２
図ｃの如き仮名漢字混じり文字列は、CPU３に
よつて変換文バツフア７に送られ順次記憶され
る。変換文バツフア７、仮名文バツフア８にこう
して夫々記憶された文字には順にアドレスが付さ
れている。（第２図ｂ，ｃ参照）。また、変換装置
４は、上記文節区切りの際に文節区切り情報を
CPU３へ出力し、CPU３は、この情報を変換文
文節区切りバツフア１２および仮名文文節区切り
バツフア１３に夫々記憶させる。即ち、変換文文
節区切りバツフア１２は、上記情報を、変換文バ
ツフア７内の仮名漢字混じり文字列における各文
節の先頭文字のアドレス値として順次記憶（第２
図ａ参照）し、仮名文文節区切りバツフア１３
は、上記情報を、仮名文バツフア８内の仮名文字
列における同様のアドレス値として順次記憶（第
２図ｄ参照）する。一方、変換結果は、変換文バ
ツフアからCPU３によつて表示コントローラ１
０を介して出力されCRTデイスプレイの仮名漢
字混じり文位置に第４図ａの如く表示される。さ
らに、CPU３は、第４図ａの文字カーソルＫが
示す文字（て）のアドレスを計数して変換文バツ
フア７に格納し、その値「９」を変換文文節区切
りバツフア１２に記憶したアドレス値と比較（第
２図ｃ，ｄ参照）して、上記文字（て）を含む文
節（アドレス値６〜９）を検出し、その文節を文
節カーソルＡによつて第４図ａの如く表示すると
ともに、上記文節の文章最先頭からの文節順位を
文節カーソル位置ポインタ１１に表示する。

第４図はこのようにして変換された仮名漢字混
じり文を訂正する際のCTRデイスプレイ９の画
面を示し、第３図はその際の仮名漢字変換装置の
処理の流れを示している。いま、第４図ａの位置
に文字カーソルＫと文節カーソルＡがあり、文節
カーソル位置ポインタ１１が次の文節を表示（文
節カーソル位置ポインタ１１：「３」、第２図ｅ参
照）しているとき、キーボード１で取り消しキー
が押されたとする。そうすると、CPU３は、第
３図のステツプ(イ)で文節カーソル位置ポインタ１
１を１減数して「２」とし、ステツプ(ロ)で仮名文
文節区切りバツフア１３の上記「２」で示される
順位の数値「９」を読み出す（第２図ａ参照）。
次に、ステツプ(ハ)で上記読み出した数値「９」よ
り仮名文バツフア８内の仮名列のアドレスを求
め、ステツプ(ニ)でそのアドレス「９」から仮名文
文節区切りバツフア１３の次の数値「16」までの
１文節に当たる仮名文データを読み出し、CRT
デイスプレイ９の画面の仮名文字入力位置に第図
４ｂに示す如く表示するとともに、この仮名文文
節に相当する漢字混じり文節を消去して、文字カ
ーソルＫおよび文節カーソルＡを前方へ１文節移
動させる。この文節の消去とカーソルの移動は、
前述と同様に変換文文節区切りバツフア１２の上
記「２」で示される順位の数値「６」から次の装
置「10」までのアドレスにある１文節の変換文デ
ータを変換文バツフア７から読み出して行なわれ
る。そして、第４図ｂの状態で利用者が正しい文
節区切りおよび漢字にマニユアルで訂正する。最
後に、ステツプ(ホ)で、上記訂正による文節数や句
読点の増減に応じて変換文文節区切りバツフア１
２および仮名文文節区切りバツフア１３の記憶内
容が更新されるとともに、句読点や漢字の訂正に
応じて仮名文バツフア８や変換文バツフア７の記
憶内容が更新される。第４図ｂの状態でキーボー
ド１で再び取り消しキーが押されると、第３図で
述べた処理が繰り返され、第４図ｃに示すよう
に、さらに漢字混じり文節が消去されて、カーソ
ルが前方へ１文節移動するとともに、仮名文入力
位置には新たな仮名文文節が加えられて表示され
る。このようにして、漢字混じり文節を前方へ向
かつて１文節ずつ順次仮名文字文節に戻すことが
できる。

上記実施例では、CPU３は、キーボード１か
らの指示で文節カーソル位置ポインタ１１の値を
増減させつつ、この値を変換文文節区切りバツフ
ア１２内の値と比較することにより、文節カーソ
ルＡを文節単位で前後に連続して移動させること
ができる。このため、従来の文字カーソルの１文
字毎の移動に比べてはるかに移動が速く、目的の
訂正すべき誤変換文字に早く到達でき、文節単位
の訂正が能率的に行なえ、前述の仮名文字文節へ
の逐次変換と相俟つて長文を一度に仮名漢字混じ
り文に変換する新しいタイプの仮名漢字変換装置
に対して特に有効である。なお、文節区切り位置
は、スラツシユや挿入記号でなく、文節カーソル
で表示するので、デイスプレイ画面上の編集レイ
アウトを乱すことがない。

＜発明の効果＞ 以上の説明で明らかなように、本発明の仮名漢
字変換装置は、変換装置により、仮名キーから入
力された仮名文字列の文節の区切りを自動的に判
断しつつ文節単位で漢字に変換するとともに、文
節区切り情報を、変換された仮名漢字混じり文お
よびこれに対応する仮名文に対応づけて夫々変換
文記憶手段および仮名文記憶手段に記憶する一
方、取消キーの操作毎に、表示手段に表示された
仮名漢字混じり文を、上記文節区切り情報に基づ
き文頭方向に１文節ずつ対応する仮名文字に換え
て表示するとともに、表示された仮名文字を訂正
して、再度変換できるようにしているので、文節
区切りが逐次簡単に分かり、誤変換のチエツクや
訂正を能率的に行なうことができ、利用上の効果
は絶大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロツク図、第２
図はこの実施例による文節区切り方法を示す図、
第３図はこの実施例による訂正処理の流れを示す
図、第４図は訂正時の表示装置画面を示す図であ
る。 １……キーボード、３……CPU、４……変換
装置、７……変換文バツフア、８……仮名文バツ
フア、９……CRTデイスプレイ、１１……文節
カーソル位置ポインタ、１２……変換文文節区切
りバツフア、１３……仮名文文節区切りバツフ
ア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 仮名文字を入力する仮名キーと、 変換された漢字を変換前の仮名状態に戻すこと
   を指示する取消キーと、 上記仮名キーより入力された仮名文字列の文節
   の区切りを自動的に判断し、文節単位で漢字に変
   換する変換装置と、 変換された仮名漢字混じり文と文節区切り情報
   を記憶する変換文記憶手段と、 上記仮名漢字混じり文に対応する仮名文と文節
   区切り情報を記憶する仮名文記憶手段と、 上記変換文記憶手段と仮名文記憶手段に記憶さ
   れた文字情報を切り換え表示する表示手段とを備
   え、 上記取消キーの操作毎に、上記表示手段に表示
   された仮名漢字混じり文を、予め記憶された文節
   区切り情報に基づき文頭方向に１文節ずつ順次上
   記仮名文記憶手段に記憶されている対応する仮名
   文字に換えて表示し、 この表示された仮名文字を訂正し、上記変換装
   置により再度変換できるようにしたことを特徴と
   する仮名漢字変換装置。