JPH0411556B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0411556B2
JPH0411556B2 JP62088530A JP8853087A JPH0411556B2 JP H0411556 B2 JPH0411556 B2 JP H0411556B2 JP 62088530 A JP62088530 A JP 62088530A JP 8853087 A JP8853087 A JP 8853087A JP H0411556 B2 JPH0411556 B2 JP H0411556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibiotic
culture
powder
streptomyces
strain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP62088530A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63255292A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP62088530A priority Critical patent/JPS63255292A/ja
Publication of JPS63255292A publication Critical patent/JPS63255292A/ja
Publication of JPH0411556B2 publication Critical patent/JPH0411556B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は、抗生物質RK−16及びその製造法に
関するものである。本発明のRK−16は、ストレ
プトミセス(Streptomyces)属に属する抗生物
質RK−16生産菌を培養して、その培養物中から
分離採取される文献未載の新規抗生物質である。
(発明の背景) 抗生物質は、医療用のみならず農薬用としても
利用しうるものが現在までに数多く見出されてい
る。
本発明者らは、従来より上記の如き有用な抗生
物質の探索を目的として、多数の土壌中から微生
物を分離し、その産出する抗生物質について、精
製、同定及び用途の開発を行つてきた。
その結果、ストレプトミセス(Streptomyces)
属に属する微生物の培養物中に文献未載の新規抗
生物質が産出、蓄積されることの知見を得、その
単離、精製に成功した。
(発明の目的) 本発明の目的は、新規な抗生物質および該抗生
物質を放射菌ストレプトミセス属に属する微生物
から分離・採取する方法を提供することにある。
(発明の構成) <使用する微生物> まず、本発明において用いる微生物は、抗生物
質RK−16の生産能を有するものであり、ストレ
プトミセス属に属する菌種である。
その一例として、ストレプトミセス・エスピ
ー・No.16(Streptomyces sp.No.16)(以下“No.16
株”という)と呼称される微生物は上記の特性を
有し、本発明の抗生物質RK−16を有利に生産す
るものであり、本発明方法に有効に利用し得るも
のである。
また、上記No.16株の自然的及び人工的変異株は
勿論、ストレプトミセス属に属する菌種で後述す
る抗生物質RK−16の生産能を有する微生物はす
べて本発明方法において使用することができる。
上記No.16株は、本発明者により和歌山県伊都群
高野町で採取された土壌中より発見された土壌放
射菌であり、工業技術院微生物工業技術研究所に
昭和62年2月12日付受託され、その微生物受託番
号は、微工研菌寄第9196号(FERM P−9196)
である。
上記No.16株は、次の菌学的性質を有する。
1 形態的特徴 本菌株は和歌山県伊都群高野町に於て採集し
た土壌より分離されたもので、本菌株の菌体塩
酸加水分解物はL,L−ジアミノピメリン酸を
与える。本菌株は寒天培地上にて発育したもの
は、螺旋状の気菌糸を豊富にもち長い胞子鎖を
形成する。胞子は長円形のスピニーであり、メ
ラノイド色素を形成し、キサンチンと澱粉を利
用し、脱脂乳をペプトン化するが、硝酸を還元
せずゼラチン、セルローズを利用しない。以上
のことから本菌株はストレプトミセスに属す
る。本菌株を各種寒天培地上で27℃3週間培養
したものの生育状態は次の様である。(G:発
育、AM:気菌糸の着生と色調、R:裏面の色
調、SP:可溶性色素の生成、色調はデイスク
リテイブ・カラー・ネームズ・デイクシヨナリ
による。) 2 各種培地での生育状態 (1) スターチ・イースト寒天培地 G:良好 AM:豊富、3lg+g=ライト・ブラウン+
グレイ R:3nl=ダーク・ブラウン SP:なし (2) イーストエキス・マルツエキス寒天培地 G:良好 AM:豊富、c=ライト・グレイ R:3pg=ゴールデンブラウン SP:なし (3) オートミール寒天培地 G:不良 AM:貧弱 f=グレイ R:c=ライト・グレイ SP:なし (4) スターチ無機塩寒天培地 G:良好 AM:貧弱 R:la+b=ブライト・イエロー+グレイ SP:なし (5) チロシン寒天培地 G:良好 AM:貧弱 R:p=ブラツク SP:メラノイド色素多量 (6) シユクロース・硝酸塩寒天培地 G:不良 AM:貧弱 c=ライト・グレイ R:a=ホワイト SP:なし (7) グルコース・アスパラギン寒天培地 G:普通 AM:貧弱 ca+c=クリーム+ライト・グ
レイ R:ca+c=クリーム+ライト・グレイ SP:なし (8) グリセロール・アスパラギン寒天培地 G:良好 AM:普通 ca+c=クリーム+ライト・グ
レイ R:ca+c=クリーム+ホワイト SP:なし (9) 栄養寒天培地 G:不良 AM:貧弱 R:lc=ゴールド SP:なし (10) ペプトン・イーストエキス・鉄寒天培地 G:不良 AM:貧弱 R:pe=アンテイーク・ゴールド SP:メラノイド色素多量 3 炭素源の利用 利用 L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース − シユクロース + イノシトール + L−ラムノース + ラフイノース + D−マンニトール + +…生育する −…生育しない 以上の性質を有する灰色系ストレプトミセス属
のものはS.durhamensis(ストレプトミセス デ
ユルハメンシス)が最も近縁のものである。
(Bergey′s Determinative Bacteriology8 th Ed
による。
(培養法及び精製法) 本発明の抗生物質RK−16を得るに当つては、
ストレプトミセス属に属する上記抗生物質生産菌
を、抗生物質を生産する通常の方法で培養すれば
よい。培養の形態は、液体培養でも固体培養でも
よく、工業的に有利に培養するためには、前記生
産菌の胞子懸濁液又は培養液を培地に接種し、通
気撹拌培養を行えばよい。
培地の栄養源としては特に限定されることはな
く、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素
源その他を培地中に含有させることができる。炭
素源としては、澱粉、デキストリン、グリセリ
ン、グルコース、シユクロース、ガラクトース、
イノシトール、マンニトールなどが、また窒素源
としては、ペプトン、大豆粉、肉エキス、米ぬ
か、麸、尿素、コーンステイープリカー、アンモ
ニア塩、硝酸塩、その他の有機または無機の窒素
化合物が用いられる。その他、無機塩類、たとえ
ば食塩、燐酸塩類、カリウム、カルシウム、亜
鉛、マンガン、鉄等の金属塩類等を適宜に添加し
てもよく、必要に応じて消泡剤として、動、植、
鉱物油等を添加してもよい。培養温度、培養時間
等の培養条件は使用菌の発育に適し、しかもRK
−16の生産が最高となるような条件が選ばれる。
たとえば、培地のPHは4〜9、特に7.3〜7.5付近
がよく、培養の適温は25〜35℃程度がよい。しか
し、これらの培養組成物、培地の水素イオン濃
度、培地温度、撹拌条件などの培養条件は使用す
る菌株の種類や、外部の条件などに応じて好まし
い結果が得られるように適宜調節されるべきであ
ることはいうまでもない。このようにして得られ
る培養物から、RK−16を得るには、代謝産物を
採取するのに通常用いられる手段を適宜に利用し
て採取し得る。たとえば、RK−16と不純物との
溶解度差を利用する手段、イオン結合力の差を利
用する手段、吸着親和力の差を利用する手段、分
子量の差を利用する手段のいずれも、それぞれ単
独、又は適宜組合わせて、あるいは反復して使用
される。具体的には、RK−16は、培養瀘液にそ
の大部分が存在する。その遠心瀘液を陽イオン交
換クロマトグラフイー(例えば、ダウエツクス
(Dowex)50W、溶出液:0.5Nアンモニア水)に
付し、更に溶出液を中和後吸着クロマトグラフイ
ー(例えば、ダイヤイオンHP−20、溶出液:含
水メタノール)に付した後、溶出液を減圧濃縮、
凍結乾燥すると、RK−16の粗粉末を得る。得ら
れた粗粉末の水溶液を活性炭カラムを通過させ、
含水アセトンで溶出し、活性区分を集め濃縮、凍
結乾燥する。得られた粉末を、ブタノール−メタ
ノール−水混合溶液に溶かし、セルロース粉末の
カラムに乗せ、同じ溶媒で展開する。活性区分を
濃縮、凍結乾燥すると活性物質の粗粉末が得られ
る。このものを、更に次の方法によつて精製す
る。すなわち、上記粗粉末の水溶液をゲル濾過ク
ロマトグラフイー(例えば、セフアデツクス
(Sephadex)LH−20、溶出液:含水メタノー
ル)に付し、活性区分を集めて、減圧濃縮、凍結
乾燥及び再結晶化を行うと、RK−16の純品が得
られる。
かくして得られたRK−16の理化学的性質及び
生物学的性質は、次のとおりである。
〔RK−16の理化学的性質及び生物学的性質〕 (1) 形状:無色粉末 (2) 融点:230℃以上(分解) (3) 分子式:C16H24N7O8P・H2O (4) 元素分析:炭素39.22%、水素4.90%、窒素
19.94% (5) 比旋光度:〔α〕20 D−19.6°(H2O) (6) 紫外部吸収スペクトル:λnaxnm(E1% 1cm) 第1図のとおり 酸性:0.1N−HCl 264nm(261) 中性:H2O 269nm(311)、255nm(sh) 塩基性:0.1N−NaOH 280nm(355) (7) 赤外部吸収スペクトル:νKBr nax 第2図のとおり 3400、1720、1660、1590、1400 1370、1340、1200、1110、1040cm-1 (8) 核磁気共鳴スペクトル:( 31P NMR)δP
10.5ppm (9) 分子量:(FAB−MS)MH+m/z474.1493 (10) 溶解性:水の可溶、メタノールに難溶、酢酸
エチル、クロロホルム、ベンゼン、エーテル、
ヘキサン、アセトンに不溶。
(11) 呈色反応:ニンヒドリン(Ninhydrin)反
応……陽性 レミユー(Lemieux)試薬……陽性 (12) Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフイー
(Merck F254溶媒系 Rf値 ブタノール−メタノール−水(4:1:2)
0.27 ブタノール−酢酸−水(4:1:2) 0.48 プロパノール−1N・NH4OH(7:3) 0.22 (13) 塩基性、酸性、中性の区別:両性物質 (pKa:4.4、8.9) (14) 抗菌スペクトル:寒天平板希釈法による検
定を行い、胞子形成阻害の最低濃度を求めた 供試菌 胞子形成阻害最低濃度(μg/ml) Γ ボトリチス・シネリア(Botrytis
cinerea) 0.25 Γ アスパジラス・ニガー(Aspergillus
niger) 1.0 (15) 構造式 (他物質との比較) 本物質は特徴的な抗菌スペクトルを示し、植物
病原性糸状菌のうちボトリチス シネレア
(Botrytis cinerea)に対し、特徴的に活性が認
められる。これまでに、B.シネレア(B.cinerea)
に選択的に抗菌作用を有する抗生物質として、プ
ルマイシン(prumycin)、エゾマイシン
(ezomycin)が見出されているが、本物質と比較
すると、薄層クロマトグラフイーでRf値は著し
く異なり、また紫外部吸収極大にも大きな相違が
認められ、明らかに異なる物質である。その紫外
部吸収スペクトルを既知抗生物質と比較したが、
一致するものはなく、本物質を新規抗生物質であ
ると結論し、フオスミドシン(Phosmidosine)
と命名した。
(有用性) RK−16は、上記の如く植物病原性の糸状菌に
対し、生育阻害作用を示すことから農業用抗生物
質としての利用が期待される。
実施例 放線菌No.RK−16株を、グルコース2%、可溶
性デンプン1%、肉エキス0.1%、酵母0.4%、大
豆粉2.5%、食塩0.2%、第二燐酸カリウム0.005%
の組成の液体培地、18を含む30容ジヤー・フ
アーメンター中に接種し、27℃、72時間、
350rpm、通気量18/minで通気撹拌培養を行
つた。培養液の最終PH値は7.3〜7.5であつた。ジ
ヤーフアーメンター4基分の培養液に濾過助剤セ
ライトを加えて遠心濾過し菌体と瀘液とに分け
た。瀘液(40)を陽イオン交換樹脂
Dowex50W×8(10)のカラムに通過させ、カ
ラムを水40で洗條した後、0.5Nアンモニア水
を用いて活性物質を溶出した。溶出液(40)を
3N・塩酸によつて中和し、溶液をダイヤイオン
HP−20(10)のカラムに通過させ、カラムを
水10で洗滌した。次いで:活性成分を60%含水
メタノール20を用いて溶出した。溶出液を減圧
濃縮し少量(300ml)にして凍結乾燥することに
よつて、8.3gの粗粉末を得た。この粉末を200ml
の水に溶解して活性炭のカラム(250ml)を通過
させた。カラムを水1で洗滌後、70%含水メタ
ノール1で更に洗滌した。次いで、50%含水ア
セトンを用いて溶出し、溶出液は50mlづつ分別し
た。寒天プレート法によつて、ボトリチス シネ
リア(Botrytis cinerea)に阻害活性を示す画分
を集めて濃縮し、得られる水溶液50mlを凍結乾燥
すると、粉末1.06gが得られた。この粉末500mg
を5mlの溶媒系、ブタノール:メタノール:水=
4:1:2に溶かし、同じ溶媒系でつめたセルロ
ース粉末のカラム(33mmφ×100cm)に乗せた。
同じ溶媒系で試料を展開し、フラクシヨン、コレ
クターによつて20mlづつ分画した。およそ200番
から300番の間の試験管に活性物質が溶出された。
有効部分を集めて濃縮し、約15mlの水溶液にし
た。これを凍結乾燥すると55mgの活性物質の粗粉
末が得られた。この粉末を2mlの水に溶解し、セ
フアデツクスLH20のカラム(26mmφ×70cm)に
乗せた。カラムを30%含水メタノールで展開し、
フラクシヨンコレクターによつて10mlづつ分画し
た。ボトリチチスシネリア(Botrytis cinerea)
に対し阻害活性を示す15番目から35番目の試験管
のうち強い活性画分を集めて減圧濃縮し、10mlの
水溶液を得た。これを凍結乾燥し、得られる粉末
(40mg)を水−エタノールによつて再結晶し、濾
過乾燥することによつて、30mgのRK−16物質が
純品とし得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、RK−16の紫外線吸収スペクトルを
示す図であり、第2図は、RK−16の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の構造式で表される抗生物質RK−16。 2 ストレプトミセス層(Streptomyces)属に
    属する抗生物質RK−16生産菌を培養し、その培
    養物から抗生物質RK−16を分離採取することを
    特徴とする抗生物質RK−16の製造法。 3 抗生物質RK−16生産菌が、ストレプトミセ
    ス・エスピー・No.16(Streptomyces sp.No.16)で
    ある特許請求の範囲第2項記載の製造法。
JP62088530A 1987-04-10 1987-04-10 抗生物質rk−16及びその製造法 Granted JPS63255292A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62088530A JPS63255292A (ja) 1987-04-10 1987-04-10 抗生物質rk−16及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62088530A JPS63255292A (ja) 1987-04-10 1987-04-10 抗生物質rk−16及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63255292A JPS63255292A (ja) 1988-10-21
JPH0411556B2 true JPH0411556B2 (ja) 1992-02-28

Family

ID=13945392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62088530A Granted JPS63255292A (ja) 1987-04-10 1987-04-10 抗生物質rk−16及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63255292A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63255292A (ja) 1988-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5223413A (en) Process for the preparation of vancomycin
DK143570B (da) Fremgangsmaade til fremstilling af maytansinol maytanacin og eller maytansinolpropionat
JPH0740950B2 (ja) 微生物によるニコチアナミンの製造法
JPH0411556B2 (ja)
JPH0547560B2 (ja)
JPH09301970A (ja) 新規マクロラクチン及びその製造法
JPH04261180A (ja) 13β−13−デオキシ−22,23−ジヒドロアベルメクチン−Bla/Blbアグリコンの微生物学的製造
JPH0631311B2 (ja) 抗生物質rk−1061a,rk−1061b、及びrk−1061c並びにその製造法
JPS6219599A (ja) 新規マクロライド系抗生物質m119
JP3112342B2 (ja) 新規化合物uce6
JPS6241516B2 (ja)
JP2858939B2 (ja) 抗生物質ab3217a、ab3217b及びab3217cとそれらの製造法
KR830001245B1 (ko) 항생물질 마이코플라네신의 제조방법
JPH0631281B2 (ja) 抗生物質rp−265及びその製造法
JPS6332798B2 (ja)
GB1562987A (en) Process for preparing multhiomycin
JPS63246388A (ja) 抗生物質rs−44b及びその製造法
JPS583676B2 (ja) 新規抗生物質ムコペプチンc及びその製造法
JPH0361676B2 (ja)
JPS5844359B2 (ja) 新規抗生物質k−710及びその製造法
JPS63139190A (ja) 抗生物質rs−1223及びその製造法
JPH0557278B2 (ja)
JPH0578308B2 (ja)
JPH01101893A (ja) Fr−66979物質の製造法
JPH0364506B2 (ja)