JPH038946A - 軸組部材の組付け構造およびそれに用いる金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、木造構造物における軸組部材の組付は構造お
よびそれに用いる金具に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、木造構造物の軸組は、枠状に敷設された土台の
上面に、垂直方向に延びる複数の通柱および管柱を所定
間隔で設け、この通柱および管柱の所定部分に水平方向
に梁を架けわたすとともに、斜め方向に筋かいを架けわ
たして構成されている。そして、例えば、Ｔ字状に交わ
る土台の上面に柱を植設する場合には、第７図に示すよ
うに、まず、一方の土台１の側面にあり孔２を設けると
ともに、他方の土台３の端面にありほぞ４を設り、上記
あり孔２とありほぞ４を嵌合させることによって土台１
と３を連結する。ついで、その連結部の上面にほぞ差し
５を設けるとともに、柱６の下端部にほぞ７を設け、こ
のほぞ７をほぞ差し５に嵌合させることによって、土台
１と３の連結部に柱６を植設することが行われている。

そして、必要に応じて、土台１と３または土台１と柱６
の連結部に、釘穴を有する金具（図示せず）を当て、上
記釘穴を通して土台１と３および土台１と柱６に釘を打
ち付けることにより、上記あり孔２とありほぞ４および
ほぞ差し５とほぞ７の連結部を補強することが行われて
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の方法では、土台と土台または土台
と柱の連結が、あり孔とありほぞまたはほぞ差しとほぞ
からなる複雑な形状の継手によってなされており、これ
を大工職人が手作業によって順次加工しながら組み付け
ているため、軸組の寸法精度が不均一になりがちである
うえに、施工に長時間を要するという問題を有している
。また、土台の継手部分の強度が弱いため、年月の経過
により、土台の一部が上方に浮き上がったり、床なり（
人が歩いたりすると異音が発生すること）が生したりす
るという問題も有している。さらに、寸法精度が不均一
であるために、軸組の耐力が不均一になり軸組全体の強
度が弱くなるという問題も生じている。

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、強度
および寸法精度が向上するとともに、短時間でかつ容易
に軸組部材の組付けができるようになる軸組部材の組付
は構造およびそれに用いる金具の提供をその目的とする
。

〔問題点を解決するだめの手段〕

上記の目的を達成するため、本発明は、平面視でＴ字状
に交わる土台の交点部分の上面に、上記Ｔ字状に沿った
溝部を設けるとともに、柱の下端面に端部が柱の側面に
開口した横断面十字状のスリットを設け、上記土台およ
び柱にそれぞれ上記溝部およびスリットに直交する貫通
穴を穿設し、下部側が上記土台の溝部に嵌合できるとと
もに上部側が上記柱のスリットに嵌合できかつ上記再貫
通穴に対応する部分に穴部が穿設された金具の下部側を
、上記土台の溝部に嵌合し土台の貫通穴と金具の下部側
の穴部に棒状固定具を挿嵌して土台に金具を固着し、そ
の状態で、上記金具の上部側に上記柱のスリットを嵌合
し柱の貫通穴と金具の上部側の穴部に棒状固定具を挿嵌
することにより上記金具に柱を固着した軸組部材の組付
は構造を第１の要旨とし、上下に延びる縦片の両端縁下
部から水平方向に横片が延設された丁字形板状体の中央
部に、上下に延びる縦片の一端縁下部から水平方向に横
片が延設されたＬ字形板状体の他端縁部を、上記両板状
体が直交するように連結固定し、上記両板状体に所定間
隔で複数の棒状固定具挿通用穴部を穿設した軸組部材の
組付は金具を第２の要旨とする。

〔作用〕

本発明の軸組部材の組付は構造は、従来例のように、大
工職人が経験と勘を頼りに、土台や柱を順次加工しなが
ら組付けていくというようなものではなく、予め、土台
および柱に金具固定用の溝部やスリットを設けておき、
これを金具と棒状固定具で連結することにより軸組部材
の組付けを行うようになっている。すなわら、Ｔ字状に
組付けられた土台の交点部分に、予め金具の下部側が嵌
合できる溝部および金具の下部固定用の貫通穴を設けて
おき、柱の下端面には、横断面十字状のスリットおよび
金具の上部固定用の貫通孔を穿設しておく。そして、土
台の溝部に金具の下部側を嵌合し、土台の貫通孔と金具
の下部側の穴部に棒状固定具を挿嵌することにより、土
台の上面から上部側を突出させた状態で金具を土台に固
着し、その金具の上部側に柱のスリットを嵌合し、柱の
貫通孔と金具の上部側の穴部に棒状固定具を挿嵌するこ
とにより金具に柱を固着し、土台に柱を組付けるように
なっている。このように、組付けの際の作業が、土台の
溝部に金具を位置決めし土台の貫通穴と金具の穴部に棒
状固定具を挿嵌したのち、この金具に柱のスリンｊ・を
位置決めし打の′８．′１３ｍ穴と金具の穴部に棒状固
定具を挿嵌するた＆Ｊの簡単な作業でずむため、組伺り
作業が容易になり施工時間を大幅に短縮することができ
るとともに、軸組の寸法精度が向上するようになる。ま
た、連結部に金具を用いているため、土台と社を強固に
組付けることができるようになり、軸組の強度が向上す
るようになるとともに、長時間が経過しても土台が浮き
上がったり、床なりが生したりするということがなくな
る。

つぎに、本発明を実施例にもとづいて詳しく説明する。

〔実施例〕

第１図および第２図は本発明の一実施例を示している。

すなわち、図において、８は地面に設りられた布コンク
リートであり、９ばその布コンクリート８の上面に敷設
された土台である。この上台９ば３木の月利を１”字状
に組付りて構成されており、そのＴ字状の交点部分に、
溝部１０が土台９のＴ字状に沿って設けられ、その各溝
部１０に対応する土台９の側部には、上記溝部１０を貫
通ずる貫通穴１１がそれぞれ２個１組となって穿孔され
ている。１２は土台９の交点部分に植設された通柱てあ
り、下端部に横断面形状が十字状のスリット１３が設け
られ、側部には相対峙する前後の両側面を貫通ずる貫通
穴１４がスリット１３の開口部を挟むようにして２個穿
孔されている。１５は上記上台９と通柱１２を連結する
ための金具である。この金具１５は、幅が通柱１２の幅
と同寸法に設定された四角板状体１６ａの両端縁下部か
ら横片１６ｂを突出させたＴ字状の鉄板１６と、その鉄
板１６を左右に２分割したＬ字状の形状の鉄板１７から
なっており、鉄板１６の中央部に、鉄板１７のＬ字状の
縦片側端縁を、鉄板１６と１７が直交するように連結固
定して構成されている。そして、鉄板１６の左右下部側
および鉄板１７の下部側に、２個１組の丸穴１８（２個
の間隔がそれぞれ土台９の貫通穴１１．１１と同間隔に
設定されている）がそれぞれ穿孔され、鉄板１６の上部
側に鉄板１７との連結部を挾んだ状態で２個の丸穴１８
（２個の間隔は通柱１２の貫通穴１４．１４の間隔と同
間隔に設定されている）が穿孔されている。この金具１
５は、下部側を土台９の溝部１０に嵌合させるとともに
、上部側を通柱１２のスリット１３に嵌合させ、その状
態で、土台９の貫通穴１１と金具１５の下部側の丸穴１
Ｂおよび通柱１２の貫通穴１４と金具１５の上部側の丸
穴１８にそれぞれピン１９を挿通させることにより、通
柱１２を土台９の上面に固定している。そして、貫通穴
１１．１４の両端にそれぞれ木栓２０を詰め込んでピン
１９を貫通穴１１．１４から抜は止めしている。

この構成において、上記土台９と通柱１２の組付けは、
まず、所定部分に溝部１０および貫通穴１１が設けられ
た土台９と、下端部にスリン１−１２および貫通穴１４
が設けられた通柱１２を準（１１ｉ°１し、布コンクリ
ート８の上面に、上記土台９を上面にＴ字状の溝部９が
形成されるように敷設する。ついで、その上台９の上面
に金具１５の横片１６ｂ、１７ｂの上端縁２１を揃え、
土台９０貫通穴１１に丸穴１８を位置決めした状態で、
溝部１０内に金具１５の下部側を配置し、上記貫通穴１
１と丸穴１８にピン１９を挿通し貫通穴１１の両端に木
栓２０を詰め込んで土台９に金具１５の下部側を固定す
る。つぎに、その金具１５の上部側の側縁部２２に側面
を揃え、金具１５の上部側の丸穴１８に貫通穴１４を位
置決めした状態で、通柱１２のスリット１３を金具１５
の上部側に嵌合する。そして、上記貫通穴１４と丸穴１
８にピン１９を挿通し貫通穴１４の両端に木栓２０を詰
め込んで金具１５の上部側に通柱１２を固定することに
より行われる。

このように、本発明の軸組部材の組付は構造では、土台
９の貫通穴１１および通柱１２の貫通穴１４に金具１５
の丸穴１８を位置決めし、その位置決めされた両穴にピ
ン１９を挿嵌させるだけの簡単操作ですむため、作業が
容易になり、施工時間を大幅に短縮できるとともに、寸
法精度が正確になる。また、金具１５の縁部２１，２２
をそれぞれ上台９の上面および通柱１２の側面に揃える
０ ことによって、土台９と通柱１２とが正確な直角になり
、従来、柱の垂直を確保するために行っていた倣動かい
による調節が不要になる。さらに、金具１５を用いてい
るため、土台９と通柱１２の連結部が強固になり、特に
、引っ張り力や剪断力においては、これが顕著になる。

また、この金具１５が、３木の土台９の交点を連結し、
その連結部の上面に通柱１２が配設されているため、通
柱１２が土台９の連結部を押さえつげた状態になり、長
時間が経過しても、土台９の一部が」一方に浮き上がっ
たり、床なりが生じたりするというようなことがなくな
る。さらに、貫通穴１１．１／ｌの両側に、木栓２０を
詰め込んでいるため見栄えがよくなるという効果を奏す
るとともに、ピン１９が外気に触れないため腐食しにく
くなり耐久性が向上するようになる。

なお、通柱１２の貫通穴Ｉ４は通柱１２の前後方向だけ
でなく、左右方向にも穿孔しておいてよい。これによっ
て、通柱１２をどの方向に向のでも金具１５と連結させ
ることができるようになる。

第３図は、本発明の他の実施例に用いる金具２３を示し
ている。この金具２３では、土台９の溝部１０に嵌合す
る下部側における横片２４の上端縁２４ａからそれぞれ
水平方向に係合片２５が延設されている。それ以外の部
分の構成については、上記実施例と同様である。したが
って、同一部分に同一・符号を記している。

このように構成することにより、金具２３を土台９の溝
部１０の適正位置に位置決めしやすくなり、金具２３の
土台９への取り付は作業が容易になるとともに、軸組の
強度がより強固になる。その他の作用効果については、
」二記実施例と同様である。

第４図は、さらに他の実施例に用いる金具２６を示して
いる。この金具２６では、鉄板１６ａおよび１７ａの上
部側部分２７．２８が幅広に形成されており、第５図に
示すように、土台９に通柱１２を組付りた際、金具２６
の上部における端部側が外部に突出するようになってい
る。そして、その突出部２６ａに、筋かい固定用の四角
穴２９１ ２ が穿設され、その四角穴２９の周囲に３個の針穴３０が
所定間隔を保って三角形を描くようにして穿設されてい
る。それ以外の部分の構成については、第２図に示した
金具１５と同様である。

この金具２６を用いた場合、突出部２　Ｇ　ａを利用し
て、土台９と通柱１２の連結部に筋かいを連結すること
ができるようになり、より強固に軸組を組付けることが
できるようになる。また、釘穴３０が所定間隔を保って
３個設けられているため、筋かいをどのような角度で配
設してもその連結用に２個の釘穴３０を利用することが
できるようになっている。この場合、金具２６の突出部
２６ａに筋かいの側面を当て、釘穴３０を押通させた状
態で釘を筋かいに打ち付けることにより、筋かいを土台
９と通柱１２の連結部に連結することが行われる。また
、筋かいにピン挿通穴を設り、四角穴２９を利用して固
定することもできる。その他の作用効果については、第
２図に示した実施例と同様である。

第６図は他の実施例に用いる金具３１を示している。こ
の金具３１は、下部側の横片３２の上端縁からそれぞれ
係合片３３を水平方向に延設している以外は、第４図に
示す金具２６と同様に構成されている。したがって、同
一部分に同一符号を記している。

このように構成することにより、金具３１を土台９の溝
部１０の適正位置に位置決めしやすくなり、金具３１の
土台９への取り付は作業が容易になるとともに、軸組の
強度がより強固になる。それ以外の作用効果については
、上記金具２６を用いた実施例と同様である。

なお、上記実施例では、固定具としてピンを用いている
が、これに限定するものではなく、ボルトとナツト等を
用いることもできる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明の軸組部材の組付は構造によれば
、作業が容易になり、施工時間を大幅に短縮することが
できるとともに、軸組の寸法精度が向上するようになる
。また、本発明の金具によれば、軸組の組付は強度が向
上するとともに、土３ ４ 台の浮き上がりや、床なりが生じなくなる。したがって
、実用的効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図はその分解
斜視図、第３図は他の実施例に用いる金具の斜視図、第
４図はさらに他の実施例に用いる金具の斜視図、第５図
はそれを用いて組付けた軸組の斜視図、第６図は他の実
施例に用いる金具の斜視図、第７図は従来例の分解斜視
図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）平面視でＴ字状に交わる土台の交点部分の上面に
   、上記Ｔ字状に沿つた溝部を設けるとともに、柱の下端
   面に端部が柱の側面に開口した横断面十字状のスリット
   を設け、上記土台および柱にそれぞれ上記溝部およびス
   リットに直交する貫通穴を穿設し、下部側が上記土台の
   溝部に嵌合できるとともに上部側が上記柱のスリットに
   嵌合できかつ上記両貫通穴に対応する部分に穴部が穿設
   された金具の下部側を、上記土台の溝部に嵌合し土台の
   貫通穴と金具の下部側の穴部に棒状固定具を挿嵌して土
   台に金具を固着し、その状態で、上記金具の上部側に上
   記柱のスリットを嵌合し柱の貫通穴と金具の上部側の穴
   部に棒状固定具を挿嵌することにより上記金具に柱を固
   着したことを特徴とする軸組部材の組付け構造。
2. （２）上下に延びる縦片の両端縁下部から水平方向に横
   片が延設されたＴ字形板状体の中央部に、上下に延びる
   縦片の一端縁下部から水平方向に横片が延設されたＬ字
   形板状体の他端縁部を、上記両板状体が直交するように
   連結固定し、上記両板状体に所定間隔で複数の棒状固定
   具挿通用穴部を穿設したことを特徴とする軸組部材の組
   付け金具。