JPH0393933A - 軸組部材の組付け構造およびそれに用いる金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、木造構造物における軸組部材の組付け構造お
よびそれに用いる金具に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、木造構造物の軸組は、垂直方向に延びる柱を所
定間隔で設け、これらの柱の所定部分に、水平方向に梁
を架けわたすとともに、斜め方向に筋かいを架けわたし
て構或されている。そして、例えば、通柱の上端部に梁
を直線状に連結する場合は、第３図に示すように、梁１
の下面にほぞ差し（図では隠れて見えない）を設けると
ともに、通柱２の上端面にほぞ３を設け、ほぞ３にほぞ
差しを嵌合させることにより通柱２の上端部に梁１を連
結することが行われている。さらに、上記梁ｌに他の梁
４を直線状に連結する場合には、梁１の端面にありほぞ
５を設けるとともに、梁４の端面にあり孔６を設け、上
記通柱２から少し離れた位置でありほぞ５とあり孔６を
嵌合させることにより、梁１と梁４を連結することが行
われている。そして、必要に応じて、釘等を用いて、金
具を上記通柱２と梁１の連結部および梁ｌと梁４の連結
部の側面部に打ち付けることにより、上記ほぞとほぞ差
し等の連結を補強することが行われている。

〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の方法では、通柱と梁および梁と梁
との連結がほぞとほぞ差し等からなる複雑な形状の継手
によってなされており、これを大工職人が手作業によっ
て加工しながら組付けているため、寸法精度が不均一に
なりがちであるうえに、施工に長時間を要するという問
題を有している。また、寸法精度が不均一であるために
、軸組の耐力が不均一になり強度が弱くなるという問題
も生じている。

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、継ぎ
手を用いず金具で連結することにより、強度および寸法
精度が向上するとともに、短時間でかつ容易に組付けが
できるようになる軸組部材の組付け構造およびそれに用
いる金具の提供をその目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達戒するため、本発明は、柱の上端端面部
および２本の梁の端部の端面にそれぞれ一側面から他側
面に延びるスリットを穿設するとともに、上記柱および
梁の側面部にそれぞれのスリフトに直交する貫通穴を穿
設し、柱の相対向する両側面に、それぞれ柱のスリット
とそれ自体のスリットを合わせた状態で上記２木の梁の
端面を突き合わせ、Ｔ字状の板状体からなる金具を、Ｔ
字状の縦片を柱のスリットに嵌合させ横片を梁のスリッ
トに嵌合させ、上記柱および梁の貫通穴を上記金具の対
応する個所に設けられた貫通孔に合わせた状態で、棒状
金具を上記貫通穴および貫通孔に挿嵌し２本の梁を柱に
固定した軸組部材の組付け構造を第ｌの要旨とし、２本
の梁の端部側の上部側および下部側にそれぞれスリット
に直交する貫通穴を穿設し、その下部側の貫通穴および
請求項（１）に記載の金具を利用して２本の梁の下部側
を柱のスリットの下端部に固定し、横長の板状体からな
る金具を、中央部を柱のスリットの上端側に嵌合させ両
端部を梁のスリットの上部側に嵌合させ、上記梁の上部
側の貫通穴を上記横長の金具の対応する個所に設けられ
た貫通孔に合わせた状態で、棒状金具を上記貫通穴およ
び貫通孔に挿嵌し上記梁の上部側を柱のスリットの上端
部に固定した軸組部材の組付け構造を第２の要旨とし、
横長の板状体からなり、両端側にそれぞれ棒状固定金具
挿通用の穴部が穿設されている軸組部材の組付け金具を
第３の要旨とする。

〔作用〕

本発明の軸組部材の組付け構造は、従来例のように、大
工職人が経験と勘を頼りに、柱や梁を順次加工しながら
組付けていくというようなものではなく、予め金具固定
用のスリットを設けた柱および梁を用い、これを金具と
棒状固定具で連結していくことにより組付けを行うよう
になっている。すなわち、柱の上端部には、上端面側が
開放したスリットおよびこれに直交する貫通穴を設けて
おき、梁の端部には端面側が開口したスリットおよびこ
れに直交する貫通穴を設けておく。そして、柱の両側の
側面に、スリット同士を合わせた状態で２本の梁を直線
状に配設するとともに、上記柱と梁に股かった状態で、
上記スリット内にＴ字状の板状金具を嵌合し、柱の貫通
穴と金具の貫通孔および梁の貫通穴と金具の貫通孔にそ
れぞれ捧状固定具を挿嵌することにより、柱に梁を固定
するようになっている。このように、軸組の組付け作業
が、柱に金具の中央部を取り付けその金具の両端部に梁
を取り付けるだけの簡単な作業ですみ、かつその操作が
柱および梁の貫通穴と金具の貫通孔とを一致させ、その
両穴に棒状固定具を挿嵌するだけであるため、容易であ
り施工時間を大幅に短縮できるとともに、寸法精度の優
れた軸組を組付けることができるようになる。また、金
具を用いているため、柱と梁の組付け強度が向上するよ
うになる。さらに、梁戒の大きな梁の場合には、梁の端
部側の上部および下部に貫通穴を設け、上記金具で、梁
の下部側を柱に固定するとともに、横長の板状体からな
り、梁の上部側の貫通穴に対応する部分に貫通孔が設け
られた他の金具で、梁の上部側を柱に連結する。これに
よって、梁或の大きな梁でも強固に柱に固定することが
できるようになる。

つぎに、本発明を実施例にもとづいて詳しく説明する。

〔実施例〕

第１図および第２図は本発明の一実施例を示している。

すなわち、図において、７は土台（図示せず）の上面に
植設された通柱であり、８は通柱７の上端部における前
後両側の側面に直線状に連結された２本の梁である。上
記通柱７の上端部には、横断面形状が一字状のスリット
９が上下に延びるようにして設けられており、梁８が連
結される２側面におけるこのスリット９の上部側に対応
する部分にはそれぞれほぞ差し１０が設けられている。

１１はスリット９の下端側に直交するようにして穿孔さ
れた一対の貫通穴である。上記梁８は、端部に上記ほぞ
差し１０に嵌合できるほぞ１２がそれぞれ突設され、そ
のほぞ１２の端面中央部から梁８の中心側に向けて上下
に貫通するスリット１３がそれぞれ設けられている。こ
のスリット１３は、梁８のほぞ１２をそれぞれ通柱７の
ほぞ差し１０に嵌合させると通柱７のスリット９と連通
ずるようになっている。１４はそれぞれスリット１３に
直交するようにして梁８の端部側の下部および上部に穿
設された一対の貫通穴である。

１５は上記通柱７の２側面におけるスリット９の下端側
に梁８の下部側を連結する金具、１６はそのスリット９
の上端側に梁８の上部側を連結する金具であり、２個１
組で、通柱７の上端部の２側面に梁８の端部を連結して
いる。上記金具１５は幅が通柱７の幅と同寸法に設定さ
れた縦片ｌ７の両側上端部から横片ｌ８を突出させたＴ
字状の鉄板からなっており、縦片１７の下部側に２個の
丸穴１９（２個の間隔は通柱７の貫通穴１１の間隔と同
じに設定されている）が穿孔され、横片１８に２個１組
の九穴２０（２個の間隔は梁８の貫通穴１４の間隔と同
じ間隔に設定されている）が穿孔されている。金具１６
は上記金具１５から縦片ｌ７の下部側を取り除いた形状
をしており、両端側にそれぞれ一対の九穴２ｌが穿孔さ
れている。

上記金具１５は、通柱７のスリット９の下端側に、縦片
１７を嵌合させるとともに、横片１８を梁８のスリット
１３の下部側にそれぞれ嵌合させ、〆 その状態で、通柱７の貫通穴１１および梁８の貫通穴１
４にそれぞれピン２２を挿嵌させることにより、梁８の
下部側を通柱７に固定している。そして、貫通穴１１．
１４の両端に木栓２３を詰め込んで上記ピン２２を貫通
穴１１．１４から抜け止めしている。また、金具１６は
、スリット９の上端部に中央部を嵌合させるとともに、
端部側をスリット１３の上端側に嵌合させ、その状態で
、梁８の上部側の貫通穴１４にそれぞれビン２２および
木栓２３を挿嵌することにより、梁８の上部側を通柱７
に固定している。なお、この場合、梁８のほぞ１２はそ
れぞれ通柱７のほぞ差し１０と嵌谷している。

この構或において、上記通柱７と梁８の組付けは、つぎ
のようにして行われる。すなわち、まず、所定部分にス
リット９、ほぞ差し１０、貫通穴１１が設けられた通柱
７および端部にほぞ１２、スリット１３、貫通穴１４が
設けられた梁８を準備する。ついで、上記通柱７のスリ
ット９の下端側に金具１５の縦片１７を嵌合し、その両
端縁２４をそれぞれ通柱７の側面に揃えた状態で、貫通
穴１ｌと金具１５の丸穴１９にピン２２を挿嵌し、貫通
穴１１の両端にそれぞれ木栓２３を詰め込むことにより
、通柱７に金具１５を固定する。つぎに、この金具１５
が取り付けられた通柱７を土台の上面に植設するととも
に、この通柱７から所定間隔を保って上記土台の上面に
他の通柱等を植設し、上記通柱７と他の柱の間に梁８を
それぞれ配置する。ついで、梁８のスリット１３の下部
側を金具１５の横片１８に嵌合させ梁８のほぞ１２を通
柱７のほぞ差し１０に嵌合させるとともに、横片１８の
下端縁２５に梁８の下面を揃えた状態で、梁８の下部側
の貫通穴１４と金具１５の丸穴２０にそれぞれピン２２
および木栓２３を挿嵌して梁８の下部側を通柱７に固定
する。そして、その状態の通柱７および梁８のスリット
９，１３の上端部に金具１６を嵌合し、梁８の上部側の
貫通穴１４と金具１６の丸穴２ｌにそれぞれピン２２お
よび木栓２３を挿嵌して梁８の上端側を通柱７に固定す
る。なお、梁８の他端は他の柱に固定する。

このように、本発明の軸組部材の組付け構造では、組付
け作業が、通柱７および梁８の貫通穴１１，ｌ４をそれ
ぞれ対応する金具１５．１６の九穴１９．２０．２１に
一致させ、その両穴にビン２２等を挿嵌さセるだけです
むため、容易であり、施工時間を大幅に短縮することが
できる。また、金具１５の両端縁２４を通柱７の側面に
揃え、下端縁２５を梁８の下面に揃えることにより、通
柱７と梁８とが正確な直角になり、従来、柱の垂直を確
保するために行っていた仮筋かいによる調節が不要にな
るとともに、軸組の寸法精度が向上するようになる。さ
らに、継ぎ手ではなく、金具１５．１６を用いているた
め、通柱７と梁８の連結が強固になり、特に、引っ張り
力や剪断力においては、これが顕著にあらわれる。また
、全ての貫通穴の両端に、木栓２３を詰め込んでいるた
め見栄えがよくなるという効果を奏するとともに、ピン
２２が外気に触れないため腐食しにくくなり耐久性が向
上するようになる。さらに、ほぞ差し１０とほぞ１２の
嵌合によって、上記金具１５，１６による通柱７と梁８
の連結が補強される。

また、使用する梁が上記実施例の梁８のように梁或の大
きな梁ではなく、小屋梁のような梁或の小さな梁である
場合には、金具１６は用いず、金具１５だけで通柱７と
梁の連結を行う。さらに、通柱７と梁８の連結部に筋か
いを取り付ける場合には、金具１５の縦片を幅広に形或
して上記連結部から縦片の一部が突出するようにすると
ともに、その突出部に筋かい固定用の釘六等を設け、そ
の釘六等を利用して上記連結部に筋かいを取り付ける。

また、上記実施例では、通柱７の上端部に梁８を連結す
るようになっているが、管柱の上端部に梁を連結する場
合もこの発明を利用できることは言うまでもない。さら
に、上下に配設される管柱のうち、下部側の管柱の上端
部が窓枠の下端部に位置する場合等にも、この発明の構
造を用いることができる。

なお、上記実施例では、通柱７にほぞ差し１０を設け、
梁８にほぞｌ２を設けているが、これらは特に必要なも
のではない。これらを設けないことにより、通柱７およ
び梁８の加工工程が省略でき、低コスト化が図れるよう
になる。また、上記実施例では、固定具としてピン２２
等を用いているが、これに限定するものではなく、ボル
トとナット等を用いることもできる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明の軸組部材の組付け構造によれば
、複雑な形状の継ぎ手の必要がなくなり、組付け作業が
容易で、施工時間が大幅に短縮できるようになるととも
に、軸組の寸法精度が向上するようになる。また、本発
明の金具によれば、軸組の組付け強度が向上するように
なる。

【図面の簡単な説明】

第ｌ図は本発明の一実施例の斜視図、第２図はその分解
斜視図、第３図は従来例の分解斜視図である。 ７・・・通柱　８・・・梁　９，１３・・−スリット　
１１．１４・・・貫通穴　１５．１６・・・金具　１７
・・・縦片１８・・・横片　１９．２０．２１・・・丸
穴　２２・・・ピン第 １ 図 第 ３ 凶

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）柱の上端端面部および２本の梁の端部の端面にそ
   れぞれ一側面から他側面に延びるスリットを穿設すると
   ともに、上記柱および梁の側面部にそれぞれのスリット
   に直交する貫通穴を穿設し、柱の相対向する両側面に、
   それぞれ柱のスリットとそれ自体のスリットを合わせた
   状態で上記２本の梁の端面を突き合わせ、Ｔ字状の板状
   体からなる金具を、Ｔ字状の縦片を柱のスリットに嵌合
   させ横片を梁のスリットに嵌合させ、上記柱および梁の
   貫通穴を上記金具の対応する個所に設けられた貫通孔に
   合わせた状態で、棒状金具を上記貫通穴および貫通孔に
   挿嵌し２本の梁を柱に固定したことを特徴とする軸組部
   材の組付け構造。
2. （２）２本の梁の端部側の上部側および下部側にそれぞ
   れスリットに直交する貫通穴を穿設し、その下部側の貫
   通穴および請求項（１）に記載の金具を利用して２本の
   梁の下部側を柱のスリットの下端部に固定し、横長の板
   状体からなる金具を、中央部を柱のスリットの上端側に
   嵌合させ両端部を梁のスリットの上部側に嵌合させ、上
   記梁の上部側の貫通穴を上記横長の金具の対応する個所
   に設けられた貫通孔に合わせた状態で、棒状金具を上記
   貫通穴および貫通孔に挿嵌し上記梁の上部側を柱のスリ
   ットの上端部に固定したことを特徴とする軸組部材の組
   付け構造。
3. （３）横長の板状体からなり、両端側にそれぞれ棒状固
   定金具挿通用の穴部が穿設されている軸組部材の組付け
   金具。