JPH038945A - 軸組部材の組付け構造およびそれに用いる金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、木造構造物の建造の際に用いられる軸組部材
の組付は構造およびそれに用いる金具に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

一般に、木造構造物の軸組は、垂直方向に延びる通柱お
よび管柱を土台の上面に所定間隔で設け、この通柱およ
び管柱の所定部分に、水平方向に梁等を架けわたすとと
もに、斜め方向に筋かいを架けわたして構成されている
。そして、第７図に示すように、土台１の角部に角柱２
を植設する場合には、土台１の上面に設けられたほぞ差
しく図では隠れて見えない）゛に角柱２の下端面に設り
ノられたほぞを嵌合して土台１に角柱２を組付け、その
両者の連結部の側面に［５字状の板状金具３を釘４を用
いて固定することにより、上記はぞとほぞ差しの連結を
補強することが行われている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしなから、上記の方法では、土台１と角柱２の連結
がほぞとほぞ差しからなる複雑な形状の継手によってな
されており、これを大工職人が手作業によって加工しな
から組付けているため、寸法精度が不均一になりがちで
あるうえに、施工に長時間を要するという問題を有して
いる。また、土台の継手部分の強度が弱いため、年月の
経過により土台が浮き上がったり、床なり（人が歩いた
りすると異音が発生ずること）を生じたりするという問
題も有している。さらに、寸法精度が不均一であるため
に、軸組の耐力が不均一になり軸組全体の強度が弱くな
るという問題も生じている。

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、強度
および寸法精度が向上するとともに、短時間でかつ容易
に軸組部材の組付けができるようになる軸組部材の組付
は構造およびそれに用いる金具の提供をその目的とする
。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本発明は、土台の角部上面
に上記角部に沿った略り字状の溝部を設けるとともに、
角柱の下端面に端部が角柱の側面に開口した横断面十字
状のスリットを設け、上記土台および角柱にそれぞれ溝
部およびスリットに直交する貫通穴を穿設し、下部側が
上記土台の溝部に嵌合できるとともに上部側が上記角柱
のスリットに嵌合できかつ上記貫通穴に対応する部分に
穴部が穿設された金具の下部側を、上記土台の溝部に嵌
合し土台の貫通穴および金具の下部側の穴部に棒状固定
具を挿嵌することにより上記金具を土台に固着し、その
状態で、上記金具の上部側に角柱のスリットを嵌合し角
柱の貫通穴および金具の上部側の穴部に棒状固定具を挿
嵌させることにより、上記角柱を土台に組付けた軸組部
材の組付は構造を第１の要旨とし、上下に延びる縦片の
一端縁下部側から水平方向に横片を延設して形成される
２枚のＬ字形の板状体からなり、上記両板状体を互いに
直交するようにした状態でそれぞれの縦片の他端縁側を
連結固定し、上記両板状体に所定間隔で、棒状固定具挿
通用の穴部を複数個穿設した軸組部材組付は用金具を第
２の要旨とする。

〔作用〕

本発明の軸組部材の組付は構造は、従来例のように、大
工職人が経験と爪力を頼りに、土台と角柱を加工しなか
ら組付けるというようなものではなく、予め金具固定用
のスリットを設けた土台と角柱を、金具と棒状固定具で
連結することにより組付けを行うようになっている。す
なわち、土台の角部上面には、金具の下部側が嵌合でき
るＬ字状の溝部および貫通孔を穿設しておき、角柱の下
端部には、金具の上部側が嵌合できるスリットおよび貫
通孔を穿設しておく。そし−ζ、土台の溝部に金具の下
部側を嵌合し、土台の貫通穴と金具の穴部に棒状固定具
を挿嵌することにより金具を土台に固着し、その状態の
金具の上部側に角柱のスリットを嵌合し、角柱の貫通孔
と金具の穴部に棒状固定具を挿嵌することにより、金具
を介して角柱を土台に組付けるようになっている。この
ように、組付は作業が、土台の溝部に金具を取り付け、
この金具に角柱のスリット部分を取り付けるだけの簡単
な作業ですみ、かつその取り付けが、金具の穴部を土台
および角柱の貫通孔に位置決めし、その状態で穴部と貫
通孔に棒状固定具を挿嵌するだけですむため容易であり
施工時間を大幅に短縮することができる。また、連結部
に金具を用いているため、土台と角柱を強固に組付ける
ことができるようになり、軸組の強度が向上するととも
に、その金具で２本の土台を連結し、その連結部の上面
に角柱を設けているため、角柱が土台を押さえ付けた状
態になり、長期間が経過しても、土台の一部が浮き上が
ったり、床なりを生じたりすることがなくなる。

つぎに、本発明を実施例にもとづいて詳しく説明する。

〔実施例〕

第１図および第２図は本発明の一実施例を示している。

すなわち、図において、５は地面に設りられた布コンク
リートであり、６はその布コンクリート５の上面に枠状
（一部しか図示していない）に敷設された土台である。

この土台６は角部を直交するように組付りて構成されて
おり、その角部上面に略し字状の溝部７が設けられ、角
部を挟んだ両側部には上記溝部７を貫通する貫通穴８が
それぞれ２個づつ穿孔されている。９は土台６の角部に
植設された角柱であり、下端部に横断面形状が十字状の
スリツ）１０が設けられ、下端側部には相対峙する側面
を貫通する貫通穴１１がスリット１０の開口部を挟んで
２個穿孔されている。

１２は上記土台６と角柱９を連結するための金具である
。この金具１２は、縦辺の一端下部から横辺が水平方向
に延設された、水平方向の長さの異なる２枚の１１字状
の平板状鉄板１３．１４からなっており、長い鉄板１３
の他端側側面に、短い鉄板１４の他端縁部を連結固定し
て構成されている。そして、鉄板１３．１４の下部側に
一定間隔（土台６に設けられた貫通孔８，８の間隔と同
間隔）で、棒状固定具挿通用の丸穴１５がそれぞれ２個
穿設され、鉄板１３の上部側に鉄板１４との連結部を挟
んだ状態で丸穴１５が２個（２個の間隔が角柱９に設け
られた貫通穴ＩＬＩＩの間隔と同間隔）穿設されている
。この金具１２は、下部側を土台６の溝部７に嵌合させ
るとともに、上部側を角柱９の下端のスリット１０に嵌
合させ、その状態で、上台６の貫通穴８と金具１２の下
部側の丸穴１５および角柱９の貫通穴１１と金具１２の
上部側の丸穴１５にそれぞれピン１６を挿通させること
により、角柱９を土台６の適正位置に位置決めし固定し
ている。そして、貫通穴８，１１の両端にそれぞれ木栓
１７を打ち込んでピン１６の貫通穴８，１１から抜は止
めしている。

この構成において、上記土台６と角柱９の組付げは、ま
ず、溝部７および貫通穴８が設けられた土台６と、下端
部にスリット１０および貫通穴１１が設けられた角柱９
を準備し、布コンクリート５の上面に、溝部７が角部の
上面になるようにして土台６を枠状に敷設する。ついで
、その上台６の上面に、鉄板１３．１４の両横片の上端
縁１８を揃えた状態で金具１２の下部側を溝部７に嵌合
し、これをピン１６および木栓１７を用いて土台６に固
着する。そして、その金具１２の上部側に、角柱９のス
リット１０を嵌合し、角柱９の側面を鉄板１３．１４の
両縦片の一端縁１９に揃えた状態で、ピン１６と木栓１
７を用いて金具１２と角柱９を固定することによって行
われる。

このように、本発明の軸組部材の組付は構造では、土台
６の貫通穴８に金具１２の下部側の丸穴１５を位置決め
し両穴８，１５にピン１６を挿嵌させることにより、土
台６に金具１２の下部側を固定し、その金具１２の上部
側の丸穴１５に角柱９の貫通穴１１を位置決めし両穴１
５．１１にピン１６を挿嵌させることにより土台６に角
柱９を固定するようになっている。したがって、組付は
作業が簡単であるとともに、施工時間を大幅に短縮する
ことができる。この場合、土台６と金具１２の位置決め
および金具１２と角柱９の位置決めを、丸穴１５と貫通
穴８，１１を合わせることにより行うため、操作が容易
で、かつ寸法精度が正確になるとともに、金具１２の縁
部１Ｂ、１９をそれぞれ土台６の上面および角柱９の側
面に揃えることによって、土台６と角柱９とが正確な直
角になり、従来、柱の垂直を確保するために行っていた
仮筋かいによる調節が不要になる。また、金具１２を用
いているため、上台６と角柱９の連結部が強固になり、
特に、引っ張り力や剪断力においては、これが顕著にな
る。また、その金具１２が２本の土台６の端部同士を連
結しており、その連結部の上面に角柱９が設けられてい
るため、角柱９が土台６の連結部を押さえ付けた状態に
なり、長時間が経過しても、土台６が浮き上がったり、
床なりが生じたりするというようなことがなくなる。さ
らに、貫通穴８．１１の両側に、木栓１７を詰め込んで
いるため見栄えがよくなるという効果を奏するとともに
、ピン１６が外気に触れないため腐食しにくくなり耐久
性が向上するようになる。

０ なお、角柱９の貫通穴１１は角柱９の左右方向だけでは
なく、前後方向にも穿孔しておいてよい。これによって
、角柱９をどの方向に同番ノでも金具１２と連結させる
ことができるようになる。

第３図は、本発明の他の実施例に用いる金具２０を示し
ている。この金具２０では、土台６の溝部７に嵌合する
下部側の両横片における上端縁１８ａの−・端からそれ
ぞれ係合片２１が水平方向に延設されている。それ以外
の部分の構成については、上記実施例で用いた金具１２
と同様である。

したがって同一部分に同一符号を記している。

このように構成することにより、金具２０を土台６の溝
部７の適正位置に位置決めしやすくなり、金具２０の取
り付は作業が容易になるとともに、軸組の強度がより強
固になる。その他の作用効果については、上記実施例と
同様である。

第４図は、さらに他の実施例に用いる金具２２を示して
いる。この金具２２ば、鉄板１３ａおよび１４ａの上部
側部分２３ａ、２３ｂが幅広に形成されており、第５図
に示すように、土台６に角柱９を組付けた際、金具２２
の上部一端側が外部に突出するようになっている。そし
て、その突出する部分に、筋かい固定用の丸穴２４が穿
設され、その丸穴２４の周囲に３個の釘穴２５が所定間
隔を保って三角形を描くようにして穿設されている。そ
れ以外の部分の構成については、第２図に示した金具１
２と同様である。

この金具２２を用いた場合、土台６と角柱９の連結部に
筋かいを連結することができるようになり、より強固な
軸組を組付けることがでいるようになる。また、上記釘
穴２５が所定間隔を保って３個設けられているため、筋
かいの角度がどのような角度になってもその連結用に２
個の釘穴２５を利用できるようになっている。この場合
、金具２２の突出部２２ａに筋かいの側面を当て、釘穴
２５を挿通させた状態で釘を筋かいに打ち付けることに
より、筋かいを土台６と角柱９の連結部に連結すること
が行われる。また、筋かいにピン挿通穴を設け、丸穴２
４を利用して固定することもできる。その他の作用効果
については第２図に示１ ２ した実施例と同様である。

第６図は他の実施例に用いる金具２６を示している。こ
の金具２６は、第４図に示す金具２２の下部側の両横片
における上端縁１８ｂの−Ｑ：：１からそれぞれ保合片
２７を水平方向に延設して構成されている。それ以外の
部分の構成については、上記金具２２と同様である。し
たがって同一部分に同一符号を記している。

このように構成することにより、金具２６を土台６の溝
部７の適正位置に位置決めしやすくなり、金具２６の取
り付は作業が容易になるとともに、軸組の強度がより強
固になる。その他の作用効果については、上記金具２２
を用いた実施例と同様である。

なお、上記実施例では、固定具としてピン１６を用いて
いるが、これに限定するものではなく、ボルトとナツト
等を用いることもできる。また、上記実施例では、２枚
の鉄板１３．１４等を連結して金具を形成しているが、
１枚の１゛字状の鉄板を中心部で折り曲げて金具を形成
してもよい。このような金具もこの発明の中に含まれる
ものとする。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明の軸組部材の組付は構造によれば
、組付は作業が容易になるとともに、施工時間が大幅に
短縮でき、かつ、軸組の寸法精度が向上する。また、本
発明の金具によれば、軸組の強度が向上するとともに、
土台の浮き上がりや、床なりが生じなくなる。したがっ
て、実用的効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によって得られた軸組の斜視
図、第２図はその分解斜視図、第３図は他の実施例に用
いる金具の斜視図、第４図はさらに他の実施例に用いる
金具の斜視図、第５図はそれを用いて組付けた軸組の斜
視図、第６図は他の実施例に用いる金具の斜視図、第７
図は従来例の斜視図である。 ６・・・土台　７・・・溝部　８．１１・・・貫通穴　
９・・・角柱　１０・・・スリット　１２・・・金具　
１３．１４３ ４ 鉄板 １５・・・丸穴 １６・・・ピン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）土台の角部上面に上記角部に沿つた略Ｌ字状の溝
   部を設けるとともに、角柱の下端面に端部が角柱の側面
   に開口した横断面十字状のスリツトを設け、上記土台お
   よび角柱にそれぞれ溝部およびスリットに直交する貫通
   穴を穿設し、下部側が上記土台の溝部に嵌合できるとと
   もに上部側が上記角柱のスリットに嵌合できかつ上記貫
   通穴に対応する部分に穴部が穿設された金具の下部側を
   、上記土台の溝部に嵌合し土台の貫通穴および金具の下
   部側の穴部に棒状固定具を挿嵌することにより上記金具
   を土台に固着し、その状態で、上記金具の上部側に角柱
   のスリットを嵌合し角柱の貫通穴および金具の上部側の
   穴部に棒状固定具を挿嵌させることにより、上記角柱を
   土台に組付けたことを特徴とする軸組部材の組付け構造
   。
2. （２）上下に延びる縦片の一端縁下部側から水平方向に
   横片を延設して形成される２枚のＬ字形の板状体からな
   り、上記両板状体を互いに直交するようにした状態でそ
   れぞれの縦片の他端縁側を連結固定し、上記両板状体に
   所定間隔で、棒状固定具挿通用の穴部を複数個穿設した
   ことを特徴とする軸組部材組付け用金具。