JP3103077B2 - 接合具及びそれを用いた柱、梁、桁等の接合装置並びに柱、梁、桁等の接合方法 - Google Patents
接合具及びそれを用いた柱、梁、桁等の接合装置並びに柱、梁、桁等の接合方法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材や集成材同
士、又は、木材と石材やコンクリートとを接合する接合
具、及びそれを用いて柱，梁，桁等が木材や集成材等か
らなる木造建築物の構造部材同士を緊結接合し耐力壁や
筋交いを不要にするとともに、増築や既存建屋の耐震補
強ができる柱、梁、桁等の接合装置、並びに柱、梁、桁
等を簡単かつ確実強固に接合できる柱、梁、桁等の接合
方法に関するものである。
士、又は、木材と石材やコンクリートとを接合する接合
具、及びそれを用いて柱，梁，桁等が木材や集成材等か
らなる木造建築物の構造部材同士を緊結接合し耐力壁や
筋交いを不要にするとともに、増築や既存建屋の耐震補
強ができる柱、梁、桁等の接合装置、並びに柱、梁、桁
等を簡単かつ確実強固に接合できる柱、梁、桁等の接合
方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、住宅等の建築時の省力化、合理化
又は木造建築物の強度の向上を目的として、接合具や金
具、箱金物等を用いた仕口や継手等により、梁と桁，柱
と梁，胴差と通し柱等を接合する柱、梁、桁等の接合装
置や接合方法が開発されている。また、阪神大震災を含
め毎年、地震や台風等で特に木造住宅が大きな被害を被
ることが多く、木造建築物の柱、梁、桁等の各構造部材
同士の接合装置において、仕口等の接合部の強度向上を
含めて建築物全体の構造強度の向上を図った柱、梁、桁
等の接合装置や接合方法が種々開発されている。例え
ば、実開昭６３−１６２００８号公報（以下、イ号公報
という）には、タンバックルの筋交の一端が締結される
通孔をもつ補強板を備え、かつ、方形の軸部通孔を適数
個穿設されたＬ型当接板から成る込栓締結部材と、該部
材のＬ型当接板の軸部通孔の一つおきの軸部通孔と合致
する２個の方形の通孔をもつ座金と、Ｌ型当接板が当接
された横架材と柱材の当接面に垂直に、予め設けられた
込栓穴に埋設される埋設部の先端に突設された方形の軸
部が、Ｌ型込栓締結部材のＬ型当接板と該当接板に重ね
られた座金との軸部通孔に嵌合されて締結される込栓部
材と、埋没された込栓部材の埋設部の込栓釘通孔に、横
架材や柱材の側面に予め設けられた込栓釘通孔に連通す
る込栓釘案内穴から打釘される込栓釘とからなる木造建
築用軸組金具が開示されている。また、特開平９−４１
３９１号公報（以下、ロ号公報という）には、木柱埋め
込み用接ぎ手金具を木柱の柱脚木口から、同軸心に合致
させて形成した埋め込み孔に挿入し、木柱埋め込み等接
ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱の柱脚辺
りに形成した貫通孔から、固定ボルトを差し込んで木柱
埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に貫通して木柱の反対側
の側面から突出させ、その突出状とした固定ボルトの先
端側に横架材受け金具を嵌合させてからナット締めし、
この横架材受け金具共々木柱埋め込み等接ぎ手金具を木
柱の柱脚に固定する木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化
構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造が開示され
ている。更に、最近、敷地の狭い都会地で木造３階建て
住宅の着工数が増加しており、土地柄、敷地が狭いため
１階に車庫を設けることを要求され１階に大きな間口を
要す場合が多い。以下、１階に車庫を設けた３階建ての
住宅の一例について、図面を用いて説明する。図１５
（ａ）は３階建て住宅の１階平面図であり、図１５
（ｂ）は３階建て住宅の２階平面図であり、図１５
（ｃ）は３階建て住宅の３階平面図である。図中、９０
ａ，９０ｂは柱、９１は柱９０ｂ間に配置された耐力
壁、９２は車庫、９２ａは車庫９２の開口した間口であ
る。図１５の３階建て住宅では、車庫９２の間口９２ａ
を要すため柱９０ａ間には柱９０ｂ間のように、耐力壁
９１を配置することができないとともに、車庫９２の上
方に２階と３階の荷重がかかるため、従来から、柱９０
ａに大型の構造部材を使用したり、１階だけを鉄筋構造
にしたりしている。
又は木造建築物の強度の向上を目的として、接合具や金
具、箱金物等を用いた仕口や継手等により、梁と桁，柱
と梁，胴差と通し柱等を接合する柱、梁、桁等の接合装
置や接合方法が開発されている。また、阪神大震災を含
め毎年、地震や台風等で特に木造住宅が大きな被害を被
ることが多く、木造建築物の柱、梁、桁等の各構造部材
同士の接合装置において、仕口等の接合部の強度向上を
含めて建築物全体の構造強度の向上を図った柱、梁、桁
等の接合装置や接合方法が種々開発されている。例え
ば、実開昭６３−１６２００８号公報（以下、イ号公報
という）には、タンバックルの筋交の一端が締結される
通孔をもつ補強板を備え、かつ、方形の軸部通孔を適数
個穿設されたＬ型当接板から成る込栓締結部材と、該部
材のＬ型当接板の軸部通孔の一つおきの軸部通孔と合致
する２個の方形の通孔をもつ座金と、Ｌ型当接板が当接
された横架材と柱材の当接面に垂直に、予め設けられた
込栓穴に埋設される埋設部の先端に突設された方形の軸
部が、Ｌ型込栓締結部材のＬ型当接板と該当接板に重ね
られた座金との軸部通孔に嵌合されて締結される込栓部
材と、埋没された込栓部材の埋設部の込栓釘通孔に、横
架材や柱材の側面に予め設けられた込栓釘通孔に連通す
る込栓釘案内穴から打釘される込栓釘とからなる木造建
築用軸組金具が開示されている。また、特開平９−４１
３９１号公報（以下、ロ号公報という）には、木柱埋め
込み用接ぎ手金具を木柱の柱脚木口から、同軸心に合致
させて形成した埋め込み孔に挿入し、木柱埋め込み等接
ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱の柱脚辺
りに形成した貫通孔から、固定ボルトを差し込んで木柱
埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に貫通して木柱の反対側
の側面から突出させ、その突出状とした固定ボルトの先
端側に横架材受け金具を嵌合させてからナット締めし、
この横架材受け金具共々木柱埋め込み等接ぎ手金具を木
柱の柱脚に固定する木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化
構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造が開示され
ている。更に、最近、敷地の狭い都会地で木造３階建て
住宅の着工数が増加しており、土地柄、敷地が狭いため
１階に車庫を設けることを要求され１階に大きな間口を
要す場合が多い。以下、１階に車庫を設けた３階建ての
住宅の一例について、図面を用いて説明する。図１５
（ａ）は３階建て住宅の１階平面図であり、図１５
（ｂ）は３階建て住宅の２階平面図であり、図１５
（ｃ）は３階建て住宅の３階平面図である。図中、９０
ａ，９０ｂは柱、９１は柱９０ｂ間に配置された耐力
壁、９２は車庫、９２ａは車庫９２の開口した間口であ
る。図１５の３階建て住宅では、車庫９２の間口９２ａ
を要すため柱９０ａ間には柱９０ｂ間のように、耐力壁
９１を配置することができないとともに、車庫９２の上
方に２階と３階の荷重がかかるため、従来から、柱９０
ａに大型の構造部材を使用したり、１階だけを鉄筋構造
にしたりしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の接合具や接合装置，接合方法では、以下の課題を有
していた。木造建築物の施工時に柱、梁、桁等に金具や
金物等を装着しこれにボルトやナット等を介して固定せ
ねばならず、施工作業性に欠けるとともに、施工時の作
業が煩雑で作業性に欠け、また、木材の伸縮により数年
で固定力が低下しガタが生じ易く接合強度の信頼性に欠
ける。曲げや引張り、圧縮、剪断等の物理的強度を要す
るため、金具や金物等が大型で重量があり運搬性に欠
け、更に高所作業では安全性に欠ける。木材からなる
柱、梁、桁等の構造部材同士をボルトやナットで固定し
たものでは、木材の伸縮により数年で締付力が低下しガ
タが生じ易いとともに、ボルトやナット、金物等の金属
部分の酸化により物理的強度が低下し信頼性や耐久性に
欠ける。また、従来の接合装置では、ピン接合のため木
造建築物の強度が不十分で、筋交い、構造用合板、鋼製
ブレース等を要し、しかも、地震時等には筋交いが折れ
たり、外れたりして本来の役目を果たさないことがあ
り、信頼性に欠けるという課題を有していた。更に、特
にイ号公報やロ号公報の接合具を用いた接合方法では、
以下の課題を有していた。イ号公報の木造建築用軸組金
具では、込栓部材を埋設するために予め横架材と柱材の
当接面に垂直な込栓穴と、込栓部材の込栓釘通孔に連通
する込栓釘案内穴とを横架材や柱材の側面に予め設ける
必要が有り、また、ロ号公報の木柱埋め込み用接ぎ手金
具では、木柱埋め込み用接ぎ手金具を挿入する埋め込み
孔を木柱の柱脚木口から同軸心に合致させて形成し、更
に、木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する貫通
孔を予め木柱の柱脚辺りに形成する必要が有り、いずれ
も各穴の形成作業性に欠けるとともに、各金具に形成さ
れた通孔と柱材等の各部材に形成された穴とを合致させ
る手間を要し、柱、梁、桁等の接合作業性に欠ける。ま
た、図１３に示すような、従来の３階建て住宅では、１
階に車庫９２を設けているため、柱９０ａ間に耐力壁を
配置することができないとともに、車庫９２の上方に２
階，３階の荷重がかかり、地震の際等には、車庫９２の
柱９０ａから破壊される可能性が高く、耐震性や安全性
に欠けるという課題を有していた。また、車庫９２の間
口９２ａを形成し耐力壁９１を有していないため、地震
や２階乃至３階の振動で住宅が揺れ易く、その際、特
に、３階の壁のクロスが歪んだり破れたりする可能性が
有るという課題を有していた。更に、柱９０ａに大型の
構造部材を使用したり、１階だけを鉄筋構造にしたりし
た場合、建築の手間がかかり建築施工性に欠けるととも
に、コスト高を引き起こすという課題を有していた。
来の接合具や接合装置，接合方法では、以下の課題を有
していた。木造建築物の施工時に柱、梁、桁等に金具や
金物等を装着しこれにボルトやナット等を介して固定せ
ねばならず、施工作業性に欠けるとともに、施工時の作
業が煩雑で作業性に欠け、また、木材の伸縮により数年
で固定力が低下しガタが生じ易く接合強度の信頼性に欠
ける。曲げや引張り、圧縮、剪断等の物理的強度を要す
るため、金具や金物等が大型で重量があり運搬性に欠
け、更に高所作業では安全性に欠ける。木材からなる
柱、梁、桁等の構造部材同士をボルトやナットで固定し
たものでは、木材の伸縮により数年で締付力が低下しガ
タが生じ易いとともに、ボルトやナット、金物等の金属
部分の酸化により物理的強度が低下し信頼性や耐久性に
欠ける。また、従来の接合装置では、ピン接合のため木
造建築物の強度が不十分で、筋交い、構造用合板、鋼製
ブレース等を要し、しかも、地震時等には筋交いが折れ
たり、外れたりして本来の役目を果たさないことがあ
り、信頼性に欠けるという課題を有していた。更に、特
にイ号公報やロ号公報の接合具を用いた接合方法では、
以下の課題を有していた。イ号公報の木造建築用軸組金
具では、込栓部材を埋設するために予め横架材と柱材の
当接面に垂直な込栓穴と、込栓部材の込栓釘通孔に連通
する込栓釘案内穴とを横架材や柱材の側面に予め設ける
必要が有り、また、ロ号公報の木柱埋め込み用接ぎ手金
具では、木柱埋め込み用接ぎ手金具を挿入する埋め込み
孔を木柱の柱脚木口から同軸心に合致させて形成し、更
に、木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する貫通
孔を予め木柱の柱脚辺りに形成する必要が有り、いずれ
も各穴の形成作業性に欠けるとともに、各金具に形成さ
れた通孔と柱材等の各部材に形成された穴とを合致させ
る手間を要し、柱、梁、桁等の接合作業性に欠ける。ま
た、図１３に示すような、従来の３階建て住宅では、１
階に車庫９２を設けているため、柱９０ａ間に耐力壁を
配置することができないとともに、車庫９２の上方に２
階，３階の荷重がかかり、地震の際等には、車庫９２の
柱９０ａから破壊される可能性が高く、耐震性や安全性
に欠けるという課題を有していた。また、車庫９２の間
口９２ａを形成し耐力壁９１を有していないため、地震
や２階乃至３階の振動で住宅が揺れ易く、その際、特
に、３階の壁のクロスが歪んだり破れたりする可能性が
有るという課題を有していた。更に、柱９０ａに大型の
構造部材を使用したり、１階だけを鉄筋構造にしたりし
た場合、建築の手間がかかり建築施工性に欠けるととも
に、コスト高を引き起こすという課題を有していた。
【０００４】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、簡単な装置でかつ接合作業性に優れ施工期間を著し
く短縮できるとともに、構造強度の高い接合具の提供、
及び、木造建築物の構造強度を向上できるとともに増築
や既存建屋の耐震補強ができ、特に、接合金具と併用し
て該接合具を使用した場合に、特に強固な接合力を得る
ことができ更に、地震で接合金具と接合具の何れかが万
が一破損した場合にも建築物が完全に破壊されることな
く耐震性や安全性に優れ、また、施工作業時の安全性に
優れるとともに、汎用性に優れ未熟練者でも簡単かつ確
実に接合強度に優れた接合ができる柱、梁、桁等の接合
装置、並びに、施工作業性を著しく向上できるととも
に、柱、梁、桁等の接合技術を単純化し作業工数を削減
でき施工期間を著しく短縮することができる柱、梁、桁
等の接合方法を提供することを目的とする。
で、簡単な装置でかつ接合作業性に優れ施工期間を著し
く短縮できるとともに、構造強度の高い接合具の提供、
及び、木造建築物の構造強度を向上できるとともに増築
や既存建屋の耐震補強ができ、特に、接合金具と併用し
て該接合具を使用した場合に、特に強固な接合力を得る
ことができ更に、地震で接合金具と接合具の何れかが万
が一破損した場合にも建築物が完全に破壊されることな
く耐震性や安全性に優れ、また、施工作業時の安全性に
優れるとともに、汎用性に優れ未熟練者でも簡単かつ確
実に接合強度に優れた接合ができる柱、梁、桁等の接合
装置、並びに、施工作業性を著しく向上できるととも
に、柱、梁、桁等の接合技術を単純化し作業工数を削減
でき施工期間を著しく短縮することができる柱、梁、桁
等の接合方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明における接合具及びそれを用いた柱、
梁、桁等の接合装置並びに柱、梁、桁等の接合方法は、
以下の構成を有している。本発明の請求項１に記載の接
合具は、ａ．棒状の胴部と、ｂ．前記胴部の一端に形成
された尖鋭状若しくはその表面に螺子状部を有した先端
部と、ｃ．前記胴部の他端に形成され端面に膨出面や平
面等からなる打込部若しくは＋状，−状，六角形状等の
切削部や突起部を備えた膨出状や平面状，ナット状，逆
台錐状等からなる締付部を有した頭部と、ｄ．前記胴部
の略軸心の長手方向に形成された中空部と、ｅ．前記頭
部の前記端面から前記中空部に連通した接着剤の注入口
と、ｆ．前記胴部の外周面から前記中空部に連通して穿
設された１乃至複数の接着剤の吐出口と、ｇ．前記胴部
に外嵌されたスプリング等の螺旋状部材、及び／又は、
前記胴部の前記頭部側端部に前記胴部の外径より大きく
かつ前記頭部の外径と同一若しくは小さい外径で形成さ
れた首部と、を備えた構成を有している。
るために本発明における接合具及びそれを用いた柱、
梁、桁等の接合装置並びに柱、梁、桁等の接合方法は、
以下の構成を有している。本発明の請求項１に記載の接
合具は、ａ．棒状の胴部と、ｂ．前記胴部の一端に形成
された尖鋭状若しくはその表面に螺子状部を有した先端
部と、ｃ．前記胴部の他端に形成され端面に膨出面や平
面等からなる打込部若しくは＋状，−状，六角形状等の
切削部や突起部を備えた膨出状や平面状，ナット状，逆
台錐状等からなる締付部を有した頭部と、ｄ．前記胴部
の略軸心の長手方向に形成された中空部と、ｅ．前記頭
部の前記端面から前記中空部に連通した接着剤の注入口
と、ｆ．前記胴部の外周面から前記中空部に連通して穿
設された１乃至複数の接着剤の吐出口と、ｇ．前記胴部
に外嵌されたスプリング等の螺旋状部材、及び／又は、
前記胴部の前記頭部側端部に前記胴部の外径より大きく
かつ前記頭部の外径と同一若しくは小さい外径で形成さ
れた首部と、を備えた構成を有している。
【０００６】これにより、以下の作用が得られる。 ａ．木材間や集成材間若しくは木材と集成材同士、又
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する部材に接合具の長さよりも短い深さの挿
入部を形成して接合具を挿入部に挿入し、接合具の先端
部を挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各部材同
士を接合することができる。 ｂ．接合具の長手方向に中空部を備えているとともに中
空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を備えている
ため、注入口から中空部に接着剤を注入することにより
吐出口から接合具の外周面及び接合具が挿入された部材
の挿入部の周壁間に接着剤を充填することができ、部材
同士を緊結し剛接合ができる。 ｃ．複数の該接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部等の外径を小さくすることができ、部材の
断面欠損を減少させ部材の強度の低下を防止することが
できる。 ｄ．部材に形成された接合具を挿入する挿入部に金属製
等の高強度部材からなる接合具が接着剤で埋設固定され
るので、高剪断，高張力の剛接合を維持できる。 ｅ．部材同士をコの字状の箱金物やフック状の金物等の
接合金具で接合した後、各部材に形成した挿入部に接合
具を挿入するとともに挿入部の底部に接合具の先端部を
打設若しくは螺着し、接合具の中空部に接着剤を注入し
て部材同士を緊結固定することができるため、接合金具
で部材同士の仮固定した後に部材同士を正確に接合でき
部材同士の当接面を密着させ接着剤の漏れを防止できる
とともに、接合金具に加えて該接合具で部材同士の剪
断，張力等の接合強度を維持することができる。 ｆ．先端部に螺子状部を有している場合、該接合具を部
材の挿入部に挿入して挿入部の底部に先端部をねじ込む
ことができるため、部材同士を引き寄せて部材同士の当
接面を密着させることができ、部材同士の当接面から接
着剤が漏れるのを防止でき、部材同士の接合に接合金具
を用いない場合でも、部材同士を確実に密着して接合で
きる。ｇ．接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌し
た場合、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合
具の吐出口から吐出される接着剤を接合具の外周面及び
接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状部材
に沿って略均等に充填し、ショートパスを防ぎ、充填ム
ラが生じるのを防ぐことが可能なので、粘度の大きい接
着剤も容易に使用でき、部材同士を緊結できる。 ｈ．接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、接
着剤で螺旋状部材が埋設され該接合具が補強材としての
役割を果たし、部材同士の接合部の剪断，引張り応力等
を向上させ耐久性を向上できる。 ｉ．胴部の外径より大きくかつ頭部の外径と同一若しく
は小さい外径で形成された首部を備えた場合、接合具を
挿入した部材の挿入部と接合具の胴部の間に略均一な隙
間を確保することができ、胴部に形成された吐出口から
吐出される接着剤を胴部の外周面と胴部が挿入された挿
入部の周壁間の隙間に略均等に充填することができる。 ｊ．特に、接合具を挿入する挿入部と首部の外径を略同
一にした場合、胴部の外周面と接合具が挿入された部材
の挿入部の周壁間に充填された接着剤が頭部側へ溢れ出
るのを防止できる。
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する部材に接合具の長さよりも短い深さの挿
入部を形成して接合具を挿入部に挿入し、接合具の先端
部を挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各部材同
士を接合することができる。 ｂ．接合具の長手方向に中空部を備えているとともに中
空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を備えている
ため、注入口から中空部に接着剤を注入することにより
吐出口から接合具の外周面及び接合具が挿入された部材
の挿入部の周壁間に接着剤を充填することができ、部材
同士を緊結し剛接合ができる。 ｃ．複数の該接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部等の外径を小さくすることができ、部材の
断面欠損を減少させ部材の強度の低下を防止することが
できる。 ｄ．部材に形成された接合具を挿入する挿入部に金属製
等の高強度部材からなる接合具が接着剤で埋設固定され
るので、高剪断，高張力の剛接合を維持できる。 ｅ．部材同士をコの字状の箱金物やフック状の金物等の
接合金具で接合した後、各部材に形成した挿入部に接合
具を挿入するとともに挿入部の底部に接合具の先端部を
打設若しくは螺着し、接合具の中空部に接着剤を注入し
て部材同士を緊結固定することができるため、接合金具
で部材同士の仮固定した後に部材同士を正確に接合でき
部材同士の当接面を密着させ接着剤の漏れを防止できる
とともに、接合金具に加えて該接合具で部材同士の剪
断，張力等の接合強度を維持することができる。 ｆ．先端部に螺子状部を有している場合、該接合具を部
材の挿入部に挿入して挿入部の底部に先端部をねじ込む
ことができるため、部材同士を引き寄せて部材同士の当
接面を密着させることができ、部材同士の当接面から接
着剤が漏れるのを防止でき、部材同士の接合に接合金具
を用いない場合でも、部材同士を確実に密着して接合で
きる。ｇ．接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌し
た場合、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合
具の吐出口から吐出される接着剤を接合具の外周面及び
接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状部材
に沿って略均等に充填し、ショートパスを防ぎ、充填ム
ラが生じるのを防ぐことが可能なので、粘度の大きい接
着剤も容易に使用でき、部材同士を緊結できる。 ｈ．接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、接
着剤で螺旋状部材が埋設され該接合具が補強材としての
役割を果たし、部材同士の接合部の剪断，引張り応力等
を向上させ耐久性を向上できる。 ｉ．胴部の外径より大きくかつ頭部の外径と同一若しく
は小さい外径で形成された首部を備えた場合、接合具を
挿入した部材の挿入部と接合具の胴部の間に略均一な隙
間を確保することができ、胴部に形成された吐出口から
吐出される接着剤を胴部の外周面と胴部が挿入された挿
入部の周壁間の隙間に略均等に充填することができる。 ｊ．特に、接合具を挿入する挿入部と首部の外径を略同
一にした場合、胴部の外周面と接合具が挿入された部材
の挿入部の周壁間に充填された接着剤が頭部側へ溢れ出
るのを防止できる。
【０００７】ここで、接合具の胴部としては、断面を円
形状に形成する他，略楕円形，三角形や四角形，六角形
等の略多角形状に形成してもよい。接合具の先端部とし
ては、尖鋭端部を有したものが用いられ、特に、尖鋭状
の表面に螺子状部を有していない場合は、円錐状や釘先
状等の多角錐状等に形成される。接合具の頭部として
は、先端部に螺子状部を有している場合は、端面に＋
状，−状，六角形状等の切削部や突起部を備えた膨出状
や平面状，ナット状，逆台錐状等からなる締付部が形成
され、先端部に螺子状部を有していない場合は、端面に
膨出面や平面等からなる打込部が形成されたものが用い
られる。
形状に形成する他，略楕円形，三角形や四角形，六角形
等の略多角形状に形成してもよい。接合具の先端部とし
ては、尖鋭端部を有したものが用いられ、特に、尖鋭状
の表面に螺子状部を有していない場合は、円錐状や釘先
状等の多角錐状等に形成される。接合具の頭部として
は、先端部に螺子状部を有している場合は、端面に＋
状，−状，六角形状等の切削部や突起部を備えた膨出状
や平面状，ナット状，逆台錐状等からなる締付部が形成
され、先端部に螺子状部を有していない場合は、端面に
膨出面や平面等からなる打込部が形成されたものが用い
られる。
【０００８】接合具の頭部としては、頭部の外径を胴部
の外径の１．２倍〜２．５倍、好ましくは１．５倍〜２
倍に形成される。これにより、中空部に接着剤を注入し
て該接合具の外周面及び接合具が挿入された部材の挿入
部の周壁間に接着剤を充填した際に接着剤が頭部側から
溢れ出るのを防止できる。頭部の外径が胴部の外径の
１．５倍より小さくなるにつれ接着剤が頭部側から溢れ
出易くなる傾向が有り、頭部の外径が胴部の外径の２倍
より大きくなるにつれ頭部が部材から大きく突出する傾
向が有り、いずれも好ましくない。更に、接合具の材質
としては、ステンレス鋼，クロム，鉄鋼，カーボン鉄鋼
等の鉄製品やアルミニウム合金等の金属製の他、カーボ
ン繊維やボロン繊維，ガラス繊維，金属繊維等の有機や
無機の繊維と合成樹脂で成形加工したものが用いられ
る。
の外径の１．２倍〜２．５倍、好ましくは１．５倍〜２
倍に形成される。これにより、中空部に接着剤を注入し
て該接合具の外周面及び接合具が挿入された部材の挿入
部の周壁間に接着剤を充填した際に接着剤が頭部側から
溢れ出るのを防止できる。頭部の外径が胴部の外径の
１．５倍より小さくなるにつれ接着剤が頭部側から溢れ
出易くなる傾向が有り、頭部の外径が胴部の外径の２倍
より大きくなるにつれ頭部が部材から大きく突出する傾
向が有り、いずれも好ましくない。更に、接合具の材質
としては、ステンレス鋼，クロム，鉄鋼，カーボン鉄鋼
等の鉄製品やアルミニウム合金等の金属製の他、カーボ
ン繊維やボロン繊維，ガラス繊維，金属繊維等の有機や
無機の繊維と合成樹脂で成形加工したものが用いられ
る。
【０００９】接合具の中空部及び中空部に連通した接着
剤の吐出口や注入口としては、接合具の胴部の外径の約
１／２０倍〜１６／２０倍、好ましくは約１／１０倍〜
５／１０倍の大きさの直径を有した断面が略円形状に形
成される。尚、接着剤の粘性や接合具の材質にもよる
が、直径が接合具の胴部の外径の１／１０倍より小さく
なるにつれ中空部内での接着剤の流動性に欠け接着剤の
注入に時間がかかる傾向があり、５／１０倍よりも大き
くなるにつれ接合具の機械的強度が損なわれる傾向があ
り、いずれも好ましくない。吐出口としては、中空部に
連通して接合具の胴部の直径方向に貫通して１以上形成
される。複数形成するときは、中空部を中心に略放射状
に形成してもよい。注入時間を短縮することができるた
めである。また、中空部から対称の位置に形成すると、
中空部に注入された接着剤を接合具の外周面に略均等に
吐出することができ、接着剤の充填ムラを防止できるの
で好ましい。また、吐出口の形成位置としては、接合具
を部材の上面から下方に傾斜して挿入する場合、吐出口
を接合具の胴部の先端部側に形成し、接合具を部材の下
面から上方に傾斜して挿入する場合、吐出口を接合具の
胴部の頭部側に形成するのが好ましい。これにより、接
合具の外周面及び接合具が挿入された部材の挿入部の周
壁間に接着剤を満遍なく充填することができる。
剤の吐出口や注入口としては、接合具の胴部の外径の約
１／２０倍〜１６／２０倍、好ましくは約１／１０倍〜
５／１０倍の大きさの直径を有した断面が略円形状に形
成される。尚、接着剤の粘性や接合具の材質にもよる
が、直径が接合具の胴部の外径の１／１０倍より小さく
なるにつれ中空部内での接着剤の流動性に欠け接着剤の
注入に時間がかかる傾向があり、５／１０倍よりも大き
くなるにつれ接合具の機械的強度が損なわれる傾向があ
り、いずれも好ましくない。吐出口としては、中空部に
連通して接合具の胴部の直径方向に貫通して１以上形成
される。複数形成するときは、中空部を中心に略放射状
に形成してもよい。注入時間を短縮することができるた
めである。また、中空部から対称の位置に形成すると、
中空部に注入された接着剤を接合具の外周面に略均等に
吐出することができ、接着剤の充填ムラを防止できるの
で好ましい。また、吐出口の形成位置としては、接合具
を部材の上面から下方に傾斜して挿入する場合、吐出口
を接合具の胴部の先端部側に形成し、接合具を部材の下
面から上方に傾斜して挿入する場合、吐出口を接合具の
胴部の頭部側に形成するのが好ましい。これにより、接
合具の外周面及び接合具が挿入された部材の挿入部の周
壁間に接着剤を満遍なく充填することができる。
【００１０】接合具の首部としては、接合具の胴部の直
径より３ｍｍ〜１５ｍｍ好ましくは５ｍｍ〜１２ｍｍ大
きい直径で形成される。首部の直径と胴部の直径の差が
５ｍｍより小さくなるにつれ接合具の胴部と接合具を挿
入した挿入部の周壁間の隙間が小さくなり、特に粘度の
高い接着剤を注入した際に接着剤が流動し難くなる傾向
が有り、首部の直径と胴部の直径の差が１２ｍｍより大
きくなるにつれ接合具の胴部と接合具を挿入した挿入部
の周壁間の隙間が大きくなり過ぎ接着剤の使用量が必要
以上に増える傾向が有り、いずれも好ましくない。
径より３ｍｍ〜１５ｍｍ好ましくは５ｍｍ〜１２ｍｍ大
きい直径で形成される。首部の直径と胴部の直径の差が
５ｍｍより小さくなるにつれ接合具の胴部と接合具を挿
入した挿入部の周壁間の隙間が小さくなり、特に粘度の
高い接着剤を注入した際に接着剤が流動し難くなる傾向
が有り、首部の直径と胴部の直径の差が１２ｍｍより大
きくなるにつれ接合具の胴部と接合具を挿入した挿入部
の周壁間の隙間が大きくなり過ぎ接着剤の使用量が必要
以上に増える傾向が有り、いずれも好ましくない。
【００１１】本発明の請求項２に記載の接合具は、請求
項１に記載の発明において、前記先端部が前記胴部の一
端面に前記胴部と同軸状に突設固定又は着脱自在に前記
胴部と同軸状に突設され、前記先端部の最大外径が前記
胴部の外径より小さい構成を有している。
項１に記載の発明において、前記先端部が前記胴部の一
端面に前記胴部と同軸状に突設固定又は着脱自在に前記
胴部と同軸状に突設され、前記先端部の最大外径が前記
胴部の外径より小さい構成を有している。
【００１２】これにより、請求項１の作用に加えて、以
下の作用を有する。ｋ ．先端部の最大外径が胴部の外径より小さく形成（先
端部が胴部と尖鋭部を備えその胴部の最大外径が該接合
具の胴部より細く形成）されているので、該接合具を挿
入する挿入部を部材の表面側に形成した際や、該接合具
が部材の挿入部に斜めに挿入された際等に、該接合具の
先端部により部材の表面（外周壁面）に割れ等が発生す
るのを防止できる。ｌ ．先端部が胴部より細く形成されているので、該接合
具を集成材に打設又は螺着した際に、先端部が部材を押
し広げる力を小さくすることができ、ラミナと呼ばれる
薄い単板を張り重ねて製造された集成材を該接合具で接
合する場合にも、集成材表面のラミナが剥がれたり、部
分的に浮き上がったり、割れたりするのを防止できる。ｍ ．先端部を胴部に着脱自在に突設した場合、部材の材
質等に応じて長さや材質等の異なる先端部に交換するこ
とができ、該接合具の使用性や汎用性を向上できる。
下の作用を有する。ｋ ．先端部の最大外径が胴部の外径より小さく形成（先
端部が胴部と尖鋭部を備えその胴部の最大外径が該接合
具の胴部より細く形成）されているので、該接合具を挿
入する挿入部を部材の表面側に形成した際や、該接合具
が部材の挿入部に斜めに挿入された際等に、該接合具の
先端部により部材の表面（外周壁面）に割れ等が発生す
るのを防止できる。ｌ ．先端部が胴部より細く形成されているので、該接合
具を集成材に打設又は螺着した際に、先端部が部材を押
し広げる力を小さくすることができ、ラミナと呼ばれる
薄い単板を張り重ねて製造された集成材を該接合具で接
合する場合にも、集成材表面のラミナが剥がれたり、部
分的に浮き上がったり、割れたりするのを防止できる。ｍ ．先端部を胴部に着脱自在に突設した場合、部材の材
質等に応じて長さや材質等の異なる先端部に交換するこ
とができ、該接合具の使用性や汎用性を向上できる。
【００１３】ここで、先端部としては、基部側（胴部
側）から端部側にかけて円錐状や釘先状等の多角錐状に
形成されたものや、基部側の断面が円形状や多角形状の
胴部を有し、端部のみが円錐状や釘先状等の多角錐状等
の尖鋭状に形成されたもの、若しくは、端部側表面のみ
又は全表面が螺子状に形成されたもの等が用いられる。
また、先端部を胴部に着脱自在に突設する場合、胴部の
一端面に雌螺子部，先端部の基部側に雄螺子部を形成、
胴部の一端面に先端部の基部側が嵌合される嵌合凹部を
形成、等して先端部を胴部に螺着や嵌着等により着脱自
在に突設する。また、先端部の材質としては、胴部と同
一の材質でも、異なる材質でもよい。先端部の基部側の
直径（最大外径）としては、３ｍｍ〜８ｍｍ、好ましく
は、４ｍｍ〜７ｍｍに形成される。先端部の材質や該接
合具で接合する部材にもよるが、先端部の基部側の直径
が４ｍｍより小さくなるにつれ、先端部の強度に欠け該
接合具の耐久性の低下を引き起し易い傾向が有り、７ｍ
ｍより大きくなるにつれ、該接合具を部材に打設又は螺
着した際に部材の表面が割れ易くなる傾向が有り、いず
れも好ましくない。
側）から端部側にかけて円錐状や釘先状等の多角錐状に
形成されたものや、基部側の断面が円形状や多角形状の
胴部を有し、端部のみが円錐状や釘先状等の多角錐状等
の尖鋭状に形成されたもの、若しくは、端部側表面のみ
又は全表面が螺子状に形成されたもの等が用いられる。
また、先端部を胴部に着脱自在に突設する場合、胴部の
一端面に雌螺子部，先端部の基部側に雄螺子部を形成、
胴部の一端面に先端部の基部側が嵌合される嵌合凹部を
形成、等して先端部を胴部に螺着や嵌着等により着脱自
在に突設する。また、先端部の材質としては、胴部と同
一の材質でも、異なる材質でもよい。先端部の基部側の
直径（最大外径）としては、３ｍｍ〜８ｍｍ、好ましく
は、４ｍｍ〜７ｍｍに形成される。先端部の材質や該接
合具で接合する部材にもよるが、先端部の基部側の直径
が４ｍｍより小さくなるにつれ、先端部の強度に欠け該
接合具の耐久性の低下を引き起し易い傾向が有り、７ｍ
ｍより大きくなるにつれ、該接合具を部材に打設又は螺
着した際に部材の表面が割れ易くなる傾向が有り、いず
れも好ましくない。
【００１４】本発明の請求項３に記載の接合具は、請求
項１又は２に記載の発明において、前記胴部が、前記頭
部の反対端に接合部を有した頭部側胴部材と、両端に胴
接合部を有した１又は２以上の中間部胴部材と、前記先
端部の反対端に接合部を有した先端部側胴部材と、を備
えた構成を有している。
項１又は２に記載の発明において、前記胴部が、前記頭
部の反対端に接合部を有した頭部側胴部材と、両端に胴
接合部を有した１又は２以上の中間部胴部材と、前記先
端部の反対端に接合部を有した先端部側胴部材と、を備
えた構成を有している。
【００１５】これにより、請求項１又は２の作用に加え
て、以下の作用を有する。ｎ ．頭部側胴部材と中間部胴部材，先端部側胴部材を順
に各接合部で接合して連結することにより該接合具を形
成することができ、また、接合する中間部胴部材の数に
より接合具の長さを任意に変更することができる。ｏ ．特に、吐出口が該接合具の先端部側に形成される場
合、頭部側胴部材と中間部胴部材，先端部側胴部材の各
々に中空部を形成して先端部側胴部材の中空部に連通し
た吐出口を先端部側胴部材に形成することができ、該接
合具の中空部を分割して形成することができるため、中
空部の形成距離を短くでき、接合具の先端部側に吐出口
を要す場合にも中空部や吐出口を容易に形成できる。
て、以下の作用を有する。ｎ ．頭部側胴部材と中間部胴部材，先端部側胴部材を順
に各接合部で接合して連結することにより該接合具を形
成することができ、また、接合する中間部胴部材の数に
より接合具の長さを任意に変更することができる。ｏ ．特に、吐出口が該接合具の先端部側に形成される場
合、頭部側胴部材と中間部胴部材，先端部側胴部材の各
々に中空部を形成して先端部側胴部材の中空部に連通し
た吐出口を先端部側胴部材に形成することができ、該接
合具の中空部を分割して形成することができるため、中
空部の形成距離を短くでき、接合具の先端部側に吐出口
を要す場合にも中空部や吐出口を容易に形成できる。
【００１６】ここで、接合部や胴接合部としては、雄螺
子部又は雌螺子部を形成したもの、嵌合凹部又は嵌合凸
部を形成したもの等、各部材が脱着自在に接合できる形
状のものが用いられる。また、頭部側胴部材と先端部側
胴部材を各接合部で接合して該接合具を形成してもよ
い。また、各部材には、各部材を連結した際に長さ方向
で略一直線になる中空部が吐出口まで形成される。更
に、胴部に形成される吐出口が先端部側に形成される場
合は、中空部の形成距離が長くなるとともに、中空部が
長すぎる場合には中空部の形成が不可能となるため、吐
出口が先端部側に形成される場合に、頭部側胴部材，中
間部胴部材，先端部側胴部材に分割された該接合具が好
適に用いられる。
子部又は雌螺子部を形成したもの、嵌合凹部又は嵌合凸
部を形成したもの等、各部材が脱着自在に接合できる形
状のものが用いられる。また、頭部側胴部材と先端部側
胴部材を各接合部で接合して該接合具を形成してもよ
い。また、各部材には、各部材を連結した際に長さ方向
で略一直線になる中空部が吐出口まで形成される。更
に、胴部に形成される吐出口が先端部側に形成される場
合は、中空部の形成距離が長くなるとともに、中空部が
長すぎる場合には中空部の形成が不可能となるため、吐
出口が先端部側に形成される場合に、頭部側胴部材，中
間部胴部材，先端部側胴部材に分割された該接合具が好
適に用いられる。
【００１７】本発明の請求項４に記載の接合具は、請求
項１乃至３の内いずれか１項に記載の発明において、前
記注入口に嵌合される突起部を有した封止体を備えた構
成を有している。
項１乃至３の内いずれか１項に記載の発明において、前
記注入口に嵌合される突起部を有した封止体を備えた構
成を有している。
【００１８】これにより、請求項１乃至３の作用に加え
て、以下の作用を有する。 ｐ．注入口から中空部へ接着剤を注入した後、注入口に
突起部を嵌合して注入口を封止することができ、粘度の
極めて低い接着剤や硬化に長時間を要す接着剤を使用し
た場合でも、注入口から接着剤が漏れるのを防止できる
とともに、該接合具の頭部の外観を向上できる。
て、以下の作用を有する。 ｐ．注入口から中空部へ接着剤を注入した後、注入口に
突起部を嵌合して注入口を封止することができ、粘度の
極めて低い接着剤や硬化に長時間を要す接着剤を使用し
た場合でも、注入口から接着剤が漏れるのを防止できる
とともに、該接合具の頭部の外観を向上できる。
【００１９】ここで、封止体としては、注入口に嵌合で
きる突起部を有していればよく、接合具の頭部を覆設す
る形状のものや、接合具の頭部を覆設し該接合具が挿入
された部材表面と面一に形成されたもの等が用いられ
る。
きる突起部を有していればよく、接合具の頭部を覆設す
る形状のものや、接合具の頭部を覆設し該接合具が挿入
された部材表面と面一に形成されたもの等が用いられ
る。
【００２０】本発明の請求項５に記載の柱、梁、桁等の
接合装置は、請求項１乃至４の内いずれか１項に記載さ
れた接合具と、所定の当接面で当接される柱、梁、桁等
の２以上の構造部材と、前記構造部材の外周壁部から前
記当接面に対して直交若しくは所定の傾斜角度を有して
他の前記構造部材と連通し前記接合具の長さよりも短い
深さで穿孔された１以上の接合具挿入部と、前記接合具
の中空部に注入されて前記接合具の吐出口から吐出され
前記接合具の外周面と前記接合具挿入部の周壁間に充填
される接着剤と、を備えた構成を有している。
接合装置は、請求項１乃至４の内いずれか１項に記載さ
れた接合具と、所定の当接面で当接される柱、梁、桁等
の２以上の構造部材と、前記構造部材の外周壁部から前
記当接面に対して直交若しくは所定の傾斜角度を有して
他の前記構造部材と連通し前記接合具の長さよりも短い
深さで穿孔された１以上の接合具挿入部と、前記接合具
の中空部に注入されて前記接合具の吐出口から吐出され
前記接合具の外周面と前記接合具挿入部の周壁間に充填
される接着剤と、を備えた構成を有している。
【００２１】これにより、以下の作用が得られる。 ａ．柱、梁、桁等に形成された接合具挿入部に接合具を
挿入するとともに、接合具の先端部を接合具挿入部の底
部に打設又は螺着することにより、柱、梁、桁等の構造
部材同士を接合することができる。 ｂ．接合具の中空部に接着剤を注入することにより、接
合具の吐出口から接着剤を吐出して、接合具の外周面と
接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、桁等
の構造部材同士を固結することができる。 ｃ．機械的強度が著しく高い接合具を柱、梁、桁等の各
構造部材に埋設して構造部材同士を緊結しているため、
構造部材の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵抗力
を向上できる。 ｄ．接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対して
所定の傾斜角度を有して挿入した場合、鉛直荷重に対す
る変形に耐えることができ、構造部材同士の剛性を向上
できる。 ｅ．柱、梁、桁等の構造部材間でクロス状になるように
形成した接合具挿入部に接合具を挿入すると、挿入する
だけで構造部材を保持でき、更に、接合具を固定し接着
剤を注入すると極めて機械的強度に優れた接合を可能に
することができる。 ｆ．接合具が柱、梁、桁等に埋設されているとともに、
接合具の外周面が接着剤で被覆されるため、接合具が酸
化等するのを防止でき接合具の耐久性を向上させること
ができる。 ｇ．接合具を柱、梁、桁等の構造部材に打設又は螺着し
て構造部材同士を接合し、更に、接合具の外周面と接合
具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を緊
結しているため、構造部材同士を剛接合することができ
接合強度を向上でき、また、接着剤で緊結しているた
め、木材等の構造部材の伸縮を吸収できガタつきを防止
できる。 ｈ．柱、梁、桁等の構造部材同士の接合部が接合具と接
着剤で強固に接合されたラーメン構造となるので、耐力
壁や筋交いを使用することなく建築物の間口（スパン）
を著しく広げることができ、柱の無い空間を得ることが
できる。
挿入するとともに、接合具の先端部を接合具挿入部の底
部に打設又は螺着することにより、柱、梁、桁等の構造
部材同士を接合することができる。 ｂ．接合具の中空部に接着剤を注入することにより、接
合具の吐出口から接着剤を吐出して、接合具の外周面と
接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、桁等
の構造部材同士を固結することができる。 ｃ．機械的強度が著しく高い接合具を柱、梁、桁等の各
構造部材に埋設して構造部材同士を緊結しているため、
構造部材の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵抗力
を向上できる。 ｄ．接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対して
所定の傾斜角度を有して挿入した場合、鉛直荷重に対す
る変形に耐えることができ、構造部材同士の剛性を向上
できる。 ｅ．柱、梁、桁等の構造部材間でクロス状になるように
形成した接合具挿入部に接合具を挿入すると、挿入する
だけで構造部材を保持でき、更に、接合具を固定し接着
剤を注入すると極めて機械的強度に優れた接合を可能に
することができる。 ｆ．接合具が柱、梁、桁等に埋設されているとともに、
接合具の外周面が接着剤で被覆されるため、接合具が酸
化等するのを防止でき接合具の耐久性を向上させること
ができる。 ｇ．接合具を柱、梁、桁等の構造部材に打設又は螺着し
て構造部材同士を接合し、更に、接合具の外周面と接合
具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を緊
結しているため、構造部材同士を剛接合することができ
接合強度を向上でき、また、接着剤で緊結しているた
め、木材等の構造部材の伸縮を吸収できガタつきを防止
できる。 ｈ．柱、梁、桁等の構造部材同士の接合部が接合具と接
着剤で強固に接合されたラーメン構造となるので、耐力
壁や筋交いを使用することなく建築物の間口（スパン）
を著しく広げることができ、柱の無い空間を得ることが
できる。
【００２２】ここで、接合具挿入部の長さとしては、少
なくとも接合具の胴部と略同一の長さに形成されるのが
好ましい。接着剤の吐出口が胴部の先端部側に形成され
るときは、少なくとも吐出口が埋設されない深さに形成
される。接合具の胴部の長さより短く（浅く）なるにつ
れ、接合具挿入部の底部に先端部を打設若しくは螺着す
る長さが長くなり作業性が低下する傾向が有るととも
に、接着剤が充填される接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間の容積が小さくなり接着剤による緊結力が低下
する傾向が有り、また、接合具により接合具挿入部の底
部が胴部で押し開けられて柱、梁、桁等の表面（外周壁
面）に割れ等が発生する傾向が有る。また、接合具の胴
部の長さより長く（深く）なるにつれ、接合具挿入部の
底部に打設若しくは螺着できる接合具の先端部の長さが
短くなり、接合具による固定力が低下する傾向が有り、
いずれも好ましくない。また、接合具挿入部は、柱、
梁、桁等の構造部材の大小にもよるが、構造部材の外周
壁面から内側に接合具の胴部又は首部の外径の１．１倍
〜６倍の位置に形成される。柱、梁、桁等の構造部材の
外周壁面から接合具の胴部又は首部の外径の１．１倍よ
り小さい位置になるにつれ構造部材に大きな外力がかか
った際に構造部材の端部が破損する傾向が有り、６倍よ
り大きくなるにつれ構造部材に形成できる接合具挿入部
の数が減少し構造部材同士の接合力を向上させ難い傾向
が有り、いずれも好ましくない。
なくとも接合具の胴部と略同一の長さに形成されるのが
好ましい。接着剤の吐出口が胴部の先端部側に形成され
るときは、少なくとも吐出口が埋設されない深さに形成
される。接合具の胴部の長さより短く（浅く）なるにつ
れ、接合具挿入部の底部に先端部を打設若しくは螺着す
る長さが長くなり作業性が低下する傾向が有るととも
に、接着剤が充填される接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間の容積が小さくなり接着剤による緊結力が低下
する傾向が有り、また、接合具により接合具挿入部の底
部が胴部で押し開けられて柱、梁、桁等の表面（外周壁
面）に割れ等が発生する傾向が有る。また、接合具の胴
部の長さより長く（深く）なるにつれ、接合具挿入部の
底部に打設若しくは螺着できる接合具の先端部の長さが
短くなり、接合具による固定力が低下する傾向が有り、
いずれも好ましくない。また、接合具挿入部は、柱、
梁、桁等の構造部材の大小にもよるが、構造部材の外周
壁面から内側に接合具の胴部又は首部の外径の１．１倍
〜６倍の位置に形成される。柱、梁、桁等の構造部材の
外周壁面から接合具の胴部又は首部の外径の１．１倍よ
り小さい位置になるにつれ構造部材に大きな外力がかか
った際に構造部材の端部が破損する傾向が有り、６倍よ
り大きくなるにつれ構造部材に形成できる接合具挿入部
の数が減少し構造部材同士の接合力を向上させ難い傾向
が有り、いずれも好ましくない。
【００２３】接合具挿入部の大きさとしては、接合具の
胴部の外径より３ｍｍ〜１５ｍｍ、好ましくは５ｍｍ〜
１２ｍｍ大きく形成される。接合具挿入部と接合具の胴
部の外径との差が５ｍｍより小さくなるにつれ、接着剤
の種類や施工時期（夏期，冬期）にもよるが、吐出口か
ら吐出された接着剤が接合具の胴部の外周面と接合具挿
入部の周壁間で流動し難くなる傾向が有り、接合具の胴
部の外径との差が１２ｍｍより大きくなるにつれ必要以
上に接着剤を要す傾向が有り、いずれも好ましくない。
接合具に首部を有している場合は、接合具挿入部の大き
さを首部と略同一にするのが好ましい。接合具の首部よ
り小さくなるにつれ接合具の首部を接合具挿入部内に挿
入し難くなり、接合具の首部より１．５倍以上の径にな
るにつれ接合具の胴部と接合具挿入部の周壁間に充填し
た接着剤が接合具の頭部側から漏れる傾向が有り、いず
れも好ましくない。尚、接合具挿入部の内径が首部の外
径よりも大きいときは、ワッシャを用いることにより接
着剤の漏洩を防止できる。更に、接合具挿入部は、円形
や楕円形，四角形や六角形等の多角形状等任意の断面形
状で形成される。
胴部の外径より３ｍｍ〜１５ｍｍ、好ましくは５ｍｍ〜
１２ｍｍ大きく形成される。接合具挿入部と接合具の胴
部の外径との差が５ｍｍより小さくなるにつれ、接着剤
の種類や施工時期（夏期，冬期）にもよるが、吐出口か
ら吐出された接着剤が接合具の胴部の外周面と接合具挿
入部の周壁間で流動し難くなる傾向が有り、接合具の胴
部の外径との差が１２ｍｍより大きくなるにつれ必要以
上に接着剤を要す傾向が有り、いずれも好ましくない。
接合具に首部を有している場合は、接合具挿入部の大き
さを首部と略同一にするのが好ましい。接合具の首部よ
り小さくなるにつれ接合具の首部を接合具挿入部内に挿
入し難くなり、接合具の首部より１．５倍以上の径にな
るにつれ接合具の胴部と接合具挿入部の周壁間に充填し
た接着剤が接合具の頭部側から漏れる傾向が有り、いず
れも好ましくない。尚、接合具挿入部の内径が首部の外
径よりも大きいときは、ワッシャを用いることにより接
着剤の漏洩を防止できる。更に、接合具挿入部は、円形
や楕円形，四角形や六角形等の多角形状等任意の断面形
状で形成される。
【００２４】更に、接合具挿入部としては、柱、梁、桁
等の構造部材が水平片持ち梁等のように先端に特に大き
な外力がかかる場合は、傾斜角度αを有して形成するの
が好ましく、傾斜角度αとしては、当接面に対して２０
°≦α＜９０°好ましくは２０°≦α≦７０°、より好
ましくは３０°≦α≦６０°で形成される。傾斜角度が
３０°よりも小さくなるにつれ接合具挿入部の位置が
柱、梁、桁等の構造部材の端部に近づき大きな外力に対
して構造部材が破損し易くなるという傾向が有り、傾斜
角度が６０°よりも大きくなるにつれ接合具の長さが長
くなりすぎて作業性が低下する傾向が有り、いずれも好
ましくない。特に、柱、梁、桁等の構造部材の上外周壁
部側から接合具挿入部を形成した場合、該接合具を構造
部材の上方から挿入し接合具挿入部の底部に容易に打設
若しくは螺着することができ作業性を向上できるととも
に、構造部材の下外周壁部に接合具の頭部等が露出する
のを防止し外観を向上でき、また、接合具の外周面と接
合具挿入部の周壁間に確実に接着剤を充填できるという
作用を有する。また、接合する柱、梁、桁等の構造部材
の当接面で所定間隔をあけて接合具挿入部とクロス状に
なるように他の接合具挿入部を穿孔し、各接合具挿入部
に接合具を挿入して構造部材を接合した場合、接合した
構造部材の引張り，曲げ，剪断等の上下左右からの荷重
を各接合具の偶力で打ち消すことができ、構造部材同士
の接合力を向上できる。更に、接合具挿入部を傾斜角度
αを有して形成若しくはクロス状に形成することによ
り、二方向ラーメン構造の場合や３，４方向に構造部材
が有る場合にも該接合具を用いて柱、梁、桁等の構造部
材同士を接合できるという作用を有する。接着剤として
は、エポキシ樹脂系接着剤，ポリウレタン系接着剤，酢
酸ビニル樹脂系接着剤等が用いられる。
等の構造部材が水平片持ち梁等のように先端に特に大き
な外力がかかる場合は、傾斜角度αを有して形成するの
が好ましく、傾斜角度αとしては、当接面に対して２０
°≦α＜９０°好ましくは２０°≦α≦７０°、より好
ましくは３０°≦α≦６０°で形成される。傾斜角度が
３０°よりも小さくなるにつれ接合具挿入部の位置が
柱、梁、桁等の構造部材の端部に近づき大きな外力に対
して構造部材が破損し易くなるという傾向が有り、傾斜
角度が６０°よりも大きくなるにつれ接合具の長さが長
くなりすぎて作業性が低下する傾向が有り、いずれも好
ましくない。特に、柱、梁、桁等の構造部材の上外周壁
部側から接合具挿入部を形成した場合、該接合具を構造
部材の上方から挿入し接合具挿入部の底部に容易に打設
若しくは螺着することができ作業性を向上できるととも
に、構造部材の下外周壁部に接合具の頭部等が露出する
のを防止し外観を向上でき、また、接合具の外周面と接
合具挿入部の周壁間に確実に接着剤を充填できるという
作用を有する。また、接合する柱、梁、桁等の構造部材
の当接面で所定間隔をあけて接合具挿入部とクロス状に
なるように他の接合具挿入部を穿孔し、各接合具挿入部
に接合具を挿入して構造部材を接合した場合、接合した
構造部材の引張り，曲げ，剪断等の上下左右からの荷重
を各接合具の偶力で打ち消すことができ、構造部材同士
の接合力を向上できる。更に、接合具挿入部を傾斜角度
αを有して形成若しくはクロス状に形成することによ
り、二方向ラーメン構造の場合や３，４方向に構造部材
が有る場合にも該接合具を用いて柱、梁、桁等の構造部
材同士を接合できるという作用を有する。接着剤として
は、エポキシ樹脂系接着剤，ポリウレタン系接着剤，酢
酸ビニル樹脂系接着剤等が用いられる。
【００２５】本発明の請求項６に記載の柱、梁、桁等の
接合装置は、請求項５に記載の発明において、当接され
る柱、梁、桁等の前記構造部材間の内いずれか１の前記
構造部材の外周壁部から前記接合具挿入部に連通して穿
孔された１乃至複数の空気抜き部を備えた構成を有して
いる。
接合装置は、請求項５に記載の発明において、当接され
る柱、梁、桁等の前記構造部材間の内いずれか１の前記
構造部材の外周壁部から前記接合具挿入部に連通して穿
孔された１乃至複数の空気抜き部を備えた構成を有して
いる。
【００２６】これにより、請求項５の作用に加えて、以
下の作用を有する。 ｉ．柱、梁、桁等の種類（コンクリート等のように通気
性を有するものや集成材等のように通気性のないもの）
にもよるが、接合具の中空部に接着剤を注入する際に、
中空部内や接合具挿入部内の空気が空気抜き部から排出
されて接着剤がスムーズに接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に充填できる。 ｊ．接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出るの
を確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部の周
壁間に接着剤が満たされたことを確認できる。
下の作用を有する。 ｉ．柱、梁、桁等の種類（コンクリート等のように通気
性を有するものや集成材等のように通気性のないもの）
にもよるが、接合具の中空部に接着剤を注入する際に、
中空部内や接合具挿入部内の空気が空気抜き部から排出
されて接着剤がスムーズに接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に充填できる。 ｊ．接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出るの
を確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部の周
壁間に接着剤が満たされたことを確認できる。
【００２７】ここで、空気抜き部としては、接合具の吐
出口から離れた位置に形成するのが好ましく、吐出口が
接合具の胴部の先端部側に形成されている場合は接合具
の胴部の頭部側、吐出口が接合具の胴部の頭部側に形成
されている場合は接合具の胴部の先端部側、に形成され
る。これにより、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁
間に接着剤が充填される前に空気抜き部から接着剤が溢
れ出るのを防止でき、確実に接合具の外周面と接合具挿
入部の周壁間に接着剤を充填できる。また、空気抜き部
は、略円形や略楕円形，四角形等の多角形等任意の形状
で、接着剤をスムーズに注入できる大きさで穿孔され
る。また、空気抜き部から接着剤が溢れ出た後、空気抜
き部の径が大きいときは木栓等の込栓を打ち込み、構造
部材の外周壁面と面一にしてもよい。これにより、柱、
梁、桁等の外観を向上できる。
出口から離れた位置に形成するのが好ましく、吐出口が
接合具の胴部の先端部側に形成されている場合は接合具
の胴部の頭部側、吐出口が接合具の胴部の頭部側に形成
されている場合は接合具の胴部の先端部側、に形成され
る。これにより、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁
間に接着剤が充填される前に空気抜き部から接着剤が溢
れ出るのを防止でき、確実に接合具の外周面と接合具挿
入部の周壁間に接着剤を充填できる。また、空気抜き部
は、略円形や略楕円形，四角形等の多角形等任意の形状
で、接着剤をスムーズに注入できる大きさで穿孔され
る。また、空気抜き部から接着剤が溢れ出た後、空気抜
き部の径が大きいときは木栓等の込栓を打ち込み、構造
部材の外周壁面と面一にしてもよい。これにより、柱、
梁、桁等の外観を向上できる。
【００２８】本発明の請求項７に記載の柱、梁、桁等の
接合装置は、請求項５又は６に記載の発明において、前
記接合具挿入部の開口部に穿設され前記接合具挿入部と
直交する１以上の座部を有し、前記座部の開口側を埋設
し表面が柱、梁、桁等の前記構造部材の外周壁面と略面
一に形成された埋設材を備えた構成を有している。
接合装置は、請求項５又は６に記載の発明において、前
記接合具挿入部の開口部に穿設され前記接合具挿入部と
直交する１以上の座部を有し、前記座部の開口側を埋設
し表面が柱、梁、桁等の前記構造部材の外周壁面と略面
一に形成された埋設材を備えた構成を有している。
【００２９】これにより、請求項５又は６の作用に加え
て、以下の作用を有する。 ｋ．接合具の頭部が柱、梁、桁等の表面から大きく突
出、若しくは柱、梁、桁等の表面が窪むのを防止でき外
観を向上できる。 ｌ．座部の開口側に埋設材を埋設することにより、接合
具の頭部が露出するのを防止でき、火災時等に柱、梁、
桁等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守ること
ができ安全性を向上することができる。 ｍ．埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にしてい
るため、柱、梁、桁等の外観を向上できる。 ｎ．接合具の頭部側に埋設材を埋設しているため、接合
具に外部の熱が伝わるのを防止でき、外部の熱が接合具
を介して内部に伝わるのを防止できる。
て、以下の作用を有する。 ｋ．接合具の頭部が柱、梁、桁等の表面から大きく突
出、若しくは柱、梁、桁等の表面が窪むのを防止でき外
観を向上できる。 ｌ．座部の開口側に埋設材を埋設することにより、接合
具の頭部が露出するのを防止でき、火災時等に柱、梁、
桁等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守ること
ができ安全性を向上することができる。 ｍ．埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にしてい
るため、柱、梁、桁等の外観を向上できる。 ｎ．接合具の頭部側に埋設材を埋設しているため、接合
具に外部の熱が伝わるのを防止でき、外部の熱が接合具
を介して内部に伝わるのを防止できる。
【００３０】ここで、埋設材としては、接合具の注入口
に挿入自在な突起部を有したものを用い、突起部を注入
口に挿入して注入口を封止するとともに座部の開口側を
埋設してもよい。
に挿入自在な突起部を有したものを用い、突起部を注入
口に挿入して注入口を封止するとともに座部の開口側を
埋設してもよい。
【００３１】本発明の請求項８に記載の柱、梁、桁等の
接合装置は、請求項５乃至７の内いずれか１項に記載の
発明において、当接される柱、梁、桁等の前記構造部材
間の内いずれか一方の前記構造部材の前記当接面に固定
又は前記当接面に平行若しくは直角に固定された固定部
と、前記固定部に立設又は延設された１乃至複数の立壁
部と、前記立壁部に形成され当接される他方の前記構造
部材が係合された係合部と、を有した接合金具を備えた
構成を有している。
接合装置は、請求項５乃至７の内いずれか１項に記載の
発明において、当接される柱、梁、桁等の前記構造部材
間の内いずれか一方の前記構造部材の前記当接面に固定
又は前記当接面に平行若しくは直角に固定された固定部
と、前記固定部に立設又は延設された１乃至複数の立壁
部と、前記立壁部に形成され当接される他方の前記構造
部材が係合された係合部と、を有した接合金具を備えた
構成を有している。
【００３２】これにより、請求項５乃至７の作用に加え
て、以下の作用を有する。 ｏ．接合金具の固定部を一方の柱、梁、桁等の構造部材
の当接面に固定するとともに、立壁部に形成された係合
部に他方の構造部材を係合することにより、構造部材同
士を接合することができ、接合具による構造部材の接合
時に構造部材を正確に接合することができ接合精度を向
上できる。 ｐ．該接合金具で柱、梁、桁等の構造部材同士の仮固定
ができるとともに、構造部材同士の当接面を略密着でき
るため、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を
注入した際に当接面から接着剤が漏れるのを防止でき
る。 ｑ．接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材を緊
結固定することができ、接合具への集中力を接合金具で
分散させることができ接合具の小型化を図ることができ
るとともに、構造部材の伸縮による接合金具のガタつき
を接合具で防止することができ、接合部の剪断，張力等
の接合強度を向上することができる。 ｒ．接合金具と接合具を併用することにより、接合具を
補強材として使用することができるとともに、接合具の
小型化を図ることができる。 ｓ．接合金具，接合具，接着剤で柱、梁、桁等の構造部
材同士を緊結固定できるため、耐力壁や筋交いを使用せ
ずに柱のない広い間口を形成することができる。
て、以下の作用を有する。 ｏ．接合金具の固定部を一方の柱、梁、桁等の構造部材
の当接面に固定するとともに、立壁部に形成された係合
部に他方の構造部材を係合することにより、構造部材同
士を接合することができ、接合具による構造部材の接合
時に構造部材を正確に接合することができ接合精度を向
上できる。 ｐ．該接合金具で柱、梁、桁等の構造部材同士の仮固定
ができるとともに、構造部材同士の当接面を略密着でき
るため、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を
注入した際に当接面から接着剤が漏れるのを防止でき
る。 ｑ．接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材を緊
結固定することができ、接合具への集中力を接合金具で
分散させることができ接合具の小型化を図ることができ
るとともに、構造部材の伸縮による接合金具のガタつき
を接合具で防止することができ、接合部の剪断，張力等
の接合強度を向上することができる。 ｒ．接合金具と接合具を併用することにより、接合具を
補強材として使用することができるとともに、接合具の
小型化を図ることができる。 ｓ．接合金具，接合具，接着剤で柱、梁、桁等の構造部
材同士を緊結固定できるため、耐力壁や筋交いを使用せ
ずに柱のない広い間口を形成することができる。
【００３３】ここで、固定部としては、柱、梁、桁等の
当接面にボルト等により螺着等で固定される。係合部と
しては、フック状や差込突形状等に形成される。
当接面にボルト等により螺着等で固定される。係合部と
しては、フック状や差込突形状等に形成される。
【００３４】本発明の請求項９に記載の柱、梁、桁等の
接合装置は、請求項５乃至７の内いずれか１項に記載の
発明において、当接される柱、梁、桁等の前記構造部材
間の内いずれか一方の前記構造部材の前記当接面に固定
された固定部と、前記固定部に立設された１乃至複数の
立壁部と、他方の前記構造部材に回動自在に軸支された
引寄せ金具と、前記立壁部に形成され前記引寄せ金具が
回動自在に係合される係合部と、を有した接合金具を備
えた構成を有している。
接合装置は、請求項５乃至７の内いずれか１項に記載の
発明において、当接される柱、梁、桁等の前記構造部材
間の内いずれか一方の前記構造部材の前記当接面に固定
された固定部と、前記固定部に立設された１乃至複数の
立壁部と、他方の前記構造部材に回動自在に軸支された
引寄せ金具と、前記立壁部に形成され前記引寄せ金具が
回動自在に係合される係合部と、を有した接合金具を備
えた構成を有している。
【００３５】これにより、請求項５乃至７の作用に加え
て、以下の作用を有する。 ｔ．他方の柱、梁、桁等の構造部材に回動自在に軸支さ
れた引寄せ金具を有しているため、引寄せ金具を回動す
ることにより、構造部材同士を密接して接合することが
でき、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を注
入した際に当接面から接着剤が漏れるのを確実に防止で
きる。
て、以下の作用を有する。 ｔ．他方の柱、梁、桁等の構造部材に回動自在に軸支さ
れた引寄せ金具を有しているため、引寄せ金具を回動す
ることにより、構造部材同士を密接して接合することが
でき、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を注
入した際に当接面から接着剤が漏れるのを確実に防止で
きる。
【００３６】ここで、引寄せ金具としては、偏心位置に
穿孔されたドリフトピン挿入孔を有し円状に形成された
回動部を有したもの等を用い、係合部に回動部を係合
し、ドリフトピン挿入孔に係合部の両側からドリフトピ
ンを貫通させて挿入して回動部を軸支し、ドリフトピン
を中心に引寄せ金具を回動することにより、柱、梁、桁
等を引き寄せるもの等が用いられる。
穿孔されたドリフトピン挿入孔を有し円状に形成された
回動部を有したもの等を用い、係合部に回動部を係合
し、ドリフトピン挿入孔に係合部の両側からドリフトピ
ンを貫通させて挿入して回動部を軸支し、ドリフトピン
を中心に引寄せ金具を回動することにより、柱、梁、桁
等を引き寄せるもの等が用いられる。
【００３７】本発明の請求項１０に記載の柱、梁、桁等
の接合方法は、所定の当接面で当接される柱、梁、桁等
の２以上の構造部材に、請求項１乃至４の内いずれか１
項に記載された接合具が挿入される接合具挿入部を形成
する挿入部形成工程と、前記接合具挿入部に前記接合具
を挿入し前記接合具の先端部を前記接合具挿入部の底部
に打設若しくは螺着し前記接合具を前記構造部材に固定
する固定工程と、前記接合具の中空部に接着剤を注入し
て前記構造部材を緊結固定する緊結固定工程と、を備え
た構成を有している。
の接合方法は、所定の当接面で当接される柱、梁、桁等
の２以上の構造部材に、請求項１乃至４の内いずれか１
項に記載された接合具が挿入される接合具挿入部を形成
する挿入部形成工程と、前記接合具挿入部に前記接合具
を挿入し前記接合具の先端部を前記接合具挿入部の底部
に打設若しくは螺着し前記接合具を前記構造部材に固定
する固定工程と、前記接合具の中空部に接着剤を注入し
て前記構造部材を緊結固定する緊結固定工程と、を備え
た構成を有している。
【００３８】これにより、以下の作用を有する。 ａ．柱、梁、桁等に接合具挿入部を形成し、接合具挿入
部に接合具を挿入して接合具の先端部を接合具挿入部の
底部に打設又は螺着するだけで、各柱、梁、桁等を固定
することができ、接合作業性を向上できる。 ｂ．柱、梁、桁等を順に組み立てることができ、建設現
場で直接各柱、梁、桁等の接合ができる。 ｃ．接合具の中空部に接着剤を注入するだけで各柱、
梁、桁等を容易に緊結でき作業性を向上できる。
部に接合具を挿入して接合具の先端部を接合具挿入部の
底部に打設又は螺着するだけで、各柱、梁、桁等を固定
することができ、接合作業性を向上できる。 ｂ．柱、梁、桁等を順に組み立てることができ、建設現
場で直接各柱、梁、桁等の接合ができる。 ｃ．接合具の中空部に接着剤を注入するだけで各柱、
梁、桁等を容易に緊結でき作業性を向上できる。
【００３９】ここで、接合具挿入部としては、現場でド
リル等で穿孔や切削するか、又は、工場でプレカット方
式等で予め形成してもよい。
リル等で穿孔や切削するか、又は、工場でプレカット方
式等で予め形成してもよい。
【００４０】本発明の請求項１１に記載の柱、梁、桁等
の接合方法は、請求項１０に記載の発明において、２以
上の柱、梁、桁等の前記構造部材の内いずれか１の前記
構造部材の前記当接面に請求項８に記載された接合金具
を固定し、前記接合金具を介して２以上の前記構造部材
を前記当接面で当接する金具固定工程を備えた構成を有
している。
の接合方法は、請求項１０に記載の発明において、２以
上の柱、梁、桁等の前記構造部材の内いずれか１の前記
構造部材の前記当接面に請求項８に記載された接合金具
を固定し、前記接合金具を介して２以上の前記構造部材
を前記当接面で当接する金具固定工程を備えた構成を有
している。
【００４１】これにより、請求項１０の作用に加えて、
以下の作用を有する。 ｄ．一方の柱、梁、桁等の構造部材の当接面に接合金具
を固定し他方の構造部材を接合金具に係合するだけで構
造部材同士を接合して仮固定することができ、仮固定後
に接合具で構造部材を緊結固定できるため、他部所の構
造部材の接合作業性や他部所の接合部との調節等の整合
作業性を向上できるとともに、建築物全体を正確に建て
上げることができる。 ｅ．柱、梁、桁等の各構造部材を正確に接合させること
ができる。 ｆ．接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材の接
合時の剪断，張力等の接合強度を向上することができ
る。
以下の作用を有する。 ｄ．一方の柱、梁、桁等の構造部材の当接面に接合金具
を固定し他方の構造部材を接合金具に係合するだけで構
造部材同士を接合して仮固定することができ、仮固定後
に接合具で構造部材を緊結固定できるため、他部所の構
造部材の接合作業性や他部所の接合部との調節等の整合
作業性を向上できるとともに、建築物全体を正確に建て
上げることができる。 ｅ．柱、梁、桁等の各構造部材を正確に接合させること
ができる。 ｆ．接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材の接
合時の剪断，張力等の接合強度を向上することができ
る。
【００４２】本発明の請求項１２に記載の柱、梁、桁等
の接合方法は、請求項１０に記載の発明において、２以
上の柱、梁、桁等の前記構造部材の内いずれか１の前記
構造部材の前記当接面に請求項９に記載された接合金具
を固定し、前記接合金具の前記引寄せ金具を回動して前
記構造部材同士を前記当接面で密接する密接工程を備え
た構成を有している。
の接合方法は、請求項１０に記載の発明において、２以
上の柱、梁、桁等の前記構造部材の内いずれか１の前記
構造部材の前記当接面に請求項９に記載された接合金具
を固定し、前記接合金具の前記引寄せ金具を回動して前
記構造部材同士を前記当接面で密接する密接工程を備え
た構成を有している。
【００４３】これにより、請求項１０の作用に加えて、
以下の作用を有する。 ｇ．柱、梁、桁等の構造部材同士を当接面で密接に当接
することができ、接合具挿入部に挿入固定した接合具に
接着剤を注入した際に当接面から接着剤が漏れるのを確
実に防止できる。 ｈ．引寄せ金具を回動するだけで柱、梁、桁等の構造部
材同士を容易に密接させることができるとともに、構造
部材同士を確実に密着でき接合精度を向上できる。
以下の作用を有する。 ｇ．柱、梁、桁等の構造部材同士を当接面で密接に当接
することができ、接合具挿入部に挿入固定した接合具に
接着剤を注入した際に当接面から接着剤が漏れるのを確
実に防止できる。 ｈ．引寄せ金具を回動するだけで柱、梁、桁等の構造部
材同士を容易に密接させることができるとともに、構造
部材同士を確実に密着でき接合精度を向上できる。
【００４４】
【発明の実施の形態】（実施の形態１，２，３） 本発明の実施の形態１，２における接合具について、以
下図面を用いて説明する。図１（ａ）は実施の形態１に
おける接合具の全体斜視図であり、図１（ｂ）は実施の
形態２における先端部に螺子状部を有した接合具の全体
斜視図である。図１（ａ）において、１は実施の形態１
におけるステンレス等の金属製の接合具、２は接合具１
の断面が円形状の棒状の胴部、３は胴部２の一端に形成
された尖鋭状の先端部、３ａは先端部３の尖鋭端部、４
は胴部２の他端に胴部２の直径より大きい直径で形成さ
れた首部、５は首部４の端部に形成された接合具１の頭
部、５ａは膨出状に形成された頭部５の端面、６は胴部
２，首部４の略軸心の長手方向に形成された中空部、７
は頭部５の端面５ａから中空部６に連通した接着剤の注
入口、８は中空部６の端部と直交して胴部２に穿設され
中空部６と連通して対称位置に形成された接着剤の吐出
口である。図１（ｂ）において、９は実施の形態２にお
けるステンレス等の金属製で先端部に螺子状部を有した
接合具、３′は接合具９の胴部２の一端に形成され表面
に螺子状部を有した先端部、５ｂは端面５ａに＋状に切
削された締付部であり、他は実施の形態１の接合具と同
様のものなので同一の符号を付し説明を省略する。
下図面を用いて説明する。図１（ａ）は実施の形態１に
おける接合具の全体斜視図であり、図１（ｂ）は実施の
形態２における先端部に螺子状部を有した接合具の全体
斜視図である。図１（ａ）において、１は実施の形態１
におけるステンレス等の金属製の接合具、２は接合具１
の断面が円形状の棒状の胴部、３は胴部２の一端に形成
された尖鋭状の先端部、３ａは先端部３の尖鋭端部、４
は胴部２の他端に胴部２の直径より大きい直径で形成さ
れた首部、５は首部４の端部に形成された接合具１の頭
部、５ａは膨出状に形成された頭部５の端面、６は胴部
２，首部４の略軸心の長手方向に形成された中空部、７
は頭部５の端面５ａから中空部６に連通した接着剤の注
入口、８は中空部６の端部と直交して胴部２に穿設され
中空部６と連通して対称位置に形成された接着剤の吐出
口である。図１（ｂ）において、９は実施の形態２にお
けるステンレス等の金属製で先端部に螺子状部を有した
接合具、３′は接合具９の胴部２の一端に形成され表面
に螺子状部を有した先端部、５ｂは端面５ａに＋状に切
削された締付部であり、他は実施の形態１の接合具と同
様のものなので同一の符号を付し説明を省略する。
【００４５】以上のように構成された実施の形態１，２
の接合具１，９を用いて、以下、実施の形態３における
木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を
用いて説明する。図２は実施の形態３における柱、梁、
桁等の仕口の接合装置を示す要部側面断面図であり、図
３は実施の形態３における柱、梁、桁等の仕口の接合装
置を示す要部平面断面図である。図中、１０は柱等の縦
構造部材、１１は桁等の横架構造部材、１１ａは横架構
造部材１１に螺合された係合ボルト、１１ｂは横架構造
部材１１の端面外周壁部の上面から下面に渡って形成さ
れた切欠部（図３参照）、１２は筋交い等の構造部材、
１３ａは縦構造部材１０と横架構造部材１１の当接面、
１３ｂは縦構造部材１０と構造部材１２の当接面、１４
は中央の平坦に形成された固定部１４ａと固定部１４ａ
の両側部に直交状に立設された一対の立壁部１４ｂと、
各立壁部１４ｂの先端側に二箇所溝状に形成され係合ボ
ルト１１ａを嵌合する係合部１４ｃと、を備えたコの字
状に形成されたクレテック（株式会社タツミ製）等の接
合金具である。尚、接合金具１４としては、その他、カ
トウ産業株式会社製のメタットや株式会社ムシカ製のム
シカストロング等の接合金具も同様にして使用される。
接合金具１４は、固定部１４ａがボルト・ナット１４ｄ
で縦構造部材１０の当接面１３ａに固定され、横架構造
部材１１に螺合された係合ボルト１１ａが立壁部１４ｂ
の係合部１４ｃに係合され、縦構造部材１０と横架構造
部材１１を接合している。１５，１６は縦構造部材１０
の外周壁部から当接面１３ａ，１３ｂに対して直交して
貫設され横架構造部材１１，構造部材１２の所定部に穿
孔され穿孔部が連通して形成された接合具挿入部、１５
ａ，１６ａは接合具挿入部１５，１６の底部、１７は横
架構造部材１１，構造部材１２の上面又は側面の外周壁
部から接合具挿入部１５，１６の底部１５ａ，１６ａ側
に連通して穿孔された空気抜き部である。ここで、接合
具挿入部１５，１６は、接合具１，９の首部４の直径と
略同一の大きさで、かつ、その長さが、胴部２の長さよ
り長く、接合具１，９の先端部３，３′が底部１５ａ，
１６ａに固着できる長さで形成されている。尚、実施の
形態３では、接合具１，９の先端部３，３′の長さの３
／４が底部１５ａ，１６ａに埋設されている。また、首
部４は胴部２の直径より４ｍｍ〜１２ｍｍ大きい直径で
形成されている。
の接合具１，９を用いて、以下、実施の形態３における
木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を
用いて説明する。図２は実施の形態３における柱、梁、
桁等の仕口の接合装置を示す要部側面断面図であり、図
３は実施の形態３における柱、梁、桁等の仕口の接合装
置を示す要部平面断面図である。図中、１０は柱等の縦
構造部材、１１は桁等の横架構造部材、１１ａは横架構
造部材１１に螺合された係合ボルト、１１ｂは横架構造
部材１１の端面外周壁部の上面から下面に渡って形成さ
れた切欠部（図３参照）、１２は筋交い等の構造部材、
１３ａは縦構造部材１０と横架構造部材１１の当接面、
１３ｂは縦構造部材１０と構造部材１２の当接面、１４
は中央の平坦に形成された固定部１４ａと固定部１４ａ
の両側部に直交状に立設された一対の立壁部１４ｂと、
各立壁部１４ｂの先端側に二箇所溝状に形成され係合ボ
ルト１１ａを嵌合する係合部１４ｃと、を備えたコの字
状に形成されたクレテック（株式会社タツミ製）等の接
合金具である。尚、接合金具１４としては、その他、カ
トウ産業株式会社製のメタットや株式会社ムシカ製のム
シカストロング等の接合金具も同様にして使用される。
接合金具１４は、固定部１４ａがボルト・ナット１４ｄ
で縦構造部材１０の当接面１３ａに固定され、横架構造
部材１１に螺合された係合ボルト１１ａが立壁部１４ｂ
の係合部１４ｃに係合され、縦構造部材１０と横架構造
部材１１を接合している。１５，１６は縦構造部材１０
の外周壁部から当接面１３ａ，１３ｂに対して直交して
貫設され横架構造部材１１，構造部材１２の所定部に穿
孔され穿孔部が連通して形成された接合具挿入部、１５
ａ，１６ａは接合具挿入部１５，１６の底部、１７は横
架構造部材１１，構造部材１２の上面又は側面の外周壁
部から接合具挿入部１５，１６の底部１５ａ，１６ａ側
に連通して穿孔された空気抜き部である。ここで、接合
具挿入部１５，１６は、接合具１，９の首部４の直径と
略同一の大きさで、かつ、その長さが、胴部２の長さよ
り長く、接合具１，９の先端部３，３′が底部１５ａ，
１６ａに固着できる長さで形成されている。尚、実施の
形態３では、接合具１，９の先端部３，３′の長さの３
／４が底部１５ａ，１６ａに埋設されている。また、首
部４は胴部２の直径より４ｍｍ〜１２ｍｍ大きい直径で
形成されている。
【００４６】以上のように構成された実施の形態３の
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、金具固定工程において、柱等の縦構造
部材１０の設計位置の当接面１３ａに接合金具１４の固
定部１４ａをボルト・ナット１４ｄで螺着固定するとと
もに、桁等の横架構造部材１１の当接面１３ａ側の端面
側に少なくとも接合金具１４の立壁部１４ｂが挿入され
る切欠部１１ｂを外周壁部から形成し、更に、横架構造
部材１１の所定部に係合ボルト１１ａを螺合する。次い
で、縦構造部材１０と横架構造部材１１を起重機等で持
ち上げて縦構造部材１０の当接面１３ａに固定された接
合金具１４の立壁部１４ｂを切欠部１１ｂに挿入して係
合部１４ｃに横架構造部材１１の係合ボルト１１ａを係
合し縦構造部材１０と横架構造部材１１を接合し当接面
１３ａで当接させる。
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、金具固定工程において、柱等の縦構造
部材１０の設計位置の当接面１３ａに接合金具１４の固
定部１４ａをボルト・ナット１４ｄで螺着固定するとと
もに、桁等の横架構造部材１１の当接面１３ａ側の端面
側に少なくとも接合金具１４の立壁部１４ｂが挿入され
る切欠部１１ｂを外周壁部から形成し、更に、横架構造
部材１１の所定部に係合ボルト１１ａを螺合する。次い
で、縦構造部材１０と横架構造部材１１を起重機等で持
ち上げて縦構造部材１０の当接面１３ａに固定された接
合金具１４の立壁部１４ｂを切欠部１１ｂに挿入して係
合部１４ｃに横架構造部材１１の係合ボルト１１ａを係
合し縦構造部材１０と横架構造部材１１を接合し当接面
１３ａで当接させる。
【００４７】次に、挿入部形成工程において、縦構造部
材１０の外周壁部から当接面１３ａに対して直角に、横
架構造部材１１の所定部まで接合具挿入部１５を穿孔
し、次いで、筋交い等の構造部材１２を持ち上げて縦構
造部材１０と構造部材１２を当接面１３ｂで当接させ、
縦構造部材１０の外周壁部から当接面１３ｂに対して直
角に、構造部材１２の所定部まで接合具挿入部１６を穿
孔する。更に、接合具挿入部１５，１６の底部１５ａ，
１６ａ側に、横架構造部材１１，構造部材１２の外周壁
部から接合具挿入部１５，１６に連通した空気抜き部１
７を穿設する。尚、これらの金具固定工程や挿入部形成
工程は、建築物の建築現場で行うこともできるが、予め
工場でプレカット方式等で形成しておくこともできる。
材１０の外周壁部から当接面１３ａに対して直角に、横
架構造部材１１の所定部まで接合具挿入部１５を穿孔
し、次いで、筋交い等の構造部材１２を持ち上げて縦構
造部材１０と構造部材１２を当接面１３ｂで当接させ、
縦構造部材１０の外周壁部から当接面１３ｂに対して直
角に、構造部材１２の所定部まで接合具挿入部１６を穿
孔する。更に、接合具挿入部１５，１６の底部１５ａ，
１６ａ側に、横架構造部材１１，構造部材１２の外周壁
部から接合具挿入部１５，１６に連通した空気抜き部１
７を穿設する。尚、これらの金具固定工程や挿入部形成
工程は、建築物の建築現場で行うこともできるが、予め
工場でプレカット方式等で形成しておくこともできる。
【００４８】次に、固定工程において、縦構造部材１０
の外周壁部から接合具挿入部１５に接合具１を挿入して
先端部３を接合具挿入部１５の底部１５ａに打設して縦
構造部材１０と横架構造部材１１を固定する。次いで、
縦構造部材１０の外周壁部から接合具挿入部１６に接合
具９を挿入して締付部５ｂにドライバー等の工具を当て
て先端部３′を接合具挿入部１６の底部１６ａに螺着し
て縦構造部材１０と構造部材１２を固定する。ここで、
接合具１，９は横架構造部材１１，構造部材１２に緩く
固定して、縦構造部材１０と横架構造部材１１，構造部
材１２にガタつきを残しておくのが好ましい。これによ
り、他の柱、梁、桁等の構造部材の接合作業性を向上で
きる。次に、他の柱、梁、桁等の構造部材の接合等が終
了した後、接合具１，９の先端部３，３′を確実に各構
造部材１１，１２に固定し、当接面１３ａ，１３ｂを各
々略密着させる。これにより、注入口７から中空部６に
注入し吐出口８から接合具挿入部１５，１６内に吐出さ
れた接着剤が、当接面１３ａ，１３ｂから漏れるのを防
止する。
の外周壁部から接合具挿入部１５に接合具１を挿入して
先端部３を接合具挿入部１５の底部１５ａに打設して縦
構造部材１０と横架構造部材１１を固定する。次いで、
縦構造部材１０の外周壁部から接合具挿入部１６に接合
具９を挿入して締付部５ｂにドライバー等の工具を当て
て先端部３′を接合具挿入部１６の底部１６ａに螺着し
て縦構造部材１０と構造部材１２を固定する。ここで、
接合具１，９は横架構造部材１１，構造部材１２に緩く
固定して、縦構造部材１０と横架構造部材１１，構造部
材１２にガタつきを残しておくのが好ましい。これによ
り、他の柱、梁、桁等の構造部材の接合作業性を向上で
きる。次に、他の柱、梁、桁等の構造部材の接合等が終
了した後、接合具１，９の先端部３，３′を確実に各構
造部材１１，１２に固定し、当接面１３ａ，１３ｂを各
々略密着させる。これにより、注入口７から中空部６に
注入し吐出口８から接合具挿入部１５，１６内に吐出さ
れた接着剤が、当接面１３ａ，１３ｂから漏れるのを防
止する。
【００４９】次いで、緊結固定工程において、注入口７
から中空部６へ接着剤を注入する。注入口７から中空部
６へ接着剤を注入すると、中空部６や接合具挿入部１
５，１６内の空気が空気抜き部１７から排出されるとと
もに、中空部６に注入された接着剤が吐出口８から吐出
され、接合具１，９の胴部２や先端部３，３′の外周面
と接合具挿入部１５，１６の周壁間に接着剤が充填され
る。更に、接合具１，９の外周面と接合具挿入部１５，
１６の周壁間に接着剤が充填されると、空気抜き部１７
から接着剤が溢れ出るため、空気抜き部１７から溢れ出
る接着剤を確認して接着剤の注入を終了し、縦構造部材
１０と横架構造部材１１，構造部材１２が緊結固定され
る。ここで、接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤，
ポリウレタン系接着剤，酢酸ビニル樹脂系接着剤等が用
いられる。尚、接合具１，９の使用本数は、接合する
柱、梁、桁等の大きさ等により、任意に変更される。ま
た、接合具１，９の使用本数が多い場合、荷重を分布さ
せることができるとともに、接合具１，９を小型化する
ことができ柱、梁、桁等の断面欠損を減少することがで
き接合強度を向上できる。
から中空部６へ接着剤を注入する。注入口７から中空部
６へ接着剤を注入すると、中空部６や接合具挿入部１
５，１６内の空気が空気抜き部１７から排出されるとと
もに、中空部６に注入された接着剤が吐出口８から吐出
され、接合具１，９の胴部２や先端部３，３′の外周面
と接合具挿入部１５，１６の周壁間に接着剤が充填され
る。更に、接合具１，９の外周面と接合具挿入部１５，
１６の周壁間に接着剤が充填されると、空気抜き部１７
から接着剤が溢れ出るため、空気抜き部１７から溢れ出
る接着剤を確認して接着剤の注入を終了し、縦構造部材
１０と横架構造部材１１，構造部材１２が緊結固定され
る。ここで、接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤，
ポリウレタン系接着剤，酢酸ビニル樹脂系接着剤等が用
いられる。尚、接合具１，９の使用本数は、接合する
柱、梁、桁等の大きさ等により、任意に変更される。ま
た、接合具１，９の使用本数が多い場合、荷重を分布さ
せることができるとともに、接合具１，９を小型化する
ことができ柱、梁、桁等の断面欠損を減少することがで
き接合強度を向上できる。
【００５０】以上のように実施の形態１，２における接
合具及びそれを用いた実施の形態３における柱、梁、桁
等の接合装置並びに接合方法によれば、以下の作用を有
する。 （１）柱等の縦構造部材の当接面に接合金具を固定し、
桁等の横架構造部材に螺合した係合ボルトを接合金具に
係合して縦構造部材と横架構造部材の当接面を当接する
とともに、縦構造部材と横架構造部材を連通する接合具
挿入部を穿孔し、接合具を接合具挿入部に挿入して接合
具の先端部を接合具挿入部の底部に打設するだけで各構
造部材を接合でき、更に、接合具の中空部に注入口から
接着剤を注入することにより、接着剤が吐出口から吐出
され接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を
充填でき、柱、梁、桁等の各構造部材を確実に緊結固定
でき、簡単にラーメン接合構造が得られる。 （２）柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材を接合金
具を用いて接合しているため、柱、梁、桁等の各構造部
材の当接面を密着させることができ、接合具の中空部か
ら接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充
填した際に、接着剤が当接面から漏れるのを防止できる
とともに、接合金具と接合具及び接着剤を用いて各構造
部材を緊結固定しているため、柱、梁、桁等の構造部材
同士を剛接合することができる。 （３）接合金具で柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部
材の仮固定ができるとともに、仮固定後に接合具挿入部
を穿孔しているため、縦構造部材と横架構造部材の当接
面を正確に接合することができ、接合作業性や接合精度
を向上できる。 （４）柱等の縦構造部材と梁、桁等の構造部材の当接面
を当接して縦構造部材と構造部材を連通する接合具挿入
部を穿孔し、接合具を接合具挿入部に挿入して接合具の
先端部を接合具挿入部の底部に螺着するだけで、各構造
部材同士を引き寄せて密接して接合でき、更に、接合具
の中空部に注入口から接着剤を注入することにより、各
構造部材を確実に緊結固定できるとともに、柱、梁、桁
等の構造部材間の当接面から接着剤が漏れるのを防止で
きる。 （５）柱、梁、桁等の各構造部材に接合具挿入部を形成
し、接合具挿入部に接合具を挿入して接合具の先端部を
接合具挿入部の底部に打設又は螺着するだけで柱、梁、
桁等の各構造部材を固定でき接合作業性を向上できる。 （６）接合具を接合具挿入部の底部に緩く打設又は螺着
して、接合する柱、梁、桁等の構造部材間にガタつきを
残すことにより、他の柱、梁、桁等の各構造部材の組み
立て作業性を向上できる。 （７）接合具挿入部を接合具の首部の直径と略同一の直
径で形成しているため、接合具挿入部内に接着剤が充填
された際に、接合具挿入部の開口部側から接着剤が漏れ
るのを防止できる。 （８）接合具挿入部を接合具の長さより短くかつ、胴部
の長さより長く形成しているため、接合具挿入部の底部
に接合具の先端部を確実に打設又は螺着でき接合具で
柱、梁、桁等の各構造部材を接合できる。 （９）桁等の横架構造部材及び柱、梁等の構造部材に接
合具挿入部に連通した空気抜き部を有しているため、接
合具の中空部に接着剤を注入する際に、中空部内や接合
具挿入部内の空気が空気抜き部から排出され、接着剤が
スムーズに充填できるとともに、接着剤注入時に空気抜
き部から接着剤が溢れ出るのを確認することで、接合具
の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤が満たされた
ことを確認できる。 （１０）接合具を柱、梁、桁等の各構造部材に形成され
た接合具挿入部に挿入して各構造部材を接合するととも
に、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を
充填して柱、梁、桁等の構造部材同士を緊結しているた
め、構造部材の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵
抗力を向上させることができる。 （１１）接合具が柱、梁、桁等の各構造部材に埋設され
ているとともに、接合具の外周面が接着剤で被覆される
ため、接合具が酸化等するのを防止でき接合具の耐久性
を向上することができ、また、柱、梁、桁等の構造部材
の伸縮を吸収でき、構造部材間のガタつきを防止でき
る。
合具及びそれを用いた実施の形態３における柱、梁、桁
等の接合装置並びに接合方法によれば、以下の作用を有
する。 （１）柱等の縦構造部材の当接面に接合金具を固定し、
桁等の横架構造部材に螺合した係合ボルトを接合金具に
係合して縦構造部材と横架構造部材の当接面を当接する
とともに、縦構造部材と横架構造部材を連通する接合具
挿入部を穿孔し、接合具を接合具挿入部に挿入して接合
具の先端部を接合具挿入部の底部に打設するだけで各構
造部材を接合でき、更に、接合具の中空部に注入口から
接着剤を注入することにより、接着剤が吐出口から吐出
され接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を
充填でき、柱、梁、桁等の各構造部材を確実に緊結固定
でき、簡単にラーメン接合構造が得られる。 （２）柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材を接合金
具を用いて接合しているため、柱、梁、桁等の各構造部
材の当接面を密着させることができ、接合具の中空部か
ら接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充
填した際に、接着剤が当接面から漏れるのを防止できる
とともに、接合金具と接合具及び接着剤を用いて各構造
部材を緊結固定しているため、柱、梁、桁等の構造部材
同士を剛接合することができる。 （３）接合金具で柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部
材の仮固定ができるとともに、仮固定後に接合具挿入部
を穿孔しているため、縦構造部材と横架構造部材の当接
面を正確に接合することができ、接合作業性や接合精度
を向上できる。 （４）柱等の縦構造部材と梁、桁等の構造部材の当接面
を当接して縦構造部材と構造部材を連通する接合具挿入
部を穿孔し、接合具を接合具挿入部に挿入して接合具の
先端部を接合具挿入部の底部に螺着するだけで、各構造
部材同士を引き寄せて密接して接合でき、更に、接合具
の中空部に注入口から接着剤を注入することにより、各
構造部材を確実に緊結固定できるとともに、柱、梁、桁
等の構造部材間の当接面から接着剤が漏れるのを防止で
きる。 （５）柱、梁、桁等の各構造部材に接合具挿入部を形成
し、接合具挿入部に接合具を挿入して接合具の先端部を
接合具挿入部の底部に打設又は螺着するだけで柱、梁、
桁等の各構造部材を固定でき接合作業性を向上できる。 （６）接合具を接合具挿入部の底部に緩く打設又は螺着
して、接合する柱、梁、桁等の構造部材間にガタつきを
残すことにより、他の柱、梁、桁等の各構造部材の組み
立て作業性を向上できる。 （７）接合具挿入部を接合具の首部の直径と略同一の直
径で形成しているため、接合具挿入部内に接着剤が充填
された際に、接合具挿入部の開口部側から接着剤が漏れ
るのを防止できる。 （８）接合具挿入部を接合具の長さより短くかつ、胴部
の長さより長く形成しているため、接合具挿入部の底部
に接合具の先端部を確実に打設又は螺着でき接合具で
柱、梁、桁等の各構造部材を接合できる。 （９）桁等の横架構造部材及び柱、梁等の構造部材に接
合具挿入部に連通した空気抜き部を有しているため、接
合具の中空部に接着剤を注入する際に、中空部内や接合
具挿入部内の空気が空気抜き部から排出され、接着剤が
スムーズに充填できるとともに、接着剤注入時に空気抜
き部から接着剤が溢れ出るのを確認することで、接合具
の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤が満たされた
ことを確認できる。 （１０）接合具を柱、梁、桁等の各構造部材に形成され
た接合具挿入部に挿入して各構造部材を接合するととも
に、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を
充填して柱、梁、桁等の構造部材同士を緊結しているた
め、構造部材の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵
抗力を向上させることができる。 （１１）接合具が柱、梁、桁等の各構造部材に埋設され
ているとともに、接合具の外周面が接着剤で被覆される
ため、接合具が酸化等するのを防止でき接合具の耐久性
を向上することができ、また、柱、梁、桁等の構造部材
の伸縮を吸収でき、構造部材間のガタつきを防止でき
る。
【００５１】（実施の形態４，５，６） 本発明の実施の形態４，５における接合具について、以
下図面を用いて説明する。図４（ａ）は実施の形態４に
おける先端部に螺子状部を有した接合具の全体斜視図で
あり、図４（ｂ）は実施の形態５における分割式の接合
具の要部分解全体斜視図である。尚、実施の形態１，２
と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図４（ａ）において、２０は実施の形態４におけるステ
ンレス等の金属製で先端部３′に螺子状部を有した接合
具、２１は首部４の端部に形成されたナット状の頭部で
ある。図４（ｂ）において、２２は実施の形態５におけ
るステンレス等の金属製で複数に分割自在な分割式の接
合具、２３は一端にナット状の頭部２１を有した頭部側
胴部材、２３ａは頭部側胴部材２３の他端に形成された
雌螺子状の接合部、２４は接合具２２の中間部胴部材、
２４ａは中間部胴部材２４の一端に雄螺子状に形成され
接合部２３ａに脱着自在な胴接合部、２４ｂは中間部胴
部材２４の他端に雌螺子状に形成された胴接合部、２５
は一端に先端部３′を有した先端部側胴部材、２５ａは
先端部側胴部材２５の他端に雄螺子状に形成され胴接合
部２４ｂに脱着自在な接合部、２６は頭部側胴部材２
３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５からなる接
合具２２の胴部、６ａ，６ｂ，６ｃは頭部側胴部材２
３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５の略軸心の
長手方向に各々形成された単位中空部、６′は頭部側胴
部材２３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５を接
合した際に単位中空部６ａ，６ｂ，６ｃで形成される長
さ方向が略一直線の中空部、８′は中空部６′の単位中
空部６ｃの端部と直交して先端部側胴部材２５に穿設さ
れ中空部６′と連通して対称位置に形成された接着剤の
吐出口である。ここで、接合具２２は、頭部側胴部材２
３の接合部２３ａに中間部胴部材２４の胴接合部２４ａ
を螺着し、また、中間部胴部材２４の胴接合部２４ｂに
先端部側胴部材２５の接合部２５ａを螺着して形成され
る。また、注入口７に嵌合する突起を有する封止体（図
示せず）を釘かくしのように、頭部２１に装着してもよ
い。
下図面を用いて説明する。図４（ａ）は実施の形態４に
おける先端部に螺子状部を有した接合具の全体斜視図で
あり、図４（ｂ）は実施の形態５における分割式の接合
具の要部分解全体斜視図である。尚、実施の形態１，２
と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図４（ａ）において、２０は実施の形態４におけるステ
ンレス等の金属製で先端部３′に螺子状部を有した接合
具、２１は首部４の端部に形成されたナット状の頭部で
ある。図４（ｂ）において、２２は実施の形態５におけ
るステンレス等の金属製で複数に分割自在な分割式の接
合具、２３は一端にナット状の頭部２１を有した頭部側
胴部材、２３ａは頭部側胴部材２３の他端に形成された
雌螺子状の接合部、２４は接合具２２の中間部胴部材、
２４ａは中間部胴部材２４の一端に雄螺子状に形成され
接合部２３ａに脱着自在な胴接合部、２４ｂは中間部胴
部材２４の他端に雌螺子状に形成された胴接合部、２５
は一端に先端部３′を有した先端部側胴部材、２５ａは
先端部側胴部材２５の他端に雄螺子状に形成され胴接合
部２４ｂに脱着自在な接合部、２６は頭部側胴部材２
３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５からなる接
合具２２の胴部、６ａ，６ｂ，６ｃは頭部側胴部材２
３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５の略軸心の
長手方向に各々形成された単位中空部、６′は頭部側胴
部材２３，中間部胴部材２４，先端部側胴部材２５を接
合した際に単位中空部６ａ，６ｂ，６ｃで形成される長
さ方向が略一直線の中空部、８′は中空部６′の単位中
空部６ｃの端部と直交して先端部側胴部材２５に穿設さ
れ中空部６′と連通して対称位置に形成された接着剤の
吐出口である。ここで、接合具２２は、頭部側胴部材２
３の接合部２３ａに中間部胴部材２４の胴接合部２４ａ
を螺着し、また、中間部胴部材２４の胴接合部２４ｂに
先端部側胴部材２５の接合部２５ａを螺着して形成され
る。また、注入口７に嵌合する突起を有する封止体（図
示せず）を釘かくしのように、頭部２１に装着してもよ
い。
【００５２】以上のように構成された実施の形態４，５
の接合具２０，２２を用いて、以下、実施の形態６にお
ける木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図
面を用いて説明する。図５は実施の形態６における抱き
柱の構造部材の接合装置を示す要部側面断面図である。
尚、実施の形態３と同様のものには同一の符号を付して
説明を省略する。図中、１０′は抱き柱等の構造部材、
１１′は桁等の横架構造部材、２７ａは縦構造部材１０
と横架構造部材１１′の当接面、２７ｂは横架構造部材
１１′と構造部材１０′の当接面、２７ｃは縦構造部材
１０と構造部材１０′の当接面、２８は横架構造部材１
１′の外周壁部から当接面２７ｂに対して直交して構造
部材１０′の所定部まで穿孔された接合具挿入部、２９
は縦構造部材１０又は構造部材１０′の外周壁部から当
接面２７ｃに対して直交して構造部材１０′，縦構造部
材１０の所定部まで穿孔された接合具挿入部、２８ａ，
２９ａは接合具挿入部２８，２９の底部、３０ａは横架
構造部材１１′の側面の外周壁部の上側に穿孔され接合
具挿入部２８の開口部側に連通した空気抜き部、３０ｂ
は縦構造部材１０や構造部材１０′の側面の外周壁部に
接合具２０の吐出口８よりも遠方側に穿孔され接合具挿
入部２９の底部２９ａ側に連通した空気抜き部、３１は
接合具２２の胴部２６に外嵌され接合具挿入部２８内に
配設されるスプリング等の螺旋状部材である。
の接合具２０，２２を用いて、以下、実施の形態６にお
ける木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図
面を用いて説明する。図５は実施の形態６における抱き
柱の構造部材の接合装置を示す要部側面断面図である。
尚、実施の形態３と同様のものには同一の符号を付して
説明を省略する。図中、１０′は抱き柱等の構造部材、
１１′は桁等の横架構造部材、２７ａは縦構造部材１０
と横架構造部材１１′の当接面、２７ｂは横架構造部材
１１′と構造部材１０′の当接面、２７ｃは縦構造部材
１０と構造部材１０′の当接面、２８は横架構造部材１
１′の外周壁部から当接面２７ｂに対して直交して構造
部材１０′の所定部まで穿孔された接合具挿入部、２９
は縦構造部材１０又は構造部材１０′の外周壁部から当
接面２７ｃに対して直交して構造部材１０′，縦構造部
材１０の所定部まで穿孔された接合具挿入部、２８ａ，
２９ａは接合具挿入部２８，２９の底部、３０ａは横架
構造部材１１′の側面の外周壁部の上側に穿孔され接合
具挿入部２８の開口部側に連通した空気抜き部、３０ｂ
は縦構造部材１０や構造部材１０′の側面の外周壁部に
接合具２０の吐出口８よりも遠方側に穿孔され接合具挿
入部２９の底部２９ａ側に連通した空気抜き部、３１は
接合具２２の胴部２６に外嵌され接合具挿入部２８内に
配設されるスプリング等の螺旋状部材である。
【００５３】以上のように構成された実施の形態６の
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、挿入部形成工程において、縦構造部材
１０と構造部材１０′を起重機等で持ち上げて縦構造部
材１０と構造部材１０′を当接面２７ｃで当接させ、縦
構造部材１０，構造部材１０′の外周壁部から当接面２
７ｃに対して直角に、構造部材１０′，縦構造部材１０
の所定部まで接合具挿入部２９を各々を穿孔する。次い
で、横架構造部材１１′を起重機等で持ち上げて縦構造
部材１０と横架構造部材１１′を当接面２７ａで当接さ
せるとともに、横架構造部材１１′と構造部材１０′を
当接面２７ｂで当接させ、横架構造部材１１′の外周壁
部から当接面２７ｂに対して直角に、構造部材１０′の
所定部まで接合具挿入部２８を穿孔する。更に、接合具
挿入部２８の開口部側，接合具挿入部２９の底部２９ａ
側に、横架構造部材１１′，縦構造部材１０，構造部材
１０′の外周壁部から接合具挿入部２８，２９に連通し
た空気抜き部３０ａ，３０ｂを穿設する。尚、これらの
挿入部形成工程は、建築物の建築現場で行うこともでき
るが、予め工場でプレカット方式等で形成しておくこと
もできる。
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、挿入部形成工程において、縦構造部材
１０と構造部材１０′を起重機等で持ち上げて縦構造部
材１０と構造部材１０′を当接面２７ｃで当接させ、縦
構造部材１０，構造部材１０′の外周壁部から当接面２
７ｃに対して直角に、構造部材１０′，縦構造部材１０
の所定部まで接合具挿入部２９を各々を穿孔する。次い
で、横架構造部材１１′を起重機等で持ち上げて縦構造
部材１０と横架構造部材１１′を当接面２７ａで当接さ
せるとともに、横架構造部材１１′と構造部材１０′を
当接面２７ｂで当接させ、横架構造部材１１′の外周壁
部から当接面２７ｂに対して直角に、構造部材１０′の
所定部まで接合具挿入部２８を穿孔する。更に、接合具
挿入部２８の開口部側，接合具挿入部２９の底部２９ａ
側に、横架構造部材１１′，縦構造部材１０，構造部材
１０′の外周壁部から接合具挿入部２８，２９に連通し
た空気抜き部３０ａ，３０ｂを穿設する。尚、これらの
挿入部形成工程は、建築物の建築現場で行うこともでき
るが、予め工場でプレカット方式等で形成しておくこと
もできる。
【００５４】次に、固定工程において、縦構造部材１
０，構造部材１０′の外周壁部から接合具挿入部２９に
接合具２０を各々挿入して螺子状部を有した先端部３′
を接合具挿入部２９の底部２９ａに螺着して縦構造部材
１０と構造部材１０′を固定する。次いで、接合具２２
に螺旋状部材３１を外嵌して接合具２２と螺旋状部材３
１を、横架構造部材１１′の外周壁部から接合具挿入部
２８に挿入して接合具２２の先端部３′を接合具挿入部
２８の底部２８ａに螺着して横架構造部材１１′と構造
部材１０′を固定する。次に、接合具２０，２２の先端
部３′を接合具挿入部２８，２９の底部２８ａ，２９ａ
に確実に螺着し、各構造部材同士を引き寄せ、当接面２
７ｂ，２７ｃを各々略密着させる。
０，構造部材１０′の外周壁部から接合具挿入部２９に
接合具２０を各々挿入して螺子状部を有した先端部３′
を接合具挿入部２９の底部２９ａに螺着して縦構造部材
１０と構造部材１０′を固定する。次いで、接合具２２
に螺旋状部材３１を外嵌して接合具２２と螺旋状部材３
１を、横架構造部材１１′の外周壁部から接合具挿入部
２８に挿入して接合具２２の先端部３′を接合具挿入部
２８の底部２８ａに螺着して横架構造部材１１′と構造
部材１０′を固定する。次に、接合具２０，２２の先端
部３′を接合具挿入部２８，２９の底部２８ａ，２９ａ
に確実に螺着し、各構造部材同士を引き寄せ、当接面２
７ｂ，２７ｃを各々略密着させる。
【００５５】次いで、緊結固定工程において、注入口７
から接合具２０，２２の中空部６，６′へ接着剤を注入
すると、実施の形態３と同様に、中空部６，６′や接合
具挿入部２８，２９内の空気が空気抜き部３０ａ，３０
ｂから排出されるとともに、中空部６，６′に注入され
た接着剤が吐出口８，８′から吐出され、接合具２０，
２２の胴部２，２６や先端部３′の外周面と接合具挿入
部２８，２９の周壁間に接着剤が充填され、縦構造部材
１０と構造部材１０′，構造部材１０′と横架構造部材
１１′が緊結固定される。
から接合具２０，２２の中空部６，６′へ接着剤を注入
すると、実施の形態３と同様に、中空部６，６′や接合
具挿入部２８，２９内の空気が空気抜き部３０ａ，３０
ｂから排出されるとともに、中空部６，６′に注入され
た接着剤が吐出口８，８′から吐出され、接合具２０，
２２の胴部２，２６や先端部３′の外周面と接合具挿入
部２８，２９の周壁間に接着剤が充填され、縦構造部材
１０と構造部材１０′，構造部材１０′と横架構造部材
１１′が緊結固定される。
【００５６】以上のように実施の形態４，５における接
合具及びそれを用いた実施の形態６における柱、梁、桁
等の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃
至３の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌
し、接合具と螺旋条部材を接合具挿入部に挿入している
ため、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合具
の吐出口から接合具の外周面及び接合具挿入部の周壁間
で螺旋状部材に沿って接着剤を略均等に充填することが
でき、接着剤の充填ムラを防ぎ柱、梁、桁等の構造部材
同士を緊結できる。 （２）接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、
接着剤で螺旋状部材が接合具挿入部内に埋設され該接合
具が補強材としての役割を果たし、柱、梁、桁等の構造
部材同士の接合部の剪断，引張り応力等を向上させるこ
とができる。 （３）接合具が、一端に頭部を有し他端に接合部を有し
た頭部側胴部材と、両端に胴接合部を有した中間部胴部
材と、一端に接合部を有し他端に先端部を有した先端部
側胴部材と、を有しているため、各接合部で各部材を接
合することにより、該接合具を形成することができ、接
合する中間部胴部材の数により該接合具を任意の長さに
調整できる。 （４）接合具が、頭部側胴部材，中間部胴部材，先端部
側胴部材に分割されているため、中空部を形成する際
に、各部材毎に長さの短い単位中空部を形成することに
より接合具の中空部を形成することができ、特に、先端
部側に吐出口を形成する場合に、中空部を容易に形成す
ることができる。 （５）接合具を接合具挿入部に挿入し、接合具の外周面
と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、桁
等の構造部材同士を緊結固定しているため、接合具が頭
部側胴部材，中間部胴部材，先端部側胴部材を接合して
形成されている場合、各部材の接合部が接着剤で被覆さ
れ、接合具の強度を向上できる。 （６）接着剤の吐出口が接合具の先端部側胴部材に形成
され、空気抜き部が吐出口と反対側（遠方側）に形成さ
れているため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、
桁等の構造部材同士を接合できる。 （７）接合部の先端部を螺子状に形成しているので、接
合部を底部に螺着するだけで、柱、梁、桁等の各構造部
材を引き寄せ強固に密接固定させることができ、更に、
接着剤を介して柱、梁、桁等の各構造部材と接合具が強
固に接着固定され機械的強度に優れたラーメン接合が得
られる。 （８）頭部がナット状に形成されているので、電気式工
具を用いることにより、短時間に強固な接合を得ること
ができる。
合具及びそれを用いた実施の形態６における柱、梁、桁
等の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃
至３の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌
し、接合具と螺旋条部材を接合具挿入部に挿入している
ため、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合具
の吐出口から接合具の外周面及び接合具挿入部の周壁間
で螺旋状部材に沿って接着剤を略均等に充填することが
でき、接着剤の充填ムラを防ぎ柱、梁、桁等の構造部材
同士を緊結できる。 （２）接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、
接着剤で螺旋状部材が接合具挿入部内に埋設され該接合
具が補強材としての役割を果たし、柱、梁、桁等の構造
部材同士の接合部の剪断，引張り応力等を向上させるこ
とができる。 （３）接合具が、一端に頭部を有し他端に接合部を有し
た頭部側胴部材と、両端に胴接合部を有した中間部胴部
材と、一端に接合部を有し他端に先端部を有した先端部
側胴部材と、を有しているため、各接合部で各部材を接
合することにより、該接合具を形成することができ、接
合する中間部胴部材の数により該接合具を任意の長さに
調整できる。 （４）接合具が、頭部側胴部材，中間部胴部材，先端部
側胴部材に分割されているため、中空部を形成する際
に、各部材毎に長さの短い単位中空部を形成することに
より接合具の中空部を形成することができ、特に、先端
部側に吐出口を形成する場合に、中空部を容易に形成す
ることができる。 （５）接合具を接合具挿入部に挿入し、接合具の外周面
と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、桁
等の構造部材同士を緊結固定しているため、接合具が頭
部側胴部材，中間部胴部材，先端部側胴部材を接合して
形成されている場合、各部材の接合部が接着剤で被覆さ
れ、接合具の強度を向上できる。 （６）接着剤の吐出口が接合具の先端部側胴部材に形成
され、空気抜き部が吐出口と反対側（遠方側）に形成さ
れているため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、
桁等の構造部材同士を接合できる。 （７）接合部の先端部を螺子状に形成しているので、接
合部を底部に螺着するだけで、柱、梁、桁等の各構造部
材を引き寄せ強固に密接固定させることができ、更に、
接着剤を介して柱、梁、桁等の各構造部材と接合具が強
固に接着固定され機械的強度に優れたラーメン接合が得
られる。 （８）頭部がナット状に形成されているので、電気式工
具を用いることにより、短時間に強固な接合を得ること
ができる。
【００５７】（実施の形態７，８） 本発明の実施の形態７における接合具について、以下図
面を用いて説明する。図６は実施の形態７における接合
具の全体斜視図である。尚、実施の形態１又は５と同様
のものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、
４０は実施の形態７におけるステンレス等の金属製の接
合具、４１は胴部２の一端に形成された頭部、４１ａは
平面状に形成された頭部４１の端面である。ここで、接
合具４０の中空部６′は接合具４０の先端部３側まで形
成され、吐出口８′は中空部６′の端部に形成される。
面を用いて説明する。図６は実施の形態７における接合
具の全体斜視図である。尚、実施の形態１又は５と同様
のものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、
４０は実施の形態７におけるステンレス等の金属製の接
合具、４１は胴部２の一端に形成された頭部、４１ａは
平面状に形成された頭部４１の端面である。ここで、接
合具４０の中空部６′は接合具４０の先端部３側まで形
成され、吐出口８′は中空部６′の端部に形成される。
【００５８】以上のように構成された実施の形態７の接
合具４０を用いて、以下、実施の形態８における木造建
築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を用いて
説明する。図７は実施の形態８における土台の柱、梁、
桁等の構造部材の接合装置を示す要部側面断面図であ
る。尚、実施の形態３又は６と同様のものには同一の符
号を付して説明を省略する。図中、４２は土台の構造部
材、４３は縦構造部材１０と構造部材４２の当接面、４
４は縦構造部材１０の外周壁部から当接面４３に対して
傾斜角度αを有して構造部材４２に胴部２の長さよりも
長くかつ接合具４０の長さよりも所定長さ短く穿孔され
た接合具挿入部、４４ａは接合具挿入部４４の底部、４
５は接合具挿入部４４の開口部側に接合具挿入部４４に
連通して縦構造部材１０に穿孔された空気抜き部、４６
は接合具挿入部４４の開口部に接合具挿入部４４と直交
して縦構造部材１０に穿設された座部、４７は座部４６
の開口側に埋設され表面が縦構造部材１０の外周壁面と
略面一に形成された埋設材（封止体）、４７ａは接合具
４０の注入口７に嵌脱自在に嵌合され注入口７を封止す
る突起部である。
合具４０を用いて、以下、実施の形態８における木造建
築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を用いて
説明する。図７は実施の形態８における土台の柱、梁、
桁等の構造部材の接合装置を示す要部側面断面図であ
る。尚、実施の形態３又は６と同様のものには同一の符
号を付して説明を省略する。図中、４２は土台の構造部
材、４３は縦構造部材１０と構造部材４２の当接面、４
４は縦構造部材１０の外周壁部から当接面４３に対して
傾斜角度αを有して構造部材４２に胴部２の長さよりも
長くかつ接合具４０の長さよりも所定長さ短く穿孔され
た接合具挿入部、４４ａは接合具挿入部４４の底部、４
５は接合具挿入部４４の開口部側に接合具挿入部４４に
連通して縦構造部材１０に穿孔された空気抜き部、４６
は接合具挿入部４４の開口部に接合具挿入部４４と直交
して縦構造部材１０に穿設された座部、４７は座部４６
の開口側に埋設され表面が縦構造部材１０の外周壁面と
略面一に形成された埋設材（封止体）、４７ａは接合具
４０の注入口７に嵌脱自在に嵌合され注入口７を封止す
る突起部である。
【００５９】尚、傾斜角度αとしては、３０°≦α≦６
０°で形成される。傾斜角度αが３０°よりも小さくな
るにつれ接合具挿入部４４の位置が縦構造部材１０の当
接面４３側に近づき、大きな外力に対して縦構造部材１
０が破損し易くなる傾向が有り、傾斜角度αが６０°よ
りも大きくなるにつれ接合具４０の長さが長くなり、接
着剤を浪費する傾向が有り、いずれも好ましくない。ま
た、接合具挿入部４４の直径としては、接合具４０の頭
部４１ａの直径の１／４倍〜３／４倍で、かつ、胴部２
の直径より４ｍｍ〜１２ｍｍ大きい直径で形成される。
接合具４０の頭部４１ａの直径の１／４倍より小さくな
るにつれ接合具４０の頭部４１ａと接合具挿入部４４と
の外径の差が大きくなり過ぎ頭部４１ａが突出する傾向
が有り、頭部４１ａの直径の３／４倍より大きくなるに
つれ頭部４１ａと接合具挿入部４４との外径の差が小さ
くなり過ぎ頭部４１ａから接着剤が漏れ易くなる傾向が
有り、また、胴部２の直径との差が４ｍｍより小さくな
るにつれ接合具挿入部４４と接合具４０の胴部２との間
での接着剤の流動性に欠ける傾向が有り、胴部２の直径
との差が１２ｍｍより大きくなるにつれ必要以上に接着
剤を要す傾向が有り、いずれも好ましくない。
０°で形成される。傾斜角度αが３０°よりも小さくな
るにつれ接合具挿入部４４の位置が縦構造部材１０の当
接面４３側に近づき、大きな外力に対して縦構造部材１
０が破損し易くなる傾向が有り、傾斜角度αが６０°よ
りも大きくなるにつれ接合具４０の長さが長くなり、接
着剤を浪費する傾向が有り、いずれも好ましくない。ま
た、接合具挿入部４４の直径としては、接合具４０の頭
部４１ａの直径の１／４倍〜３／４倍で、かつ、胴部２
の直径より４ｍｍ〜１２ｍｍ大きい直径で形成される。
接合具４０の頭部４１ａの直径の１／４倍より小さくな
るにつれ接合具４０の頭部４１ａと接合具挿入部４４と
の外径の差が大きくなり過ぎ頭部４１ａが突出する傾向
が有り、頭部４１ａの直径の３／４倍より大きくなるに
つれ頭部４１ａと接合具挿入部４４との外径の差が小さ
くなり過ぎ頭部４１ａから接着剤が漏れ易くなる傾向が
有り、また、胴部２の直径との差が４ｍｍより小さくな
るにつれ接合具挿入部４４と接合具４０の胴部２との間
での接着剤の流動性に欠ける傾向が有り、胴部２の直径
との差が１２ｍｍより大きくなるにつれ必要以上に接着
剤を要す傾向が有り、いずれも好ましくない。
【００６０】以上のように構成された実施の形態８の
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、挿入部形成工程において、縦構造部材
１０を起重機等で持ち上げて縦構造部材１０と構造部材
４２を当接面４３で当接させ、縦構造部材１０の外周壁
部から当接面４３に対して傾斜角度αを有して構造部材
４２の所定部まで接合具挿入部４４を穿孔する。次い
で、接合具挿入部４４の開口部側に、縦構造部材１０の
外周壁部から接合具挿入部４４に連通した空気抜き部４
５を穿設する。尚、これらの挿入部形成工程は、建築物
の建築現場で行うこともできるが、予め工場でプレカッ
ト方式等で形成しておくこともできる。
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、挿入部形成工程において、縦構造部材
１０を起重機等で持ち上げて縦構造部材１０と構造部材
４２を当接面４３で当接させ、縦構造部材１０の外周壁
部から当接面４３に対して傾斜角度αを有して構造部材
４２の所定部まで接合具挿入部４４を穿孔する。次い
で、接合具挿入部４４の開口部側に、縦構造部材１０の
外周壁部から接合具挿入部４４に連通した空気抜き部４
５を穿設する。尚、これらの挿入部形成工程は、建築物
の建築現場で行うこともできるが、予め工場でプレカッ
ト方式等で形成しておくこともできる。
【００６１】次に、固定工程において、接合具４０に螺
旋状部材３１を外嵌して接合具４０と螺旋状部材３１
を、縦構造部材１０の外周壁部から接合具挿入部４４に
挿入して接合具４０の先端部３を接合具挿入部４４の底
部４４ａに打設して縦構造部材１０と構造部材４２を固
定する。次に、緊結固定工程において、実施の形態３又
は６と同様に、接合具４０の注入口７から中空部６′に
接着剤を注入し、接合具４０の胴部２や先端部３の外周
面と接合具挿入部４４の周壁間に接着剤を充填しながら
空気抜き部４５から接着剤が一部流出するまで接着剤を
注入して、縦構造部材１０と構造部材４２を緊結固定す
る。次いで、埋設材４７の突起部４７ａを接合具４４の
注入口７に嵌合して注入口７を封止する。
旋状部材３１を外嵌して接合具４０と螺旋状部材３１
を、縦構造部材１０の外周壁部から接合具挿入部４４に
挿入して接合具４０の先端部３を接合具挿入部４４の底
部４４ａに打設して縦構造部材１０と構造部材４２を固
定する。次に、緊結固定工程において、実施の形態３又
は６と同様に、接合具４０の注入口７から中空部６′に
接着剤を注入し、接合具４０の胴部２や先端部３の外周
面と接合具挿入部４４の周壁間に接着剤を充填しながら
空気抜き部４５から接着剤が一部流出するまで接着剤を
注入して、縦構造部材１０と構造部材４２を緊結固定す
る。次いで、埋設材４７の突起部４７ａを接合具４４の
注入口７に嵌合して注入口７を封止する。
【００６２】以上のように実施の形態７における接合具
及びそれを用いた実施の形態８における柱、梁、桁等の
接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至６
の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対し
て傾斜角度αを有して挿入しているため、鉛直荷重に対
する変形に耐えることができ、構造部材同士の接合力を
向上できる。 （２）接合具挿入部の開口部に座部を穿設しているた
め、接合具の頭部が柱、梁、桁等の表面から大きく突出
することを防止でき外観を向上できる。 （３）座部の開口側に埋設材を埋設しているため、接合
具の頭部が露出するのを防止でき火災時等に柱、梁、桁
等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守ることが
できるとともに、接合具を介して外部の熱を内部に伝え
るのを防止でき安全性を向上することができる。 （４）埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略同一にして
いるため、柱、梁、桁等の外観を向上できる。 （５）埋設材が、注入口に嵌合される突起部を有してい
るため、突起部を注入口に嵌合して注入口を封止するこ
とができ、特に、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時
間を要す接着剤を使用した場合でも、注入口から接着剤
が漏れるのを防止できる。 （６）接着剤の吐出口が接合具の先端部側に形成され、
空気抜き部が吐出口と反対側（遠方側）に形成されてい
るため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、桁等の
構造部材同士を接合できる。
及びそれを用いた実施の形態８における柱、梁、桁等の
接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至６
の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対し
て傾斜角度αを有して挿入しているため、鉛直荷重に対
する変形に耐えることができ、構造部材同士の接合力を
向上できる。 （２）接合具挿入部の開口部に座部を穿設しているた
め、接合具の頭部が柱、梁、桁等の表面から大きく突出
することを防止でき外観を向上できる。 （３）座部の開口側に埋設材を埋設しているため、接合
具の頭部が露出するのを防止でき火災時等に柱、梁、桁
等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守ることが
できるとともに、接合具を介して外部の熱を内部に伝え
るのを防止でき安全性を向上することができる。 （４）埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略同一にして
いるため、柱、梁、桁等の外観を向上できる。 （５）埋設材が、注入口に嵌合される突起部を有してい
るため、突起部を注入口に嵌合して注入口を封止するこ
とができ、特に、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時
間を要す接着剤を使用した場合でも、注入口から接着剤
が漏れるのを防止できる。 （６）接着剤の吐出口が接合具の先端部側に形成され、
空気抜き部が吐出口と反対側（遠方側）に形成されてい
るため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、桁等の
構造部材同士を接合できる。
【００６３】（実施の形態９） 本発明の実施の形態７の接合具を用いた実施の形態９に
おける柱、梁、桁等の接合装置について、以下図面を用
いて説明する。図８は実施の形態９における柱、梁、桁
等の継手接合装置を示す要部側面断面図であり、図９は
実施の形態９における柱、梁、桁等の継手接合装置を示
す要部平面断面図である。尚、実施の形態１乃至８と同
様のものには同一の符号を付して説明を省略する。図
中、１０ａは縦構造部材１０の当接面に形成された凹
部、５０Ａ，５０Ｂは桁等の横架構造部材、５０ａは横
架構造部材５０Ａ，５０Ｂの端面外周壁部の上面から下
面に渡って形成された切欠部、５１ａは縦構造部材１０
と横架構造部材５０Ａの当接面、５１ｂは縦構造部材１
０と横架構造部材５０Ｂの当接面、５２ａ，５２ｂは横
架構造部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から当接面５１
ａ，５１ｂに対して傾斜角度αを有して縦構造部材１０
を貫通して横架構造部材５０Ｂ，５０Ａの所定部まで穿
孔された接合具挿入部、５２ｃは接合具挿入部５２ａ，
５２ｂの底部、５３ａ，５３ｂは接合具挿入部５２ａ，
５２ｂの開口部側に接合具挿入部５２ａ，５２ｂに連通
して横架構造部材５０Ａ，５０Ｂに穿孔された空気抜き
部、５４は縦構造部材１０の凹部１０ａに固定部５４ａ
がボルト・ナット１４ｄで固定されたハラテック２１
（兼松日産農林株式会社製）等の引寄せ金具を備えた接
合金具、５４ｂは固定部５４ａに立設された立壁部、５
４ｃは立壁部５４ｂに湾曲状に形成された係合部、５５
は横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの切欠部５０ａに配設さ
れ円状に形成された回動部の偏心位置に穿孔されたドリ
フトピン挿入孔に切欠部５０ａの両側壁から貫通して挿
入されたドリフトピン５６で回動自在に軸支された引寄
せ金具、５５ａは引寄せ金具５５の端部に二叉状に形成
された操作部、５５ｂは係合部５４ｃに回動自在に係合
された回動部、５５ｃは回動部５５ｂの偏心位置に穿孔
されドリフトピン５６が挿通されるドリフトピン挿入孔
である。尚、傾斜角度αとしては、３０°≦α≦６０°
で形成される。傾斜角度αが３０°よりも小さくなるに
つれ接合具挿入部５２ａ，５２ｂの位置が横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂの当接面５１ａ，５１ｂ側に近づき、大
きな外力に対して横架構造部材５０Ａ，５０Ｂが破損し
易くなる傾向が有り、傾斜角度αが６０°よりも大きく
なるにつれ接合具４０の長さが長くなる傾向が有り、い
ずれも好ましくない。
おける柱、梁、桁等の接合装置について、以下図面を用
いて説明する。図８は実施の形態９における柱、梁、桁
等の継手接合装置を示す要部側面断面図であり、図９は
実施の形態９における柱、梁、桁等の継手接合装置を示
す要部平面断面図である。尚、実施の形態１乃至８と同
様のものには同一の符号を付して説明を省略する。図
中、１０ａは縦構造部材１０の当接面に形成された凹
部、５０Ａ，５０Ｂは桁等の横架構造部材、５０ａは横
架構造部材５０Ａ，５０Ｂの端面外周壁部の上面から下
面に渡って形成された切欠部、５１ａは縦構造部材１０
と横架構造部材５０Ａの当接面、５１ｂは縦構造部材１
０と横架構造部材５０Ｂの当接面、５２ａ，５２ｂは横
架構造部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から当接面５１
ａ，５１ｂに対して傾斜角度αを有して縦構造部材１０
を貫通して横架構造部材５０Ｂ，５０Ａの所定部まで穿
孔された接合具挿入部、５２ｃは接合具挿入部５２ａ，
５２ｂの底部、５３ａ，５３ｂは接合具挿入部５２ａ，
５２ｂの開口部側に接合具挿入部５２ａ，５２ｂに連通
して横架構造部材５０Ａ，５０Ｂに穿孔された空気抜き
部、５４は縦構造部材１０の凹部１０ａに固定部５４ａ
がボルト・ナット１４ｄで固定されたハラテック２１
（兼松日産農林株式会社製）等の引寄せ金具を備えた接
合金具、５４ｂは固定部５４ａに立設された立壁部、５
４ｃは立壁部５４ｂに湾曲状に形成された係合部、５５
は横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの切欠部５０ａに配設さ
れ円状に形成された回動部の偏心位置に穿孔されたドリ
フトピン挿入孔に切欠部５０ａの両側壁から貫通して挿
入されたドリフトピン５６で回動自在に軸支された引寄
せ金具、５５ａは引寄せ金具５５の端部に二叉状に形成
された操作部、５５ｂは係合部５４ｃに回動自在に係合
された回動部、５５ｃは回動部５５ｂの偏心位置に穿孔
されドリフトピン５６が挿通されるドリフトピン挿入孔
である。尚、傾斜角度αとしては、３０°≦α≦６０°
で形成される。傾斜角度αが３０°よりも小さくなるに
つれ接合具挿入部５２ａ，５２ｂの位置が横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂの当接面５１ａ，５１ｂ側に近づき、大
きな外力に対して横架構造部材５０Ａ，５０Ｂが破損し
易くなる傾向が有り、傾斜角度αが６０°よりも大きく
なるにつれ接合具４０の長さが長くなる傾向が有り、い
ずれも好ましくない。
【００６４】以上のように構成された実施の形態９の
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、金具固定工程において、縦構造部材１
０の凹部１０ａに接合金具５４の固定部５４ａをボルト
・ナット１４ｄで螺着固定するとともに、横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂの当接面５１ａ，５１ｂ側に接合金具５
４の立壁部５４ｂが挿入される切欠部５０ａを外周壁部
から形成し、更に、引寄せ金具５５を切欠部５０ａに配
設しドリフトピン５６をドリフトピン挿入孔５５ｃに挿
通して引寄せ金具５５を横架構造部材５０Ａ，５０Ｂに
各々軸支する。次いで、横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを
起重機等で持ち上げて縦構造部材１０に固定された接合
金具５４の立壁部５４ｂを横架構造部材５０Ａ，５０Ｂ
の切欠部５０ａに挿入するとともに、引寄せ金具５５の
操作部５５ａを横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの上外周壁
部から突出させたまま係合部５４ｃに引寄せ金具５５の
回動部５５ｂを係合し、縦構造部材１０と横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂを接続する。次に、密接工程において、
引寄せ金具５５の操作部５５ａを縦構造部材１０側へ回
動して縦構造部材１０と横架構造部材５０Ａ，縦構造部
材１０と横架構造部材５０Ｂの各々の当接面５１ａ，５
１ｂを密接に当接する。
柱、梁、桁等の接合装置について、以下その接合方法を
説明する。まず、金具固定工程において、縦構造部材１
０の凹部１０ａに接合金具５４の固定部５４ａをボルト
・ナット１４ｄで螺着固定するとともに、横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂの当接面５１ａ，５１ｂ側に接合金具５
４の立壁部５４ｂが挿入される切欠部５０ａを外周壁部
から形成し、更に、引寄せ金具５５を切欠部５０ａに配
設しドリフトピン５６をドリフトピン挿入孔５５ｃに挿
通して引寄せ金具５５を横架構造部材５０Ａ，５０Ｂに
各々軸支する。次いで、横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを
起重機等で持ち上げて縦構造部材１０に固定された接合
金具５４の立壁部５４ｂを横架構造部材５０Ａ，５０Ｂ
の切欠部５０ａに挿入するとともに、引寄せ金具５５の
操作部５５ａを横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの上外周壁
部から突出させたまま係合部５４ｃに引寄せ金具５５の
回動部５５ｂを係合し、縦構造部材１０と横架構造部材
５０Ａ，５０Ｂを接続する。次に、密接工程において、
引寄せ金具５５の操作部５５ａを縦構造部材１０側へ回
動して縦構造部材１０と横架構造部材５０Ａ，縦構造部
材１０と横架構造部材５０Ｂの各々の当接面５１ａ，５
１ｂを密接に当接する。
【００６５】次に、挿入部形成工程において、横架構造
部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から当接面５１ａ，５１
ｂに対して傾斜角度αを有して縦構造部材１０を貫通し
て横架構造部材５０Ｂ，５０Ａの所定部まで接合具挿入
部５２ａ，５２ｂを穿孔する。次いで、接合具挿入部５
２ａ，５２ｂの開口部側に、横架構造部材５０Ａ，５０
Ｂの外周壁部から接合具挿入部５２ａ，５２ｂに連通し
た空気抜き部５３ａ，５３ｂを穿設する。尚、これらの
挿入部形成工程は、建築物の建築現場で行うこともでき
るが、予め工場でプレカット方式等で形成しておくこと
もできる。
部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から当接面５１ａ，５１
ｂに対して傾斜角度αを有して縦構造部材１０を貫通し
て横架構造部材５０Ｂ，５０Ａの所定部まで接合具挿入
部５２ａ，５２ｂを穿孔する。次いで、接合具挿入部５
２ａ，５２ｂの開口部側に、横架構造部材５０Ａ，５０
Ｂの外周壁部から接合具挿入部５２ａ，５２ｂに連通し
た空気抜き部５３ａ，５３ｂを穿設する。尚、これらの
挿入部形成工程は、建築物の建築現場で行うこともでき
るが、予め工場でプレカット方式等で形成しておくこと
もできる。
【００６６】次いで、固定工程において、接合具４０を
横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から接合具挿入
部５２ａ，５２ｂに挿入して接合具４０の先端部３を接
合具挿入部５２ａ，５２ｂの底部５２ｃに打設して縦構
造部材１０と横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを固定する。
次に、緊結固定工程において、実施の形態８と同様に、
接合具４０の注入口７から中空部６′に接着剤を注入
し、接合具４０の胴部２や先端部３の外周面と接合具挿
入部５２ａ，５２ｂの周壁間に接着剤を充填して、縦構
造部材１０と横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを緊結固定す
る。次いで、埋設材４７の突起部４７ａを接合具４０の
注入口７に嵌合して注入口７を封止する。
横架構造部材５０Ａ，５０Ｂの外周壁部から接合具挿入
部５２ａ，５２ｂに挿入して接合具４０の先端部３を接
合具挿入部５２ａ，５２ｂの底部５２ｃに打設して縦構
造部材１０と横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを固定する。
次に、緊結固定工程において、実施の形態８と同様に、
接合具４０の注入口７から中空部６′に接着剤を注入
し、接合具４０の胴部２や先端部３の外周面と接合具挿
入部５２ａ，５２ｂの周壁間に接着剤を充填して、縦構
造部材１０と横架構造部材５０Ａ，５０Ｂを緊結固定す
る。次いで、埋設材４７の突起部４７ａを接合具４０の
注入口７に嵌合して注入口７を封止する。
【００６７】以上のように実施の形態７における接合具
を用いた実施の形態９における柱、梁、桁等の接合装置
並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至８の作用に
加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を桁等の横架構造部材の上方から接合具挿
入部に挿入して接合具挿入部の底部に打設するだけで、
容易に柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材を接合で
き、また、接合具が柱、梁、桁等の各構造部材に埋設さ
れ接合具が柱、梁、桁等の外周壁部に露出するのを防止
できる。 （２）柱等の縦構造部材に接合金具を固定し、柱等の縦
構造部材と桁等の横架構造部材を接合金具で接合した
後、更に、接合具で柱、梁、桁等の構造部材同士を緊結
固定でき構造部材同士を剛接合することができるととも
に、接合金具で柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材
を仮固定でき、接合具による接合作業性や接合精度を向
上できる。 （３）接合金具の引寄せ金具により、柱等の縦構造部材
と桁等の横架構造部材の当接面を密着でき、接合具の中
空部に接着剤を注入し接合具の外周面と接合具挿入部の
周壁間に接着材を充填した際に、接着剤が当接面から溢
れ出るのを防止できる。 （４）柱、梁、桁等の構造部材同士の当接面に対して傾
斜角度αを有して接合具を挿入しているため、鉛直荷重
に対する変形に耐えることができ、柱、梁、桁等の構造
部材同士の接合力を向上でき、特に、各接合具がクロス
状に挿着されているため、地震，風等の水平力により生
じる柱、梁、桁等の接合部の引張り，圧縮，曲げ、剪断
によって発生する上下左右からの荷重を各々の接合具の
偶力で打ち消すように有効に働き、剛性を向上できる。
を用いた実施の形態９における柱、梁、桁等の接合装置
並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至８の作用に
加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を桁等の横架構造部材の上方から接合具挿
入部に挿入して接合具挿入部の底部に打設するだけで、
容易に柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材を接合で
き、また、接合具が柱、梁、桁等の各構造部材に埋設さ
れ接合具が柱、梁、桁等の外周壁部に露出するのを防止
できる。 （２）柱等の縦構造部材に接合金具を固定し、柱等の縦
構造部材と桁等の横架構造部材を接合金具で接合した
後、更に、接合具で柱、梁、桁等の構造部材同士を緊結
固定でき構造部材同士を剛接合することができるととも
に、接合金具で柱等の縦構造部材と桁等の横架構造部材
を仮固定でき、接合具による接合作業性や接合精度を向
上できる。 （３）接合金具の引寄せ金具により、柱等の縦構造部材
と桁等の横架構造部材の当接面を密着でき、接合具の中
空部に接着剤を注入し接合具の外周面と接合具挿入部の
周壁間に接着材を充填した際に、接着剤が当接面から溢
れ出るのを防止できる。 （４）柱、梁、桁等の構造部材同士の当接面に対して傾
斜角度αを有して接合具を挿入しているため、鉛直荷重
に対する変形に耐えることができ、柱、梁、桁等の構造
部材同士の接合力を向上でき、特に、各接合具がクロス
状に挿着されているため、地震，風等の水平力により生
じる柱、梁、桁等の接合部の引張り，圧縮，曲げ、剪断
によって発生する上下左右からの荷重を各々の接合具の
偶力で打ち消すように有効に働き、剛性を向上できる。
【００６８】（実施の形態１０，１１，１２，１３） 本発明の実施の形態１０，１１における接合具につい
て、以下図面を用いて説明する。図１０（ａ）は実施の
形態１０における先端部に螺子状部を有した接合具の全
体斜視図であり、図１０（ｂ）は実施の形態１１におけ
る先端部に螺子状部を有した接合具の全体斜視図であ
る。尚、実施の形態１乃至８と同様のものには同一の符
号を付して説明を省略する。図１０（ａ）において、６
０は実施の形態１０におけるステンレス等の金属製で先
端部３′に螺子状部を有した接合具、６１は胴部２の一
端に形成された頭部、６１ａは平面状に形成された頭部
６１の端面、６１ｂは端面６１ａに＋状に切削された締
付部である。ここで、中空部６′は接合具６０の先端部
３′側まで形成され、吐出口８′は中空部６′の先端部
３′側の端部と直交して穿設され中空部６′と連通して
対称位置に形成されている。図１０（ｂ）において、６
２は実施の形態１１におけるステンレス等の金属製で先
端部３′に螺子状部を有した接合具である。ここで、中
空部６は接合具６２の頭部６１側に形成され、吐出口８
は頭部６１側に中空部６と直交して穿設され中空部６と
連通して対称位置に形成されている。
て、以下図面を用いて説明する。図１０（ａ）は実施の
形態１０における先端部に螺子状部を有した接合具の全
体斜視図であり、図１０（ｂ）は実施の形態１１におけ
る先端部に螺子状部を有した接合具の全体斜視図であ
る。尚、実施の形態１乃至８と同様のものには同一の符
号を付して説明を省略する。図１０（ａ）において、６
０は実施の形態１０におけるステンレス等の金属製で先
端部３′に螺子状部を有した接合具、６１は胴部２の一
端に形成された頭部、６１ａは平面状に形成された頭部
６１の端面、６１ｂは端面６１ａに＋状に切削された締
付部である。ここで、中空部６′は接合具６０の先端部
３′側まで形成され、吐出口８′は中空部６′の先端部
３′側の端部と直交して穿設され中空部６′と連通して
対称位置に形成されている。図１０（ｂ）において、６
２は実施の形態１１におけるステンレス等の金属製で先
端部３′に螺子状部を有した接合具である。ここで、中
空部６は接合具６２の頭部６１側に形成され、吐出口８
は頭部６１側に中空部６と直交して穿設され中空部６と
連通して対称位置に形成されている。
【００６９】以上のように構成された実施の形態１０，
１１の接合具６０，６２を用いて、以下、実施の形態１
２における木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置につい
て、図面を用いて説明する。図１１は実施の形態１２に
おける構造部材である登り梁と柱の仕口の接合装置を示
す要部側面断面図である。尚、実施の形態３乃至９と同
様のものには同一の符号を付して説明を省略する。図
中、６３は柱等の縦構造部材、６４ａ，６４ｂは登り梁
等の構造部材、６５ａは縦構造部材６３と構造部材６４
ａの当接面、６５ｂは構造部材６４ａと構造部材６４ｂ
の当接面、６６は縦構造部材６３の外周壁部から当接面
６５ａに対して傾斜角度を有して接合具６２の胴部２の
長さより長くかつ接合具６２の全長より短く構造部材６
４ａと略平行に構造部材６４ａの所定部まで穿孔された
接合具挿入部、６６ａは接合具挿入部６６の底部、６７
は構造部材６４ｂの外周壁部から当接面６５ｂに対して
傾斜角度を有して接合具６０の胴部２の長さより長くか
つ接合具６０の全長より短く構造部材６４ａと略平行に
構造部材６４ａの所定部まで穿孔された接合具挿入部、
６７ａは接合具挿入部６７の底部、６８ａは接合具挿入
部６６の底部６６ａ側の接合具挿入部６６に連通して構
造部材６４ａの上外周壁部に穿孔された空気抜き部、６
８ｂは接合具挿入部６７の開口部側の接合具挿入部６７
に連通して構造部材６４ｂの上外周壁部に穿孔された空
気抜き部である。
１１の接合具６０，６２を用いて、以下、実施の形態１
２における木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置につい
て、図面を用いて説明する。図１１は実施の形態１２に
おける構造部材である登り梁と柱の仕口の接合装置を示
す要部側面断面図である。尚、実施の形態３乃至９と同
様のものには同一の符号を付して説明を省略する。図
中、６３は柱等の縦構造部材、６４ａ，６４ｂは登り梁
等の構造部材、６５ａは縦構造部材６３と構造部材６４
ａの当接面、６５ｂは構造部材６４ａと構造部材６４ｂ
の当接面、６６は縦構造部材６３の外周壁部から当接面
６５ａに対して傾斜角度を有して接合具６２の胴部２の
長さより長くかつ接合具６２の全長より短く構造部材６
４ａと略平行に構造部材６４ａの所定部まで穿孔された
接合具挿入部、６６ａは接合具挿入部６６の底部、６７
は構造部材６４ｂの外周壁部から当接面６５ｂに対して
傾斜角度を有して接合具６０の胴部２の長さより長くか
つ接合具６０の全長より短く構造部材６４ａと略平行に
構造部材６４ａの所定部まで穿孔された接合具挿入部、
６７ａは接合具挿入部６７の底部、６８ａは接合具挿入
部６６の底部６６ａ側の接合具挿入部６６に連通して構
造部材６４ａの上外周壁部に穿孔された空気抜き部、６
８ｂは接合具挿入部６７の開口部側の接合具挿入部６７
に連通して構造部材６４ｂの上外周壁部に穿孔された空
気抜き部である。
【００７０】次に、以上のように構成された実施の形態
１０，１１の接合具６０，６２を用いて、以下、実施の
形態１３における木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置
について、図面を用いて説明する。図１２は実施の形態
１３における構造部材である登り梁と柱の仕口の他の接
合装置を示す要部側面断面図である。尚、図１１と同様
のものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、
６９は縦構造部材６３の外周壁部から当接面６５ａに対
して直交して接合具６２の胴部２の長さより長くかつ接
合具６２の全長より短く構造部材６４ａの所定部まで穿
孔された接合具挿入部、６９ａは接合具挿入部６９の底
部、６８′ａは接合具挿入部６９の底部６９ａ側の接合
具挿入部６９に連通して構造部材６４ａの側面の外周壁
部に穿孔された空気抜き部、７０は構造部材６４ａ，６
４ｂの外周壁部から当接面６５ｂに対して直交して接合
具６２の胴部２の長さより長くかつ接合具６２の全長よ
り短く構造部材６４ｂ，６４ａの所定部まで穿孔された
接合具挿入部、７０ａは接合具挿入部７０の底部、６８
ｃは接合具挿入部７０の開口部側の接合具挿入部７０に
連通して構造部材６４ｂの外周壁部に穿孔された空気抜
き部である。以上のように構成された実施の形態１２，
１３の構造部材の接合方法は、実施の形態６と同様なの
で、説明を省略する。
１０，１１の接合具６０，６２を用いて、以下、実施の
形態１３における木造建築物の柱、梁、桁等の接合装置
について、図面を用いて説明する。図１２は実施の形態
１３における構造部材である登り梁と柱の仕口の他の接
合装置を示す要部側面断面図である。尚、図１１と同様
のものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、
６９は縦構造部材６３の外周壁部から当接面６５ａに対
して直交して接合具６２の胴部２の長さより長くかつ接
合具６２の全長より短く構造部材６４ａの所定部まで穿
孔された接合具挿入部、６９ａは接合具挿入部６９の底
部、６８′ａは接合具挿入部６９の底部６９ａ側の接合
具挿入部６９に連通して構造部材６４ａの側面の外周壁
部に穿孔された空気抜き部、７０は構造部材６４ａ，６
４ｂの外周壁部から当接面６５ｂに対して直交して接合
具６２の胴部２の長さより長くかつ接合具６２の全長よ
り短く構造部材６４ｂ，６４ａの所定部まで穿孔された
接合具挿入部、７０ａは接合具挿入部７０の底部、６８
ｃは接合具挿入部７０の開口部側の接合具挿入部７０に
連通して構造部材６４ｂの外周壁部に穿孔された空気抜
き部である。以上のように構成された実施の形態１２，
１３の構造部材の接合方法は、実施の形態６と同様なの
で、説明を省略する。
【００７１】以上のように実施の形態１０，１１におけ
る接合具を用いた実施の形態１２，１３における柱、
梁、桁等の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形
態１乃至９の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対し
て傾斜角度を有して構造部材と略平行に挿入しているた
め、鉛直荷重に対する変形に耐えることができ、柱、
梁、桁等の構造部材同士の接合力を向上できるととも
に、接合具が柱、梁、桁等の外周壁部から露出するのを
防止できる。 （２）従来施工が困難であった登り梁も接合具で極めて
容易に仕口接合できるとともに、接合具で剛接合とする
ことができるため建築物の間口（スパン）を広げること
ができる。 （３）接合具を柱、梁、桁等の上外周壁部から下方に傾
斜して挿入する場合、接合具の吐出口が接合具の先端部
側に形成されているとともに、吐出口と反対側（遠方
側）に空気抜き部が形成され、また、接合具を柱、梁、
桁等の下外周壁部から上方に傾斜して挿入する場合、接
合具の吐出口が接合具の頭部側に形成されているととも
に、吐出口と反対側（遠方側）に空気抜き部が形成され
ているため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、桁
等の構造部材同士を緊結固定できる。 （４）接合具挿入部の開口側を埋設材で埋設することに
より、接合具が露出するのを防止でき、火災時等に柱、
梁、桁等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守る
ことができ安全性を向上することができるとともに、埋
設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にしているた
め、柱、梁、桁等の外観を向上できる。
る接合具を用いた実施の形態１２，１３における柱、
梁、桁等の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形
態１乃至９の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具を柱、梁、桁等の構造部材の当接面に対し
て傾斜角度を有して構造部材と略平行に挿入しているた
め、鉛直荷重に対する変形に耐えることができ、柱、
梁、桁等の構造部材同士の接合力を向上できるととも
に、接合具が柱、梁、桁等の外周壁部から露出するのを
防止できる。 （２）従来施工が困難であった登り梁も接合具で極めて
容易に仕口接合できるとともに、接合具で剛接合とする
ことができるため建築物の間口（スパン）を広げること
ができる。 （３）接合具を柱、梁、桁等の上外周壁部から下方に傾
斜して挿入する場合、接合具の吐出口が接合具の先端部
側に形成されているとともに、吐出口と反対側（遠方
側）に空気抜き部が形成され、また、接合具を柱、梁、
桁等の下外周壁部から上方に傾斜して挿入する場合、接
合具の吐出口が接合具の頭部側に形成されているととも
に、吐出口と反対側（遠方側）に空気抜き部が形成され
ているため、接着剤の充填ムラを防ぎ確実に柱、梁、桁
等の構造部材同士を緊結固定できる。 （４）接合具挿入部の開口側を埋設材で埋設することに
より、接合具が露出するのを防止でき、火災時等に柱、
梁、桁等の炭化皮膜により接合具を火災の高温から守る
ことができ安全性を向上することができるとともに、埋
設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にしているた
め、柱、梁、桁等の外観を向上できる。
【００７２】（実施の形態１４，１５，１６） 本発明の実施の形態１４，１５における接合具につい
て、以下図面を用いて説明する。図１３（ａ）は実施の
形態１４における接合具の全体斜視図であり、図１３
（ｂ）は実施の形態１５における接合具の要部断面全体
斜視図である。尚、実施の形態１又は２と同様のものに
は同一の符号を付して説明を省略する。図１３（ａ）に
おいて、８０は実施の形態１４におけるステンレス等の
金属製の接合具、８１は胴部２の一端面に胴部２と同軸
状に突設固定された最大外径が胴部２の外径より小径で
表面が螺子状の先端部、８１ａは先端部８１の尖鋭端部
である。図１３（ｂ）において、８２は実施の形態１５
におけるステンレス等の金属製の接合具、８３は胴部２
の一端面に着脱自在に胴部２と同軸状に突設され最大外
径が胴部２の外径より小径で端部に尖鋭端部８１ａを有
した棒状体からなる先端部、８３ａは先端部８３の胴部
２側端部に形成された雄螺子部、８４は胴部２の一端面
に形成され雄螺子部８３ａが螺着される雌螺子部であ
る。ここで、中空部６は接合具８０，８２の頭部５側に
形成され、吐出口８は頭部５側に中空部６と直交して穿
設され中空部６と連通して対称位置に形成されている。
また、実施の形態１４，１５では、胴部２の直径を１２
ｍｍ〜１８ｍｍ，先端部８１，８３の基部側（胴部２
側）の直径を４ｍｍ〜７ｍｍに形成している。
て、以下図面を用いて説明する。図１３（ａ）は実施の
形態１４における接合具の全体斜視図であり、図１３
（ｂ）は実施の形態１５における接合具の要部断面全体
斜視図である。尚、実施の形態１又は２と同様のものに
は同一の符号を付して説明を省略する。図１３（ａ）に
おいて、８０は実施の形態１４におけるステンレス等の
金属製の接合具、８１は胴部２の一端面に胴部２と同軸
状に突設固定された最大外径が胴部２の外径より小径で
表面が螺子状の先端部、８１ａは先端部８１の尖鋭端部
である。図１３（ｂ）において、８２は実施の形態１５
におけるステンレス等の金属製の接合具、８３は胴部２
の一端面に着脱自在に胴部２と同軸状に突設され最大外
径が胴部２の外径より小径で端部に尖鋭端部８１ａを有
した棒状体からなる先端部、８３ａは先端部８３の胴部
２側端部に形成された雄螺子部、８４は胴部２の一端面
に形成され雄螺子部８３ａが螺着される雌螺子部であ
る。ここで、中空部６は接合具８０，８２の頭部５側に
形成され、吐出口８は頭部５側に中空部６と直交して穿
設され中空部６と連通して対称位置に形成されている。
また、実施の形態１４，１５では、胴部２の直径を１２
ｍｍ〜１８ｍｍ，先端部８１，８３の基部側（胴部２
側）の直径を４ｍｍ〜７ｍｍに形成している。
【００７３】以上のように構成された実施の形態１４の
接合具８０を用いて、以下、実施の形態１６における木
造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を用
いて説明する。図１４は実施の形態１６における柱、
梁、桁等の構造部材間の仕口の接合装置を示す要部側面
断面図である。尚、実施の形態３と同様のものには同一
の符号を付して説明を省略する。ここで、横架構造部材
１１は、ラミナと呼ばれる薄い単板（例えば、厚さ約３
５ｍｍ）を張り重ねて製造された集成材を用いている。
また、実施の形態１６では、接合具挿入部１５として
は、接合具挿入部１５の中心が横架構造部材１１の上外
周壁部から約５４ｍｍの位置になるように形成してい
る。以上のように構成された実施の形態１６の柱、梁、
桁等の接合装置の接合方法は、金具固定工程を有してい
ない、実施の形態３の柱、梁、桁等の接合装置の接合方
法と同様なので、説明を省略する。尚、実施の形態１６
では、実施の形態１４の接合具８０を用いた場合の柱、
梁、桁等の接合装置を説明したが、実施の形態１５の接
合具８２を用いた場合も実施の形態１６と同様に柱、
梁、桁等の構造部材同士を接合することができる。ここ
で、実施の形態１５の接合具８２を用いる場合、接合具
８２は、雄螺子部８３ａを雌螺子部８４に螺着して先端
部８３を胴部２に接続して使用される。
接合具８０を用いて、以下、実施の形態１６における木
造建築物の柱、梁、桁等の接合装置について、図面を用
いて説明する。図１４は実施の形態１６における柱、
梁、桁等の構造部材間の仕口の接合装置を示す要部側面
断面図である。尚、実施の形態３と同様のものには同一
の符号を付して説明を省略する。ここで、横架構造部材
１１は、ラミナと呼ばれる薄い単板（例えば、厚さ約３
５ｍｍ）を張り重ねて製造された集成材を用いている。
また、実施の形態１６では、接合具挿入部１５として
は、接合具挿入部１５の中心が横架構造部材１１の上外
周壁部から約５４ｍｍの位置になるように形成してい
る。以上のように構成された実施の形態１６の柱、梁、
桁等の接合装置の接合方法は、金具固定工程を有してい
ない、実施の形態３の柱、梁、桁等の接合装置の接合方
法と同様なので、説明を省略する。尚、実施の形態１６
では、実施の形態１４の接合具８０を用いた場合の柱、
梁、桁等の接合装置を説明したが、実施の形態１５の接
合具８２を用いた場合も実施の形態１６と同様に柱、
梁、桁等の構造部材同士を接合することができる。ここ
で、実施の形態１５の接合具８２を用いる場合、接合具
８２は、雄螺子部８３ａを雌螺子部８４に螺着して先端
部８３を胴部２に接続して使用される。
【００７４】以上のように実施の形態１４，１５におけ
る接合具を用いた実施の形態１６における柱、梁、桁等
の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至
１３の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具の先端部が、胴部の一端面に突設され、接
合具の先端部の最大外径が胴部の外径より小さく形成さ
れているので、接合具挿入部を集成材からなる積層され
た桁等の横架構造部材の外周壁部側に形成した際や、該
接合具が接合具挿入部に斜めに挿入された際等に、該接
合具の先端部により桁等の横架構造部材内が押し広げら
れて横架構造部材の外周壁面（表面）のラミナの積層が
剥がれ浮き上がったり表面に割れが発生するのを防止で
きる。 （２）接合具の先端部の最大外径が胴部の外径より小径
に形成されているので、先端部が桁等の横架構造部材を
押し広げる力を小さくすることができ、横架構造部材が
集成材からなる場合にも、該接合具による接合時に横架
構造部材の外周壁面に割れが発生するのを防止できる。 （３）接合具の先端部を胴部に着脱自在に形成した場
合、柱、梁、桁等の材質等に応じて先端部のみを交換す
ることができ、該接合具の使用性や汎用性を向上でき
る。
る接合具を用いた実施の形態１６における柱、梁、桁等
の接合装置並びに接合方法によれば、実施の形態１乃至
１３の作用に加えて、以下の作用を有する。 （１）接合具の先端部が、胴部の一端面に突設され、接
合具の先端部の最大外径が胴部の外径より小さく形成さ
れているので、接合具挿入部を集成材からなる積層され
た桁等の横架構造部材の外周壁部側に形成した際や、該
接合具が接合具挿入部に斜めに挿入された際等に、該接
合具の先端部により桁等の横架構造部材内が押し広げら
れて横架構造部材の外周壁面（表面）のラミナの積層が
剥がれ浮き上がったり表面に割れが発生するのを防止で
きる。 （２）接合具の先端部の最大外径が胴部の外径より小径
に形成されているので、先端部が桁等の横架構造部材を
押し広げる力を小さくすることができ、横架構造部材が
集成材からなる場合にも、該接合具による接合時に横架
構造部材の外周壁面に割れが発生するのを防止できる。 （３）接合具の先端部を胴部に着脱自在に形成した場
合、柱、梁、桁等の材質等に応じて先端部のみを交換す
ることができ、該接合具の使用性や汎用性を向上でき
る。
【００７５】
【発明の効果】以上のように本発明における接合具によ
れば、以下の優れた効果を実現できる。請求項１に記載
の発明によれば、 （１）木材間や集成材間若しくは木材と集成材同士、又
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する柱、梁、桁等の部材に接合具を挿入する
挿入部を形成して接合具を挿入部に挿入し、接合具の先
端部を挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各部材
同士を接合することができ、簡単な装置で部材同士の接
合が容易にできる。 （２）接合具の長手方向に中空部を備えているとともに
中空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を備えてい
るため、注入口から中空部に接着剤を注入することによ
り吐出口から接合具の外周面及び接合具が挿入された
柱、梁、桁等の部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填す
ることができ、部材同士を容易に緊結でき接合作業性に
優れるとともに、接着剤で部材同士を緊結できるため、
高い接合力を得ることができ剛接合できる。 （３）複数の接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部等の外径を小さくすることができ、部材の
断面欠損を減少させ部材の強度低下を防止でき、柱、
梁、桁等の剛性を向上できる。 （４）柱、梁、桁等の部材に形成された接合具を挿入す
る挿入部に金属製等の高強度部材からなる接合具が接着
剤で埋設固定されるため、高剪断，高張力の剛接合を維
持でき接合強度に優れる。 （５）柱、梁、桁等の部材同士をコの字状の箱金物やフ
ック状の金物等の接合金具で接合した後に各部材に挿入
部を形成して該接合具を挿入するとともに、挿入部の底
部に接合具の先端部を打設又は螺着し、接合具の中空部
に接着剤を注入して部材同士を緊結固定することがで
き、接合金具を用いて部材同士の仮固定ができ部材同士
を正確に接合でき部材同士の当接面を密着させ接着剤の
漏れを防止でき、また、接合金具の接合強度を有してい
るため該接合具の小型化が図れるとともに、該接合具で
部材の伸縮を吸収し接合金具のガタつきを防止でき、部
材同士の剪断，張力等の接合強度を著しく向上させるこ
とができ接合強度に優れる。 （６）柱、梁、桁等の部材に接合具を挿入する挿入部を
形成するだけで該接合具を挿入して部材同士を固定でき
るため、コの字状の箱金物やフック状の金物等の接合金
具で構造部材を接合している既存建屋にも該接合具を挿
入し部材を接合することができ、既存建屋の耐震補強や
耐震性等に優れた増築もでき該接合具の汎用性に優れ
る。 （７）先端部に螺子状部を有している場合、該接合具を
部材の挿入部に挿入して挿入部の底部に先端部をねじ込
むことができるため、柱、梁、桁等の部材同士の当接面
を密着させることができ、部材同士の当接面から接着剤
が漏れるのを防止でき、部材同士の接合に接合金具を用
いない場合でも、部材同士を確実に密着して接合でき接
合精度に優れる。 （８）接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌
した場合、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接
合具の吐出口から吐出される接着剤を、接合具の外周面
及び接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状
部材に沿って略均等に充填することができ、部材同士を
確実に緊結でき接合力の信頼性に優れるとともに、接着
剤のショートパスを防ぎ充填ムラが生じるのを防ぐこと
ができ、粘度の大きい接着剤を容易に使用でき施工作業
性に優れる。 （９）接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、
接着剤で螺旋状部材が埋設され補強材としての役割を果
たし、部材同士の接合部の剪断，引張り応力等を向上さ
せ耐久性を向上でき安全性に優れる。 （１０）胴部の外径より大きくかつ頭部の外径と同一若
しくは小さい外径で形成された首部を備えた場合、接合
具を挿入した部材の挿入部と接合具の胴部の間に略均一
な隙間を確保することができ、胴部に形成された吐出口
から吐出される接着剤を胴部の外周面と胴部が挿入され
た挿入部の周壁間の隙間に略均等に充填することができ
部材同士を確実に緊結でき接合力の信頼性に優れる。 （１１）特に、首部の外径を接合具を挿入する挿入部と
略同一にした場合、胴部の外周面と挿入部の周壁間に充
填された接着剤が頭部側から溢れ出るのを防止でき接合
作業性を向上できる。
れば、以下の優れた効果を実現できる。請求項１に記載
の発明によれば、 （１）木材間や集成材間若しくは木材と集成材同士、又
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する柱、梁、桁等の部材に接合具を挿入する
挿入部を形成して接合具を挿入部に挿入し、接合具の先
端部を挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各部材
同士を接合することができ、簡単な装置で部材同士の接
合が容易にできる。 （２）接合具の長手方向に中空部を備えているとともに
中空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を備えてい
るため、注入口から中空部に接着剤を注入することによ
り吐出口から接合具の外周面及び接合具が挿入された
柱、梁、桁等の部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填す
ることができ、部材同士を容易に緊結でき接合作業性に
優れるとともに、接着剤で部材同士を緊結できるため、
高い接合力を得ることができ剛接合できる。 （３）複数の接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部等の外径を小さくすることができ、部材の
断面欠損を減少させ部材の強度低下を防止でき、柱、
梁、桁等の剛性を向上できる。 （４）柱、梁、桁等の部材に形成された接合具を挿入す
る挿入部に金属製等の高強度部材からなる接合具が接着
剤で埋設固定されるため、高剪断，高張力の剛接合を維
持でき接合強度に優れる。 （５）柱、梁、桁等の部材同士をコの字状の箱金物やフ
ック状の金物等の接合金具で接合した後に各部材に挿入
部を形成して該接合具を挿入するとともに、挿入部の底
部に接合具の先端部を打設又は螺着し、接合具の中空部
に接着剤を注入して部材同士を緊結固定することがで
き、接合金具を用いて部材同士の仮固定ができ部材同士
を正確に接合でき部材同士の当接面を密着させ接着剤の
漏れを防止でき、また、接合金具の接合強度を有してい
るため該接合具の小型化が図れるとともに、該接合具で
部材の伸縮を吸収し接合金具のガタつきを防止でき、部
材同士の剪断，張力等の接合強度を著しく向上させるこ
とができ接合強度に優れる。 （６）柱、梁、桁等の部材に接合具を挿入する挿入部を
形成するだけで該接合具を挿入して部材同士を固定でき
るため、コの字状の箱金物やフック状の金物等の接合金
具で構造部材を接合している既存建屋にも該接合具を挿
入し部材を接合することができ、既存建屋の耐震補強や
耐震性等に優れた増築もでき該接合具の汎用性に優れ
る。 （７）先端部に螺子状部を有している場合、該接合具を
部材の挿入部に挿入して挿入部の底部に先端部をねじ込
むことができるため、柱、梁、桁等の部材同士の当接面
を密着させることができ、部材同士の当接面から接着剤
が漏れるのを防止でき、部材同士の接合に接合金具を用
いない場合でも、部材同士を確実に密着して接合でき接
合精度に優れる。 （８）接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌
した場合、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接
合具の吐出口から吐出される接着剤を、接合具の外周面
及び接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状
部材に沿って略均等に充填することができ、部材同士を
確実に緊結でき接合力の信頼性に優れるとともに、接着
剤のショートパスを防ぎ充填ムラが生じるのを防ぐこと
ができ、粘度の大きい接着剤を容易に使用でき施工作業
性に優れる。 （９）接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、
接着剤で螺旋状部材が埋設され補強材としての役割を果
たし、部材同士の接合部の剪断，引張り応力等を向上さ
せ耐久性を向上でき安全性に優れる。 （１０）胴部の外径より大きくかつ頭部の外径と同一若
しくは小さい外径で形成された首部を備えた場合、接合
具を挿入した部材の挿入部と接合具の胴部の間に略均一
な隙間を確保することができ、胴部に形成された吐出口
から吐出される接着剤を胴部の外周面と胴部が挿入され
た挿入部の周壁間の隙間に略均等に充填することができ
部材同士を確実に緊結でき接合力の信頼性に優れる。 （１１）特に、首部の外径を接合具を挿入する挿入部と
略同一にした場合、胴部の外周面と挿入部の周壁間に充
填された接着剤が頭部側から溢れ出るのを防止でき接合
作業性を向上できる。
【００７６】請求項２に記載の発明によれば、請求項１
の効果に加えて、 （１２）接合具の先端部の最大外径が、胴部の外径より
小さく形成されているので、該接合具を挿入する挿入部
を部材の表面側に形成した際や、該接合具が部材の挿入
部に斜めに挿入された際に、該接合具の先端部により部
材の表面に割れ等が発生するのを防止でき、部材の強度
を低下させることなく該接合具で部材同士を接合でき
る。 （１３）先端部が胴部より細く形成されているので、該
接合具を集成材に打設又は螺着した際に、先端部が部材
を押し広げる力を小さくすることができ、ラミナと呼ば
れる薄い単板を張り重ねて製造された集成材を該接合具
で接合する場合にも、集成材表面のラミナが剥がれた
り、部分的に浮き上がったり、割れたりするのを防止で
き、該接合具を種々の部材に使用することができ、該接
合具の汎用性を向上できる。 （１４）先端部を胴部に着脱自在に突設した場合、該接
合具で接合する部材や部材の材質等に応じて先端部のみ
を交換することができ、該接合具の利便性や汎用性を向
上できる。
の効果に加えて、 （１２）接合具の先端部の最大外径が、胴部の外径より
小さく形成されているので、該接合具を挿入する挿入部
を部材の表面側に形成した際や、該接合具が部材の挿入
部に斜めに挿入された際に、該接合具の先端部により部
材の表面に割れ等が発生するのを防止でき、部材の強度
を低下させることなく該接合具で部材同士を接合でき
る。 （１３）先端部が胴部より細く形成されているので、該
接合具を集成材に打設又は螺着した際に、先端部が部材
を押し広げる力を小さくすることができ、ラミナと呼ば
れる薄い単板を張り重ねて製造された集成材を該接合具
で接合する場合にも、集成材表面のラミナが剥がれた
り、部分的に浮き上がったり、割れたりするのを防止で
き、該接合具を種々の部材に使用することができ、該接
合具の汎用性を向上できる。 （１４）先端部を胴部に着脱自在に突設した場合、該接
合具で接合する部材や部材の材質等に応じて先端部のみ
を交換することができ、該接合具の利便性や汎用性を向
上できる。
【００７７】請求項３に記載の発明によれば、請求項１
又は２の効果に加えて、 （１５）接合具の胴部が、頭部側胴部材と中間部胴部材
と先端部側胴部材とを備えているため、柱、梁、桁等の
各部材を各接合部で接合して連結することにより、該接
合具を形成できるとともに、接合する中間部胴部材の数
により該接合具の長さを任意に変更することができ、汎
用性に優れる。 （１６）特に、先端部側に吐出口を形成する場合、頭部
側胴部材，中間部胴部材，先端部側胴部材の各々に各単
位中空部を形成して先端部側胴部材の単位中空部に連通
した吐出口を形成することができ、該接合具の中空部を
単位中空部毎に形成することができ、中空部を容易に形
成することができ該接合具の生産性を向上できる。
又は２の効果に加えて、 （１５）接合具の胴部が、頭部側胴部材と中間部胴部材
と先端部側胴部材とを備えているため、柱、梁、桁等の
各部材を各接合部で接合して連結することにより、該接
合具を形成できるとともに、接合する中間部胴部材の数
により該接合具の長さを任意に変更することができ、汎
用性に優れる。 （１６）特に、先端部側に吐出口を形成する場合、頭部
側胴部材，中間部胴部材，先端部側胴部材の各々に各単
位中空部を形成して先端部側胴部材の単位中空部に連通
した吐出口を形成することができ、該接合具の中空部を
単位中空部毎に形成することができ、中空部を容易に形
成することができ該接合具の生産性を向上できる。
【００７８】請求項４に記載の発明によれば、請求項１
乃至３の効果に加えて、 （１７）注入口に嵌合される突起部を有した封止体を備
えているため、注入口から中空部へ接着剤を注入した
後、注入口に突起部を嵌合して注入口を封止することが
でき、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時間を要す接
着剤を使用した場合でも、注入口から接着剤が漏れるの
を確実に防止できるともに、接合具の頭部の外観を向上
できる。
乃至３の効果に加えて、 （１７）注入口に嵌合される突起部を有した封止体を備
えているため、注入口から中空部へ接着剤を注入した
後、注入口に突起部を嵌合して注入口を封止することが
でき、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時間を要す接
着剤を使用した場合でも、注入口から接着剤が漏れるの
を確実に防止できるともに、接合具の頭部の外観を向上
できる。
【００７９】以上のように本発明における接合具を用い
た柱、梁、桁等の接合装置によれば、以下の優れた効果
を実現できる。請求項５に記載の発明によれば、 （１８）柱、梁、桁等に形成された接合具挿入部に接合
具を挿入するとともに、接合具の先端部を接合具挿入部
の底部に打設又は螺着することにより、柱、梁、桁等の
構造部材同士を容易に接合することができ接合作業性に
優れる。 （１９）接合具の中空部に接着剤を注入することによ
り、接合具の吐出口から接着剤を吐出して接合具の外周
面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、
桁等の構造部材同士を確実に緊結固定することができ
る。 （２０）機械的強度が著しく高い接合具を柱、梁、桁等
の各構造部材に埋設して構造部材同士を緊結しているた
め、木材の伸縮を接着剤で吸収することができ柱、梁、
桁等の構造部材間のガタが生じ難いとともに、構造部材
の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵抗力を向上で
き、建築物の剛性に優れる。 （２１）接合具が柱、梁、桁等に埋設されているととも
に、接合具の外周面が接着剤で被覆されているため、接
合具が酸化等するのを防止でき接合具の耐久性を向上で
き接合具の安全性に優れる。 （２２）接合具を柱、梁、桁等に打設又は螺着して柱、
梁、桁等の構造部材同士を接合し、更に、接合具の外周
面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材
同士を緊結しているため、柱、梁、桁等の構造部材同士
を剛接合することができ接合強度に優れる。 （２３）一階に車庫等の大口の間口を設けることが従来
の軸組工法による木造建築では困難であったが、接合部
が接合具と接着剤で強固に接合されたラーメン構造とな
るので、建築物の間口（スパン）を著しく広げることが
でき、筋交いや耐力壁を要さず、柱のない車庫や店舗の
形成ができ、特に、１階に車庫を有し車庫の上方に部屋
等を有した３階建て住宅の建設時に、本発明における
柱、梁、桁等の接合構造により柱のない大口の間口を高
い安全率で形成することができ、従来のように１階だけ
を鉄筋構造にする必要もなく、建築作業性の向上や工期
の短縮ができる。 （２４）接合具を柱、梁、桁等の当接面に対して所定の
傾斜角度を有して挿入した場合、鉛直荷重に対する変形
に耐えることができ、柱、梁、桁等の構造部材同士の剛
性をより向上でき、建築物の強度を著しく向上できる。 （２５）柱、梁、桁等の構造部材間でクロス状になるよ
うに接合具挿入部を形成した場合、接合具を挿入するだ
けで構造部材同士を保持でき、更に、接合具を固定し接
着剤を注入することにより、極めて機械的強度に優れた
接合ができる。
た柱、梁、桁等の接合装置によれば、以下の優れた効果
を実現できる。請求項５に記載の発明によれば、 （１８）柱、梁、桁等に形成された接合具挿入部に接合
具を挿入するとともに、接合具の先端部を接合具挿入部
の底部に打設又は螺着することにより、柱、梁、桁等の
構造部材同士を容易に接合することができ接合作業性に
優れる。 （１９）接合具の中空部に接着剤を注入することによ
り、接合具の吐出口から接着剤を吐出して接合具の外周
面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して柱、梁、
桁等の構造部材同士を確実に緊結固定することができ
る。 （２０）機械的強度が著しく高い接合具を柱、梁、桁等
の各構造部材に埋設して構造部材同士を緊結しているた
め、木材の伸縮を接着剤で吸収することができ柱、梁、
桁等の構造部材間のガタが生じ難いとともに、構造部材
の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する抵抗力を向上で
き、建築物の剛性に優れる。 （２１）接合具が柱、梁、桁等に埋設されているととも
に、接合具の外周面が接着剤で被覆されているため、接
合具が酸化等するのを防止でき接合具の耐久性を向上で
き接合具の安全性に優れる。 （２２）接合具を柱、梁、桁等に打設又は螺着して柱、
梁、桁等の構造部材同士を接合し、更に、接合具の外周
面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材
同士を緊結しているため、柱、梁、桁等の構造部材同士
を剛接合することができ接合強度に優れる。 （２３）一階に車庫等の大口の間口を設けることが従来
の軸組工法による木造建築では困難であったが、接合部
が接合具と接着剤で強固に接合されたラーメン構造とな
るので、建築物の間口（スパン）を著しく広げることが
でき、筋交いや耐力壁を要さず、柱のない車庫や店舗の
形成ができ、特に、１階に車庫を有し車庫の上方に部屋
等を有した３階建て住宅の建設時に、本発明における
柱、梁、桁等の接合構造により柱のない大口の間口を高
い安全率で形成することができ、従来のように１階だけ
を鉄筋構造にする必要もなく、建築作業性の向上や工期
の短縮ができる。 （２４）接合具を柱、梁、桁等の当接面に対して所定の
傾斜角度を有して挿入した場合、鉛直荷重に対する変形
に耐えることができ、柱、梁、桁等の構造部材同士の剛
性をより向上でき、建築物の強度を著しく向上できる。 （２５）柱、梁、桁等の構造部材間でクロス状になるよ
うに接合具挿入部を形成した場合、接合具を挿入するだ
けで構造部材同士を保持でき、更に、接合具を固定し接
着剤を注入することにより、極めて機械的強度に優れた
接合ができる。
【００８０】請求項６に記載の発明によれば、請求項５
の効果に加えて、 （２６）柱、梁、桁等に接合具挿入部に連通して穿孔さ
れた空気抜き部を備えているため、柱、梁、桁等の種類
にもよるが、接合具の中空部に接着剤を注入する際に、
中空部内や接合具挿入部内の空気が空気抜き部から排出
されて接着剤がスムーズに接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に充填でき施工作業性に優れる。 （２７）接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出
るのを確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間に接着剤が十分満たされたことを確認でき、確
実に接着剤を充填でき接着剤による柱、梁、桁等の緊結
固定の信頼性に優れる。
の効果に加えて、 （２６）柱、梁、桁等に接合具挿入部に連通して穿孔さ
れた空気抜き部を備えているため、柱、梁、桁等の種類
にもよるが、接合具の中空部に接着剤を注入する際に、
中空部内や接合具挿入部内の空気が空気抜き部から排出
されて接着剤がスムーズに接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に充填でき施工作業性に優れる。 （２７）接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出
るのを確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間に接着剤が十分満たされたことを確認でき、確
実に接着剤を充填でき接着剤による柱、梁、桁等の緊結
固定の信頼性に優れる。
【００８１】請求項７に記載の発明によれば、請求項５
又は６の効果に加えて、 （２８）接合具挿入部の開口部に穿設された接合具挿入
部と直交する座部を有しているため、接合具の頭部が
柱、梁、桁等の表面から大きく突出することを防止でき
外観を向上できるとともに、接合具挿入部の開口側に埋
設材を埋設することにより、接合具の頭部が露出するの
を防止でき、火災時等に柱、梁、桁等の炭化皮膜により
接合具を火災の高温から守ることができ安全性に優れ、
また、接合具を介して外部の熱が柱、梁、桁等の内部に
伝わるのを防止でき安全性に優れる。 （２９）埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にす
ることにより、柱、梁、桁等の外観を向上できる。
又は６の効果に加えて、 （２８）接合具挿入部の開口部に穿設された接合具挿入
部と直交する座部を有しているため、接合具の頭部が
柱、梁、桁等の表面から大きく突出することを防止でき
外観を向上できるとともに、接合具挿入部の開口側に埋
設材を埋設することにより、接合具の頭部が露出するの
を防止でき、火災時等に柱、梁、桁等の炭化皮膜により
接合具を火災の高温から守ることができ安全性に優れ、
また、接合具を介して外部の熱が柱、梁、桁等の内部に
伝わるのを防止でき安全性に優れる。 （２９）埋設材を柱、梁、桁等の外周壁面と略面一にす
ることにより、柱、梁、桁等の外観を向上できる。
【００８２】請求項８に記載の発明によれば、請求項５
乃至７の効果に加えて、 （３０）接合金具の固定部を一方の柱、梁、桁等の構造
部材の当接面に固定するとともに、立壁部に形成された
係合部に他方の構造部材を係合することにより、構造部
材同士を接合することができ、接合具による構造部材の
接合時に柱、梁、桁等の構造部材を正確に接合でき接合
精度に優れるとともに、接合作業性に優れる。 （３１）接合金具で柱、梁、桁等の構造部材同士の仮固
定ができるとともに、構造部材同士の当接面を略密着で
きるため、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接
着剤を充填した際に、当接面から接着剤が漏れるのを防
止でき接合作業性に優れる。 （３２）接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材
を緊結固定できるため、接合金具で接合具への集中力を
分散させることができ該接合具の小型化が図れるととも
に、該接合具で柱、梁、桁等の伸縮を吸収して接合金具
のガタつきを防止でき、接合金具と接合具で柱、梁、桁
等の構造部材同士の剪断，張力等の接合強度を著しく向
上させることができ接合強度に優れ、筋交いや耐力壁を
使用せずに柱のない車庫や店舗等の建築物の間口（スパ
ン）を著しく広げることができ、特に、１階に車庫を有
し車庫の上方に部屋等を有した３階建て住宅の建設時に
も、高い安全率で大口の間口を形成することができ、従
来のように１階だけを鉄筋構造にする必要もなく、建築
作業性の向上や工期の短縮ができる。
乃至７の効果に加えて、 （３０）接合金具の固定部を一方の柱、梁、桁等の構造
部材の当接面に固定するとともに、立壁部に形成された
係合部に他方の構造部材を係合することにより、構造部
材同士を接合することができ、接合具による構造部材の
接合時に柱、梁、桁等の構造部材を正確に接合でき接合
精度に優れるとともに、接合作業性に優れる。 （３１）接合金具で柱、梁、桁等の構造部材同士の仮固
定ができるとともに、構造部材同士の当接面を略密着で
きるため、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接
着剤を充填した際に、当接面から接着剤が漏れるのを防
止でき接合作業性に優れる。 （３２）接合金具と接合具で柱、梁、桁等の各構造部材
を緊結固定できるため、接合金具で接合具への集中力を
分散させることができ該接合具の小型化が図れるととも
に、該接合具で柱、梁、桁等の伸縮を吸収して接合金具
のガタつきを防止でき、接合金具と接合具で柱、梁、桁
等の構造部材同士の剪断，張力等の接合強度を著しく向
上させることができ接合強度に優れ、筋交いや耐力壁を
使用せずに柱のない車庫や店舗等の建築物の間口（スパ
ン）を著しく広げることができ、特に、１階に車庫を有
し車庫の上方に部屋等を有した３階建て住宅の建設時に
も、高い安全率で大口の間口を形成することができ、従
来のように１階だけを鉄筋構造にする必要もなく、建築
作業性の向上や工期の短縮ができる。
【００８３】請求項９に記載の発明によれば、請求項５
乃至７の効果に加えて、 （３３）引寄せ金具を回動することにより、柱、梁、桁
等の構造部材同士を密接に当接面で当接することがで
き、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を注入
した際に当接面から接着剤が漏れるのを確実に防止でき
るとともに、柱、梁、桁等の構造部材同士を密接して接
合でき接合精度に優れる。
乃至７の効果に加えて、 （３３）引寄せ金具を回動することにより、柱、梁、桁
等の構造部材同士を密接に当接面で当接することがで
き、接合具挿入部に挿入固定した接合具に接着剤を注入
した際に当接面から接着剤が漏れるのを確実に防止でき
るとともに、柱、梁、桁等の構造部材同士を密接して接
合でき接合精度に優れる。
【００８４】以上のように本発明における接合具を用い
た柱、梁、桁等の接合方法によれば、以下の優れた効果
を実現できる。請求項１０に記載の発明によれば、 （３４）柱、梁、桁等の構造部材に接合具挿入部を形成
し、接合具挿入部に接合具を挿入して接合具の先端部を
接合具挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各構造
部材を固定することができ、接合作業性に優れる。 （３５）柱、梁、桁等の構造部材を順に組み立てること
ができ、建設現場で直接各構造部材を接合することがで
き、工場や他の場所で組上げる必要がないとともに、く
み上げた構造部材を運搬する手間を省くことができ、建
築にかかる工程を著しく削減でき、工期を短縮できる。 （３６）接合具の中空部に接着剤を注入するだけで柱、
梁、桁等の各構造部材を確実に緊結固定でき柱、梁、桁
等構造部材の接合作業性や信頼性に優れる。
た柱、梁、桁等の接合方法によれば、以下の優れた効果
を実現できる。請求項１０に記載の発明によれば、 （３４）柱、梁、桁等の構造部材に接合具挿入部を形成
し、接合具挿入部に接合具を挿入して接合具の先端部を
接合具挿入部の底部に打設又は螺着するだけで、各構造
部材を固定することができ、接合作業性に優れる。 （３５）柱、梁、桁等の構造部材を順に組み立てること
ができ、建設現場で直接各構造部材を接合することがで
き、工場や他の場所で組上げる必要がないとともに、く
み上げた構造部材を運搬する手間を省くことができ、建
築にかかる工程を著しく削減でき、工期を短縮できる。 （３６）接合具の中空部に接着剤を注入するだけで柱、
梁、桁等の各構造部材を確実に緊結固定でき柱、梁、桁
等構造部材の接合作業性や信頼性に優れる。
【００８５】請求項１１に記載の発明によれば、請求項
１０の効果に加えて、 （３７）一方の柱、梁、桁等の構造部材の当接面に接合
金具を固定し他方の構造部材を接合金具に係合するだけ
で構造部材同士を接合して仮固定することができ、仮固
定後に接合具で構造部材同士を緊結固定でき、他部所の
構造部材の接合作業性や他部所の接合部との調節等の整
合作業性に優れるとともに、柱、梁、桁等を順に組み立
てることができ組立作業性に優れ、また、建築物全体の
組立精度に優れる。 （３８）柱、梁、桁等の各構造部材を正確に接合させる
ことができ、また、接合金具と接合具で柱、梁、桁等の
各構造部材の接合時の剪断，張力等の接合強度に優れ
る。
１０の効果に加えて、 （３７）一方の柱、梁、桁等の構造部材の当接面に接合
金具を固定し他方の構造部材を接合金具に係合するだけ
で構造部材同士を接合して仮固定することができ、仮固
定後に接合具で構造部材同士を緊結固定でき、他部所の
構造部材の接合作業性や他部所の接合部との調節等の整
合作業性に優れるとともに、柱、梁、桁等を順に組み立
てることができ組立作業性に優れ、また、建築物全体の
組立精度に優れる。 （３８）柱、梁、桁等の各構造部材を正確に接合させる
ことができ、また、接合金具と接合具で柱、梁、桁等の
各構造部材の接合時の剪断，張力等の接合強度に優れ
る。
【００８６】請求項１２に記載の発明によれば、請求項
１０の効果に加えて、 （３９）柱、梁、桁等の構造部材同士を当接面で確実に
密接に当接することができ、接合具挿入部に挿入固定し
た接合具に接着剤を注入した際に、当接面から接着剤が
漏れるのを確実に防止できるとともに、柱、梁、桁等の
構造部材同士を確実に密着でき接合精度に優れる。
１０の効果に加えて、 （３９）柱、梁、桁等の構造部材同士を当接面で確実に
密接に当接することができ、接合具挿入部に挿入固定し
た接合具に接着剤を注入した際に、当接面から接着剤が
漏れるのを確実に防止できるとともに、柱、梁、桁等の
構造部材同士を確実に密着でき接合精度に優れる。
【図１】（ａ）実施の形態１における接合具の全体斜視
図 （ｂ）実施の形態２における先端部に螺子状部を有した
接合具の全体斜視図
図 （ｂ）実施の形態２における先端部に螺子状部を有した
接合具の全体斜視図
【図２】実施の形態３における柱、梁、桁等の構造部材
間の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
間の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
【図３】実施の形態３における柱、梁、桁等の構造部材
間の仕口の接合装置を示す要部平面断面図
間の仕口の接合装置を示す要部平面断面図
【図４】（ａ）実施の形態４における先端部に螺子状部
を有した接合具の全体斜視図 （ｂ）実施の形態５における分割式の接合具の要部分解
全体斜視図
を有した接合具の全体斜視図 （ｂ）実施の形態５における分割式の接合具の要部分解
全体斜視図
【図５】実施の形態６における抱き柱の構造部材の接合
装置を示す要部側面断面図
装置を示す要部側面断面図
【図６】実施の形態７における接合具の全体斜視図
【図７】実施の形態８における土台の柱、梁、桁等の接
合装置を示す要部側面断面図
合装置を示す要部側面断面図
【図８】実施の形態９における柱、梁、桁等の継手接合
装置を示す要部側面断面図
装置を示す要部側面断面図
【図９】実施の形態６における柱、梁、桁等の継手接合
装置を示す要部平面断面図
装置を示す要部平面断面図
【図１０】（ａ）実施の形態１０における先端部に螺子
状部を有した接合具の全体斜視図 （ｂ）実施の形態１１における先端部が螺子状部を有し
た接合具の全体斜視図
状部を有した接合具の全体斜視図 （ｂ）実施の形態１１における先端部が螺子状部を有し
た接合具の全体斜視図
【図１１】実施の形態１２における構造部材である登り
梁と柱の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
梁と柱の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
【図１２】実施の形態１３における構造部材である登り
梁と柱の仕口の他の接合装置を示す要部側面断面図
梁と柱の仕口の他の接合装置を示す要部側面断面図
【図１３】（ａ）実施の形態１４における接合具の全体
斜視図 （ｂ）実施の形態１５における接合具の要部断面全体斜
視図
斜視図 （ｂ）実施の形態１５における接合具の要部断面全体斜
視図
【図１４】実施の形態１６における柱、梁、桁等の構造
部材間の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
部材間の仕口の接合装置を示す要部側面断面図
【図１５】（ａ）３階建て住宅の１階平面図 （ｂ）３階建て住宅の２階平面図 （ｃ）３階建て住宅の３階平面図
１，９，２０，２２，４０，６０，６２，８０，８２
接合具 ２，２６ 胴部 ３，３′，８１，８３ 先端部 ３ａ，８１ａ 尖鋭端部 ４ 首部 ５，２１，４１，６１ 頭部 ５ａ，４１ａ，６１ａ 端面 ５ｂ，６１ｂ 締付部 ６，６′ 中空部 ６ａ，６ｂ，６ｃ 単位中空部 ７ 注入口 ８，８′吐出口 １０，６３ 縦構造部材 １０ａ 凹部 １１，１１′，５０Ａ，５０Ｂ 横架構造部材 １１ａ 係合ボルト １１ｂ，５０ａ 切欠部 １２，１０′，４２，６４ａ，６４ｂ 構造部材 １３ａ，１３ｂ，２７ａ，２７ｂ，２７ｃ，４３，５１
ａ，５１ｂ，６５ａ，６５ｂ 当接面 １４，５４ 接合金具 １４ａ，５４ａ 固定部 １４ｂ，５４ｂ 立壁部 １４ｃ，５４ｃ 係合部 １４ｄ ボルト・ナット １５，１６，２８，２９，４４，５２ａ，５２ｂ，６
６，６７，６９，７０接合具挿入部 １５ａ，１６ａ，２８ａ，２９ａ，４４ａ，５２ｃ，６
６ａ，６７ａ，６９ａ，７０ａ 底部 １７，３０ａ，３０ｂ，４５，５３ａ，５３ｂ，６８
ａ，６８ｂ，６８ｃ 空気抜き部 ２３ 頭部側胴部材 ２３ａ，２５ａ 接合部 ２４ 中間部胴部材 ２４ａ，２４ｂ 胴接合部 ２５ 先端部側胴部材 ３１ 螺旋状部材 ４６ 座部 ４７ 埋設材（封止体） ４７ａ 突起部 ５５ 引寄せ金具 ５５ａ 操作部 ５５ｂ 回動部 ５５ｃ ドリフトピン挿入孔 ５６ ドリフトピン ８３ａ 雄螺子部 ８４ 雌螺子部 ９０ａ，９０ｂ 柱 ９１ 耐力壁 ９２ 車庫 ９２ａ 間口
接合具 ２，２６ 胴部 ３，３′，８１，８３ 先端部 ３ａ，８１ａ 尖鋭端部 ４ 首部 ５，２１，４１，６１ 頭部 ５ａ，４１ａ，６１ａ 端面 ５ｂ，６１ｂ 締付部 ６，６′ 中空部 ６ａ，６ｂ，６ｃ 単位中空部 ７ 注入口 ８，８′吐出口 １０，６３ 縦構造部材 １０ａ 凹部 １１，１１′，５０Ａ，５０Ｂ 横架構造部材 １１ａ 係合ボルト １１ｂ，５０ａ 切欠部 １２，１０′，４２，６４ａ，６４ｂ 構造部材 １３ａ，１３ｂ，２７ａ，２７ｂ，２７ｃ，４３，５１
ａ，５１ｂ，６５ａ，６５ｂ 当接面 １４，５４ 接合金具 １４ａ，５４ａ 固定部 １４ｂ，５４ｂ 立壁部 １４ｃ，５４ｃ 係合部 １４ｄ ボルト・ナット １５，１６，２８，２９，４４，５２ａ，５２ｂ，６
６，６７，６９，７０接合具挿入部 １５ａ，１６ａ，２８ａ，２９ａ，４４ａ，５２ｃ，６
６ａ，６７ａ，６９ａ，７０ａ 底部 １７，３０ａ，３０ｂ，４５，５３ａ，５３ｂ，６８
ａ，６８ｂ，６８ｃ 空気抜き部 ２３ 頭部側胴部材 ２３ａ，２５ａ 接合部 ２４ 中間部胴部材 ２４ａ，２４ｂ 胴接合部 ２５ 先端部側胴部材 ３１ 螺旋状部材 ４６ 座部 ４７ 埋設材（封止体） ４７ａ 突起部 ５５ 引寄せ金具 ５５ａ 操作部 ５５ｂ 回動部 ５５ｃ ドリフトピン挿入孔 ５６ ドリフトピン ８３ａ 雄螺子部 ８４ 雌螺子部 ９０ａ，９０ｂ 柱 ９１ 耐力壁 ９２ 車庫 ９２ａ 間口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−306960（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−331919（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−299612（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−306959（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−322839（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−127139（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−127140（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−166610（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−197541（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−266363（ＪＰ，Ａ) 実開 昭51−77460（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−132909（ＪＰ，Ｕ) 特公 平５−45734（ＪＰ，Ｂ２) 実公 平８−8161（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭62−23951（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭39−28934（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭29−16649（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭49−42807（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04B 1/48 E04B 1/58 501 F16B 35/04 F16B 39/02
Claims (12)
- 【請求項１】 ａ．棒状の胴部と、ｂ．前記胴部の一端
に形成された尖鋭状若しくはその表面に螺子状部を有し
た先端部と、ｃ．前記胴部の他端に形成され端面に膨出
面や平面等からなる打込部若しくは＋状，−状，六角形
状等の切削部や突起部を備えた膨出状や平面状，ナット
状，逆台錐状等からなる締付部を有した頭部と、ｄ．前
記胴部の略軸心の長手方向に形成された中空部と、ｅ．
前記頭部の前記端面から前記中空部に連通した接着剤の
注入口と、ｆ．前記胴部の外周面から前記中空部に連通
して穿設された１乃至複数の接着剤の吐出口と、ｇ．前
記胴部に外嵌されたスプリング等の螺旋状部材、及び／
又は、前記胴部の前記頭部側端部に前記胴部の外径より
大きくかつ前記頭部の外径と同一若しくは小さい外径で
形成された首部と、を備えていることを特徴とする接合
具。 - 【請求項２】 先端部が胴部の一端面に前記胴部と同軸
状に突設固定又は着脱自在に前記胴部と同軸状に突設さ
れ、前記先端部の最大外径が前記胴部の外径より小さい
ことを特徴とする請求項１に記載の接合具。 - 【請求項３】 胴部が、頭部の反対端に接合部を有した
頭部側胴部材と、両端に胴接合部を有した１又は２以上
の中間部胴部材と、先端部の反対端に接合部を有した先
端部側胴部材と、を備えていることを特徴とする請求項
１又は２に記載の接合具。 - 【請求項４】 注入口に嵌合される突起部を有した封止
体を備えていることを特徴とする請求項１乃至３の内い
ずれか１項に記載の接合具。 - 【請求項５】 請求項１乃至４の内いずれか１項に記載
された接合具と、所定の当接面で当接される柱、梁、桁
等の２以上の構造部材と、前記構造部材の外周壁部から
前記当接面に対して直交若しくは所定の傾斜角度を有し
て他の前記構造部材と連通し前記接合具の長さよりも短
い深さで穿孔された１以上の接合具挿入部と、前記接合
具の中空部に注入されて前記接合具の吐出口から吐出さ
れ前記接合具の外周面と前記接合具挿入部の周壁間に充
填される接着剤と、を備えていることを特徴とする柱、
梁、桁等の接合装置。 - 【請求項６】 当接される柱、梁、桁等の構造部材間の
内いずれか１の前記構造部材の外周壁部から接合具挿入
部に連通して穿孔された１乃至複数の空気抜き部を備え
ていることを特徴とする請求項５に記載の柱、梁、桁等
の接合装置。 - 【請求項７】 接合具挿入部の開口部に穿設され前記接
合具挿入部と直交する１以上の座部を有し、前記座部の
開口側を埋設し表面が柱、梁、桁等の外周壁面と略面一
に形成された埋設材を備えていることを特徴とする請求
項５又は６に記載の柱、梁、桁等の接合装置。 - 【請求項８】 当接される柱、梁、桁等の構造部材間の
内いずれか一方の前記構造部材の当接面に固定又は前記
当接面に平行若しくは直角に固定された固定部と、前記
固定部に立設又は延設された１乃至複数の立壁部と、前
記立壁部に形成され当接される他方の前記構造部材が係
合された係合部と、を有した接合金具を備えていること
を特徴とする請求項５乃至７の内いずれか１項に記載の
柱、梁、桁等の接合装置。 - 【請求項９】 当接される柱、梁、桁等の構造部材間の
内いずれか一方の前記構造部材の当接面に固定された固
定部と、前記固定部に立設された１乃至複数の立壁部
と、他方の前記構造部材に回動自在に軸支された引寄せ
金具と、前記立壁部に形成され前記引寄せ金具が回動自
在に係合される係合部と、を有した接合金具を備えてい
ることを特徴とする請求項５乃至７の内いずれか１項に
記載の柱、梁、桁等の接合装置。 - 【請求項１０】 所定の当接面で当接される柱、梁、桁
等の２以上の構造部材に、請求項１乃至４の内いずれか
１項に記載された接合具が挿入される接合具挿入部を形
成する挿入部形成工程と、前記接合具挿入部に前記接合
具を挿入し前記接合具の先端部を前記接合具挿入部の底
部に打設若しくは螺着し前記接合具を前記構造部材に固
定する固定工程と、前記接合具の中空部に接着剤を注入
して前記構造部材を緊結固定する緊結固定工程と、を備
えていることを特徴とする柱、梁、桁等の接合方法。 - 【請求項１１】 ２以上の柱、梁、桁等の構造部材の内
いずれか１の前記構造部材の当接面に、当接される柱、
梁、桁等の構造部材間の内いずれか一方の前 記構造部材
の前記当接面に固定又は前記当接面に平行若しくは直角
に固定された固定部と、前記固定部に立設又は延設され
た１乃至複数の立壁部と、前記立壁部に形成され当接さ
れる他方の前記構造部材が係合された係合部と、を有し
た接合金具を固定し、前記接合金具を介して２以上の前
記構造部材を前記当接面で当接する金具固定工程を備え
ていることを特徴とする請求項１０に記載の柱、梁、桁
等の接合方法。 - 【請求項１２】 ２以上の柱、梁、桁等の構造部材の内
いずれか１の前記構造部材の当接面に、当接される柱、
梁、桁等の構造部材間の内いずれか一方の前記構造部材
の前記当接面に固定された固定部と、前記固定部に立設
された１乃至複数の立壁部と、他方の前記構造部材に回
動自在に軸支された引寄せ金具と、前記立壁部に形成さ
れ前記引寄せ金具が回動自在に係合される係合部と、を
有した接合金具を固定し、前記引寄せ金具を回動して前
記構造部材同士を前記当接面で密接する密接工程を備え
ていることを特徴とする請求項１０に記載の柱、梁、桁
等の接合方法。
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