JP3924034B2 - 梁パネル及びその施工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木造住宅等の建築物の梁や桁に用いられる梁パネル及びその施工方法に関し、特に従来の軸組工法と枠組壁工法やパネル工法のお互いの長所を備えた在来軸組パネル工法に用いられる梁パネル及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、木造住宅等の建築物に対する要求が多様化し種々の建築工法が取り入れられるとともにそれに適応する建築部材として各種の梁や桁が開発されている。従来の建築工法としては梁や桁等の横架材と柱等の組み合わせにより応力を支える軸組工法や規格化されたパネルの組み合わせにより応力を支える枠組壁工法やパネル工法が用いられている。軸組工法においては、梁は軸組の重要な要素となりスパンに適したサイズや太さ或いは形状に木材から加工され各部にかかる応力を支持している。名称も各部ごとに付けられ2階梁、大梁、小屋梁、胴差し、軒桁、妻桁等と呼ばれる。枠組壁工法やパネル工法においては、応力は各パネルが支持するので、二階根太パネルに梁の役目を負担させ、耐力壁がずれる場合に、合わせ床施工をして使用されている。また、開口部の大きい部分ではまぐさとして使用されている。その他、種々の構成を有する梁も近年開発されている。例えば、合板ボックスビーム、木製トラスばり、Iビーム型はり等が有り、その他、実開昭63−25717号公報(以下イ号公報と呼ぶ。)には、長手方向に切設したテーパ溝を有する一対のフランジ部材に無機質板を貼着したウエブ部材のテーパー付両側端部を押し込み接着剤で固着したIビーム型トラスばりが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の梁パネルでは、以下のような問題点を有していた。
(1)軸組工法の梁では柱間の距離を長くまた開口部を広く取る場合は加わる荷重を支持するために長さとともに径の大きな木材を使用せねばならず自重により撓み量が多くなり立て付けに支障をきたす。また、梁成を大きくすると天井間にゆとりが無くなり、梁下端と天井間に排水管の勾配分のスペースが取れなくなる。さらに、寸法の大きな材料の入手が困難で、運搬、立て付け時に取扱難く施工が困難である。
(2)また、合板ボックスビーム、木製トラスばり、Iビーム型ばり等でスパンを長く取る場合は、接合部をボルトや取付梁受け金物と釘で取り付けて梁を形成するのでガタが生じ易く、また剛性が低くなり中央部に大きな撓みが発生し易い。従って、耐力壁の上部に乗せかけて使用されるが間取りが制限され2階建ての場合は2階の床に段差を生じ2階床組に使用しずらい。
(3)軸組工法の梁では壁のパネル化をはかる場合に、梁の梁成に合わせて壁パネルの寸法や形状を仕上げ各部分で個別に成形しなければならず、壁パネルの部品点数が増加し量産性に欠けるとともに、またその商品管理が困難である。また、無理に梁成の統一をすればスパンに関係なく最大の梁成で統一することとなり径の大きな木材を使用せねばならず、重量が嵩み作業性に欠けるとともに省資源性に欠ける。
(4)枠組壁工法の梁は、一般に2階の耐力壁と1階の耐力壁のずれる場合に使用されるが寸法形式208等の2〜3枚合わせで造られる。その際、釘打ちや帯金物取付の手間がかかり床梁の支持や根太掛けの方法にも同様の手間がかかり施工上或いは管理上困難を伴っていた。また、構造上の点から1階の耐力壁の上に床根太を乗せ掛け、合わせ根太の直上に2階の耐力壁を取り付ける工法が多用されることとなり画一的な田の字型の間取りプランが多くなり、設計や間取りの自在性に欠ける。
(5)枠組壁工法とパネル工法による住宅の増改築には耐力壁が取り外せない事と耐力壁と床根太枠との緊結の為に階上の床下張り材を取り外し、合わせ床梁施工をし釘打ちや帯金物等を取付て補強する必要があり増改築の施工が困難で工期が長引く。
(6)枠組壁工法の開口部には、構造耐力上まぐさを必要とし、まぐさ及びまぐさ受け施工及びまぐさ取付金物を取付けるというような複雑な施工を要求され施工に手間取り、長期間の工期を必要とする。
【0004】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、スパンを長くすることが可能で剛性及び耐力が高く、かつ、間取りを自在に設計でき増改築も簡単にできるとともに、部材を画一化し標準化が可能で量産性に優れ、また寸法の小さな間伐材も使用可能で施工性に優れた梁パネルの提供及び他のパネルを梁パネルの任意の位置に接合するだけだけで剛性及び耐力が高くまた施工が容易で工期を著しく短縮できる梁パネルの施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は以下の構成からなる。
請求項1に記載の梁パネルは、対向して配設される2以上の縦枠部材と、対向して配設された前記縦枠部材の両端部にそれぞれ架け渡された長尺の横枠部材と、前記縦枠部材及び前記横枠部材の接合面に連通して穿孔された連通孔と、前記連通孔挿着された接合用治具と、前記接合用治具内の中空部及び前記接合用治具の表面と前記連通孔内壁間に略充填された接着剤と、を有する梁用枠体と、前記梁用枠体の表面及び/又は裏面に覆設された若しくは面一に埋設された面材部と、前記梁用枠体の側面に穿孔された他の柱材や他の梁パネルや小屋パネル、壁パネル等との接合時に接合用治具を挿着し接着剤を充填する接合孔部と、を備えた構成を有している。
請求項2に記載の梁パネルは、請求項1において、前記梁用枠体の前記横枠部材と、前記横枠部材間に配設された1乃至複数の間柱部,柱部,斜交部の1以上と、前記横枠部材間と前記間柱部,前記柱部,前記斜交部との接合面の1以上に連通して穿孔された連通孔、前記連通孔挿着された接合用治具と、前記接合用治具内の中空部及び前記接合用治具の表面と前記連通孔内壁間に略充填された接着剤と、を備えた構成を有している。
請求項3に記載の梁パネルは、請求項1又は2において、前記接合用治具の枝管装着用の切削部が前記連通孔と連通して前記接合面に形成され、前記切削部に前記接着剤が略充填された構成を有している。
請求項4に記載の梁パネルは、請求項1乃至3の内いずれか1項において、前記梁用枠体の表面裏面,上面,下面のいずれか1以上に穿孔された他の柱材や他の梁パネルや小屋パネル、壁パネル等との接合時に接合用治具を挿着し接着剤を充填する接合孔部を備えた構成を有している。
請求項5に記載の梁パネルは、請求項において、前記梁用枠体の表面や裏面に穿孔された前記接合孔部が、前記面材部と前記縦枠部材や前記横枠部材、前記柱部に連通して形成されている、又は、前記面材部の周囲に形成された切欠部によって前記面材部を避けて前記縦枠部材や前記横枠部材、前記柱部に形成された構成を有している
請求項6に記載の梁パネルは、請求項1乃至の内いずれか1項において、前記面材部の表面の1面又は両面に木取部が釘や螺子,接着剤等で固定された構成を有している。
請求項7に記載の梁パネルは、請求項1乃至の内いずれか1項において、前記面材部が前記梁用枠体の側面,上面,下面の内少なくとも1面から延設して及び/又は前記梁用枠体の側面,上面,下面よりも内側に切り詰めて覆設された構成を有している。
請求項8に記載の梁パネルは、請求項1乃至の内いずれか1項において、前記面材部の前面に難燃材が塗着,注入又は固着され、及び/又はその裏面に防湿材が貼着された構成を有している。
請求項9に記載の梁パネルは、請求項1乃至の内いずれか1項において、前記梁用枠体の前記面材部の接合面に枠外と枠内を連通する小溝部が形成された構成を有している。
請求項10に記載の梁パネルは、請求項1乃至の内いずれか1項において、前記接合用治具が、断面が略円形、略楕円形又は略多角形のいずれかであって表面に突部が形成された直線状又は折曲状等の棒状部材と、前記棒状部材の断面中央の長手方向に形成され前記棒状部材の両端部又は一端部で開口する中空部と、前記中空部の端部に形成された枝管係合部又は前記棒状部材の長手方向の外周部の所定部に形成された枝管係合部と、前記枝管係合部に脱着自在に配設され前記中空部に連通する枝管中空部を有する枝管と、を備えた構成を有している。
請求項11に記載の梁パネルの施工方法は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の梁パネルの前記接合孔部に対向する他の梁パネルや、柱部等の面に孔部を穿孔する穿孔工程と、前記接合孔部及び前記穿孔工程で穿孔された前記孔部に前記接合用治具を挿着する接合用治具挿着工程と、前記接合用治具挿着工程で挿着された前記接合用治具の前記中空部及び前記接合孔部又は前記孔部に接着剤を充填する接着剤充填工程と、を備えた構成を有している。
【0006】
ここで、縦枠部材や横枠部材、柱部としては木材、集成材、単板積層材、OSL、化学改質木材等が挙げられる。木材としてはすぎ、べいまつ、べいつが、ひのき、ひば、からまつ、くろまつ、あかまつ、レッドウッド、ラワン材等が好適に用いられる。間柱部や斜交部はこれら以外に間伐材を用いることができる。
縦枠部材及び横枠部材の断面は正方形状或いは長方形状等に加工したものが用いられる。断面の一辺の長さは6〜50cmが好適に用いられる。断面の長さが6cm未満になるにつれ接合用治具を複数本挿入する場合に必要な縁距離(接合用治具と外壁との距離)が取れなくなりまた接合用治具の長さも短くなり耐力が小さくなる傾向があり好ましくない。断面の長さが50cmを越えるにつれ耐力が大きくなるが使用する木材量が増加する傾向があり好ましくない。縦枠部材の長さは20〜100cmが好適に用いられる。縦枠部材の長さが20cm未満になるにつれ梁パネルの保持できる積載荷重が小さくなりスパンを長くとれない傾向があり好ましくない。縦枠部材の長さが100cmを越えるにつれ天井を高くすることはできるが、低い建屋の場合、居室の必要天井高さが確保し難くなる傾向があり好ましくない。横枠部材の長さは0.5〜12mが好適に用いられる。横枠部材の長さが0.5m未満になるにつれ接合の手間が多くなる傾向があり好ましくない。横枠部材の長さが12mを越えるにつれ道路運送上の問題や現場での取扱が困難となる傾向があり好ましくない。横枠部材は2つ以上の部材から構成されその接合部を接合用治具と接着剤の組み合わせの部材間接合部で接合しても良い。
縦枠部材や横枠部材と面材部の接合面の枠外と枠内に形成された小溝部は枠内の湿気を排除できる径であればよい。通気性を確保しカビの発生を防ぐとともに部材や面材部の腐食を防ぐためである。
接合孔部は縦枠部材及び横枠部材の側面、や梁パネルの上面、或いは下面に穿孔されるのが好ましい。梁パネルの上面や下面や側面に他の梁パネルや壁パネル或いは小屋パネル等の接合を接合用治具と接着剤の組み合わせの部材間接合部で接合しても良い。簡単に接合できるとともに間取りを自在に設計できるからである。
面材部の切欠部は梁パネルが他の梁パネルや柱材と直交して、または角度をもって配設されるとき接合用治具を挿着して接合する際に使用される。従って、接合孔部の周囲の面材部に切欠部を形成しておくと、接合する互いの梁パネルの面材部材の厚さ分の耐力の誤差を少なくすることができるとともに、均等の耐力を互いの梁パネルに発生させることができる。また、現場での配設で、接合する個所が確認しやすくなるので好ましい。
【0007】
面材部としては合板、パーティクルボード、ハードボード、硬質木片セメント板、シージングボード、石膏ボード、ラスシート、OSB、MDF、LVL、セメントケイ酸カルシウム板、ロックウール板等が挙げられる。面材部の内面にポリウレタン等の断熱材等を挟着してもよい。室内の保温性に優れるからである。面材部の表面に石膏ボード等の耐火材もしくは難燃性塗料(ex.商品名「ファイアーレターレント」(株)西崎製)を固着又は塗着,注入すると、耐火性を向上できるので好ましい。面材部の広さは梁パネルの全面と同一か、もしくは梁パネルよりも縦、横枠部材の幅の1/2程大きいか小さく形成してもよい。梁パネルの上下もしくは左右に配設される梁パネルやその他のパネルとの接合面を覆うことができ組立時に仮固定ができるとともに、釘打ち等の接合を併用できるので施工が簡単で又接合強度を高めることができる。
また、梁パネルに電気配線や水道管を通すスリーブを前もって組み込んでおいてもよい。又、配管用の孔部を面材部の中央部等に耐力を弱めない径で開けておいてもよい。電気配線等の配線や配管作業の後工事の作業性を高め、施工工期を短縮できるからである。
【0008】
接合用治具の棒状部材は断面形状が略円形、略楕円、または三角形、四角形、六角形等の略多角形状をした鋼等の金属製やカーボン繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、金属繊維等の有機、無機繊維と合成樹脂で成形加工したもの等からなり、その略中央部等の長手方向には接着剤の流入用の中空部が端部から端部に或いは一端部が閉塞した状態で作製されたものが望ましい。接合用治具の剪断力や曲げ応力等の機械的強度を下げないためである。
棒状部材の外表面に形成された突部は連続状の突状や非連続の突部がランダムに形成されたもの又は螺旋状等棒状部材の他端部等から流出した接着剤のバッファとして機能し、接着剤が棒状部材の外表面と構造部材の連通孔の周壁との間に充填し接着面積を拡げるとともにアンカー効果を付与するような形状に形成されるのが好ましい。
枝管は管状物からなり棒状部材の材質と同一又は異なったもので形成され棒状部材の中空部とその枝管中空部が連通するように係合される。枝管の径は棒状部材と略同一か又はそれより小さく形成して良い。係合方法は枝管の係合部と棒状部材の係合部に螺孔を形成し螺着するか嵌合部等を形成して嵌合等で係合するようにしても良い。枝管を形成することにより施工現場に応じて接合用治具への接着剤の注入を円滑にすることできる。枝管は接着剤注入後棒状部材との係合を解いて抜き取るのが好ましいが、枝管の長さが短く込栓等をする際に支障がない場合はそのまま残しても良い。棒状部材や枝管の中空部は接着剤の流入抵抗を軽減化させるために鏡面仕上げをするのが望ましいが接着剤の粘度が低いときは鏡面仕上げをしなくても良い。
接着剤は適度の粘性を有し棒状部材の中空部及び連通孔の内壁及び棒状部材の外周の間に十分に充填されるのが好ましい。また、乾燥硬化後の体積変化が少なく体積の経時変化がなく経時劣化の少ないものが好ましい。例えば、一液性ポリウレタン系接着剤や二液性ポリウレタン系接着剤或いは一液性エポキシ接着剤や一液性弾性エポキシ接着剤や二液性エポキシ接着剤等が好適に用いられる。
【0009】
この構成によって、応力を支持する主要部材が挿着された接合用治具とその表面と連通孔の内面に斑なく連通孔に充填された接着剤で接合されているので剛性が高く、機械的強度が大きく、また時間が経って接合部でガタや撓みが生じることがない。従って、スパンを大きく取ることができるので、間仕切壁パネルを無くして、家具等で部屋の空間確保ができるとともに、大スパンを取っても建造物の強度を高い状態で維持できるのでバリヤフリーの住宅が可能となる。接合は接合用治具を部材間接合部の連通孔や接合孔部を当接して形成される連通孔に挿着した後に、接着剤を接合用治具の枝管の枝管中空部から充填すると棒状部材の中空部を経て接着剤が棒状部材の先端部から流出し、棒状部材の表面と連通孔の内壁間を充填しながら返流してくるので、接着剤の返流を確認し枝管を外して込栓をするだけで、接着剤が充填斑なく充填され接着固化できるので、施工工程が極めて少なくいので作業性が高く施工時間を短くできる。また施工が極めて簡単なので未熟練者でも容易に施工できる。
さらに、梁成を一定の幅に規格化できるので壁パネルの高さも一定の値に統一できる。
接合用治具を用いて梁パネルの任意の位置に耐力壁や柱を接合できるので間取りを自在に設計できる。又増改築時には下部に配された壁パネルを取り除き新たな間取りに用いる耐力壁や柱を梁パネルの接合孔部に接合用治具で接合できるので増改築が自在にできる。
表面に取付金具等がなく平滑なので外装板の施工等が容易に行われさらに断熱或いは気密施工が確実にかつ性能良く行われる。
配管や配線用の貫通孔を面材部に形成するだけで配管、配線工事ができるので間取りを気にすることなく設備工事ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における梁パネルの全体斜視図である。
図1において、1は実施の形態1における梁パネル、2は断面が105×105mmの正方形状に形成され木材、集成材、単板積層材、OSL、化学改質木材等からなる縦枠部材、3は対向して配設された縦枠部材2、2の上端部及び下端部にそれぞれの両端部が部材間接合部Aで接合された長尺状の横枠部材、4は縦枠部材2及び横枠部材3の外側面に全体を覆設して釘や接着剤で接合された合板、パーティクルボード等からなる面材部、Bは他の梁パネルや壁パネル,小屋パネル或いは柱等と接合する際に後述する接合用治具を挿着し接着剤を充填する接合孔部である。
以上のように構成された梁パネルについて、以下その製造方法について図面を用いて説明する。
図2は実施の形態1における梁パネルの部材間接合部Aの要部透視斜視図であり、図3は接合用治具の断面正面図である。
図2及び図3において、2は縦枠部材、3は横枠部材、5は部材間接合部Aの連通孔内に挿入されたストレート型の接合用治具、6は接合用治具5の金属製の棒状部材、7は棒状部材6の長手方向の断面中央に穿孔され両端が開口された中空部、8は棒状部材6の表面に螺旋状に形成された突条部、9は棒状部材6の一端部に膨出状に形成された凸壁部、10は凸壁部9、9間に形成された接着剤案内溝、11は棒状部材6の一端部又は略中央部に螺着等で脱着自在に係合された合成樹脂製や金属製等の枝管、12は枝管11の枝管中空部、13は縦枠部材2及び横枠部材3の接合面Cで棒状部材6が装着できるように穿孔された連通孔、14は枝管中空部12から中空部7に注入され連通孔13内を充填しながら返流し接合用治具5の表面と連通孔13の内壁間に充填されるAHC((株)ホームコネクター製)等からなる接着剤である。
尚、連通孔13のいずれか一端面の周囲若しくは接合面Cの周囲にはシール材でシール部を形成してもよい。接着剤が接合面Cに沿って流出するのを防止できる。特に接合面Cの平面度が低いときは効果的である。
梁パネル1の製造は、まず、縦枠部材2と横枠部材3の両接合面Cに各一対の部材間接合部Aの連通孔13を穿孔する。次に、連通孔13内に接合用治具5を挿着する。さらに、枝管11の中空部12の端部から接着剤14を内部に注入する。接着剤14は中空部7内を流動し端部まで到達した後に連通孔13の内部を返流しながら棒状部材6の外面と連通孔13の内壁間に充填される。次に、枝管11を棒状部材6から取り外し連通孔13の開口部を埋木で密封する。所定の時間が経過すると接着剤14が硬化し梁用枠体を作製する。次いで、梁用枠体の表面や裏面に面材部4を全面にまたは差し縮め若しくは差し伸ばして覆設し梁パネルを完成する。
以上のように実施の形態1の梁パネルは構成されているので、以下の作用を有する。
(1)縦枠部材と横枠部材と柱部の接合は接合用治具で剛接合され、又面材部を上記縦枠部材と横枠部材と柱部及び間柱部に釘又は接着剤で接合することによって梁パネルの強度を著しく向上させることができる。
(2)面材部を有しているので、比較的小断面木材等で作製しても大断面梁と同等以上の耐力を持つ梁パネルを作製出来、省資源化が可能となる。
(3)縦枠部材の長さを変えるだけで、梁成の大きい大スパン用の梁パネルの作製ができ、又横枠部材を接合用治具で接合する事で長大な梁パネルの作製が簡単に出来、生産性を著しく向上できる。
(4)梁パネルの横枠部材と他の梁パネルの横枠部材とは接合孔部B若しくは現場で任意の個所に穿孔して接合孔部Bを形成し、仕口及び継手接合が可能となり、間取りの変更や、増改築が簡単にできる。
(5)接合孔部Bを有するので梁パネルと他の壁パネルや小屋パネル等の接合が任意の個所で接合出来、施工性を向上させることができる。
(6)接合用治具は枠材(木材)の内部に収納されて接合されるので火災時には木材表面に発生する炭化被膜で木材内部は燃えないので耐火性能はより高められる。又、面材部に防火処理をするか、耐火面材を併用することより防災性を高めることができる。
(7)接合用治具が梁パネルの外面、内面共に露出しないので、取付金物に起因する結露によって生じる木材等の腐朽を防止出来、耐久性を著しく向上させることができる。
(8)梁パネルの梁成を一定の幅に規格化出来、壁パネルの高さを統一出来るので、工場生産で高品質の梁パネルが量産できる。
(9)シール部を設けた場合、接着剤の返流を確実に行うことができる。
【0011】
(実施の形態2)
次に実施の形態2の梁パネルについて、図面を用いて説明する。
図4は実施の形態2の梁パネルの正面図である。
2は縦枠部材、3は横枠部材、4は梁用枠体の表面及び/又は裏面に固着される面材部、13はストレート型の接合用治具が埋設され閉口部が埋木で封着された連通孔、Bは接合孔部であり、これらは実施の形態1と略同様なものなので同一符号を付し説明を省略する。
20は実施の形態2における梁パネル、21は間伐材等で形成され横枠部材3,3間に配設され両端部が釘や接着剤で固定された間柱部、22は横枠部材3,3間にトラス状に配設され両端部を接合用治具や釘、接着剤で横枠部材3、又は縦枠部材2と固定された間柱材や柱材で形成された斜交部、23は横枠部材3,3間に配設され両端部が接合用治具又は釘、接着剤で固定された柱部、24は縦枠部材2や横枠部材3に1乃至複数個所の枠内と枠外にかけて溝状に形成された通気用の小溝部である。
尚、本実施の形態では間柱部21、斜交部22、柱部23を設けているが、用途により取捨選択してもよい。
以上のように構成された実施の形態2の梁パネルについて、以下その製造方法を図面を用いて説明する。
概略は実施の形態1の梁パネルと同様にして製造されるが、実施の形態1と異なる点は、梁パネルの作製時に間柱部21の両端を接着剤や釘で横枠部材3,3に固着する。斜交部22を縦枠部材2や柱部23の間に斜に嵌入し、ついで、斜交部22と横枠部材3間または斜交部22と縦枠部材2や柱部23の間の連通孔13に小型のストレート型の接合用治具を挿着し接着剤を同様にして注入し返流させ、ついで枝管を抜いて開口部を埋木で密栓して作製している点である。尚、用途によっては斜交部22は釘又は接着剤で固定してもよい。
以上のように本実施の形態の梁パネルは構成されているので、以下の作用を有する。
(1)柱部や斜交部,間柱部を備えているので、梁パネルの圧縮応力や引張り応力、剪断応力を著しく向上させることができる。
(2)小溝部を有しているので、通気性に優れ、枠内が湿気でカビが生えるのを防ぎ衛生性を向上させるとともに、防腐性を向上させることができる。
(3)縦枠部材を有するので,長大な梁パネルでも短い面材を継ぎ合わせて作製でき経済性がたかめられる。
【0012】
(実施の形態3)
次に本実施の形態3の梁パネルについて、図面を用いて説明する。
図5は実施の形態3の梁パネルの正面図である。
2は縦枠部材、3は横枠部材、4は梁用枠体の表面及び/又は裏面に固着される面材部、13はストレート型の接合用治具が埋設され開口部が埋木で封着された連通孔、Bは接合孔部、21は間柱部、23は柱部であり、これらは実施の形態1、実施の形態2と略同様なものなので同一符号を付し説明を省略する。
30は実施の形態3における複数の横枠用材の端面を結合して長さ10m以上の長尺に形成された梁パネル、31aは長尺な横枠部材3を形成するため横枠用材3a,3b間に形成されT字形の接合用治具が埋設されるT字形連通孔、31bは同じく横枠用材3b,3c間に形成されL字形の接合用治具が埋設される部材間接合部の1つであるL字形連通孔である。
次に実施の形態3の長尺の梁パネルの製造方法について、以下図面を用いて説明する。
まず、T字形の接合用治具を用いた長尺の横枠部材の製造方法について説明する。
図6は横枠用材の接合状態を示す要部断面図であり、図7はその接合に用いられるT字形の接合用治具の要部断面図である。
31a、31aは横枠用材3a,3bに穿孔された部材間接合を形成する連通孔、31aは横枠用材3bの連通孔31a2 から接合面C1 に沿って形成された切削部であり、T字形連通孔31aは連通孔31a,31a、切削部31aで形成される。34はT字形接合用治具、35は金属製の棒状部材、36は棒状部材35の中心軸に沿って両端間に形成された中空部、37は棒状部材35の外周面に形成された螺旋状の突条部、38は凸壁部、39は接着剤案内溝、40は棒状部材35の長手方向の略中央部の外周部から中空部36にかけて穿設された孔部に脱着自在に螺着された枝管、41は枝管40の枝管中空部、42は枝管中空部41から注入され棒状部材35の両端から接合孔部31a,31aに流出しながら接合孔部31a,31aの内壁と棒状部材35の表面の間を充たしながら切削部31aまで返流された接着剤である。
T字形接合用治具を用いた長尺な横枠部材の製造は、まず横枠用材3a,3bの接合面Cに棒状部材35の半分より少し長めの連通孔31a,31aを形成する。次いで、連通孔31aの端面と横枠用材3aの表面まで接合面Cに枝管40を収納する切削部31aを切削しT字形連通孔31aを形成する。
次いで、T字型の接合用治具34を各連通孔31a,31aに挿着し各横枠用材3a,3bを接合面C で接着剤42が漏れないように密接仮固定し、次いで、接着剤を枝管中空部41から注入する。尚、接合面C の周囲や連通孔31a等の周囲にシールテープ等のシール材を貼着すると接着剤の洩れを防止できる。接着剤が中空部36を経て両端部の接着剤案内溝39から連通孔31a,31a内に流出し、切削部31aに返流してくる。返流が確認できたら枝管40を抜き切削部31a埋木を入れ接着剤を硬化させ10m以上の長尺の横枠部材3を得る。尚、横枠部材3が長尺な場合もしくは横枠用材3a,3bの断面が広いときは接合用治具を2乃至複数本配設してもよい。
【0013】
次に、L字形の接合用治具を用いた長尺の横枠部材の製造方法について説明する。
図8は横枠部材の接合状態を示す要部断面図であり、図9はその接合に用いられるL字形の接合要治具の要部断面図である。
3b,3cは長尺の横枠部材3を形成する横枠用材、31b,31bは横枠用材3c,3bに穿孔された連通孔、31bは横枠用材3bの一側面から連通孔31bと連設して接合用治具の長さだけ穿設された接合用治具の装着孔部であり、L字形連通孔31bは連通孔31b,31bと装着孔部31bで形成される。50はL字形接合用治具、51は金属製の棒状部材、52は棒状部材51の一端部から中心軸に沿って形成された中空部、53は棒状部材51の閉塞部、54は棒状部材51の外周面に形成された螺旋状の突条部、55は凸壁部、56は接着剤案内溝、57は棒状部材51の閉塞部53側の外周から中空部52のまで穿設された孔部に脱着自在に螺着された枝管、58は枝管57の枝管中空部、59は接着剤、60は装着孔部31bに埋設される埋木である。
L字形の接合用治具を用いた長大な横枠部材の製造は、まず、横枠用材3b,3cの接合面Cに棒状部材51の半分より少し長めの連通孔31b,31bを形成する。次いで、連通孔31bの枝管57部分からL字形接合用治具50の長さよりも少し長め装着孔部31bを連通孔31bの一側面から穿設する。次に装着孔部31bにL字形接合用治具50を装着し連通孔31b,31bに棒状部材51を挿入する。次いで装着孔部31bの装着部分と反対の端部から棒状部材51の閉塞部53の端部の長さと略等しい長さで、形成され幅及び高さは装着孔部31bと同一に形成された埋木60を装着孔部31bに埋設する。次いで、枝管中空部58から接着剤59を注入し、その返流を確認して埋木を埋める。
以上のようにして長大な横枠部材3を作成した後、実施の形態1又は2と同様にして実施の形態3の梁パネルを作製する。
以上のように本実施の形態の長丈な梁パネルは構成されているので、以下の作用を有する。
(1)通常の流通木材である長さの短い又は小径の角材を接合用治具と接着剤を組み合わせた部材間接合部で接合するだけで長大な梁パネルを作製できる。
(2)剛性,耐力の高い梁成の一定した梁パネルなので長いスパンも1つの梁パネルで架け渡すことができる。
(3)梁パネルの接合手間が省けて施工が簡単にでき工期を著しく短縮できる。
【0014】
(実施の形態4)
図10は実施の形態4の梁パネルの要部斜視図である。
3は横枠部材、32は柱部であり、他の実施の形態のものと同様なものなので同一の符号を付し説明を省略する。70は実施の形態4の梁パネル、2′は5mm〜3cm奥に固定された縦枠部材、Bは横枠部材3の端面にT字型の接合用治具を挿着するように穿設された接合孔部、Bは縦枠部材2′の前面に穿設された接合孔部、Bは横枠部材3,3の側面の同一位置に穿設された接合孔部、Bは面材部4aと柱部32に連通して形成された接合孔部、4aは梁パネル70の両面に梁パネルよりも全体の形状が小さく形成されるとともに、接合孔部の周囲に切欠き部71,72,73が形成された面材部、74は梁パネルに水道管や電気配線等を通すため両面の面材部間にスリーブを挿着するスリーブ挿着孔部である。
実施の形態4の梁パネルは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)直交して梁パネルを接合する時(仕口接合)相手の梁パネルの面材部の厚みに関係せずに横枠部材同士を緊結させることができるので、接合用治具による接合力を互いの横枠部材に面材部の厚みに関係なく均等に持たせることが出来る。
(2)切欠部があるので、他の梁パネルや柱等の配設時に接合個所の確認が出来、作業性を向上させるとともに取付の間違いをなくすことができる。
(3)接合面の施工が荒くても接合面にシール材を貼った時と同じ効果が得られる(面材部の厚み分)ので接着剤のもれ出し防止を確実にでき作業性を向上させることができる。
(4)面材部4aを梁枠体よりも小さく形成したので、梁パネルの横枠部材と他のパネル例えば壁パネルや間仕切パネルや小屋パネルの面材を伸ばしておいて、梁パネルの横枠部材と釘止めでき、組立時に仮固定出来、接合用治具と釘打ちを併用できるので施工が簡単になり、又接合強度を更に高める事ができる。
【0015】
(実施の形態5,6)
図11は実施の形態5の梁パネルの要部斜視図であり、図12は実施の形態6の梁パネルの要部斜視図である。
2は縦枠部材、3は横枠部材、32は柱部であり、他の実施の形態と同様なものなので同一の符号を付し説明を省略する。
80は実施の形態5の梁パネル、81は実施の形態6の梁パネル、B ,B は横枠部材3の端面に形成された接合孔部、Bは面材部と柱部32に連通して形成された接合孔部、4bは梁パネルの片側もしくは両側に縦枠部材2、横枠部材3で形成される梁用枠体幅よりも各々30mm〜70mm小さく形成された面材部、4cは梁用枠体の片側に縦方向は各々梁用枠体よりも30mm〜100mm差し出して形成され横方向は各々パネル幅よりも30mm〜70mm小さく形成された面材部である。尚、用途により横方向も、30mm〜100mm差し出して形成する場合も有る。
実施の形態5,6の梁パネルは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
実施の形態5の梁パネルは外壁梁パネルと外壁梁パネル間をつなぐ場合に面材部材に切欠き部を作る等の加工を省くことが出来るとともに、他の差し出し部をもつパネルの縦枠部材、柱部、間柱部、横枠部材等に釘打ち出来るので施工性を著しく向上させることができる。
実施の形態6の梁パネルは、他のパネル、例えば間仕切パネル、外壁パネルの枠材等と釘打ちできるように梁パネルの面材部を伸ばして作製したので、現場での組立て施工が容易に出来る。
【0016】
(実施の形態7)
図13は実施の形態7の梁パネルを用い屋根を施工する状態を示す模式図である。
2は縦枠部材、3は横枠部材、4は梁枠体の両側面の幅よりも小さく形成された面材部,Bは接合孔部であり、実施の形態5と同様なものなので同一の符号を付し説明を省略する。
3′は傾斜角度αが3°〜75°に形成された斜面部3a′を有する屋根側に配設される横枠部材、84は斜面部3′aに接合孔部Bで接合用治具5等で接合固定される屋根パネルである。
以上のように実施の形態7の梁パネルは構成されているので、以下の作用を有する。
上部の横枠部材が所定傾斜角度を有した斜面部を有しているので、梁パネルと屋根パネルを接合用治具で接合する場合、接合の接合面を確保出来屋根パネルや母屋等の角材を強固に接合固定できるとともに、屋根の剛性を高く出来る。また、施工時に屋根パネルや母屋を仮固定し調整でき作業性を向上させることができる。
【0017】
(実施の形態8)
次に、実施の形態1乃至3の梁パネルを用いた梁の施工方法について、以下図面を用いて説明する。
図14は本実施の形態における梁パネルを用いた住宅の施工例を示す模式図であり、図15(a)は梁パネルを用いた壁の施工方法を示す模式図であり、図15(b)は梁パネルを用いた間仕切りの施工方法を示す模式図である。
図14及び図15において、1は実施の形態1における梁パネル、20は実施の形態2の梁パネル、30は実施の形態3の梁パネル、91はコンクリート等で形成され家屋にかかる荷重を地盤に伝達する基礎部、92は基礎部91の内部に所定の間隔で突設され荷重を支持する束石、93は基礎部91と束石92間に覆設された土台パネル、94はストレート形、T字形,L字形の各接合用治具5,34、50で各梁パネル1,20,30と接合され1階及び2階の壁面を形成する壁パネル、95は窓、出窓、ベランダ等を形成する開口部、96は各梁パネル1,20,30と接合用治具5、34、50で接合され2階の床面を形成する床パネル、97は小屋組を形成する小屋パネル、98は小屋パネル97の上面に覆設された屋根パネル、Bは上述した施工方法で接合された接合孔部である。
施工方法はまず図14に示すように土台パネル93上に1階の壁パネル94を各接合用治具5、34、50及び釘等で立設固定する。
次いで壁パネル94の上面を実施の形態3の長大な梁パネル30を接合用治具5、34、50のいずれかを用いて固定する。固定は実施の形態3の梁パネル30の接合孔部Bと壁パネル94の柱部材又は上部縦枠部材及び横枠材上部に形成された前記接合孔部Bと略等しい大きさの接合孔部Bで形成される連通孔に各接合用治具5、34、50の中から接合枠材に応じて適宜選択され固定され接着剤との組合せで固定される。又差し出して作製される前記面材部81は壁パネル94と釘で固定される。
前記70、80の梁パネルの場合は、壁パネル94の部材の差し伸ばされた面材で前記梁パネルの柱部や縦枠部材若しくは横枠部材を釘や接着剤で固定される。
また、図15(a)から明らかなように、前記梁パネルの横枠部材3に任意の位置に平行移動させた壁パネル94の横枠部材や縦枠部材を、接合孔部Bで接合固定することができる。従って、増改築や、間取の変更があっても壁パネルを梁パネルの任意の位置に移動する事が出来るので、間仕切が自在に変更出来る事になる。
また、図15(b)から明らかなように、梁パネル70、80、81が上、下に横枠部材を有しているので梁パネルを自由な位置に仕口対応で接合出来るので、梁パネルのない個所でも梁パネルを設置すれば、壁パネルと上記の方法で接合できる。従って間取の変更があっても、壁パネル及び耐力壁パネルを移動出来るので間仕切が自在に変更可能となる。
【0018】
以上のように本実施の形態によれば、梁パネルの側面や前面若しくは背面の接合孔部に他の梁パネルや壁パネルの接合孔部を当接させて接合用治具と接着剤の組合せで接合固定するだけで、建築を行うことができるとともに、接合用治具を用いて梁パネルの任意の位置に間仕切り壁や柱を接合できるので間取りを自由に設計でき居住性を向上できる。又、増改築の際には新たに増築する間仕切り壁や柱を梁パネルの任意の位置に接合用治具を用いて接合できるので自由に増改築を行うことができる。
【0019】
(実施の形態9)
図16は2階の床面の下部に形成される床下収納部の要部斜視図であり、図17は図16のX−X線の要部断面図である。
図16において、100は2階の床面の床組み時に形成された床下収納部、101は実施の形態1の梁パネル、102は梁パネル101と各種接合用治具で固定された実施の形態2の梁パネル、103は梁パネル101、102の面材部4で囲まれた底部に落し込まれた床底パネルである。
図17において、104は梁パネル101の下部の横枠部材3と面材部4を介してストレート型の接合用治具や釘打ちで固定された木取部、105は梁パネル101、102の木取部104に載置される床底パネル、106は床底パネル105の下面に固定された桟木である。
以上のように本実施の形態によれば、梁パネルで升状に形成された床下収納用枠を作り、枠内に所定の大きさの床底パネルを落とし込んだだけで木取部により強固に支持された床下収納庫を得ることができる。又桟木で床底を固着して床下収納庫を作ることが出来る。
以上のように本実施の形態によれば、以下の作用を有する。
1階や2階の床下の収納の欲しい任意の場所に収納スペースの確保ができる。堀ゴタツ等を容易に設置できる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明の梁パネルによれば、以下の優れた効果を実現できる。
(1)縦枠部材と横枠部材が接合用治具を用いて接合されるとともに各梁パネル間及び他のパネルとも接合用治具で接合されるので剛性が高くかつ耐力も高くできる。従って、強度が高く耐震性に優れた構造体を形成できる。
(2)また、接合部の剛性が高いので接合部でガタ等が生じ難くまた撓みも少ない。従って、スパンを長くすることが可能でバリヤフリーの設計に自由度が増し好みの間取りを実現できる。
(3)単一の梁成で統一でき、また、天井下パネルの高さも梁成の大きさに合わせて単一のものとできるので量産性や施工性を有する。
(4)梁パネルの任意の部分に接合用治具を用いて耐力壁、柱、間仕切り壁、又は梁パネル間同士でも自在に接合できると同時にこの接合部は剛性及び強度が高く荷重を支持することが可能なので間取りを自由に設計でき間取りのフリープラン化が可能である。
(5)また、増改築においても、梁パネルに増改築部分を自在に接合できるので自由に設計変更が可能である。
(6)連通孔に接合用治具を挿着し接着剤を充填するだけで施工が完了するので施工工程が少なく施工時間を短縮でき未熟練者でも容易に施工ができ作業性及び施工性に優れる。
(7)接合用の取付金具等が取付られていず表面が平滑なので外装板の施工等が容易であり作業性が向上する。
(8)接合用治具が各部材の内部に埋め込まれるので火災の際は各部材の表面が炭化するだけで内部の接合用治具には影響を与えず最後まで接合強度を有し家屋の倒壊を最小限に抑えることができる。
(9)縦枠部材や横枠部材が標準化できるので工場生産に適し、高品質で低原価の梁パネルを量産化できる。
(10)長さの短い間伐材等でも接合用治具を用いて継ぎ合わせることで使用が可能で資源の有効利用ができる。
(11)間柱部及び柱部を斜行してトラス状に形成した場合は荷重に対する抗力が大きく強度が高く耐久性に優れる。
また、本発明は梁パネルの施工方法によれば、以下の優れた効果を実現できる。
(12)梁パネルの上面、下面及び側面の任意の位置に他の梁パネルや壁パネル或いは間仕切り壁パネル等を接合できるので間取りを自在に設計できる。
(13)剛性及び耐力が高いので荷重に対して変形し難く安定でありまた地震等の振動に強く耐久性に優れる。
(14)接着剤を充填するだけで施工が完了し施工が容易で作業性に優れる。
(15)梁パネルの空間部に収納物の荷重を保持する横架材を下の横枠部材に固定するとともに平板を横架材の上面に固定するだけで1階や2階に床下収納庫を簡単に作ることができ設計自在性や施工自在性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における梁パネルの全体斜視図
【図2】実施の形態1における梁パネルの接合部の要部透視斜視図
【図3】ストレート型の接合用治具の断面正面図
【図4】実施の形態2における梁パネルの正面図
【図5】実施の形態3における梁パネルの正面図
【図6】実施の形態3における梁パネルの横枠部材の接合状態を示す要部断面図
【図7】T字型の接合用治具の要部断面図
【図8】実施の形態3における梁パネルの横枠部材の接合状態を示す要部断面図
【図9】L字型の接合用治具の要部断面図
【図10】実施の形態4における梁パネルの要部斜視図
【図11】実施の形態5における梁パネルの要部斜視図
【図12】実施の形態6における梁パネルの要部斜視図
【図13】実施の形態7の梁パネルを用い屋根を施工する状態を示す模式図
【図14】梁パネルを用いた梁の施工方法を示す模式図
【図15】(a)梁パネルを用いた天井下の施工方法を示す模式図
(b)梁パネルを用いた間仕切りの施工方法を示す模式図
【図16】梁パネルを用いた床収納庫の施工方法を示す模式図
【図17】図16のX−X線の要部断面図
【符号の説明】
1 実施の形態1における梁パネル
2 縦枠部材
3 横枠部材
4 面材部
5 接合用治具
6 棒状部材
7 中空部
8 突部
9 凸壁部
10 接着剤案内溝
11 枝管
12 枝管中空部
13 連通孔
13a 間柱間連通孔
14 接着剤
20 実施の形態2の梁パネル
21 間柱部
22 斜交部
23 柱部
24 小溝部
30 実施の形態3の梁パネル
31a T字形連通孔
31a1 ,31a2 , 連通孔
31a3 切削部
31b L字形連通孔
32 柱部
33 間柱部
34 T字形接合用治具
35 棒状部材
36 中空部
37 凸壁部
39 接着剤案内溝
40 枝管
41 枝管中空部
42 接着剤
50 L字形接合用治具
51 棒状部材
52 中空部
53 閉塞部
54 突条部
55 突壁部
56 接着剤案内溝
57 枝管
58 枝管中空部
59 接着剤
70 実施の形態4の梁パネル
71、72、73 切り欠き部
74 スリーブ装着孔部
91 基礎部
92 束石
93 土台パネル
94 壁パネル
95 開口部
96 床パネル
97 小屋パネル
98 屋根パネル
99 間仕切りパネル

Claims (11)

  1. 対向して配設される2以上の縦枠部材と、対向して配設された前記縦枠部材の両端部にそれぞれ架け渡された長尺の横枠部材と、前記縦枠部材及び前記横枠部材の接合面に連通して穿孔された連通孔と、前記連通孔挿着された接合用治具と、前記接合用治具内の中空部及び前記接合用治具の表面と前記連通孔内壁間に略充填された接着剤と、を有する梁用枠体と、前記梁用枠体の表面及び/又は裏面に覆設された若しくは面一に埋設された面材部と、前記梁用枠体の側面に穿孔された他の柱材や他の梁パネルや小屋パネル、壁パネル等との接合時に接合用治具を挿着し接着剤を充填する接合孔部と、を備えたことを特徴とする梁パネル。
  2. 前記梁用枠体の前記横枠部材と、前記横枠部材間に配設された1乃至複数の間柱部,柱部,斜交部の1以上と、前記横枠部材間と前記間柱部,前記柱部,前記斜交部との接合面の1以上に連通して穿孔された連通孔、前記連通孔挿着された接合用治具と、前記接合用治具内の中空部及び前記接合用治具の表面と前記連通孔内壁間に略充填された接着剤と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の梁パネル。
  3. 前記接合用治具の枝管装着用の切削部が前記連通孔と連通して前記接合面に形成され、前記切削部に前記接着剤が略充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梁パネル。
  4. 前記梁用枠体の表面裏面,上面,下面のいずれか1以上に穿孔された他の柱材や他の梁パネルや小屋パネル、壁パネル等との接合時に接合用治具を挿着し接着剤を充填する接合孔部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  5. 前記梁用枠体の表面や裏面に穿孔された前記接合孔部が、前記面材部と前記縦枠部材や前記横枠部材、前記柱部に連通して形成されている、及び/又は、前記面材部の周囲に形成された切欠部によって前記面材部を避けて前記縦枠部材や前記横枠部材、前記柱部に形成されていることを特徴とする請求項に記載の梁パネル。
  6. 前記面材部の表面の1面又は両面に木取部が釘や螺子,接着剤等で固定されていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  7. 前記面材部が前記梁用枠体の側面,上面,下面の内少なくとも1面から延設して及び/又は前記梁用枠体の側面,上面,下面よりも内側に切り詰めて覆設されていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  8. 前記面材部の前面に難燃材が塗着,注入又は固着され、及び/又はその裏面に防湿材が貼着されていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  9. 前記梁用枠体の前記面材部の接合面に枠外と枠内を連通する小溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  10. 前記接合用治具が、断面が略円形、略楕円形又は略多角形のいずれかであって表面に突部が形成された直線状又は折曲状等の棒状部材と、前記棒状部材の断面中央の長手方向に形成され前記棒状部材の両端部又は一端部で開口する中空部と、前記中空部の端部に形成された枝管係合部又は前記棒状部材の長手方向の外周部の所定部に形成された枝管係合部と、前記枝管係合部に脱着自在に配設され前記中空部に連通する枝管中空部を有する枝管と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の梁パネル。
  11. 請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の梁パネルの前記接合孔部に対向する他の梁パネルや、柱部等の面に孔部を穿孔する穿孔工程と、前記接合孔部及び前記穿孔工程で穿孔された前記孔部に前記接合用治具を挿着する接合用治具挿着工程と、前記接合用治具挿着工程で挿着された前記接合用治具の前記中空部及び前記接合孔部又は前記孔部に接着剤を充填する接着剤充填工程と、を有することを特徴とする梁パネルの施工方法。
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