JPH0357925B2 - - Google Patents

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JPH0357925B2
JPH0357925B2 JP58093172A JP9317283A JPH0357925B2 JP H0357925 B2 JPH0357925 B2 JP H0357925B2 JP 58093172 A JP58093172 A JP 58093172A JP 9317283 A JP9317283 A JP 9317283A JP H0357925 B2 JPH0357925 B2 JP H0357925B2
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styrene
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Tsutomu Teraoka
Osamu Teranaka
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NIPPON ELASTOMER KK
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NIPPON ELASTOMER KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高い光沢と優れた耐衝撃性を有する
耐衝撃性スチレン系樹脂に関するものである。 近年、耐衝撃性スチレン系樹脂は、その製法技
術の進歩と共に増々高性能化、特にABS樹脂
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)
の用途分野への進出が注目されている。 しかしながら、耐衝撃性スチレン系樹脂を
ABS樹脂と代替して用いる場合の最大の問題点
は、耐衝撃性スチレン系樹脂の光沢が劣ることで
あり、また光沢を通常の手法により満足のゆく程
度まで改良すると耐衝撃性が著しく悪化してしま
うことにある。 かかる現象を生ずる理由は、一般的には耐衝撃
性スチレン系樹脂中に分散しているゴム粒子相の
大きさに関連し、通常耐衝撃性スチレン系樹脂と
して適正なゴム粒子径は1.8〜4.0μであり、これ
ではABS樹脂代替時光沢不足が問題となる。そ
こで最近では光沢を改良するためゴム粒子径を例
えば1.7μ以下と小さくコントロールする方法が採
用されているが、これでは落錘衝撃強度及びアイ
ゾツト衝撃強度のいずれもが劣り実用に耐え難い
というのが現状である。従つて、高い光沢と優れ
た耐衝撃性を有するスチレン系樹脂の開発が待た
れていた。 一方、本発明者等は、先に特公昭58−4934号に
て、耐衝撃性の優れた耐衝撃性ポリスチレンを見
い出した。 上記発明はポリブタジエン含量が8〜25重量%
の耐衝撃性ポリスチレンの製造方法で、特殊なポ
リブタジエンゴム即ち、1.2ビニル15〜35%、1.4
シス20〜85%であり、かつムーニー粘度
(ML1+4)が25以上100未満、25℃で測定した5重
量%スチレン溶液粘度(SV)が20cps以上50cps
未満で、0.5ML1+4≦SV≦1.5ML1+4の範囲にある
ポリブタジエンゴムを用いる方法である。 そこで本発明者等は、上記発明を基に、高い光
沢と優れた耐衝撃性を有する耐衝撃性スチレン系
樹脂について種々検討した。その結果、高光沢性
の耐衝撃性スチレン系樹脂においてもその耐衝撃
性については、特公昭58−4934と同様以下のこと
が云えることがわかつた。 a) その実用衝撃強度は、落錘衝撃強度とアイ
ゾツト衝撃強度の双方が優れていることが望ま
しい。 b) その落錘衝撃強度とアイゾツト衝撃強度は
用いるポリブタジエンゴム種によつて異なるこ
とは当然だが、一般的な予想に反して優れた落
錘衝撃強度を与えるポリブタジエンは、必ずし
も優れたアイゾツト衝撃強度を与えるものでは
なく、優れた落錘衝撃強度を与えるものから、
優れたアイゾツト衝撃強度を与えるものまで
種々のポリブタジエンゴムがある。 そこで本発明者等は、高い光沢と優れた落錘衝
撃強度とアイゾツト衝撃強度を有する耐衝撃性ス
チレン系樹脂について検討した。その結果、高い
光沢を有する耐衝撃性スチレン系樹脂を得るため
には、該樹脂中に分散しているゴム粒子相の平均
粒径が0.7〜1.7μと従来の耐衝撃性スチレン系樹
脂より小さくすることが基本的に重要であるが、
さらに以下に示す様な新事実を見出した。即ち、 a) ゴム粒子相の平均粒径を0.7〜1.7μとした
場合、一般的に耐衝撃性保持の立場から最適ゴ
ム粒子径と云われる1.8〜4.0μの場合より、一
般的に耐衝撃性は低下するが、特公昭58−4934
号に開示されるポリブタジエンのうち、さらに
限定されたものを用いた場合は、落錘衝撃強度
及びアイゾツト衝撃強度の保持性が高く、実用
上優れたものであることを見い出した。また、
驚くべきことは、その限定されたポリブタジエ
ンゴムを用いた耐衝撃性スチレン系樹脂は光沢
の改良効果もあることを見い出した。 b) 上記ゴム粒子相の平均粒径が0.7〜1.7μで
あり、特に限定されたポリブタジエンゴムを用
いた場合、耐衝撃性スチレン系樹脂のゴム含量
は、5重量%以上であれば落錘衝撃強度及びア
イゾツト衝撃強度と光沢の面で優れたものが得
られることを見い出した。 上記の新しく見い出された事実によつて得られ
る耐衝撃性スチレン系樹脂は、極めて優れたもの
であり、本発明に達した。 即ち、本発明はポリブタジエンゴム含量が5〜
25重量%であり、樹脂中に分散しているゴム粒子
相の平均粒径が0.7〜1.7μである耐衝撃性スチレ
ン系樹脂であつて、用いるポリブタジエンゴムが
1.2ビニル含量15〜35%、1.4シス含量20〜85%
で、かつムーニー粘度(ML1+4)20〜100、25℃
で測定した5重量%スチレン溶液粘度(SV)15
〜50cpsで 0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4 の関係にあるポリブタジエンゴムであることを特
徴とする耐衝撃性スチレン系樹脂である。 本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂は特定のポリ
ブタジエンゴムを用いることにより、初めて達成
出来ることを見出したことに特長があるが、該ポ
リブタジエンゴムは、一般に市販されているもの
と比較して極めて特殊なポリブタジエンゴムであ
る。 即ち、本発明に用いるポリブタジエンゴムは通
常そのミクロ構造から考えて、有機リチウム系触
媒によつて重合し得ることが一般的であるが、市
販の有機リチウム系触媒によるポリブタジエンゴ
ムはSV>3.0ML1+4が大部分であるのに対し、本
発明に用いられるポリブタジエンゴムは
0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4であり、ムーニー粘度
の割には、SVが極めて低いタイプのものである。
そのため、該ポリブタジエンゴムの重合技術にお
いても工夫が必要であるが、ゴム製造時にゴム重
合溶液の撹拌輸送に好都合であり、かつゴム貯蔵
時のコールドフローが小さいという工業的に極め
て有利な面を有している。又耐衝撃性スチレン系
樹脂製造時、スチレンに溶解した時の溶液粘度が
極めて低いため、ゴム粒子径のコントロール性に
優れているばかりでなく、撹拌・輸送にも好都合
であるという工業的に有利な面も有している。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明で用いられる特定のポリブタジエンゴム
は、有機リチウム化合物を触媒として溶液重合す
ることにより得ることが出来る。有機リチウムと
しては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチ
ウム等の有機モノリチウムが一般的であるが、さ
らに特開昭57−40513に示される様に、1.2−ジリ
チオ−1.2−ジフエルエタン、1.4−ジリチオ−2
−エチルシクロヘキサンの如き多官能性有機リチ
ウムと有機モノリチウムとの混合物、或いは有機
モノリチウムとポリビニル芳香族化合物(例えば
ジビニルベンゼン)の二者を含む反応生成物等が
ある。 本発明で用いる特定のポリブタジエンゴムは、
1.2ビニル含量が15〜35%であり、シス1.4含量が
20〜80%である。この範囲外であれば特に落錘衝
撃強度が劣る。 このような特定のミクロ構造を有するポリブタ
ジエンゴムを製造する方法は、上記構造になるよ
うな方法であれば従来公知のいかなる方法であつ
てもよいが、具体的な方法として、たとえば重合
系にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルサルフ
アイド、ジエチルサルフアイド等のチオエーテル
類、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、
トルn−プロピルアミン等のアミン類などの極性
化合物を添加して重合を行なう方法が挙げられ
る。ビニル結合は、分子鎖中に均一にあつても、
特公昭48−875号に示されるように分子鎖に沿つ
て漸減的に変化するようなものでも、あるいはブ
ロツク的に結合していてもよく、全体として15〜
35重量%含まれていればよい。 本発明で用いるポリブタジエンゴムは、ムーニ
ー粘度(ML1+4)20〜100、好ましくは25〜60で
あり、25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度
(SV)15〜50cps、好ましくは20〜約25cpsであ
り、かつ0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4の範囲にあ
る。ムーニー粘度20未満では、得られる耐衝撃性
スチレン系樹脂の落錘衝撃強度及びアイゾツト衝
撃強度が劣り、ムーニー粘度100を越えると、ゴ
ムをスチレンに溶解する時に時間がかかり、さら
にゴム製造時の乾燥が困難であり、工業的に不利
である。 また、SV15cps未満では、得られる耐衝撃性ス
チレン系樹脂の落錘衝撃強度及びアイゾツト衝撃
強度が劣り、SV50を越えると、分散ゴム粒子相
を0.7〜1.7μにコントロールすることが難しく、
従つて光沢が劣るばかりでなく、アイゾツト衝撃
強度が劣る。 驚くべきことは、用いるポリブタジエンゴムが
0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4であり、かつ分散ゴム
粒子相が0.7〜1.7μの場合、SV20〜約25のポリブ
タジエンゴムを用いた場合、光沢性と耐衝撃性の
バランスが特に優れていることを見い出したこと
である。 また、0.5ML1+4>SVでは、分散ゴム粒子相を
0.7〜1.7μに安定にコントロールすることが難し
くなり、特に落錘衝撃強度が劣る。 SV≧1.0ML1+4では、アイゾツト衝撃強度と光
沢が劣る。 本発明を構成する特定のポリブタジエンゴムの
含量は5〜25重量%であり、特に好ましくは8〜
20重量%、さらに好ましくは10〜15重量%であ
る。 上記範囲が好ましい理由は、用いるポリブタジ
エンゴムが、0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4という特
定のゴムであること及び分散ゴム粒子相が0.7〜
1.7μであることと深く関係している。即ち、ゴム
の含量が5重量%未満では、光沢及び落錘衝撃強
度アイゾツト衝撃強度が特長を失ない、ゴム含量
が25重量%を越えると溶液粘度が高くゴム粒子径
のコントロールが困難になる。 本発明に用いられるポリブタジエンゴムは、前
述したようにそのML1+4とSVの関係が極めて特
殊な上にSVが極めて低いため、このようなポリ
ブタジエンゴムを得るには若干の工夫が必要であ
る。具体的な方法は、たとえば、重合系中に若干
量のジビニルベンゼンを添加して重合する方法
(特公昭39−17074号参照)、またはリビングポリ
マーを四塩化ケイ素、メチルトリクロルシラン、
四塩化炭素等のハロゲン化物類、アジピン酸ジエ
チル等のジエステル類等の多官能性カツプリング
剤でカツプリング反応させること〔たとえば、
Journal of Polymer Science Part A,Vol
3,93〜103(65)、英国特許第1223079号等〕 によつて行なう方法も有用である。 上記リビングポリマーを、多官能性カツプリン
グ剤でカツプリングする場合、そのリビングポリ
マーの重合法として単にn−ブチルリチウムの如
き有機モノリチウムで重合する方法、1.2ジリチ
オ−1.2−ジフエニルエタンの如き有機ジリチウ
ムを有機ジリチウムとの混合物で重合する方法、
有機モノリチウムとポリビニル芳香族化合物(例
えばジビニルベンゼン)の二者を含む反応生成物
で重合する方法等がある。 かかる方法によつて本発明に用いる特定のポリ
ブタジエンゴムが製造可能であるが、前記範囲を
満足するならば、これ以外の従来公知の方法を用
いてもよい。 本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂中に分散して
いるゴム粒子相の平均粒子径は0.7〜1.7μの範囲
になければならない。ゴム粒子径が0.7μ未満で
は、得られる該樹脂の落錘衝撃強度、アイゾツト
衝撃強度が共に劣り、ゴム粒子径が1.7μを越える
と、光沢が劣る。 本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂を得る方法
は、本発明が満足される様に配慮されているかぎ
り、公知の方法を用いてもよいが、特に塊状重合
法、塊状−懸濁重合法が好ましい。 以下、塊状重合法と塊状−懸濁重合法の実施の
態様を述べる。 一般に塊状重合においては、本発明の特定のポ
リブタジエンゴムをスチレンに溶解し、無触媒の
場合は通常95〜200℃において加熱重合し、触媒
重合あるいは照射重合におては一般に、より低い
温度において、すなわち20〜150℃において、実
質的にスチレンの重合が完了するまで重合操作が
継続される。この塊状重合に際しては、しばしば
公知の内部潤滑剤、たとえば流動パラフインがが
重合体100重量部に対して1〜5重量部添加され
る。重合終了後、生成ポリマー中に少量(1〜5
%)の未反応スチレンを含有する場合は、かかる
スチレンを公知の方法、たとえば減圧除去あるい
は揮発分除去の目的に設計された押出装置で除去
するなどの方法によつて除去することが望まし
い。かかる塊状重合中の撹拌は、必要に応じて行
なわれるが、スチレンの、重合体への転化率、す
なわちスチレンの重合率が80%以上まで進んだ
後、撹拌を停止するか緩和するのが望ましい。過
度の撹拌は得られる重合体の強度を低下させるこ
とがある。また、必要ならば少量のトルエン、エ
チルベンゼン等の希釈剤の存在下で重合し、重合
終了後に未反応スチレンとともにこれら希釈剤は
加熱除去してもよい。 塊状懸濁併用重合も本発明の耐衝撃性ポリスチ
レンの製造に有用である。この方法は、まず前半
の反応を塊状で行ない、後半の反応を懸濁状態で
行なうものである。すなわち、本発明の特定のブ
タジエンゴムのスチレン溶液を先の塊状重合の場
合と同様に無触媒下で加熱重合または触媒添加重
合し、あるいは照射重合して、スチレンの通常50
%以下、好ましくは10〜40%までを部分的に重合
させる。これが前段の塊状重合である。次いで、
この部分的に重合した混合物を懸濁安定剤または
これと界面活性剤の両者の存在下に水性媒体中に
撹拌下に分散させ、反応の後半を懸濁重合で完結
させ、最終的に洗浄、乾燥し、必要によりペレツ
トまたは粉末化し、実用に供するものである。 以上の他、これらの方法の改変、改良を行なつ
た従来公知の方法により、有用な耐衝撃性ポリス
チレンが得られる。 また、本発明における特定のポリブタジエンと
ともに耐衝撃性ポリスチレンを形成するスチレン
の一部をスチレン以外のスチレンとラジカル共重
合可能な単量体で置換してもよい。かかるスチレ
ン以外の共重合可能な単量体は、スチレンを含む
全単量体中の50重量%以下の範囲で用いられる。
このようなスチレン以外の共重合可能な単量体と
しては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニル
ナフタレン等のモノビニル芳香族炭化水素、ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエン類、またはア
クリルニトリル、メタクリル酸メチルなどから選
ばれた1種または2種以上のモノマーが用いられ
る。 本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂は、射出成
形、押出成形等の加工法で多種多様に実用上有用
な製品として使用できる。さらに加工に際し、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離
型剤、充填剤等さらに他の熱可塑性樹脂たとえば
一般用ポリスチレン等を混合してもよい。 以上説明した本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂
は、従来の耐衝撃性スチレン系樹脂と比して、高
い光沢と優れた耐衝撃性を有しているため、その
応用範囲は広く、本発明の工業的意義は極めて大
きい。 以下に若干の実施例を示し、本発明の具体的な
実施態様を示すが、これは本発明の趣旨をより具
体的に説明するためのものであり、本発明を限定
するものではない。 実施例 1 次に示す方法により、第1実施例Bのポリブタ
ジエンゴムを重合した。 即ち、内容積10の撹拌装置、ジヤケツト付の
オートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め
精製乾燥したブタジエンモノマー100重量とn−
ヘキサン700重量部の割合で加え、n−ブチルリ
チウムの10重量%n−ヘキサン溶液をn−ブチル
リチウム換算で0.23重量部加え、さらに1.2ビニ
ル調製剤としてテトラヒドロフランを0.17重量部
加えて70℃にて重合を開始した。重合1時間後、
さらにカツプリング剤として四塩化ケイ素を
0.122重量部加えて1時間反応させた。 得られたポリマー溶液にBHT(ブチルヒドロキ
シトルエン)をゴム100重量部当り0.5重量部加
え、溶媒を二本ロールにて加熱除去し、実施例B
のポリブタジエンゴムを得た。さらに実施例C、
D、E、比較例A、Fのポリブタジエンゴムを触
媒とカツプリング剤の量を変えること以外は実施
例Bと同様の要領にて重合した。 得られたポリブタジエンゴムの特性を表1に示
す。5重量%スチレン溶液粘度は、キヤノンフエ
ンスケ型粘度計を用いて25℃にて測定した。 ミクロ構造は、赤外分光々度計を用いてモレロ
法〔La.chimica E L′industria,41,758
(1959)による〕にて測定した。 表1の各ゴムを用いて、以下に述べる塊状重合
法により耐衝撃性スチレン系樹脂を得た。 即ち、表1の各種ゴムを夫々、9重量部をスチ
レン91重量部トルエン10重量部に均一に溶解させ
た。これを撹拌装置、ジヤケツト付反応器に移
し、スチレン1モルに付き、1×10-4モルのジ−
tert−ブチルパーオキサイドを加えて110℃で3
時間、140℃で5時間160℃で2時間反応させた。 反応中、ゴム粒子相の平均粒径が約1.1〜1.3μ
になる様撹拌数をコントロールした。 得られた重合体を230℃にて未反応物を減圧除
去後、BHTを重合体100重量部当り0.5重量部添
加し、押出機にてペレツト化した。平均粒径はコ
ールターカウンターを用いて測定し50%メジアン
径として表現した。M.I(メルトインデツクス)
は条件G(200℃×5Kg)でASTMD1238に従つ
て測定した。アイゾツト衝撃強度は圧縮成形によ
つて得られた厚さ約3mmの平板を用い、JIS K
6871に従つて測定した。落錘衝撃強度は以下に示
す光沢測定用の射出成形板を用いて測定した。 光沢は150mm×150mm、厚さ2mmの片ピンゲート
付金型で射出成形を行ない、ゲート部とゲート反
対側部の光沢の平均値をJIS K 8741に従つて測
定した。得られた結果を表1に示す。 表1から実施例Cが光沢と耐衝撃性のバランス
が最も優れ、比較例Aでは落錘衝撃強度、アイゾ
ツト衝撃強度に劣るが光沢は優れ、比較例Fでは
アイゾツト衝撃強度と光沢が劣つていることがわ
かる。
【表】
【表】 実施例 2 表2に示す様な5重量%スチレン溶液粘度
(SV)とムーニー粘度(ML1+4)との比SV/
ML1+4の異なる4種のポリブタジエンゴムを重合
した。 用いた触媒はn−ブチルリチウムであり、カツ
プリング剤としては四塩化ケイ素であり、両者の
使用量を変えること以外は実施例1と同様の要領
にて重合した。 上記4種のポリブタジエンゴムを用いて、夫々
ゴム含量8.5重量%、ゴム粒子径約0.9μの耐衝撃
性スチレン系樹脂を塊状懸濁重合法によつて得
た。 即ち、表2の各種ゴムを夫々8.5重量部をスチ
レン91.5重量部に均一に溶解させた。 これを撹拌装置、ジヤケツト付反応器に移し、
tert−ドデシルメルカプタン0.06重量部を添加し
て、該溶液を無触媒下に120℃で5時間撹拌しつ
つ加熱し、スチレンの約35%が重合した溶液に、
該溶液100重量部当り、トリスノニルフエニルフ
オスフアイト0.3重量部とジ−tert−ブチルパーオ
キサイド0.1重量部を添加した。 一方、0.2重量部の懸濁安定剤ポリビニルアル
コール、及び0.75重量部の界面活性剤ドデシルベ
ンゼンスルフオン酸ナトリウムを150重量部の水
に溶解し、上述の部分重合体100重量部を懸濁さ
せ、この懸濁混合物を撹拌しつつ120℃で6時間、
次いで130℃で3時間加熱してスチレンの重合を
実質的に完了させ、懸濁粒子状の耐衝撃性スチレ
ン系樹脂を得た。これを遠心分離により、反応混
合物より分離し、温水で洗浄し空気乾燥した。ゴ
ム粒子径は、反応器の撹拌装置の回転数を調整す
ることにより、約0.9μに調整した。 得られた耐衝撃性スチレン系樹脂の物性を実施
例1と同じ方法にて測定した。その結果を表2に
示す。 表2から、実施例H,Iでは、光沢と耐衝撃性
共に優れ、比較例Gでは落錘衝撃強度が劣り、比
較例Jではアイゾツト衝撃強度と光沢が夫々劣る
ことがわかる。
【表】 実施例 3 表3に示す2種ポリブタジエンゴムを重合し
た。但し、実施例1では触媒としてn−ブチルリ
チウムを用いたが、実施例3では以下に示す方法
にて調整したn−ブチルリチウムとジビニルベン
ゼンの二者を含む反応生成物を触媒として用い
た。 即ち、n−ブチルリチウム13.5重量部、ジビニ
ルベンゼン4.11重量部、ブタジエンモノマー100
重量部をn−ヘキサン700重量部に加えて、70℃
で40分反応させたものを触媒として用いた。この
調整触媒を重合系に添加する場合はn−ブチルリ
チウムに換算した量で表現した。ジビニルベンゼ
ンは、市販のものを用いた。この製品はジビニル
ベンゼン異性体を含有するる混合物で、その残部
はエチルビニルベンゼン、ジエチルベンゼンであ
る。 又、カツプリング剤として四塩化ケイ素を用
い、上記調整触媒と四塩化ケイ素の使用量を変え
ること以外は実施例1と同様の要領にて重合し
た。例えば実施例Kではブタジエンモノマー100
重量部に対し、n−ブチルリチウム換算量として
0.25重量部、四塩化ケイ素0.11重量部用いた。 表3の実施例K(比較例L)、及び比較例M(比
較例N)のポリブタジエンゴムを用いて、実施例
1と同様の要領にて塊状重合法にて耐衝撃性スチ
レン系樹脂を得た。ゴム含量は表3に示す様に、
夫々13%と4%のものを調整した。またゴム粒子
径は、反応器の撹拌装置の回転数を調整して1.4
〜1.5μに調整した。 得られた耐衝撃性スチレン系樹脂の物性を実施
例1と同じ方法にて測定した。その結果を表3に
示す。 表3から、比較例Lと同Nを比較するとほぼ同
等の光沢と耐衝撃性を示すが、実施例Kと比較例
Mを比較すると、前者は光沢とアイゾツト衝撃強
度が優れていることがわかる。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリブタジエンゴムを分散ゴム粒子として含
    有する、ポリブタジエン含量が5〜25重量%であ
    り、樹脂中に分散しているゴム粒子相の平均粒径
    が0.7〜1.7μである耐衝撃性スチレン系樹脂であ
    つて、用いるポリブタジエンゴムが1,2ビニル
    含量15〜35%、1,4シス含量20〜85%で、かつ
    ムーニー粘度(ML1+4)20〜100、25℃で測定し
    た5重量%スチレン溶液粘度(SV)15〜50cpsで 0.5ML1+4≦SV≦1.0ML1+4 の関係にあるポリブタジエンゴムをスチレンに溶
    解し、該溶液を塊状重合法又は塊状−懸濁重合法
    によつてラジカル重合させて得られることを特徴
    とする耐衝撃性スチレン系樹脂。
JP9317283A 1983-05-26 1983-05-26 耐衝撃性スチレン系樹脂 Granted JPS59217712A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9317283A JPS59217712A (ja) 1983-05-26 1983-05-26 耐衝撃性スチレン系樹脂

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JP9317283A JPS59217712A (ja) 1983-05-26 1983-05-26 耐衝撃性スチレン系樹脂

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Publication Number Publication Date
JPS59217712A JPS59217712A (ja) 1984-12-07
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