JPH0351807B2 - - Google Patents
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- JPH0351807B2 JPH0351807B2 JP22015385A JP22015385A JPH0351807B2 JP H0351807 B2 JPH0351807 B2 JP H0351807B2 JP 22015385 A JP22015385 A JP 22015385A JP 22015385 A JP22015385 A JP 22015385A JP H0351807 B2 JPH0351807 B2 JP H0351807B2
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- polyester multifilament
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(技術分野)
本発明は、新規な風合効果を有するポリエステ
ルマルチフイラメント糸条に関するものである。
ルマルチフイラメント糸条に関するものである。
(従来技術)
従来より、ポリエステル糸条は、その寸法安定
性、ウオツシユアンドウエア−性、皺になり難
い、腰がある、加工い易い、生産性は良くコスト
が安い、等の特徴を有するために、衣料用素材と
して広く用いられている。しかしながら、その表
面に触れた時の感触は非常に平滑過ぎ、ヌルヌル
した人工的な感じはまぬがれない。
性、ウオツシユアンドウエア−性、皺になり難
い、腰がある、加工い易い、生産性は良くコスト
が安い、等の特徴を有するために、衣料用素材と
して広く用いられている。しかしながら、その表
面に触れた時の感触は非常に平滑過ぎ、ヌルヌル
した人工的な感じはまぬがれない。
(発明の目的)
本発明はポリエステル繊維の上記欠点を解消
し、好ましい触感を呈するようにその表面構造を
改良したポリエステルマルチフイラメント糸条
(フラツトヤーン)を提供することにある。
し、好ましい触感を呈するようにその表面構造を
改良したポリエステルマルチフイラメント糸条
(フラツトヤーン)を提供することにある。
(発明の構成)
本発明者等は上記目的を達成せんとして鋭意研
究した結果、ヌメリ感、ワキシ−感を呈するフラ
ツトヤーンにおいて、その糸条表面に構成フイラ
メントの一部を遊離乃至派生せしめると共に、該
遊離乃至派生したフイラメントの少なくとも一部
には間歇的に、特殊な隆起に意よる皺状の波形部
を共存させることにより、所望の風合効果を得る
に到つたのである。
究した結果、ヌメリ感、ワキシ−感を呈するフラ
ツトヤーンにおいて、その糸条表面に構成フイラ
メントの一部を遊離乃至派生せしめると共に、該
遊離乃至派生したフイラメントの少なくとも一部
には間歇的に、特殊な隆起に意よる皺状の波形部
を共存させることにより、所望の風合効果を得る
に到つたのである。
かくして、本発明によれば、
ポリエステルマルチフイラメントのフラツトヤ
ーンを構成するフイラメントの一部が糸条表面に
遊離乃至派生した構造を呈し、その際該遊離乃至
派生したフイラメントの少なくとも一部には間歇
的に、繊維軸と略直角方向で且つ実質的に全周に
亘つてフイラメント表面の隆起による生起された
皺条の波形部が形成されていることを特徴とする
ポリエステルマルチフイラメント糸条 が提供される。
ーンを構成するフイラメントの一部が糸条表面に
遊離乃至派生した構造を呈し、その際該遊離乃至
派生したフイラメントの少なくとも一部には間歇
的に、繊維軸と略直角方向で且つ実質的に全周に
亘つてフイラメント表面の隆起による生起された
皺条の波形部が形成されていることを特徴とする
ポリエステルマルチフイラメント糸条 が提供される。
以下、添付図面により本発明を詳述する。第1
図は本発明のポリエステルマルチフイラメント糸
条の側面図、1はポリエステルマルチフイラメン
ト糸条(ここでは、Z撚糸)で、構成フイラメン
トのうちf1〜f5のフイラメントは通常の撚糸
集束部2から遊離乃至派生した状態で捲回してい
る。しかも、このf1〜f5のフイラメント群に
あつては3で示す皺条の波形部が存在している。
この波形部は第2図a,b(電子顕微鏡写真図;
X1500倍)にも示すように、繊維軸と略直角方向
に逐次的に隆起が生じ、これにより皺軸の波形部
が形成されたものであり、この場合隆起は実質的
にフイラメントの全周に亘つているのが特徴的で
ある。
図は本発明のポリエステルマルチフイラメント糸
条の側面図、1はポリエステルマルチフイラメン
ト糸条(ここでは、Z撚糸)で、構成フイラメン
トのうちf1〜f5のフイラメントは通常の撚糸
集束部2から遊離乃至派生した状態で捲回してい
る。しかも、このf1〜f5のフイラメント群に
あつては3で示す皺条の波形部が存在している。
この波形部は第2図a,b(電子顕微鏡写真図;
X1500倍)にも示すように、繊維軸と略直角方向
に逐次的に隆起が生じ、これにより皺軸の波形部
が形成されたものであり、この場合隆起は実質的
にフイラメントの全周に亘つているのが特徴的で
ある。
本発明においては遊離乃至派生フイラメントの
存在により糸条の風合効果(嵩性向上)に加え、
このようなフイラメント中に存在する皺条の波形
部がフイラメントの表面タツチを改良するもので
ある。この意味では遊離乃至派生フイラメントは
全フイラメント数の3〜25%であるのが適当で、
通常構成フイラメント数にもよるが通常3〜10本
程度あれぼ十分である。一方、隆起による皺状の
波形部については本来マルチフイラメント糸の全
部の繊維に発生させるのが理想的ではあるが、実
際にはなかなか難しく、必ずしも全部には付与で
きない。しかしながらこれをマルチフイラメント
糸条の外周部にある一部のフイラメントに付与す
るだけで糸の表面タツチはずい分変り、一般には
それで十分である。そしてその皺の深さも風合効
果を出すためには少なくとも0.08μ以上は必要で
あるが逆にあまり大きくなつても効果はそれ以上
でないばかりか繊維としても弱くなり、又糸の延
伸条件も厳しくなるので上限は高々5μくらいま
でで良い。又波形のピツチもあまり細かくても手
に感じないし粗すぎても凹凸を感じないので、
0.4μから25μくらいの間が適当である。その形状
もこの様に丸みを帯びたものが良く、激しくガリ
ガリしてシヤープなもの、深く切り込んだ様なも
のは耐久性が無い。
存在により糸条の風合効果(嵩性向上)に加え、
このようなフイラメント中に存在する皺条の波形
部がフイラメントの表面タツチを改良するもので
ある。この意味では遊離乃至派生フイラメントは
全フイラメント数の3〜25%であるのが適当で、
通常構成フイラメント数にもよるが通常3〜10本
程度あれぼ十分である。一方、隆起による皺状の
波形部については本来マルチフイラメント糸の全
部の繊維に発生させるのが理想的ではあるが、実
際にはなかなか難しく、必ずしも全部には付与で
きない。しかしながらこれをマルチフイラメント
糸条の外周部にある一部のフイラメントに付与す
るだけで糸の表面タツチはずい分変り、一般には
それで十分である。そしてその皺の深さも風合効
果を出すためには少なくとも0.08μ以上は必要で
あるが逆にあまり大きくなつても効果はそれ以上
でないばかりか繊維としても弱くなり、又糸の延
伸条件も厳しくなるので上限は高々5μくらいま
でで良い。又波形のピツチもあまり細かくても手
に感じないし粗すぎても凹凸を感じないので、
0.4μから25μくらいの間が適当である。その形状
もこの様に丸みを帯びたものが良く、激しくガリ
ガリしてシヤープなもの、深く切り込んだ様なも
のは耐久性が無い。
第3図は本発明のポリエステルマルチフイラメ
ント糸を経、緯に配してなる織物の1例を示す
(光学顕微鏡写真図;x40倍)で、個々の糸条に
は明確且つ顕著な遊離乃至派生フイラメントが認
められる。
ント糸を経、緯に配してなる織物の1例を示す
(光学顕微鏡写真図;x40倍)で、個々の糸条に
は明確且つ顕著な遊離乃至派生フイラメントが認
められる。
次にこの様な構造の糸条を製造する方法につい
て説明する。素材としては繊維形成能のあるポリ
エステルポリマーが必要であり、これを溶融紡糸
する。この際その紡速は出来るだけ低い例えば
1400m/min以下ぐらいの低速紡糸が望ましい。
配向度で言えば10×10-3以下くらいの低配向のも
のが良い。次いでこれを未延伸のままで硬い部材
の間をジグザグに通して強くしごく(張力にして
0.2g/de〜10g/de)。この様にして未延伸状態
でしごいたものを次いで延伸するが、その延伸は
完全に繊維が伸びきるまで引き伸ばしてはなら
ず、その未延伸糸の自然延伸比以下にとどめるの
が良い。この場合重要なことは、延伸中に強い加
熱を施すということである。例えば未延伸糸の二
次転移温度よりも、少なくとも70℃以上の高温が
望ましい。この様にすることにより、収縮率の低
いポリエステル低倍率延伸糸となる。
て説明する。素材としては繊維形成能のあるポリ
エステルポリマーが必要であり、これを溶融紡糸
する。この際その紡速は出来るだけ低い例えば
1400m/min以下ぐらいの低速紡糸が望ましい。
配向度で言えば10×10-3以下くらいの低配向のも
のが良い。次いでこれを未延伸のままで硬い部材
の間をジグザグに通して強くしごく(張力にして
0.2g/de〜10g/de)。この様にして未延伸状態
でしごいたものを次いで延伸するが、その延伸は
完全に繊維が伸びきるまで引き伸ばしてはなら
ず、その未延伸糸の自然延伸比以下にとどめるの
が良い。この場合重要なことは、延伸中に強い加
熱を施すということである。例えば未延伸糸の二
次転移温度よりも、少なくとも70℃以上の高温が
望ましい。この様にすることにより、収縮率の低
いポリエステル低倍率延伸糸となる。
即ち、通常ポリエステル未延伸糸をその自然延
伸比以下の低倍率で延伸すると所謂シツクアンド
シン糸ができるが、その物性上の大きな特徴は、
極めて収縮率が大きい事である。即ち、一般にシ
ツクアンドシン糸は収縮率が25〜60%位というの
が常識であるが、ここでは自然延伸比以下という
低倍率で延伸しながらその収縮率は12%以下とい
う低い値に保つ事が望ましい。その為には延伸前
のしごき条件や延伸中の温度条件(高温に保つ)
など、適切条件を適宜選ぶ必要がある。
伸比以下の低倍率で延伸すると所謂シツクアンド
シン糸ができるが、その物性上の大きな特徴は、
極めて収縮率が大きい事である。即ち、一般にシ
ツクアンドシン糸は収縮率が25〜60%位というの
が常識であるが、ここでは自然延伸比以下という
低倍率で延伸しながらその収縮率は12%以下とい
う低い値に保つ事が望ましい。その為には延伸前
のしごき条件や延伸中の温度条件(高温に保つ)
など、適切条件を適宜選ぶ必要がある。
次にこの糸を130°前後の加熱水蒸気で時間にし
て30分程度熱処理し、更に沸水中に入れてリラツ
クスする。
て30分程度熱処理し、更に沸水中に入れてリラツ
クスする。
これにより、構成フイラメントの一部のフイラ
メントが糸条表面に遊離乃至派生してき、同時に
これら遊離乃至派生フイラメントには前後の波形
部が現出してくる。
メントが糸条表面に遊離乃至派生してき、同時に
これら遊離乃至派生フイラメントには前後の波形
部が現出してくる。
ここで、加熱水蒸気→沸水処理の代りに糸条の
熱及び延伸履歴によつては沸水のみでも、或いは
乾熱でもそれなりの処理効果はあるが、好ましく
は何回も熱処理した方が効果は大きい。
熱及び延伸履歴によつては沸水のみでも、或いは
乾熱でもそれなりの処理効果はあるが、好ましく
は何回も熱処理した方が効果は大きい。
また、この熱処理は糸条の状態でなくても織編
物の状態で行つても良い。その場合でも、湿熱と
乾熱処理を繰り返したりした方が効果的である。
勿論、必要あれば織編物にする前の糸条に撚糸及
び/又は交絡を付与しても差しつかえないが、交
絡のみの場合、本発明の糸条がバラケ易いことか
ら一般には撚糸状態の方が好ましい。
物の状態で行つても良い。その場合でも、湿熱と
乾熱処理を繰り返したりした方が効果的である。
勿論、必要あれば織編物にする前の糸条に撚糸及
び/又は交絡を付与しても差しつかえないが、交
絡のみの場合、本発明の糸条がバラケ易いことか
ら一般には撚糸状態の方が好ましい。
(発明の作用効果)
本発明のポリエステルフラツトヤーンにおいて
は一部のフイラメントが遊離乃至派生している。
これは低紡速の未延伸糸を延伸前に強くしごいて
低倍率で延伸するなどによりマルチフイラメント
を構成する各単繊維の延伸挙動が完全に一致せず
その物性が大きくバラつく為ではないかと考えら
れる。その結果、各単繊維フイラメントは糸の長
手方向と種々の角度で交差し易くなり、嵩高効果
に加えフラツトヤーンの風合が著しく改良され
る。しかも、これら遊離乃至派生フイラメントに
はその繊維軸と概ね直角方向に繊維表面の隆起に
より生起された皺状の波形凹凸が形成されてい
る。これは、普通ならば自然延伸比以下の低倍率
で延伸するなど完全に伸ばし切らないと分子の動
きの自由度が大きく、従つて加熱によつてこが強
く縮み均一に高収縮となるが、本発明のように自
然延伸比以下でしかもこのような高収縮率が発生
しない程の高温で延伸する結果、繊維には完全に
配向しない結晶核的なものが部分的に生じ、これ
がその後の強い加熱、場合によつては何回も繰り
返される強い加熱によつて成長してこの様な隆起
を生じるものと思われる。この凹凸の存在によ
り、従来あまりにも平滑過ぎるポリエステル糸条
の表面は滑り難くなり、その風合にはヌルヌルし
た感じが減少し、好ましい触感のものとなる。
は一部のフイラメントが遊離乃至派生している。
これは低紡速の未延伸糸を延伸前に強くしごいて
低倍率で延伸するなどによりマルチフイラメント
を構成する各単繊維の延伸挙動が完全に一致せず
その物性が大きくバラつく為ではないかと考えら
れる。その結果、各単繊維フイラメントは糸の長
手方向と種々の角度で交差し易くなり、嵩高効果
に加えフラツトヤーンの風合が著しく改良され
る。しかも、これら遊離乃至派生フイラメントに
はその繊維軸と概ね直角方向に繊維表面の隆起に
より生起された皺状の波形凹凸が形成されてい
る。これは、普通ならば自然延伸比以下の低倍率
で延伸するなど完全に伸ばし切らないと分子の動
きの自由度が大きく、従つて加熱によつてこが強
く縮み均一に高収縮となるが、本発明のように自
然延伸比以下でしかもこのような高収縮率が発生
しない程の高温で延伸する結果、繊維には完全に
配向しない結晶核的なものが部分的に生じ、これ
がその後の強い加熱、場合によつては何回も繰り
返される強い加熱によつて成長してこの様な隆起
を生じるものと思われる。この凹凸の存在によ
り、従来あまりにも平滑過ぎるポリエステル糸条
の表面は滑り難くなり、その風合にはヌルヌルし
た感じが減少し、好ましい触感のものとなる。
このような表面タツチの改良については、従来
より繊維表面に小孔を開けたり、繊維に溝を形成
したりする方法が開発されているが、これ等の方
法は加工中に割れたりして壊れ易い欠点があり、
また孔や溝に汚物が入つて黒ずみ易いなどの欠点
がある。また孔や溝を作るのにアルカリ減量をし
なければならないのも大きな制約である。本発明
はこの様に壊れ易いという欠点も無く、極めて堅
牢ろうで取り扱いも容易であり、且つアルカリ減
量も必要ではないのでコストも安く、アルカリ減
量による腰抜けという風合上の問題も無いという
大きな特長を有するものである。
より繊維表面に小孔を開けたり、繊維に溝を形成
したりする方法が開発されているが、これ等の方
法は加工中に割れたりして壊れ易い欠点があり、
また孔や溝に汚物が入つて黒ずみ易いなどの欠点
がある。また孔や溝を作るのにアルカリ減量をし
なければならないのも大きな制約である。本発明
はこの様に壊れ易いという欠点も無く、極めて堅
牢ろうで取り扱いも容易であり、且つアルカリ減
量も必要ではないのでコストも安く、アルカリ減
量による腰抜けという風合上の問題も無いという
大きな特長を有するものである。
以上のことから、本発明のフラツトヤーンから
なる織編物は、ポリエステル固有のヌルヌルした
感じが消え、非常にサラツとした感触のものにな
るので、種々の商品においてその商品価値が向上
する。しかも、この繊維表面の波形は非常に堅牢
であるので、着用中に変化する事もなく、又織編
物を染仕上げする時にもこれを潰さない様に保つ
ようなケアーは不要である。又、アルカリ減量に
よる繊維表面加工法の場合には、たとえ風合上は
アルカリ減量が必要でなくアルカリ減量するとタ
ラタラになつて困るような場合でもアルカリ減量
せざるを得ないが、本発明の場合にはアルカリ減
量の必要が無いので(勿論風合上必要な場合は減
量しても良いが波形表面形成の為には減量は全く
必要ない)、特に張り腰のあるしつかりした商品
の表面タツチ改良には本発明の効果は非常に大き
い。
なる織編物は、ポリエステル固有のヌルヌルした
感じが消え、非常にサラツとした感触のものにな
るので、種々の商品においてその商品価値が向上
する。しかも、この繊維表面の波形は非常に堅牢
であるので、着用中に変化する事もなく、又織編
物を染仕上げする時にもこれを潰さない様に保つ
ようなケアーは不要である。又、アルカリ減量に
よる繊維表面加工法の場合には、たとえ風合上は
アルカリ減量が必要でなくアルカリ減量するとタ
ラタラになつて困るような場合でもアルカリ減量
せざるを得ないが、本発明の場合にはアルカリ減
量の必要が無いので(勿論風合上必要な場合は減
量しても良いが波形表面形成の為には減量は全く
必要ない)、特に張り腰のあるしつかりした商品
の表面タツチ改良には本発明の効果は非常に大き
い。
(実施例)
エチレンテレフタレートを主な繰り返し単位と
するポリエステルポリマー(酸化チタン0.6%含
有、η=0.62)を1100m/minで溶融紡糸して配
向度△n=8×10-3、自然延伸比=2.5倍、二次
転移点=67℃、繊度=460De、フイラメント数=
48本の未延伸糸を得た。次いでこれを酸化アルミ
ノのガイド3本にジグザグに通して0.5g/dの
張力で強くしごいたのち、180℃に加熱しながら
2.3倍の延伸倍率で延伸し、約200De/48Filの延
伸糸とした。次いでこの糸を2つに分け、S方向
及びZ方向にそれぞれ800t/m撚糸した後、これ
を130℃まで過熱された水蒸気にて約30分加熱し、
しかる後SZそれぞれ2本交互に平織した。更に
その織物を沸騰ジエツト噴流にて強く揉むように
しながら加熱した後、これを160℃の乾熱でセツ
トし、更に3Kg/cm2の高圧染色機で染色し、更に
160℃でセツトして仕上げた。出来た織物の糸条
を見ると、その外周部分に平均して約5本程度
(全繊維の約10%)の繊維が大きくとび出して遊
離し、その繊維の表面には第1図に示すような状
態で深さ約0.6μ、ピツチ約4μ程度の隆起した皺状
波形が形成されていた。この様にして出来た織物
の風合タツチは、ポリエステルであるにも拘ら
ず、その特有のヌルヌル感が驚くほど少なく、ウ
ールシヤーリーに見られる様なサラツとした、そ
れでいて手になじむ様なしつとり感とソフトな反
撥性に富み自然感にあうれた高級婦人ドレス用服
地となつた。また、この服地を試験的に60回繰返
し洗濯してみたが、皺状の波形部は何等変化する
事なく、実用耐久性の面でも非常に優れた性能を
有するものであつた。
するポリエステルポリマー(酸化チタン0.6%含
有、η=0.62)を1100m/minで溶融紡糸して配
向度△n=8×10-3、自然延伸比=2.5倍、二次
転移点=67℃、繊度=460De、フイラメント数=
48本の未延伸糸を得た。次いでこれを酸化アルミ
ノのガイド3本にジグザグに通して0.5g/dの
張力で強くしごいたのち、180℃に加熱しながら
2.3倍の延伸倍率で延伸し、約200De/48Filの延
伸糸とした。次いでこの糸を2つに分け、S方向
及びZ方向にそれぞれ800t/m撚糸した後、これ
を130℃まで過熱された水蒸気にて約30分加熱し、
しかる後SZそれぞれ2本交互に平織した。更に
その織物を沸騰ジエツト噴流にて強く揉むように
しながら加熱した後、これを160℃の乾熱でセツ
トし、更に3Kg/cm2の高圧染色機で染色し、更に
160℃でセツトして仕上げた。出来た織物の糸条
を見ると、その外周部分に平均して約5本程度
(全繊維の約10%)の繊維が大きくとび出して遊
離し、その繊維の表面には第1図に示すような状
態で深さ約0.6μ、ピツチ約4μ程度の隆起した皺状
波形が形成されていた。この様にして出来た織物
の風合タツチは、ポリエステルであるにも拘ら
ず、その特有のヌルヌル感が驚くほど少なく、ウ
ールシヤーリーに見られる様なサラツとした、そ
れでいて手になじむ様なしつとり感とソフトな反
撥性に富み自然感にあうれた高級婦人ドレス用服
地となつた。また、この服地を試験的に60回繰返
し洗濯してみたが、皺状の波形部は何等変化する
事なく、実用耐久性の面でも非常に優れた性能を
有するものであつた。
第1図は本発明のポリエステルマルチフイラメ
ント糸条の側面図、第2図はフイラメント表面の
隆起による皺状の波形部の斜視図(電子顕微鏡写
真図;x1500倍)、第3図は本発明のポリエステ
ルマルチフイラメント糸条からなる平織物の平面
図(光学顕微鏡写真図;x40倍)である。 第1図においてf1〜f5……遊離乃至派生フ
イラメント群、2……フラツトヤーンの撚糸集束
部、3……隆起による皺状の波形部。
ント糸条の側面図、第2図はフイラメント表面の
隆起による皺状の波形部の斜視図(電子顕微鏡写
真図;x1500倍)、第3図は本発明のポリエステ
ルマルチフイラメント糸条からなる平織物の平面
図(光学顕微鏡写真図;x40倍)である。 第1図においてf1〜f5……遊離乃至派生フ
イラメント群、2……フラツトヤーンの撚糸集束
部、3……隆起による皺状の波形部。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリエステルマルチフイラメントのフラツト
ヤーンを構成するフイラメントの一部が糸条表面
に遊離乃至派生した構造を呈し、その際該遊離乃
至派生したフイラメントの少なくとも一部には間
歇的に、繊維軸と略直角方向で且つ実質的に全周
に亘るフイラメント表面の隆起により生起された
皺状の波形部が形成されていることを特徴とする
ポリエステルマルチフイラメント糸条。 2 遊離乃至派生フイラメントの割合が全構成フ
イラメント数の3%〜25%である特許請求の範囲
第1項記載のポリエステルマルチフイラメント糸
条。 3 波形部の深さが0.08μ〜5μである特許請求の
範囲第1項記載のポリエステルマルチフイラメン
ト糸条。 4 波形部のピツチが0.4μ〜25μである特許請求
の範囲第1項記載のポリエステルマルチフイラメ
ント糸条。 5 波形部がアルカリ減量痕跡でない特許請求の
範囲第1項記載のポリエステルマルチフイラメン
ト糸条。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22015385A JPS6285040A (ja) | 1985-10-04 | 1985-10-04 | ポリエステルマルチフィラメント糸条 |
DE8585116428T DE3584960D1 (de) | 1984-12-24 | 1985-12-21 | Garn aus polyester und daraus hergestelltes gewebe. |
EP19850116428 EP0187362B1 (en) | 1984-12-24 | 1985-12-21 | Polyester yarn and fabric made of the same |
US06/812,246 US4684566A (en) | 1984-12-21 | 1985-12-23 | Polyester yarn and fabric made of the same |
US06/904,177 US4698260A (en) | 1984-12-24 | 1986-09-05 | Polyester yarn |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22015385A JPS6285040A (ja) | 1985-10-04 | 1985-10-04 | ポリエステルマルチフィラメント糸条 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6285040A JPS6285040A (ja) | 1987-04-18 |
JPH0351807B2 true JPH0351807B2 (ja) | 1991-08-08 |
Family
ID=16746716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22015385A Granted JPS6285040A (ja) | 1984-12-21 | 1985-10-04 | ポリエステルマルチフィラメント糸条 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6285040A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020072978A (ja) * | 2015-11-24 | 2020-05-14 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
1985
- 1985-10-04 JP JP22015385A patent/JPS6285040A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020072978A (ja) * | 2015-11-24 | 2020-05-14 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6285040A (ja) | 1987-04-18 |
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Legal Events
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