JPH0342961B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0342961B2
JPH0342961B2 JP61278875A JP27887586A JPH0342961B2 JP H0342961 B2 JPH0342961 B2 JP H0342961B2 JP 61278875 A JP61278875 A JP 61278875A JP 27887586 A JP27887586 A JP 27887586A JP H0342961 B2 JPH0342961 B2 JP H0342961B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
laser
steel plate
average
roughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61278875A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63132701A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP61278875A priority Critical patent/JPS63132701A/ja
Publication of JPS63132701A publication Critical patent/JPS63132701A/ja
Publication of JPH0342961B2 publication Critical patent/JPH0342961B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
    • B21B27/005Rolls with a roughened or textured surface; Methods for making same
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/22Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling plates, strips, bands or sheets of indefinite length
    • B21B1/227Surface roughening or texturing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) この発明は、自動車ボデイ外板や家庭電気製品
外装板の如く、プレス加工等の成形加工を施して
使用される塗装用鋼板又は塗装鋼板を代表例とし
てより、一般的には広く表面処理鋼板と呼ばれる
電気又は溶融めつきないしは有機被覆が施される
場合をも含めた、鋼材製品の原板として圧延薄板
と、その製法に関するものである。 以下これらを全て含めて「塗装用鋼板」と呼
ぶ。 この種の塗装用鋼板、多くの場合に冷延鋼板
は、圧延を経た後脱脂洗浄を行ない、さらに焼鈍
した後調質圧延を施して製品とするのが通常であ
り、ここで調質圧延の目的にロールの胴周表面を
ダル仕上げしたワークロールを用い軽度の圧延を
行なうことにより圧延薄板面に適度の表面粗さを
与えて、プレス成形時における耐焼付性を向上さ
せることも含まれる。 このような調質圧延に使用されるワークロール
の表面をダル仕上げするための方法としては従
来、シヨツトブラストによる方法と、放電加工に
よる方法とが実用化されている。これらの方法に
よる調質圧延用ワークロールのダル仕上げの場
合、ロール表面には不規則な粗度プロフイルが形
成されるため、調質圧延後の鋼板表面は一般に不
規則な山と谷で構成された粗面を呈し、このよう
に粗面が形成された圧延板についてプレス加工を
施せば、谷部に潤滑油を貯留させてプレス金型と
鋼板との摩擦力を低減させ、プレス作業を容易に
すると同時に、金型との摩擦力により剥離した金
属粉を谷部の底にトラツプして焼付きを防止する
ことができる。 しかるに近年来、乗用車はもちろん、軽自動
車、ワゴン車、さらにはトラツクに至るまで、塗
装後のボデーの塗装仕上り品質の良さは、自動車
の総合的な品質の高さを顧客に対し直接的に視覚
によつて訴えることができるため、極めて重要な
品質管理項目に加えられることとなつた。 ところで塗装面の評価項目としては種々のもの
があるが、そのうちでも特に塗装面の乱反射が少
なく光沢性に優れていること、および写像の歪み
が少ないことすなわち写像性が優れていることが
重要であり、これらの光沢性と写像性をあわせて
一般に鮮映性と呼ばれる。 塗装面の鮮映性については、塗料の種類や塗装
方法によつてももちろん左右されるが、塗装下地
として生地の表面粗さの影響をとくに強く受け
る。 すなわち圧延板面の平たんな部分の占める割合
が少なくてしかもその凹凸が激しければ、塗装面
においても凹凸が著しくなり、その結果光の反射
を生じて光沢性を損うとともに、映像の歪みを来
して写像性の低下を招き、かくして鮮映性の向上
と、改善は望み得ないことになる。一般に表面粗
さは中心線平均粗さRaで表わすことが多いがこ
のRaの値が大きいほど、山と谷の高低差つまり
粗さの振幅が大きくなつて、塗装面の凹凸は激し
く満足な鮮映性は得られない。 (従来の技術) このような問題を解決するため、レーザによつ
て調質圧延用ワークロールの粗面化加工を行な
い、このロールを用いて調質圧延を施すことによ
り、鋼板の表面粗度のプロフイルを改善する所
謂、レーザダル加工技術の開発が進められるよう
になつたが、その技術内容の具体的な報告文書は
発表されていない。 (発明が解決しようとする問題点) 発明者らもレーザダル加工ワークロールの利用
に関し特願昭61−7769号、同61−73624号及び同
61−73850号明細書にてその開発成果を示したが
それらの共通した特徴は、塗装用鋼板の粗度プロ
フイルについてのものである。この塗装用鋼板
は、表面の中心線平均粗さRaが0.3〜2.0μmの範
囲内にあり、かつその表面粗さを構成する微視的
形態が、平坦な山頂面を有する台形状の山部とそ
の周囲の全部または一部を取囲むように形成され
た溝状の谷部と、山部の間であつてかつ谷部の外
側にその谷部の底よりも高くかつ山部の山頂面よ
り低いかまたは同じ高さに形成された中間平坦部
とによつて構成され、しかも隣り合う山部の平均
中心間距離をSm、谷部の外縁の平均直径をD、
山部の平坦な山頂面の平均直径をd0、山部の平坦
な山頂面と前記中間平坦部の平坦面の面積の和が
全面積に占める割合をη(%)と定義したとき、 0.85≦ Sm/D≦1.7 Sm−D< 280(μm) 30≦d0≦500(μm) 20≦η≦85(%) を満足するように構成されている。しかし、以上
のレーザダル加工にあつてはなお以下のような問
題が残されていることを知つた。 (1) 自動車ボデーの塗装後の鮮映性を極限まで向
上させるためには3coat塗装でDOI〓98%が望
ましく、これを達成しようとする場合を考える
とηを85%以上とする必要があるところ、冷延
鋼板の調質圧延は通常は、延び率が0.7〜0.9%
で行なわれるのでηを85%以上にするには最小
限Sm/D>1.5より望ましくはSm/D〓1.7と
する必要がある。しかし、Sm/D>1.5ではプ
レス成形時に表1で二、三の実験結果を示すよ
うに、若干の焼付発生が認められ従つて、
Sm/D1.5の範囲でしかもη85%以上にする
ことが必要である。
【表】 (2) 一方上記した溝状の谷部は、後述するよう
に、レーザダル加工の際に溶融金属の一部が、
ロール表面のクレータの周りで環状に盛り上
り、さらにはときとして補助ガスの吹きつけに
よつて丈高となつたフランジ部が、調質圧延時
に鋼板に押しこまれて生成されるものである。 このフランジ部は、レーザビームのモードや
エネルギー密度、補助ガスの流速、流量、吹き
つけ方向等の加工条件のわずかな変動によつて
も完全に均一な形状とはなりにくくその形状の
制御も困難である。 かくして大きく凹みすぎた溝状の谷部は塗装
を行なつた後の塗膜面性状に悪影響を及ぼすた
めに、鮮映性を劣化させ、また不均一な形状を
有する溝状の谷部はまた鮮映性を悪化させる重
要な原因となる。 従つて溝状の谷部又はその不均一を生じさせ
るようなロール面のクレータの周りのフランジ
生成やその不均一性を、根本から解決する必要
がある。 (3) 均一に形成されたフランジ部でも実際の調質
圧延に当つてはさらに以下の不具合点がある。 (a) フランジ部で取囲まれたロール表面の各ク
レータの表層はフランジ部を含めてレーザ加
工による熱影響を強く受け、すなわちレーザ
のエネルギーによつて、いつたん溶融し、そ
の後室温まで冷却されて固化したものであ
る。そのため調質圧延で使用されるワークロ
ールの代表的化学成分(C 0.90%、Si0.60
%、Mn0.40%、Cr4.5%、Mo0.6%、V0.07
%、Ni0.5%)では、冷却過程でのオーステ
ナイトからのマルテンサイト変態において、
Mf点まで(約−50℃〜−80℃)冷却されず
に、残留オーステナイトの組成となり、硬度
はロールの母相にくらべて著しく低下し、実
際の調質圧延時にフランジ部に局部的な圧力
が加わることも手伝つて非常に摩耗しやす
い。 (b) このため実際の調質圧延では、ロールの摩
耗金属粉が発生して、鋼板にカミこみキズを
発生させたり、圧延の進行にともなつてロー
ル面の粗度が低下し、安定して均一な粗度を
鋼板に付与することが困難となる。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、鋼板の表面粗度のプロフイルを改良して、
塗装後の塗膜表面の凹凸を少なくし、平たん部分
の面積総和が板面の全投影面積内に占める割合を
多くすることによつて、光の正反射率の向上と写
像の歪を少なくして、塗装後の鮮映性の優れた鋼
板を提供し、併せてそのような優れた表面粗度プ
ロフイルを有する圧延薄板を効率よく製造する方
法を提供することを目的とするものである。 換言すれば、この発明は、従来使用されていた
塗料と塗装方法には何ら変更を加えずに、鮮映性
を従来よりも格段に向上させ得る塗装用鋼板と、
その製法を提供するものである。 (問題点を解決するための手段) 発明者らは、調質圧延用ワークロールのダル仕
上げの方法について従来とは異なるレーザ加工に
よる方法を検討し、種々実験・研究を重ねてこの
発明に到達した。 この発明は圧延薄板面の微視的な粗面形態を、
平たんな頂面をもつ円錐台状に隆起した無数の山
部と、これら山部の間にてより低レベルで平たん
にひろがる野部とから成り、隣り合つた山部相互
間の平均的な配列間隔Sm、山部の平均的な最大
直径d、同じく最少直径d0、さらに山部の平たん
な頂面と野部の平たんな上面と面積の総和が板面
の全投影面積に占める割合いηに関して、 Sm 420(μm) Sm/d 2.1 (Sm−d) 360(μm) d0〓 200(μm) η〓 80(%) の関係を満たすものとしたことを特徴とする塗装
用鋼板。(第1発明) ワークロールの胴周表面上にて微小なクレータ
状をなす互いに独立した無数の窪部を、隣り合つ
た窪部相互間の平均的な配列間隔Sm′と窪部の平
均的な開口径d′に関し、それらの比Sm′/d′が2.1
以下、(Sm′−d′)の値が360μm以下、Sm′が
420μmにて分布させる、高密度エネルギ源を用
いた規則的表面模様付け加工の施された調質圧延
用ワークロールにより、これを所定板厚の圧延仕
上げ薄板の片面または両面に適用して調質圧延を
行い、ワークロールの表面模様の転写を施すこと
を特徴とする、塗装用鋼板の製法。(第2発明) である ここに高密度エネルギ源としてレーザを用い規
則的表面模様の窪部1コ当りの加工に、105W・
s/cm2のエネルギ密度でレーザ投射を行つたワー
クロールを用いることが実施上とくに好適であ
る。 上記のレーザ加工法にてダル仕上げしたロール
により調質圧延した鋼板は、表面粗度を構成する
頂面が平たんな山部に、また山部と山部の間でひ
ろがる平たんな野部を加えて構成される平坦面積
が増加しこのように平たんな面の占める割合いの
多いことは、塗装時における塗膜最外層の平坦化
に有利であることを意味する。 すなわち、この場合には、シヨツトブラスト材
や放電加工材の場合ような不規則な凹凸粗面は、
勿論、従来のレーザダル加工材に比べても光の乱
反射が少なく、鮮映性が向上すると考えられる。 ここで前記高密度エネルギ源としては、レーザ
が最適であるが、このほかプラズマ、電子ビーム
などの適用も可能である。 調質圧延を施す原板は、一般に冷延鋼板が通常
であるが、これに予め溶融金属めつき、電気めつ
き、蒸着めつきなどの表面処理を施した後の鋼板
はもちろん、ときには熱延板であつても差し支え
ない。 さて第1図に第1発明に従う圧延薄板の微視的
な粗面形態を模式図で示し、1は山部、2はその
頂面、3は野部4はその上面を示し、また第2図
にて上記粗面形態のダル仕上げに供する調質圧延
ワークロールの規則的表面模様付け加工表面を模
式図で示し、5はクレータ状の窪部、6は胴周表
面をあらわし、また第3図は窪部5による山部1
の形成要領の説明図である。 以下に逆順であるがワークロールの胴周表面6
に対する、いわゆるダル加工から、より詳細に説
明を進める。 (作用) 〔1〕 レーザによる調質圧延ワークロール(以下
単にロールと略す)のダル目付け: 先ず高密度エネルギ源、例えばレーザにより
ロール表面にダル目付けを行なうが、その際ロ
ールを回転させながら、ロールの表面にレーザ
パルスを次々に投射し、105W・s/cm2以上の
エネルギ密度をもつ鋼エネルギのレーザパルス
によりロール表面を規則的に溶融し瞬間的に蒸
発させて、規則的にクレータ状の窪部5の形成
を進める。そのありさまを第4図に示す。第4
図において7はレーザパルス、8は溶融池、9
はO2ガス噴射流、10は溶融池8の盛上りの
ありさまをあらわし、11はクレータ状の窪部
5の表層に形成された熱影響部、12はフラン
ジを示す。 さらに上述のようなレーザによるダル目付け
について詳細に説明する。 レーザパルスによつて形成されたロールの胴
周表面6におけるクレータ状の窪部5の深さと
直径は、入射されるレーザのエネルギの大きさ
と投射時間によつて決定されるが、これは通常
のシヨツトブラストロールのRa粗度に相当す
る粗さを定義する量を与える。 レーザにより加熱された、ロールを形成して
いる金属は大きな照射エネルギ密度によつて瞬
時に溶融するが、溶融池8に向けて第4図aの
ように酸素ガスなどの補助ガスを吹きつけるこ
とにより、溶融金属が流動し、窪部5が形成さ
れるとともにその周りに盛り上つた輪状のフラ
ンジ12が形成される。しかし、レーザの出力
を大きくして、ロール表面の単位面積当りに加
えられるエネルギ密度〔W・s/cm2〕を大きく
してゆくと、溶融池8は第4図bのように瞬時
に蒸発して散逸するようになり、補助ガスの力
を藉りなくても窪部5が形成されてとくにこの
ときクレータのまわりのフランジ12は形成さ
れなくなる。 ロール表面に形成される窪部を1個形成する
ためのエネルギ密度を変化させたことによるク
レータの形状の違いを第4図cに示した。ここ
に溶融型はクレータ状の窪部5の周りに盛り上
つたフランジ12が形成され、蒸発型はフラン
ジ12が形成されない。 従つて、1回当りのレーザ投射エネルギ密度
を105W・s/cm2以上とすることによつて調質
圧延作業に有害なフランジ12を全く無くし、
また、加工条件の変動によつて生ずる、鋼板面
上の大きく窪みすぎた溝状の谷部による鮮映性
の劣化を完全に抑止することができる。 ロールを回転移動又は軸方向移動させつつ規
則的なレーザパルスを照射することにより上述
のようなクレータ状の窪み部5が規則的に形成
され、これらの次々に形成されるクレータの集
合によつてロール表面に適正な粗面を与えるこ
とができる。 このようにして形成されたロールの表面を第
2図、第3図に示す。これらの図から明らかな
ように、隣り合う窪部5の間の部分は、もとの
ロールの円筒表面6のまま平たん面となつてい
る。ここで、隣り合う窪部5の相互間の間隔
は、ロール円周に関しロールの回転速度と関連
付けてレーザパルスの周波数を制御することに
より、またロールの軸方向に対してはロールが
1回転するごとにレーザの照射位置をロール軸
方向へ移動させるピツチを制御することによつ
て、調節可能である。 なお以上の説明は高密度エネルギ源としてレ
ーザを用いた場合について説明したが、プラズ
マあるいは電子ビーム等の他の高密度エネルギ
源を用いた場合も同様である。 〔2〕 調質圧延による鋼板へのダル目転写: 前述のようにしてレーザなどによりダル加工
を施したロールを用い、調質圧延工程において
鋼板、例えば焼鈍済みの冷延鋼板に軽圧下率の
圧延を施すことによつてロールのダル目が鋼板
表面に転写され、鋼板表面に粗面が形成され
る。 この過程では第3図に示すように、ロールの
胴周表面のダル目が圧延薄板の表面に強い圧力
で押し付けられこれにより、ロールの材質より
は軟質な圧延薄板の表面近傍で材料の局所的塑
成流動が生じ、ロール表面の窪部5内へ圧延薄
板の表層金属が流れ込んで粗面が形成される。
このとき、窪部5内において盛り上がる表層金
属の頂面2は、もとの表面のまま平たんであ
り、一方ロールの隣り合つた窪部5−5間の胴
周表面6に押し付けられた圧延薄板の表面もま
たそのまま平たんである。したがつて調質圧延
後の圧延薄板の表面の粗面の微視的形態は、第
1図a,bに示すように、平たんな頂面2をも
ち円錐台状に隆起した山部1と、隣り合う山部
1の間にて、より低いレベルで平たんにひろが
る野部3とによつて構成されることになる。 上述のところから明らかなように、調質圧延
後の圧延薄板表面はその全面積中に山部1の頂
面2と野部3の上面4とからなる平たん面の占
める割合が多くなり、山部1のまわりで円錐状
をなす傾斜面13の投影面積の割合は原理的に
少なくなる。 これに対して第5図に示したシヨツトブラス
ト加工や放電加工によつて粗度付け加工を施さ
れたロールの場合、粗度を形成するロール表面
の山は第6図a,bに示すように正規分布に近
い種々の山高さを有し、調質圧延の過程を第5
図に示すように、ロール表面の山が圧延薄板の
板面に食い込んでロール表面の粗面プロフイル
と圧延薄板表面の粗面プロフイルとが合成され
るため、調質圧延の後では、原理的に山と谷に
よつて形成される傾斜面の割合が著しく多くな
るのである。 したがつてこの場合、レーザによりダル目付
けされたロールによつて調質圧延された鋼板と
は、その表面構造およびその形成過程が全く異
なることがわかる。 〔3〕 ロール表面および調質圧延後の板表面の粗
度プロフイル各部の寸法の定義: ここでは前述したレーザによりダル加工され
たロール表面の粗度プロフイルにおける一般的
な各部の寸法、およびそのロールにより調質圧
延された鋼板の粗度プロフイルにおける各部の
寸法を、第7図を参照して次のように定義す
る。 D′:ロールの胴周表面上にフランジ12が形
成される場合におけるその平均外径(板表面
の谷部外縁の平均直径Dに対応) d′:ロールの胴周表面の窪部5の平均直径(板
表面の山部1の平均的な最大直径dに対応) d0:板表面山部1の平均的な最小直径 H:ロール表面の窪部5の深さ h1:ロール表面のフランジ12の高さ h2:板表面の山部1の高さ Sm′:ロール胴周表面上で隣り合う窪部5の平
均中心間距離(板表面の隣り合う山部1の平
均中心間距離Smに対応) α:ロール表面のフランジ12の幅 〔4〕 調質圧延後の鋼板表面の平たん面の面積率
ηに及ぼす影響: 前述のように定義される値を用い、ロール表
面の粗度プロフイルを構成するパターンと調質
圧延の条件が、調質圧延後の板表面の平たん面
の面積率ηにどのような影響を与えるかについ
て検討を行なつた。 ここで平たん面の面積率ηは、第8図に示す
ように、山部1の平たんな頂面2の面積占有率
η1と、野部3の平たんな上面の面積占有率η2
の和で表わされる。 すなわち、 η=η1+η2 ……(1) である。ここで、η1の値は調質圧延における圧
下率によつて変化する。なぜならば、圧下率が
変化すれば、圧延薄板の表層金属が窪部5の内
側に流入する程度が変化し、そのため山部1の
頂面2の直径d0が変化するからである。一方η2
の値はSm/dの比の値に応じて一定の数値と
なる。 このSm/dの比は、後述するように次の(2)
(2′)式の範囲内とされる。 Sm420μm ……(2) Sm/d2.1 ……(2′) そしてη1は次の(3)式により定まり、また(4)式
で示すようにd0はdと一定の関係となり、η2
Sm/dの値に応じて式(5)によつて求められる。 η1=π(d0/Sm)2/4 ……(3) d0=kd ……(4) η2=1−π(d/Sm)2/4+a{d/Sm)2cos-1(Sm
/d)−√()2−1}……(5) ただし(5)式において、 Sm/d≧1のときa=0 ……(6) Sm/d<1のときa=1 ……(7) ここで、ロールの胴周表面および板表面の粗
度プロフイル断面形状について第9図に示すよ
うにx軸、y軸をとり、窪部5の断面形状をy
=cosxであると仮定すれば、d=πと置いて cos d/2=0 ……(8) またcos d0/2=h2から、 d0=2cos-1h2 ……(9) ここで、窪部5により板表面に転写される山
部1の高さh2と、窪部5の深さHとの比較h2
Hを粗度転写率と言うことができるが、上述の
例では窪部5の深さHを1としているから、粗
度転写率はh2/1、すなわちh2で表わせること
になる。 粗度転写率h2/1、すなわち山部1の高さh2
は調質圧延の圧延延び率λによつて定まる関係
となる。すなわち h2=f(λ) ……(10) この関係を、次のような実験により求めた。 すなわちRa粗度が0.38μmの板厚0.32mmの
SPCC鋼板を用い、調質圧延用ロールとしては
レーザによりRa粗度を3.54μmとした200mmφ
のHs硬度94のものを用いて、種々の圧延伸び
率λで調質圧延を施した。 その結果を第10図に示す。 第10図から、調質圧延伸び率λが1.5%程
度までは粗度転写率h2/1はほぼ直線的に増加
するが、λが1.8%を越えれば粗度転写率が飽
和することがわかる。 さらに第10図の結果を用いて、前記のd0
K、K2の値を求めたところ、表2に示す結果
が得られた。
【表】 ところで、通常のプレス成形用の冷延鋼板の
平均的な粗さである。Ra1.0〜3.0μmとなるよ
うにレーザダル加工を施した場合、窪部5の周
囲にフランジ12が形成される場合(溶融型)
に、フランジ12の幅αは0.09×D程度とな
る。したがつてdは次式で表わせる。 d=0.82D ……(11) また(4)式に(11)式を用いれば d0=0.82kD ……(12) となり、したがつて、(3)式は次のように表わせ
る。 η1=π(0.82k・D/Sm)2/4=0.5281k2(D/Sm)2
……(13) しかし、フランジの形成されない場合(蒸発
型)では、フランジ12の外縁の直径Dとは無
関係に窪部5の平均中心間距離を決定できるか
ら(3)式は次のように表わせる。 η1=π(k・d/Sm)2/4=0.7854k2(d/
Sm)2 ……(13′) 表2の結果および式(1)、(5)、(6)、(7)、(13′)
から平たん面の面積率ηは、次の表3a、表3b
及び表3cに示す値となる。このηをSm/dの
値に応じて図示すれば、第11図aのように表
わせる。また、フランジ12のある溶融型の場
合はηをSm/Dの値に応じて第11図bのよ
うに表わせる。この関係は次の式で一般化する
ことができる。 η=η1+η2=b・πk2(φ/Sm)2/4+1−π(φ
/Sm)2/4 +a{(φ/Sm)2cos-1(Sm/φ)−√()
2−1}……(14) 溶融型の場合b=0.822,a=0…… Sm/D〓1 φ=D,a=1…… Sm/D<1 蒸発型の場合b=1,a=0…… Sm/d〓1 φ=d、a=1…… Sm/d<1 第11図a図間から、平たん面の面積率は
Sm/dの比によつて大きく変化することが明
らかである。また調質圧延の伸び率λによつて
もηは変化し、特にSm/dが小さい場合には
λの変化による大きな影響を受ける。
【表】
【表】
【表】 〔5〕 (Sm/d)、(Sm−d)、d0の上限: 既に〔3〕項において定義したD,d,Sm,
H等のロールの粗度プロフイル各部の寸法は、
ここまでの説明で明らかなように、調質圧延用
ロールにレーザにより粗度付け加工を施す際の
ロール回転数、レーザパルス周波数、レーザ出
力、レーザ照射点の送り速度、レーザ照射時
間、あるいはO2ガス等の補助ガスの吹き付け
条件などを調節することによつて変化させるこ
とができる。ここで溝状谷部を有する溶融型の
レーザーダル鋼板について一般の加工冷延鋼板
に適当な0.5〜5μmのRa粗度をレーザでダル目
付け加工されたロールによる調質圧延で実現す
る場合を考察してみると、ロール表面でのフラ
ンジ幅αは20〜40μm程度であり、またフラン
ジ高さh1は5〜7μm程度、また窪部5によつて
形成される山部1の頂面2が平たんな円錐台状
の山部1の高さh2はRaが1.0μmで約2μm、Ra
が1.5μmで約3μm程度となる。 一方、鋼板表面に形成される粗度プロフイル
は、Sm/Dの値によつて第12図a,b,c
に示す3種のパターンが得られる。すなわち
Sm/Dが1の場合には第12図aに示すよう
に隣り合う連続溝状の谷部が丁度相接する状態
となり、Sm/D>1の場合には第12図bに
示すように隣り合う谷部が離れ、逆にSm/D
<1の場合には第12図cに示すように隣り合
う谷部11同士が互いに重なり合う状態とな
る。 このようにSm/Dの値を変えることによつ
て種々の粗度プロフイルパターンを得ることが
できるが、発明者らは種々のSm/Dの値を有
する調質圧延用ロールをレーザ加工により製作
し、適正な調質圧延圧下率となるように焼鈍さ
れた冷延鋼板に対し調質圧延を施して、ダル目
付けを行ない、そして各圧延薄板についてプレ
ス加工試験と塗装試験を実施したところ、以下
のような知見を得た。 まずゴーリング試験機により、ゴーリング発
生限界の試験を行なつたところ、山頂面の平均
直径d0が200μm以上のときはRaにかかわらず
ゴーリングが発生しやすく、200μm以下のと
きは、ゴーリングの発生がほとんどないことが
判明した。 このことは第13図にて模式的に示す如く、
プレス成形中に、ツールによる圧縮剪断変形で
金属剥離粉が発生しても、ツールと鋼板の相対
的滑り距離が短い間に、金属粉が谷にトラツプ
されそれ以上悪影響を及ぼさないからである。
つまり相対的な滑り距離が200μm以内に表面
粗度を構成する凹凸のプロフイルが変化すれば
良い。従つてd0200μmとする。 第14図に一般的な円錐台成形試験機を示す
が、このような試験において鋼板表面が最も激
しくツールと摩擦する部位はダイの肩部の曲面
である(局率rd) 肩部の曲率rdは通常rd=5〜15mmが使用され
ている。いま肩部での、鋼板とツールの接触状
態を考えると第15図aのように示され、さら
に部分的に拡大すると第15図bのように示さ
れる。 ダイのある特定部が板表面の山部1の頂面2
と接触しながら滑り動き、山部1から外れるま
でに板面から剥離した金属粉は野部3を滑り動
くときに、山部1と野部3とダイの表面によつ
て構成される空間にトラツプされ得る。これは
溝状谷8の有無にかかわらず、可能である。と
ころが、ダイの肩曲率rdが小さくなるか、Sm
−d0が大きくなると、ダイ表面は、野部3に接
触しΔrが大きくなる程、強い圧縮剪断力を野
部3に及ぼすようになり、再び、金属剥離粉を
発生させて、肩焼付が発生し易くなるのであ
る。 従つて、前述のとおり山部1の頂面の直径d0
は200μm以下、Δrはh2以下であることが焼付
防止に望ましい。 Δrはrd,Sm,d0によつて決まり次式で表わ
せる。 しかしロール円周方向のSm−d0は一定に制
御されても、ロール一周分の加工が完了し、そ
れに隣り合う次の一周分の加工によつて形成さ
れるロール周面上のくぼみ部5は、前の一周分
のくぼみ部と完全に同調しているわけではな
い。従つて(Sm−d0)の最大値は1ピツチづ
れた場合であつて、即ち第17図に示すよう
に、ある特定のくぼみ部5に対してその近傍に
隣接する3ケのくぼみ部5と形成する四角形の
対角線上に位置するくぼみ部5との対応によつ
て決定される、寸法となる。これを(Sm−d0
naxとすれば、プレス成形時の金型はSmやd0
比較して圧倒的に大きな寸法で板面に荷重がか
かつているので(Sm−d0naxをもつて、プレ
ス成形時の鋼板面での金型の肩部が摺動すると
きの野部3にダイ表面が接触するか否かを論じ
る最も厳しい条件と考えてよい。 従つてΔrとして とする。 表4はrd,Sm,d0を変化させたときのΔrを
計算により求め、h2と比較した結果である。
【式】 通常dは d=120〜150μm故2=135μとする又−SK
圧下率λは通常λ=0.8%故表2よりK=0.77
∴d0=Kd=0.77×135=104
【表】 表−4においてdは通常120〜150μmなので
2=135μとして、また調質圧延圧下率λは通
常0.8%程度であるので表−2よりK=0.77と
なり、d0は式(4)より d0=0.77×1.35=104〔μm〕 として計算した。 自動車用として、鮮映性要求の最も激しい外
板用の場合、Ra<1.0μmが要求される。レー
ザーダル鋼板の場合、溝状谷があつても第16
図に示す通り溝状谷部は全体に占める割合が10
〜20%でRaにあまり影響を与えないから平均
粗度Raは、次式で近似できる。 Ra≒(h2−Ra)×d0+Ra(Sn−d0)/Sn Ra≒h2/2 ……(16) 従つて表4の中ではh2=2μmととるのが最も
厳しい評価をしていることになる。 表4はrd=5mmのとき理論上Sm/d1.85
であれば、型焼付の発生しにくいことを示して
いるが、実際には発明者等の実験の結果、
Sm/dが2.2(Sm/d<2.0)以上になると焼
付が多発することを見出した。 rd=5mmの場合の実験の一部の結果を表5に
示す。
【表】 従つて表5より、rd=5mmのときはSm/d
の上限は2.1とするべきであり、同様の実験に
よりrd=8mmでは2.5、rd=15mmでは3.2mmとす
るべきである。。従つてSm/dの上限は3.2、
Smの上限は420μとする。 なお、溝状谷部の形成に与るフランジ部12
は、レーザビームのモードやエネルギ密度、補
助ガスの流速、流量、吹きつけ方向等の加工条
件のわずかな変動によつて完全に均一な形状と
は、なりにくくその形状の制御は一般に困難で
ある。 第18図aは理想的に均一な形状をしたフラ
ンジ部12をそして第18図bには現実の加工
条件の変動によつて形成される実際の不均整フ
ランジ部12′の形状を模式的に示したもので
ある。 第18図a,bのようなフランジをもつたロ
ールで調質圧延された鋼板は第19図a,bの
ような断面プロフイルをもつことになる。 第19図に於て、大きく凹みすぎた溝状谷部
は塗装を行なつた後、塗膜面にも影響を及ぼ
し、著しく鮮映性を劣化させる。 第20図は、このような不均一な形状を有す
る溝状谷部をもつ、鋼板の表面の三次元表示図
であり、大きな凹み部が観察される。 また第21図は、このような鋼板の塗装試験
結果であり、DOIが2.5ポイント通常の均一な
溝状谷をもつ鋼板よりも著しく劣化している。 このように溝状谷部の不均一を生じさせる、
ロール面のクレータの回りのフランジ生成の不
均一性を上記のようにして根本から解決する必
要のあることが明らかである。 〔6〕 ηの下限 レーザにより調質圧延用ワークロールのダル
目付け加工を行なうにあたつて、Sm、dを変
化させ、また調質圧延の伸び率λを変化させ
て、種々の平坦部面積率ηを有する鋼板(いず
れもRaはほぼ1.5μm)を作成し、3コート塗
装により黒色の塗装を施した後、表面のDOI値
を測定したところ、第22図に示す結果が得ら
れた。 第22図からηが大きくなればそれに伴なつ
てDOI値が増すこと、すなわち鮮映性が良好と
なることが明らかである。そして乗用車の車体
塗膜において必要な最高の高級感を呈するため
にはDOI値が98%以上であることが望ましく、
そのためにはηを70%以上よりのぞましくは85
%以上とすることが必要である。 ηは、第11図aに示したように蒸発型では
Sm/dの値と関係しまた、溶融型では第11
図bのようにSm/Dと関係している。 一方、表4及び5につきすでに述べたところ
からも、わかるように焼付きを防ぐには、 溶融型の場合は Sm/D<1.7 より望ましくは Sm/D1.5 とする必要があるが、しかしこれでは第11図
bよりη=75%に止まり第18図に従いDOIは
98%を下まわつてしまう。 しかし、通常d=0.82D→D=1.22dであるか
ら Sm/D=1.5のときη=75%であつても、 Sm/D=Sm/1.22d=1.5 Sm/d=1.8 従つて第11図aよりλ=0.8%でη=88%
となり第18図よりDOIはほぼ98.5%となり、
最高の鮮映性を達成できる。 ここで鮮映性の評価の方法としては種々の方
式がすでに開発れされそれらのうち最も一般的
には、米国のハンター・アソシエイツ・ラボラ
トリー(Hunter Associates Laboratory)社
製のドリゴン(DORIGON)メータによる測
定値すなわちDOI(Distinctness of Image)値
が使用されている。このDOI値は、第23図に
示すように、試料Sに対し入射角30°で光を入
射し、その正反射光強度Rsと正反射角に対し
±0.3゜での散乱光強度R0.3の値を用いて、次式
で表わされる。 DOI値=100×(Rs−R0.3)/Rs このように鮮映性を表わすDOI値と中心線平
均粗さRaとの関係については、中心線平均粗
さRaが大きくなればDOI値が低下して鮮映性
が低下する。 ところで前述のように従来のシヨツトブラス
ト法や放電加工法によりダル仕上げされたワー
クロールを用いて鋼板に調質圧延を施した場
合、既に述べたように鋼板表面は不規則な山と
谷で構成された粗面を呈し、水平な面は非常に
少ない。このように不規則な山と谷を有する鋼
板表面に塗装を行なえば、山と谷との間の斜面
に沿つて塗膜が形成されるため、例えば後に改
めて説明する第26図に示すように水平な塗膜
面の占める割合が少なくなり、鮮映性を悪化さ
せる。従来のシヨツトブラスト法や放電加工法
ではこのような問題を避け得ず、したがつて充
分に優れた塗膜面の鮮映性を得ることが困難で
あつた。 〔7〕 まとめ: 以上から、レーザ等の高密度エネルギ源によ
りダル加工したロールによつて調質圧延された
場合に良好なプレス成形性(特に耐焼付性)を
有し、かつ塗装後において乗用車で求められる
最高に優れた塗膜鮮映性、望ましくはDOI値に
して98%以上の鮮映性を有することとするため
には、鋼板表面の微視的粗度プロフイルの条件
として () 平坦部分の面積の和が全体の面積に占め
る割合(平坦部面積占有率)ηが70%以上
(望ましくは85%以上)であること。 () 山部の頂面の平均直径d0が200μm以下、
山部の平均中心間距離Smと山部の基部の平
均直径dとの比Sm/dが3.2以下、Smが
420μm以下であること。 を不可欠としているわけである。 (実施例) 素材として、C0.04%、Mn0.2%、P0.02%、
S0.015%、N0.003%、O0.005%を含有し、冷延
圧下率69.2%で冷延しさらに箱型焼鈍炉で焼鈍し
た板厚0.8mmの冷延鋼板を用いた。また調質圧延
用ワークロールとして、従来技術による溶融型レ
ーザパルス加工によりダル加工を施したダルロー
ル及びこの発明に従い蒸発型レーザパルス加工に
よるダルロールに加え、従来のシヨツトブラスト
法によりダル加工を施したダルロール、また従来
の放電加工法によりダル加工を施したダルロー
ル、およびダル加工を施さないブライトロールを
用意し、上記の冷延鋼板にそれぞれのロールで調
質圧延伸び率λが0.5〜2.5%の範囲内で調質圧延
を施した。 ここでブライトロールの表面粗度Raは0.15μm
であり、またダルロールの表面粗度はRa1.1〜
5.6μmの範囲内で種々変化させた。そして溶融型
のレーザ加工によりダル加工を施したロールの表
面粗度プロフイルは、 0.85≦Sm/D≦1.7 50μm≦d≦500μm 35μm≦H≦120μm h1≒1/3H とし、とくに蒸発型レーザ加工によるロールの粗
度プロフイルは Sm/d3.2 Sm<420μm d0<200μm とした。 上述のようにして調質圧延した後の鋼板表面の
粗度は、ブライトロールを用いた鋼板(ブライト
材)ではRa0.08μm、ダルロールを用いた鋼板
(ダル材)ではRa0.6〜2.25μmであつた。なお溶
融型レーザ加工によりダル加工を施したロールに
よつて調質圧延した鋼板では、その表面粗度プロ
フイルは、 0.85≦Sm/D≦1.7 30μm≦d0≦500μm であり、一方蒸発型レーザ加工ダル鋼板の粗度プ
ロフイルは、 Sm/d3.2 Sm420μm d0200μm Ra=0.8〜1.5μm η>80% であつた。 次いで調質圧延後の各鋼板について、次のよう
な条件で化成処理を行なつた。 処理剤:デイツプ処理用細粒型リン酸塩系薬剤デ
イツプ条件:43℃×120秒 皮膜重量:2.3±0.2g/cm2 前処理:脱脂、水洗、表面調整 後処理:水洗、純水洗、乾燥 化成処理後、次のような条件で2コートまたは
3コートの塗装を施した。 塗装姿勢:水平塗装 下塗り:カチオンED塗料 18〜20μm厚 中塗り:シーラー 30〜35μm厚 上塗り:トツプコート 30〜35μm厚 なお2コートは中塗りまでとした。また各工程
ともサンデイングは行なわなかつた。 塗装後の塗膜表面について、DORIGONメー
タによりDOI値の測定を行なつた。その結果につ
いては、それぞれの鋼板の表面粗さRaに対応し
て3コートの場合を第24図に示す。 なお第24図、および以下の文中において、
LT材は溶融型レーザ加工法によりダル加工した
ロールにより調質圧延した鋼板、LM材は蒸発型
のレーザ加工法による鋼板、EDT材は放電加工
によりダル加工したロールにより調質圧延した鋼
板、SB材はシヨツトブラストによりダル加工し
たロールによつて調質圧延した鋼板を表わす。 第24図から明らかなように3コート塗装の場
合のLT材は、EDT材およびSB材と比較して
DOI値にして10〜11程度鮮映性が優れている。し
かしLM材はLT材にくらべて更にDOI値で1〜
2優れている。 (発明の効果) この発明の塗装用鋼板によれば、プレス成形性
を損うことなしに、塗膜の鮮映性を従来よりも著
しく向上させ得る顕著な効果が得られ、またこの
発明の塗装用鋼板製造方法によれば、上述のよう
に塗膜の鮮映性が優れた鋼板を実際的に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の塗装用鋼板用圧延薄板の要
部断面図と平面図、第2図はこの発明の方法の実
施に用いるレーザダル加工を施したワークロール
の要部断面図と展開図、第3図は調質圧延過程の
挙動説明図、第4図はレーザダル加工要領説明
図、第5図は従来のダルロールによる調質圧延過
程と板表面の粗面プロフイルとを示す断面模式
図、第6図は従来のシヨツトブラスト加工及び従
来の放電加工によるダル加工されたロール表面の
粗面の山高さの分布図、第7図は調質圧延用ロー
ルおよび板表面の粗面を形成するプロフイルの各
部の寸法の定義図であり、第8図は平坦部の面積
率ηの定義を示す模式図、第9図はロール表面お
よび鋼板表面の粗度プロフイルの近似計算のため
の説明図、第10図は調質圧延伸び率λと粗度転
写率h2/1との関係を示す線図、第11図は板表
面の平坦部分の面積率ηと調質圧延伸び率λとの
関係を、種々のSm/dの値に応じて示す相関図、
第12図は、Sm/Dを変えた場合の鋼板表面の
平面的な粗度プロフイルの変化を示す説明図、第
13図はプレス加工を施す際の作用説明図、第1
4図、第15図は絞り加工要領説明図、第16図
は溝状谷部のある板表面の説明図、第17図は
(Sm−d0naxの説明図、第18図はフランジ部と
その偏心挙動説明図、第19図はその転写のあり
さまを示す説明図、第20図は不均一な形状を有
する溝状谷部をもつ鋼板表面の三次元表示図であ
り、第21図はDOI−Ra相関図、第22図は3
コート塗装を施した場合の鋼板の平たん部面積率
ηと塗膜のDOI値との関係を示す相関図、第23
図は鮮映性を表わすDOI値の測定方法を示す説明
図、第24図は実施例における3コート塗装の場
合の鋼板の中心線平均粗さRaと塗膜のDOI値と
の関係を示す相関図である。 1……山部、2……頂面、3……野部、4……
上面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 薄鋼板の微視的な粗面形態を、平たんな頂面
    をもつ円錐台状に隆起した無数の山部と、これら
    山部の間にてより低レベルで平たんにひろがる野
    部とから成り、隣り合つた山部相互間の平均的な
    配列間隔Sm、山部の基部外縁の平均的な最大直
    径d、同じく山頂面の平均直径d0、さらに山部の
    平たんな頂面と野部の平たんな上面との面積の総
    和が板面の全投影面積に占める割合ηに関して、 Sm 420(μm) Sm/d 3.2 d0 200(μm) η 70(%) の関係を満たすものとしたことを特徴とする、塗
    装用薄鋼板。 2 ワークロールの胴周表面上にて微小なクレー
    タ状をなす互いに独立した無数の窪部を、隣り合
    つた窪部相互間の平均的な配列間隔Sm′と窪部の
    平均的な開口径d′に関し、それらの比Sm′/d′が
    3.2以下、 Sm′が420μm以下にて分布させる、高密度エネ
    ルギ源を用いた規則的表面模様付け加工の施され
    た調質圧延用ワークロールにより、これを所定板
    厚の圧延仕上げ薄板の片面または両面に適用して
    調質圧延を行い、ワークロールの表面模様の転写
    を施すことを特徴とする、塗装用薄鋼板の製法。 3 高密度エネルギ源としてレーザを用い規則的
    表面模様の窪部1コ当りの加工に、105W・s/
    cm2以上のエネルギー密度でレーザ投射を行つたワ
    ークロールを用いる特許請求の範囲2に記載した
    表面処理鋼板用圧延薄板の製法。
JP61278875A 1986-11-25 1986-11-25 塗装用鋼板とその製法 Granted JPS63132701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61278875A JPS63132701A (ja) 1986-11-25 1986-11-25 塗装用鋼板とその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61278875A JPS63132701A (ja) 1986-11-25 1986-11-25 塗装用鋼板とその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63132701A JPS63132701A (ja) 1988-06-04
JPH0342961B2 true JPH0342961B2 (ja) 1991-06-28

Family

ID=17603332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61278875A Granted JPS63132701A (ja) 1986-11-25 1986-11-25 塗装用鋼板とその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63132701A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993012897A1 (en) * 1991-12-25 1993-07-08 Nippon Steel Corporation Steel sheet superior in coating brightness, anti-scratching properties and workability

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63307219A (ja) * 1987-06-04 1988-12-14 Sumitomo Metal Ind Ltd 鮮映性と加工性に優れた鋼板
JPS645604A (en) * 1987-06-30 1989-01-10 Sumitomo Metal Ind Method for skin pass rolling of cold rolled steel sheet
JPH0241703A (ja) * 1988-08-02 1990-02-09 Kobe Steel Ltd 鮮映性の優れたプレス成形加工用アルミニウム合金板
JPH0257670A (ja) * 1988-08-22 1990-02-27 Nippon Steel Corp 耐パウダリング性、耐フレーキング性に優れた溶融合金化亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JPH03161103A (ja) * 1989-11-20 1991-07-11 Kawasaki Steel Corp 塗装用鋼板
JPH0747164B2 (ja) * 1989-12-29 1995-05-24 新日本製鐵株式会社 塗装鮮映性及びプレス加工性の優れた鋼板
JPH0745042B2 (ja) * 1990-06-11 1995-05-17 住友軽金属工業株式会社 塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法
US5537851A (en) * 1993-01-05 1996-07-23 Aluminum Company Of America Sheet product produced by massive reduction in last stand of cold rolling process
US10068689B2 (en) * 2011-08-17 2018-09-04 Regents Of The University Of Minnesota Iron nitride permanent magnet and technique for forming iron nitride permanent magnet
CN105074836B (zh) 2013-02-07 2018-01-05 明尼苏达大学董事会 氮化铁永磁体和形成氮化铁永磁体的技术
KR101665648B1 (ko) 2013-06-27 2016-10-12 리전츠 오브 더 유니버시티 오브 미네소타 질화철 재료 및 질화철 재료를 포함하는 자석
JP2017517630A (ja) 2014-03-28 2017-06-29 リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ コーティングされたナノ粒子を含む鉄窒化物磁性材料
US9994949B2 (en) 2014-06-30 2018-06-12 Regents Of The University Of Minnesota Applied magnetic field synthesis and processing of iron nitride magnetic materials
US10072356B2 (en) 2014-08-08 2018-09-11 Regents Of The University Of Minnesota Magnetic material including α″-Fe16(NxZ1-x)2 or a mixture of α″-Fe16Z2 and α″-Fe16N2, where Z includes at least one of C, B, or O
CA2957732A1 (en) 2014-08-08 2016-02-11 Regents Of The University Of Minnesota Forming iron nitride hard magnetic materials using chemical vapor deposition or liquid phase epitaxy
US10002694B2 (en) 2014-08-08 2018-06-19 Regents Of The University Of Minnesota Inductor including alpha″-Fe16Z2 or alpha″-Fe16(NxZ1-x)2, where Z includes at least one of C, B, or O
US10573439B2 (en) 2014-08-08 2020-02-25 Regents Of The University Of Minnesota Multilayer iron nitride hard magnetic materials
JP7120576B2 (ja) * 2019-03-13 2022-08-17 国立大学法人信州大学 金属表面の濡れ性の制御方法
DE102019214135A1 (de) * 2019-09-17 2021-03-18 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Stahlblech mit einer deterministischen Oberflächenstruktur
US12018386B2 (en) 2019-10-11 2024-06-25 Regents Of The University Of Minnesota Magnetic material including α″-Fe16(NxZ1-x)2 or a mixture of α″-Fe16Z2 and α″-Fe16N2, where Z includes at least one of C, B, or O

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602156A (ja) * 1983-06-13 1985-01-08 Shuzo Nakazono 豆乳の製造方法
JPS60133905A (ja) * 1983-12-23 1985-07-17 Sumitomo Metal Ind Ltd 塗装外観性の優れた冷延鋼板及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602156A (ja) * 1983-06-13 1985-01-08 Shuzo Nakazono 豆乳の製造方法
JPS60133905A (ja) * 1983-12-23 1985-07-17 Sumitomo Metal Ind Ltd 塗装外観性の優れた冷延鋼板及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993012897A1 (en) * 1991-12-25 1993-07-08 Nippon Steel Corporation Steel sheet superior in coating brightness, anti-scratching properties and workability

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63132701A (ja) 1988-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0342961B2 (ja)
KR900006496B1 (ko) 도장용 강판 및 그 제조방법
US10252305B2 (en) Flat product made of a metal material and roll and method for producing such flat products
JPH0338923B2 (ja)
JP6624220B2 (ja) 冷間圧延用ロール、冷間圧延用ロールの製造方法、表面処理鋼板の調質圧延方法および表面処理鋼板
JPH0347925B2 (ja)
JPH0339761B2 (ja)
JPH02175004A (ja) 鮮映性とプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH069683B2 (ja) 塗装後鮮映性に優れた鋼板およびその製造方法
JPH02185959A (ja) 鮮映性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0341241B2 (ja)
JPS63112086A (ja) 鋼板圧延用ダルロ−ルの製造方法
JP2724213B2 (ja) 耐パウダリング性および塗装鮮映性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JPH06344004A (ja) 自動車用合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JP2530974B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JPH0518643B2 (ja)
JPH0241702A (ja) 表裏面の性状の異なる金属板およびその製造方法
JP2692598B2 (ja) プレス成形性に優れた鋼板の製法
JPH0237902A (ja) 部分的に表面粗度の異なる鋼板
JPH0448523B2 (ja)
JPS63309309A (ja) 冷間圧延用ダルロ−ル
JPH04333309A (ja) 塗装鮮映性に優れた塗装用鋼板
JPH04200902A (ja) 塗膜鮮映性とプレス成形性に優れた金属板およびその製造方法
JPH0491802A (ja) 塗装鮮映性及びプレス加工性の優れた鋼板
JPH02224802A (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees