JPH069683B2 - 塗装後鮮映性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents

塗装後鮮映性に優れた鋼板およびその製造方法

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JPH069683B2 JP19358086A JP19358086A JPH069683B2 JP H069683 B2 JPH069683 B2 JP H069683B2 JP 19358086 A JP19358086 A JP 19358086A JP 19358086 A JP19358086 A JP 19358086A JP H069683 B2 JPH069683 B2 JP H069683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、自動車用鋼板等の塗装外観性が重視される冷
延鋼板および表面処理鋼板に関し、特に塗装後鮮映性に
優れた鋼板およびその製造方法に関する。
〈従来技術とその問題点〉 近年、乗用車はもちろん、軽自動車、ワゴン車、さらに
はトラックに至るまで塗装後のボディの塗装仕上がり品
質の良さは、自動車の総合的な品質の高さを顧客対し直
接的に視覚によって訴えることができるため、極めて重
要な品質管理項目となっている ところで塗装面の評価項目としては種々のものがある
が、そのうちでも特に塗装面の乱反射が少なく光沢性に
優れていること、および写像の歪みが少ないことすなわ
ち写像性が優れていることが重要であり、これらの光沢
性と写像性をあわせて一般に鮮映性と称している。
塗装面の鮮映性に対しては、塗料の種類や塗装方法も影
響を与えるが、塗装下地としての鋼板表面の粗面の影響
も強く受けることが知られている。すなわち鋼板表面の
水平な部分の占める割合が少なく、その凹凸が激しけれ
ば、塗装面においても水平な部分の占める割合が少なっ
て凹凸も大きくなり、その結果光の乱反射を生じ、光沢
性を損なうとともに、写像の歪みを招いて写像性の低下
を招き、前述の鮮映性を悪化させることになる。
一般に鋼板表面の粗さは中心線平均粗さRaで表わすこ
とが多いが、中心線表面粗さRaが大きいほど、山と谷
の振幅が大きくなり、塗装面の凹凸が激しくなり、前述
のように鮮映性を劣化させることが知られている。
鮮映性の評価の方法としては種々の方式が開発されてい
るが、最も一般には、米国のハンター・アソシエイツ・
ラボラトリー(HUNTER ASSOCIATES LABORATORY)社製の
ドリゴン(DORIGON)メータによる測定値すなわちDO
I(DISTINCTNESS OF IMAGE)値が使用されている。こ
のDOI値は、第8図に示すように、試料Sに対し入射
角30゜で光を入射し、その正反射光強度Rsと正反射
角に対し±0.3゜での散乱光強度R0.3の値を用いて、次
式で表わされる。
DOI値=100×(Rs−R0.3)/Rs 一般に素地鋼板が平滑であれば塗装後の平滑さも良くな
ると考えがちであるが、自動車用外板では水平部位に限
らず垂直部位もあり、垂直部では、平滑面では塗料の流
れ(タレ)が生じやすく、かえって外観性を損なうこと
になる。
また、プレス成形時には金型と鋼板間に潤滑油が必要で
あり、平滑面では油が保持されないため焼き付きを起
す。
このため自動車ボディ外板や家庭電気製品外装板などの
成形加工の用途に供たれる薄鋼板、例えば冷延薄鋼板
は、冷間圧延後脱脂洗浄を行い、さらに焼鈍した後調質
圧延を施して製造するのが通常であり、ここで調質圧延
の目的の一つは、ショットブラストや放電加工で表面を
ダル仕上げしたワークロールを用いて軽度の圧延を行う
ことによって鋼板表面に適度の表面粗さを与え、潤滑油
を保持しプレス成形時における耐焼付性を向上させるこ
とである。
ところが従来のショットブラスト法や放電加工法により
ダル仕上げされたワークロールを用いて鋼板に調質圧延
を施した場合、既に述べたように鋼板表面は不規則な山
と谷で構成された粗面を呈し、水平な面は非常に少な
い。このように不規則な山と谷を有する鋼板表面に塗装
を行えば、山と谷との間の斜面に沿って塗膜が形成され
るため、水平な塗膜面の占める割合が少なくなり、鮮映
性を悪化させる。従来のショットブラスト法や放電加工
法ではこのような問題を避け得ず、したがって充分に優
れた塗膜面の鮮映性を得ることが困難であった。
そこで、塗装外観に優れ、かつ成形加工性にも支障のな
い鋼板が望まれている。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、鋼板の表面粗度のプロフィルを改良し
て、塗装後の塗膜表面の凹凸を少なくし、水平部分の占
める割合をコントロールすることによって、光の正反射
率の向上と写像の歪みを少なくして、塗装後の鮮映性の
優れた鋼板を提供し、併せてそのような優れた表面粗度
プロフィルを有する鋼板を効率良く製造する方法を提供
するものである。
換言すれば、この発明は、従来使用されていた塗料と塗
装方法には何ら変更を加えず、鮮映性を従来よりも格段
に向上させた鋼板とその製造方法を提供するものであ
る。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、調質圧延用ワークロールのダル仕上げの
方法について従来とは異なるルーザー加工による方法を
検討し、種々実験・研究を重ねたところ、レーザー加工
によりダル仕上げしたロールにより調質圧延した鋼板
は、表面粗度を構成する山の頂部が平坦となり、また山
と山の間の谷部も平坦部が多くなることを見出した。
このように平坦部が多いことは、塗装時における塗膜最
外層の平坦化に有利であることを意味する。すなわち、
この場合には、ショットブラスト材や放電加工材の場合
のような不規則な粗面に比べて光の乱反射が少なく、鮮
映性が向上すると考えられる。
そこでさらに実験を重ねた結果、塗装後の塗膜の鮮映性
を最も向上させ得る鋼板表面の粗度プロフィルを見出
し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、その表面を構成する
微視的形態が、平坦な山頂部を有する台形状の山部と、
その周囲の全部または一部を取囲むように形成された溝
状の谷部と、山部の相互間であってかつ谷部の外側にそ
の谷部の底よりも高くかつ山部の山頂面より低い高さに
形成された中間平坦部とによって構成され、山部の平坦
な山頂面と中間平坦部表面の段差(h)が2〜10μ
mであると共に中間平坦部表面と谷部の底との高低差
(h)が2〜10μmであって、かつ山部の平坦な山
頂面と前記中間平坦部の平坦面の面積の和が、前記鋼板
表面全体が平面であると想定した場合における該鋼板の
表面積として表わされる全面積に占める比率が20〜9
0%を満足することを特徴とする塗装後鮮映性に優れた
表面処理鋼板である。
また、本発明の第2の態様は、あらかじめ調質圧延用ワ
ークロールの表面に、微小なクレータ状の凹部と、その
凹部の外縁において表側にリング状に盛り上がった盛り
上がり部と盛り上がり部の相互間に残存されたワークロ
ールへ単表面とによって構成され、盛り上がり部とワー
クロール表面の高低差(h′)が2〜10μmとされ
た表面模様を形成する模様付け加工を高密度エネルギー
源を用いて施しておき、その表面模様付けされたワーク
ロールを、調質圧延すべき鋼板の片面もしくは両面に用
いて、調質圧延伸び率λを0.3%以上として調質圧延す
ることにより、山部の平坦な山頂面と前記中間平坦部の
平坦面の面積の和が、前記鋼板表面全体が平面であると
想定した場合における該鋼板の全面積に占める比率が2
0〜90%となるようにワークロール表面の模様を鋼板
表面に転写することを特徴とする塗装後鮮映性に優れた
表面処理鋼板の製造方法である。
ここで、前記高密度エネルギー源としてレーザーを用い
るのが好ましい。
以下に本発明を添付図面に用いて更に詳細に説明する。
調質圧延前の鋼板は冷延鋼板および表面処理鋼板でよ
く、本願のような処理を施した冷延鋼板に適当な表面処
理を施してもよい。
ここでいう冷延鋼板とは従来知られている箱焼鈍材であ
っても連続焼鈍材であっても良く、また表面処理鋼板と
しては電気めっき法、溶融めっき法によるZnまたはZ
n合金めっきのいずれにも適用できる。
[1]レーザーによるロールのダル目付け: まず高密度エネルギー源、例えばレーザーにより調質圧
延用のワークロールにダル目付けを行う際の作用につい
て説明する。
ロールを回転させながら、ロールの表面にレーザーパル
スを次々な投射し、レーザーエネルギーによりロール表
面を規則的に溶融させて、規則的にクレータ状の凹部を
形成する。その状態を第1図に示す。第1図において符
号1はロール3の表面に形成されたクレータ状の凹部
(以下単にクレータと記す)であり、そのクレータ1の
周囲には溶融したロール母材金属がロール3の表面より
も上方にリング状に盛り上がってフランジ状の盛り上が
り部(以下単にフランジと記す)2が形成される。なお
このフランジ2を含むクレータ1の内壁層は、ロール母
材組織4に対し熱影響部5となっている。
さらに上述のようなレーザーによるダル目付けについて
詳細に説明する。
レーザーパルスによって形成されたロール表面上のクレ
ータ1の深さと直径は、入射されるレーザーのエネルギ
ーの大きさと投射時間によって決定されるが、これは通
常のショットブラストロールのRa粗度に相当する粗さ
を定義する量を与える。
レーザーにより加熱されたロール3を形成する金属は、
大きな照射エネルギー密度によって瞬時に金属蒸気とな
り、このとき発生する蒸気圧力によってロール3の表面
の溶融金属が吹き飛ばされてクレータ1を形成し、また
その吹き飛ばされた溶融金属はクレータ1の周囲に再固
着して、クレータ1を取囲むフランジ2を形成する。こ
れらの一連の反応は、酸素ガス等の補助ガスを反応点に
目がけて吹付けることにより一層効率良く実行される。
そしてロール3を回転もしくは軸方向移動させつつ規則
的なレーザーパルスを照射することにより上述のような
クレータ1が規則的に形成され、これらの次々に形成さ
れるクレータ1の集合によってロール3の表面に粗面を
与えることができる。このようにして形成されたロール
3の表面の粗面の状況を第2図、第3図に示す。
これらの図から明らかなように、隣り合うクレータ1、
1の間におけるフランジ2の外側の部分は、もとのロー
ル3の表面のまま平坦面6となっている。そして、この
平坦面6とフランジ2の頂部の高低差(h′とする)
は2〜10μmの範囲内にある。
ここで、隣り合うクレータ1、1の相互間の間隔は、ロ
ール3の回転方向にはロール3の回転速度と関連付けて
レーザーパルスの周波数を制御することにより、また、
ロール3の軸方向に対してはロール3が1回転するごと
にレーザーの照射位置を老る軸方向へ移動させるピッチ
を制御することによって、調節可能である。
なお以上の説明は高密度エネルギー源としてレーザーを
用いた場合について説明したが、プラズマあるいは電子
ビーム等の他の高密度エネルギー源を用いた場合も同様
である。
[2]調質圧延による鋼板へのダル目転写: 前述のようにしてレーザー等によりダル加工を施したワ
ークロールを用い、調質圧延工程において鋼板、例えば
焼鈍済みの冷延鋼板に軽圧下率の圧延を施すことによっ
てロールのダル目が鋼板表面に転写され、鋼板表面に粗
面が形成される。
この過程における鋼板表面を微視的に観察すれば、第4
図に示すように、ロール3の表面のクレータ1の周囲の
ほぼ均一な高さを有するフランジ2が、鋼板7の表面に
強い圧力で押し付けられ、これにより、ロール3の材質
より軟質な鋼板7の表面近傍で材料の局所的塑性流動が
生じ、ロール3のクレータ1の内側へ鋼板7の金属が流
れ込んで粗面が形成される。
このとき、クレータ1の内側において盛り上がった鋼板
金属の山頂面8は、もとの鋼板表面のまま平坦状を保
ち、またロール3における隣り合うクレータ1、1間の
フランジ2の外側の平坦面6に押し付けられた鋼板表面
の部分はそのまま中間平坦部9となり、かつ前者の平坦
面(山頂面)8は後者の平坦面(中間平坦部)9よりも
高い。
したがって調質圧延後の鋼板7の表面の粗面の微視的形
態は、第5図、第6図に示すように、平坦な山頂面8を
有する台形状の山部10と、その周囲を取囲むように形
成された連続溝状の谷部11と、隣り合う山部10、1
0の間であってかつ谷部11の外側にその谷部11の底
よりも高くかつ山部10の山頂面8より低い高さに形成
された中間平坦部9とによって構成されることになる。
そして、山部10の山頂面8と中間平坦部9の表面の段
差hが2〜10μmをなすと共に、中間平坦部9の表
面と谷部11の底との高低差(すなわち谷部11の深
さ)hが2〜10μmをなすように形成されている。
上述のところから明らかなように、調質圧延鋼の鋼板表
面は、山部10の山頂面8と、中間平坦部9の平坦面
と、山頂面8と中間平坦部9の間の谷部傾斜面13およ
び谷部11とから成る。
そして、本発明の鋼板においては、山頂面8と中間平坦
部9の平坦面の面積の和が鋼板の全面積に占める割合が
20〜90%となるように形成されている。
ここで、鋼板の全面積とは、鋼板表面全体が平面である
と想定した場合における該鋼板の表面積をいうものと
し、従って谷部傾斜面13や谷部11等の傾斜部(山頂
面8と中間平坦部9の平坦面とを除く部分)の面積は、
現実の表面積ではなく、これら傾斜面が平面をなすもの
として算出したものである。
これに対して、従来行われているショットブラスト加工
や放電加工によって粗度付け加工を施されたロールの場
合は、粗度を形成するロール表面積の山は第12a図
(ショットブラスト加工)、第12b図(放電加工)に
示すように正規分布に近い種々の山高さを有しており、
この場合は調質圧延の過程で第13a、13b図に示す
ようにロール3の表面の山が鋼板7の板面に食い込み、
ロール3の表面の粗面プロフィルと鋼板7の原板表面の
粗面プロフィルとが合成されて、調質圧延後の鋼板7に
は原理的に山と谷によって形成される傾斜面の割合が多
くなるのである。したがってこの場合はレーザーにより
ダル目付けされたロール3によって調質圧延された鋼板
とはその表面構造およびその形成過程が全く異なること
がわかる。
[3]調質圧延後の鋼板表面の平坦部の面積率ηに及ぼ
す影響: 前述のように定義される値を用い、ロール表面の粗度プ
ロフィルを構成するパターンと調質圧延の条件が、調質
圧延後の表面の平坦部の面積率ηにどのような影響を与
えるかについて検討を行った。
ここで平坦部の面積率ηは、第7図に示すように、山部
10の平坦な山頂面8の面積占有率ηと、中間平坦部
9の平坦面の面積占有率ηとの和で表される。すなわ
ち、 η=η+η …(1) である。ここで、ηの値は調質圧延における圧下率に
よって変化する。なぜならば、圧下率が変化すれば、鋼
板金属がクレータ1の内側に流入する程度が変化し、そ
のため山部10の山頂面8の直径が変化するからであ
る。一方ηの値はレーザースポットの間隔(第7図参
照)に依存する。
[4]調質圧延伸び率λの下限: 前述のように調質圧延伸び率λはηに影響を与えるが、
λがあまりに小さければ調質圧延作業自体が不安定とな
って鋼板表面へのダル目付けが困難となる。本発明者ら
の実験によれば、調質圧延伸び率が0.3%以上であれば
ダル目付けが可能となることから、調質圧延の伸び率λ
は0.3%以上とした。
[5]平坦部面積率ηの範囲: レーザーより調質圧延用ワークロールのダル目付け加工
を行うにあって凹部凸部の間隔を種々変化させ、また調
質圧延の伸び率λを変化させた。ここで鋼板の谷部の深
さ(h)5μm、2種の平坦部の段差(h)を5μ
mにして種々の平坦部面積率ηを有する鋼板を作成し、
3コート塗装により黒色の塗装を施した後、表面のDO
I値を測定したところ、第9図に示す結果が得られた。
第9図から水平塗装部ではηが大きくなればそれに伴っ
てDOI値が増すこと、すなわち鮮映性が良好となるこ
とが明らかである。
一方、垂直塗装部ではηが70%までは水平部位と同等
に向上するが、70%以上でタレによってかえって劣化
することがわかる。
一般に乗用車の車体塗膜においては、DOI値が90%
以上であることが好ましく、充分な高級感を呈するため
にはDOI値が94%以上であることが望ましく、その
ためには水平塗装部ではηを35%以上とすることが望
ましい。一方垂直部ではηが85%以下とすることが望
ましい。ただし、さほど充分な高級感が要求されない場
合は水平部ではηが20%以上、垂直部では20〜90
%であればよく、したがってηの範囲は20〜90%と
した。
次に鋼板7側のプロフィルとして谷部11の深さh
2種の平坦部、すなわち山頂面8と中間平坦部9の平坦
面の段差hを変化させて塗装後鮮映性の測定を行っ
た。塗装系は3コートの黒色塗装である。
[6]谷部の深さhの範囲 平坦部面積率ηを50%としたうえで2種の平坦部の段
差hを5μmとし、谷部の11の深さhを変化させ
たときの鮮映性(DOI)を第10図に示す。谷部の深
さhが水平塗装部では10μmを越えると鮮映性が9
0を下廻り、垂直塗装部では2μm未満では鮮映性が9
0を下廻るので、谷部の深さhは2〜10μmにする
必要がある。
[7]2種の平坦部の段差hの範囲: 一方、同じく平坦部面積率ηを50%としたうえで谷部
の深さhを5μmとし、平坦部間の段差hを変化さ
せたときの鮮映性を第11図に示しす。水平塗装部では
平坦部の段差hが10μmを超えると鮮映性が90を
下廻り、垂直塗装部では2μm未満では鮮映性が90を
下廻るので、2種の平坦部の段差hは2〜10μmに
する必要がある。
[実施例] 次に本発明を実施例に基き更に詳細に説明する。
素材鋼板としてC;0.04%、Mn;0.2%、P;0.02%、
S;0.015%、N;0.003%、O;0.005%を含有し、冷
間圧下率70%で冷延し、更に連続焼鈍炉で焼鈍した板
厚0.8mmの冷延鋼板に、以下の調質圧延を行ったのち公
知の方法で電気Znめっき(目付量20g/m2)を施し
た。
調質圧延用ワークロールとして、レーザーパルス加工に
よりダル加工を施したダルロール、従来のショットブラ
スト法によりダル加工を施したダルロール、従来の放電
加工法によりダル加工を施したダルロール、およびダル
加工を施さないブライトロール材を用意し、前述の冷延
鋼板にそれぞれのロールで調圧延伸び率λが0.8%で調
質圧延を施した。
ここでブライトロールの表面粗度Raは0.15μmであ
り、またダルロールの表面粗度はショットブラストのR
a1.0μmおよび放電ダルのRa1.5μmで行った。そし
て特にレーザー加工によりダル加工を施したロールの表
面粗度プロフィルは、 レーザースポットの間隔:400μm クレータの口径:100μm クレータの深さ:20μm フランジ部の高さ(h′):1〜15μm とした。
上述のようにして調質圧延した後の鋼板表面の粗度は、
ブライトロールを用いた鋼板(ブライト材)ではRa0.
08μm、ダルロールを用いた鋼板(ダル材)ではRaが
0.6μmと1.0μmであった。なお特にレーザー加工によ
りダル加工を施したロールによって調質圧延した鋼板で
は、その表面粗度プロフィルは、 平坦部面積率(η):15〜95% 谷部(フランジ部の転写)の深さ(h):1〜15μ
m 2種の平坦部(山部と中間平坦部)の段差(h):0
〜15μm であった。
次いで各めっき鋼板について、次のような条件で化成処
理を行った。
処理剤:デイップ処理用細粒型りん酸塩系薬剤。
ディップ条件:43℃×120秒 被膜重量:2.3±0.2g/cm2 前処理:脱脂、水洗い、表面調整 後処理;水洗い、純水洗い、乾燥 化成処理後、次のような条件で3コートの塗装を施し
た。
塗装姿勢:水平塗装 下塗り:カチオンED塗料 18〜20μm厚 中塗り:シーラー 30〜35μm厚 上塗り:トップコート 30〜35μm厚 また各工程ともサンディングは行わなかった。
各めっき鋼板の表面形状と塗装後鮮映性(DOI)の関
係を表1に示す。
表から 平坦部面積率(η):20〜90% 谷部の深さ(h):2〜10μm 2種の平坦部の段差(h):2〜10μm のとき水平塗装部、垂直塗装部ともDOIが90以上に
なることが明らかである。
〈発明の目的〉 以上詳述したように本発明によれば、表面が所定の形状
にコントロールされた鋼板およびその製造方法が得られ
るので、鋼板の塗装後の鮮映性を従来よりも向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法において高密度エネルギーとし
てレーザーパルスを用いてワークロールの表面をダル加
工したときロール断面の状態を示す模式的な断面図であ
る。 第2図は上記レーザーパルスによりダル目付けされたロ
ールの表面粗面プロフィルを示す模式的な断面図であ
る。 第3図は第2図に対する平面図である。 第4図は上記ロールにより調質圧延を施している状態を
示す模式的な断面図である。 第5図は上記ロールにより調質圧延された鋼板表面の粗
面のプロフィルを示す模式的な断面図である。 第6図は第5図に対する平面図である。 第7図は平坦部の面積率η(=η+η)の定義を説
明するための模式図である。 第8図は鮮映性を表すDOI値の測定方法を示すための
説明図である。 第9図は3コート塗装を施した場合の平坦部面積率ηと
水平塗装部、垂直塗装部での塗膜のDOI値との関係を
示す相関図である。 第10図は平坦部面積率(η)と平坦部段差(h)を
それぞれ50%および5μmとしたときの谷部の深さ
(h)を変化させたときの水平塗装部、垂直塗装部で
の塗膜のDOI値との関係を示す相関図である。 第11図は平坦部面積率(η)と谷部深さ(h)をそ
れぞれ50%および5μmとしたときの平坦部の段差
(h)を変化させたときの水平塗装部、垂直塗装部で
の塗膜のDOI値との関係を示す相関図である。 第12a図は従来のショットブラスト加工によりダル加
工されたロール表面の粗面の山高さ分布を示す図であ
る。 第12b図は従来の放電加工によりダル加工されたロー
ル表面の粗面の山高さ分布を示す図である。 第13a図は従来の方法でダル加工されたロールにより
鋼板を調質圧延してダル目付けする際の状況を示す略解
図である。 第13b図は同調質圧延後の鋼板表面断面図である。 符号の説明 1…クレータ(凹部)、 2…フランジ(盛り上がり部)、3…ロール、 4…ロールの母材、5…熱影響部、 6…ロール表面(平坦面)、7…鋼板、 8…山部の山頂面、9…中間平坦部、 10…山部、11…谷部、13…谷部傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 九州男 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (56)参考文献 「Tecnic InFo」COCKE RILLSAMBRE(1984)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その表面を構成する微視的形態が、平坦な
    山頂面を有する台形状の山部と、その周囲の全部または
    一部を取囲むように形成された溝状の谷部と、山部の相
    互間であってかつ谷部の外側にその谷部の底よりも高く
    かつ山部の山頂面より低い高さに形成された中間平坦部
    とによって構成され、山部の平坦な山頂面と中間平坦部
    表面の段差(h)が2〜10μmであると共に中間平
    坦部表面と谷部の底との高低差(h)が2〜10μm
    であって、かつ山部の平坦な山頂面と前記中間平坦部の
    平坦面の面積の和が、前記鋼板表面全体が平面であると
    想定した場合における該鋼板の表面積として表わされる
    全面積に占める比率が20〜90%を満足することを特
    徴とする塗装後鮮映性に優れた表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】あらかじめ調質圧延用ワークロールの表面
    に、微小なクレータ状の凹部と、その凹部の外縁におい
    て表側にリング状に盛り上がった盛り上がり部と盛り上
    がり部の相互間に残存されたワークロール平坦表面とに
    よって構成され、盛ら上がり部とワークロール表面の高
    低差(h′)が2〜10μmとされた表面模様を形成
    する模様付け加工を高密度エネルギー源を用いて施して
    おき、その表面模様付けされたワークロールを、調質圧
    延すべき鋼板の片面もしくは両面に用いて、調質圧延伸
    び率λを0.3%以上として調質圧延することにより、山
    部の平坦な山頂面と前記中間平坦部の平坦面の面積の和
    が、前記鋼板表面全体が平面であると想定した場合にお
    ける該鋼板の全面積に占める比率が20〜90%となる
    ようにワークロール表面の模様を鋼板表面に転写するこ
    とを特徴とする塗装後鮮映性に優れた表面処理鋼板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記高密度エネルギー源としてレーザーを
    用いる特許請求の範囲第2項記載の塗装後鮮映性に優れ
    た表面処理鋼板の製造方法。
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