JP2676452B2 - 圧延用ダルロールの製造方法 - Google Patents

圧延用ダルロールの製造方法

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JP2676452B2
JP2676452B2 JP4116403A JP11640392A JP2676452B2 JP 2676452 B2 JP2676452 B2 JP 2676452B2 JP 4116403 A JP4116403 A JP 4116403A JP 11640392 A JP11640392 A JP 11640392A JP 2676452 B2 JP2676452 B2 JP 2676452B2
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康隆 縄田
康男 浜本
隆治 川本
修一 塩沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール表面に所定の粗
度パターンを付与した圧延用ロールおよびその製造方法
に関するものであり、鋼板表面粗度パターンを規制する
ことにより塗装鮮映性、およびプレス成型性を著しく向
上させた鋼板(冷延鋼板、表面処理鋼板、アルミ合金
板、熱延鋼板)を製造するための圧延用ロール、および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、加工用冷間圧延鋼板は、プレス
加工し易くするため、鋼板表面をダル仕上げする。即
ち、プレス加工時鋼板表面に形成された凹凸に加工用潤
滑油が貯留され、金型と鋼板の摩耗を少なくし、かつ焼
き付けを防止する作用をするからである。また、プレス
成型性に関する研究は、素材である鉄板側と成型技術の
両面から行われてきているが、製品の高精度化と複雑化
に伴い鋼板に対する要求特性がより高級化、多様化しつ
つある。このため、現状としては、鋼板粗度を最終的に
調整する調質圧延において、ショットブラスト、放電、
あるいはレーザー等でダル加工したワークロールを使用
し鋼板表面に粗さを転写している。また、実際のプレス
成型性における評価基準は、従来用いられてきた鋼板の
機械的特性(r値、El値等)だけでは不十分であり鋼
板表面粗度潤滑油等もプレス成型性に大きな影響を及ぼ
す。自動車ボディや家電製品などの外装鋼板は、塗装仕
上げをして美観を付与するが、この際塗装面の乱反射に
よって美観を損なわないようにすることいわゆる鮮映性
に優れていることが要求される。
【0003】そこで、例えば鋼板の表面粗度プロフィー
ルを改良して、塗装後の塗装表面凹凸を少なくし、水平
部分の占める割合を多くすることによって、光の正反射
率の向上と写像の歪を少なくして、塗装後の鮮映性を従
来よりも向上させ得る鋼板として、特開昭62−168
602号公報が示している。しかしこの場合、圧延用の
レーザー加工ロールは、表面凸部の初期摩耗が大きく、
耐摩耗性低下を余儀なくされている。この圧延初期の粗
度低下を少なくする方法として、レーザー加工後にクロ
ムメッキを施し、耐摩耗性向上を図ることを特徴とした
特開昭62−158591号公報が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知特許は、
塗装後の鮮映性を向上させるという点では優れたもので
あり、特開昭62−168602号公報にあっては、表
面粗度を構成する微視的形態が平坦な山頂面を有する台
形状の山部とその周囲の全部、または一部を取り囲むよ
うに形成された溝状の谷部とを形成することによって塗
装後の塗膜の鮮映性を向上させようとするものである。
しかし、レーザー加工によって粗面化されたロール表面
の凸部のごく表層は、母材よりも軟質化した残留オース
テナイト相が存在し、これが圧延初期に摩耗することに
よりロール寿命が短くなる問題がある。
【0005】このロール耐摩耗性向上を目的とした特開
昭62−158591号公報にあっては、粗面化された
ロール表面凸部のごく表層の残留オーステナイト相の表
面にクロムメッキすることにより、耐摩耗性を付与し圧
延時の摩耗を低減する点では優れているとしても、クロ
ムメッキの下地、すなわちロール表面凸部のごく表層の
残留オーステナイト相の表面硬度が低いため、この上か
らそのままクロムメッキした場合、圧延時に粗面化され
たロール表面の凸部が陥没し、ひいては、クロムメッキ
の剥離を招き、レーザー加工ロールの耐摩耗性向上を図
ることができないという欠点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の課
題を有利に解決するものであって、圧延用ワークロール
の表面を走査するようにして、レーザービームを照射し
て該ロールの表面に凹凸部を形成させ、凸部表層を硬化
させた後、引き続いて該ロール表面をクロムメッキ処理
する圧延用ダルロールの製造方法において、圧延用ワー
クロール表面に水をかけて薄い水膜を形成させ、該水膜
を透過させてレーザービームを照射してダル加工し、引
き続いてドライアイス、もしくは液体窒素中にロール
全体を浸漬させてロール表面温度を−10〜−100
℃に冷却し、10〜60分保持した後、脱脂、洗浄、電
解エッチングを経て該ロール表面に2〜15μmの電気
クロムメッキを施すことを特徴とする圧延用ダルロール
の製造方法である。
【0007】以下、本発明を図面にもとずいて説明す
る。図1は、本発明によるロール表面の断面形状を模式
的に示したものでロール1の表面にレーザーを照射し
て、ロール表面に形成された微小な凸部表層の軟質化部
の上からクロムメッキ2を施し、圧延初期の凸部摩耗低
減を狙いとした点を特徴としている。しかし、ロール表
面凸部のクロムメッキ2とロール素地1の間に挟まれた
軟質化部は、ロール素地1よりも軟質化した残留オース
テナイト相が存在し硬度が低いため、このまま圧延した
場合、粗面化されたロール表面の凸部の陥没ひいては、
クロムメッキ2の剥離を招き、レーザー加工ロールの耐
摩耗性向上を図ることができないという問題点がある。
【0008】そこで、従来の問題を解決するため本発明
では、ロール1の表面に水を掛けて薄い水膜を形成さ
せ、その水膜を透過させて短波長のYAGレーザービー
ムをロール表面に照射し、急速加熱によりロール表面が
溶融されることによってリング状クレーターを形成させ
る。そして、この時水冷却による水冷効果によってロー
ル素地1よりも軟質化した残留オーステナイト相が存在
しない状態で微小な凹凸を無数に形成させることができ
る。そして、このようにして粗面化されたロール表面に
クロムメッキ2を処理することにより、圧延中ロール凸
部の陥没により引き起こされるクロムメッキ剥離を防止
することができる。
【0009】なお、このロール凸部表層の軟質化防止の
ための急冷方法については、ロール表面に水膜を形成さ
せてレーザーダル加工する方法の他に低温ガス吹き付け
による急冷方法があり、いずれの方法においても同様に
ロール凸部表層の残留オーステナイト量を低減させ、凸
部軟質化を防止することが可能である。図2は、ロール
表面への水掛けによるレーザーダル水冷加工方法を示し
たものである。ロールをダルピッチに応じた所定の回転
数で回転させながら、高速パルスレーザーを照射しダル
加工する場合において、レーザービームを集光するため
の集光レンズ3が内蔵された加工ヘッド4の下部にスプ
レー水ノズル5を取りつけ回転中ロール表面に水を吹き
かける。
【0010】ここで回転するロール表面に付着した水膜
の厚みは、レーザーダル加工後のクレーター形状に大き
く影響を及ぼすため、スプレー水の流量は、10〜10
0ml/minの範囲で管理することが重要である。流
量が100ml/minを超えると、レーザーダル加工
後に満足なクレーター形状を得ることができない。一
方、10ml/min以下であると水冷加工を発揮する
ことができず、十分な凸部硬度を得ることができない。
また、レーザー照射ポイントでの水膜厚みを一定にし、
良好なクレーター形状を得るために、加工ヘッド内に1
〜2kg/cm2 の圧力でエアーパージを行うことが効
果的である。さらに、加工後ロールの防錆対策として透
明防錆油を1〜5%の濃度で添加することが好ましい。
【0011】図3は、水冷レーザーダル加工直後、更に
凸部の残留オーステナイト量を低減させ、硬度アップを
図るためにドライアイス、または液体窒素、液体ヘリウ
ム中にロール全体を浸漬させ急速冷却を行うサブゼロ処
理の条件について示したものである。ロールサブゼロ処
理の条件としては、水冷レーザーダル加工完了直後にロ
ール全体を−10〜−100℃に急速冷却させ、10〜
60分間保持させる。この時、温度が−10℃以上、ま
たは保持時間が10分以下の場合はサブゼロ処理の効果
が十分に発揮されず凸部の硬度アップを図ることができ
ない。一方、温度が−100℃以下、または保持時間が
60分以上になると低温脆性によって凸部が脆くなり、
圧延中の耐摩耗性を向上させることができない。
【0012】
【実施例】直径610mmφの5%Cr鍛鋼調質圧延用
ワークロール表面に加工ヘッド下部より、スプレーにて
流量70ml/minの水を吹きかけると同時に、加工
ヘッド内に1.2kg/cm2 の圧力でエアーパージを
行いながら薄い水膜を形成させ、それを透過させるよう
に短波長のYAGレーザービームを照射し、所定の粗度
パターンにレーザーダル加工を施した。尚、加工後ロー
ルの防錆対策としてスプレー水タンクに透明防錆油を2
%の濃度となるように添加した。レーザー照射条件とし
ては、次の通りである。 レーザー平均出力 :60W レーザー加工周波数:8kHz ロール加工パターン:穴径170μm 穴ピッチ340μm(ロール円周方向、長手方向) そして、加工後のロールを液体窒素中に浸漬させ、ロー
ル表面温度を−70℃で20分間保持しサブゼロ処理を
行った。その後、クロム酸溶液にて5μm厚さのクロム
メッキ処理を行った。
【0013】このロールを用いて、板厚0.8mmの低
炭素Al−キルド鋼の焼鈍済コイルを圧下率1.0%で
調質圧延し、ロール表面凸部の耐摩耗性を調査した。調
質圧延において圧延中のロール表面凸部の摩耗挙動を図
4に示す。クロムメッキなしの場合において、圧延前に
約9μmのロール表面凸部高さが、圧延初期摩耗で6μ
mとなり、10kmの圧延長さにてロール寿命限界(2
μm)となる。また、水の薄膜を透過させた水冷レーザ
ーダル加工後にクロムメッキをした場合は、200km
の圧延長さにてロール寿命限界となる。これに対し本発
明においては、ロール表面凸部の初期摩耗は従来法の時
のように圧延初期摩耗は見られず、ロール寿命も約25
倍となり、本発明の実施例では、ロール凸部の残留オー
ステナイト量を低減による軟質化を防止した後のクロム
メッキ処理により圧延初期摩耗を防止し、耐摩耗性が飛
躍的に向上した。
【0014】
【発明の効果】本発明方法により、ロールの表面にレー
ザーダル加工による微小な凹凸を無数に形成することが
でき、これにクロムメッキ処理を施すことによりロール
凸部の耐摩耗性が向上する。そして、このクロムメッキ
処理前に凸部表層の軟質化による圧延中クロムメッキ剥
離を防止するためにロール水冷却による急速加熱後の急
冷効果、及び加工後のサブゼロ処理効果によって、ロー
ル凸部には、ロール素地よりも軟質化した残留オーステ
ナイト相が存在しない状態から耐摩耗性の高いクロムメ
ッキを形成することができ、圧延時の凸部クロムメッキ
剥離を生じることなく、圧延時の初期摩耗を大幅に低減
させることができ、ロール寿命を飛躍的に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロール表面断面形状を示す図、
【図2】本発明によるロール水冷レーザーダル加工方法
を示す図、
【図3】本発明ロールによるロールサブゼロ処理条件を
示す図、
【図4】本発明ロールによるロール寿命を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ロール 2 クロムメッキ 3 集光レンズ 4 加工ヘッド 5 スプレー水ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩沢 修一 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平3−82791(JP,A) 特開 昭63−20193(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延用ワークロールの表面を走査するよ
    うにして、レーザービームを照射して該ロールの表面に
    凹凸部を形成させ、凸部表層を硬化させた後、引き続い
    て該ロール表面をクロムメッキ処理する圧延用ダルロー
    ルの製造方法において、圧延用ワークロール表面に水を
    かけて薄い水膜を形成させ、該水膜を透過させてレーザ
    ービームを照射してダル加工し、引き続いてドライアイ
    ス、もしくは液体窒素中にロール全体を浸漬させて
    ロール表面温度を−10〜−100℃に冷却し、10〜
    60分保持した後、脱脂、洗浄、電解エッチングを経て
    該ロール表面に2〜15μmの電気クロムメッキを施す
    ことを特徴とする圧延用ダルロールの製造方法。
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US7296517B2 (en) * 2003-11-11 2007-11-20 Fujifilm Corporation Roll for metal rolling, and support for lithographic printing plate

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