JP2692598B2 - プレス成形性に優れた鋼板の製法 - Google Patents

プレス成形性に優れた鋼板の製法

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JP2692598B2 JP17098194A JP17098194A JP2692598B2 JP 2692598 B2 JP2692598 B2 JP 2692598B2 JP 17098194 A JP17098194 A JP 17098194A JP 17098194 A JP17098194 A JP 17098194A JP 2692598 B2 JP2692598 B2 JP 2692598B2
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洋一郎 岡野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に無数の凹部が均
一に分布して形成されることによりプレス成形性の改善
された鋼板の製法に関し、この方法によって得られる鋼
板は、自動車用や家庭用電気製品用の外板材あるいは建
築材料等として極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用外板材等として使用され
る鋼板は、燃費の向上および排ガス低減などを目的とす
る軽量化の社会的要請に加えて、素材のコストダウンや
部品数の削減、製造及び予備処理工程の簡略化等を期し
て様々の改良研究が進められている。こうした研究の一
環として、鋼板の薄肉化による車体の軽量化および部品
数削減による成形・組立の簡素化等の要望が高まるにつ
れて、素材には一層優れた加工性が求められる様になっ
ており、軟鋼板では伸びとランクフォード値(r値)を
如何に高めるか、また高張力鋼板では高張力と伸びを如
何に両立させるか、という点が今後の大きな課題となっ
てきている。
【0003】ところでプレス成形加工においては、素材
自体の成形加工性の他、成形加工時における鋼板表面の
潤滑が極めて重要であり、成形加工用の鋼板では、通常
プレス加工性を高めるためにその表面をダル仕上げ処理
される。これは、鋼板表面に無数の凹部を形成して該凹
部内に潤滑油を溜め、プレス成形時における金型と鋼板
の間の摩擦を低減すると共に焼付きを防止するためであ
る。この方法として一般的に採用されているのは、鋼板
の表面粗度を最終的に調整するための調質圧延工程で、
表面をショットブラスト、放電加工、レーザー処理など
によりダル仕上げした圧延ロールを使用し、該ロール表
面の凹凸を鋼板表面に転写する方法である。
【0004】中でも、レーザー光線等の高密度エネルギ
ー照射により表面をダル仕上げしたロールを用いて調質
圧延する方法は、鋼板表面に転写される凹凸パターンの
制御が容易で安定したプレス成形性が得られ易く、且つ
塗装鮮映性の良好な規則的な凹凸が形成されるところか
ら極めて有効な方法とされており、その改善法について
も種々検討されている。
【0005】例えば特開昭62−168602号や同6
2−230402号公報には、調質圧延ロールの表面に
レーザー加工でダル仕上げを行なうに当たり、該仕上げ
処理により与えられる表面凹凸のパターンを制御するこ
とによりプレス成形性と塗装後鮮映性に優れた鋼板が得
られることを開示している。また特開昭63−1216
36号や同64−2705号公報には、表面凹凸パター
ンと表面平均粗さを適性に制御することにより、更に特
開昭63−303011号や特開平2−179302号
公報には、凹部の面積と平均深さおよび凹凸部パターン
を適正に制御することにより、プレス成形性と鮮映性の
優れた鋼板を製造できることが明らかにされている。
【0006】しかしながら、上記の様に鋼板の薄肉化や
一体成形化により加工条件がますます厳しくなってくる
につれて、上記の様な従来のダル仕上げ加工法では満足
な結果が得られなくなってきている。即ち、軟鋼板をプ
レス成形により深絞り加工する際には、プレス金型と鋼
板の間に大きな面圧が作用し、且つその面圧により鋼板
表面の凹凸が潰されて潤滑油が残存し得なくなり、摩擦
抵抗の増大による深絞り性の低下、ネッキング、焼付き
による型かじりの発生等が避けられず、また高張力鋼板
のプレス成形に当たっては、高張力化による材料伸びの
減少が避けられないので、加工性の向上は期待できな
い。
【0007】そこで、加工性を高めるには潤滑性能の向
上が必要となるが、潤滑油を高粘度化することにより潤
滑性を高める方法では、後工程での洗浄性の低下が大き
な問題となり、また潤滑剤の多量塗布は、潤滑剤を無駄
に消費するばかりでなく後工程での洗浄効率にも悪影響
が現われてくる。鋼板のプレス成形に当たっては、プレ
ス成形工程で鋼板表面に保持できる潤滑剤量がプレス成
形性に深く関与してくると思われるが、前述の如く従来
のダル仕上げロールを用いて圧延した鋼板では、鋼板表
面に形成される凹部の面積や深さ、凹凸パターンが規定
されているだけであって、潤滑油溜りとして重要な要件
になると考えられる凹部の容積についてまでも厳密に規
定するという考え方はなく、そのため油溜りとしての機
能にばらつきが生じ、ひいては安定したプレス成形性が
得られていないのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に従来のプレ
ス成形用鋼板では、ダル仕上げによって形成される凹部
の特に容積について適性な制御がなされておらず、その
ため油溜りとしての機能が不十分となって潤滑油の過不
足が生じ、潤滑油切れによる摩擦抵抗の増大、深絞り性
の低下、ネッキングや焼付きによる型かじりの発生とい
った成形不良が発生するという問題がしばしば経験され
る。本発明はこの様な従来技術の欠点に着目してなされ
たものであって、その目的は、潤滑油を用いてプレス成
形を行なうに当たり、金型と被加工鋼板との間に存在す
る潤滑油に過不足を生じることなく、安定して優れたプ
レス成形性を発揮し得る様な鋼板の製法を確立しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るプレス成形性に優れた鋼板の構成
は、圧延用ワークロールの表面に形成された凹凸を鋼板
の片面もしくは両面に転写するに当たり、中心線平均粗
さRaが0.8μm以下である圧延用ワークロールの表
面に高密度エネルギーを照射することにより、盛り上が
り高さ:15〜30μm、盛り上がり体積:28000
μm3 以上の凸部をロール表面の1mm2当たり9個以上
形成した圧延用ワークロールを使用し、圧下率0.3%
以上で調質圧延するところに要旨を有するものである。
【0010】
【作用】上記の様に本発明では、中心線平均粗さの小さ
い圧延用ワークロールの表面に高密度エネルギーをパル
ス状で照射することにより、盛り上がり高さ及び体積の
特定された凸部を特定密度以上で形成した圧延用ワーク
ロールを使用し、特定圧下率以上で調質圧延することに
よて、該圧延ロール表面の凸部を鋼板の表面に転写し、
潤滑油溜めとして適正な凹部を形成することによりプレ
ス成形性を高めるものであって、それら各構成要件を定
めた理由を詳述すると次の通りである。
【0011】まず、圧延ロール素材の中心線平均粗さR
aを0.8μm以下と定めたのは、これを超える表面粗
さの素地ロールを使用すると、高密度エネルギーの照射
により形成される凸部が該素地の凹凸に隠されたり、均
一な盛り上がり高さの凸部を形成できなくなり、結果的
に凸部が不均一なものとなって鋼板に転写される凹部も
極めて不均一となり、潤滑油溜り部として均一な容積が
確保できなくなるため、安定した潤滑性能が発揮できな
くなる。
【0012】次に、ロール表面に形成する凸部の盛り上
がり高さを15〜30μmの範囲と定めたのは、鋼板に
転写される凹部を潤滑油溜り部として適正な深さにする
ためであり、15μm未満では鋼板に転写される凹部が
深さ不足となって潤滑油溜り部としての機能が十分に発
揮できなくなり、潤滑不足により満足なプレス成形性が
得れなくなる。一方、逆に盛り上がり高さが30μmを
超えると、調質圧延時における該盛り上がり部の損傷が
著しくなり、鋼板に転写される凹部の深さが不均一にな
って安定した潤滑効果が得られなくなる。鋼板表面に均
一で且つ十分な深さの凹部を転写する意味からより好ま
しい盛り上がり高さは20〜27μmの範囲である。
尚、該凸部の平面形状は高密度エネルギーの照射法や照
射条件などによって任意に変えることができ、リング
状、円形状、半円形状、多角形状等どのような形状であ
っても構わない。
【0013】ところで本発明では、上記の様に表面に凸
部を形成した圧延ロールを用いて調質圧延を行なうこと
によって該凸部を鋼板表面に凹部として転写するもので
あり、該ロール表面に凸部を形成する方法としては、例
えばレーザーパルス等の高密度エネルギーをロール表面
に照射し、ロール表面の金属を瞬間的に溶融させてその
周辺側に盛り上がり部を形成すると共に冷却凝固させる
方法が採用される。そして、この様な方法により形成さ
れる凸部の形状によって、鋼板表面に転写される凹部の
形状が決まってくるのであるが、上記の様に高密度エネ
ルギー照射により溶融し盛り上がった状態で冷却凝固し
て形成される凸部の上面は平坦ではなく、また溶融金属
は照射中心から全方向に均一に盛り上がるわけではない
ので、該凸部の高さや形状は、高密度エネルギー照射時
における溶融金属の盛り上がり方向によって著しく変わ
り、均一な高さと形状の凸部が形成されるとは限らな
い。その結果、該凸部の転写によって鋼板表面に形成さ
れる凹部の深さや形状も不均一なものとなり、それに伴
って、該凹部の潤滑油保持量は変わってくる。
【0014】従って、より好適な潤滑油保持量を確保す
るには、該凹部の面積や深さを規定しただけでは不十分
であり、油溜り部としての機能をより確実に発揮させる
には、凹部個々の容積を適正に制御することが必要とな
る。こうした観点から本発明では、ロール表面に形成す
る凸部の盛り上がり高さだけでなく凸部個々の体積を規
定し、それにより鋼板に転写される凹部の潤滑油溜りと
しての容積を適正に調整するものであるが、潤滑油溜り
として過不足のない容積の凹部を形成するための要件と
して、該ロール表面に形成される凸部1個当たりの体積
を28000μm3 以上にすることが必要となる。しか
して該凸部の体積が28000μm3 未満では、鋼板表
面に十分な容積の凹部を形成することができず、潤滑油
不足によるプレス成形不良の問題を回避できなくなる。
尚該凸部の体積の上限は特に規定しないが、該凸部が大
きくなり過ぎると、転写により鋼板表面に形成される凹
部が過度に大きくなり、必要以上に潤滑油保持量が多く
なって潤滑油消費量が無駄に消費される他、プレス成形
後防錆のために塗布されることの多い防錆油の消費量も
増大し、コスト的に不利となるので、好ましくは該凸部
の体積は50000μm3 程度以下に止め、必要十分な
潤滑油保持量を確保できる凹部を転写成形できる様にす
るのがよい。
【0015】尚、該凸部の断面形状にも格別の制限はな
く、逆V字状、逆U字状、台形状、円弧状等どの様な形
状であっても構わないが、その数は、ロール表面の1m
2当たり9個以上の密度で形成することが不可欠の要
件となる。しかして凸部の数が不足する場合は、鋼板に
転写される凹部の数も当然に少なくなり、潤滑油溜りを
構成する凹部に対して潤滑油保持効果を持たない平行部
の面積が相対的に広くなり、プレス成形時に摩擦抵抗の
増大による深絞り性の低下、ネッキング、焼付きによる
型かじりの発生など、潤滑油不足による成形不良を回避
できなくなる。
【0016】なお、上記の様な寸法・形状・数の凸部を
ロール表面に形成する方法としては、レーザーや電子ビ
ーム等の高密度エネルギービームをパルス状でロール表
面に規則的に照射する方法が挙げられ、この時の照射条
件(照射エネルギーや収斂度合い等)やパルス間隔、照
射後の冷却速度、非加工ロールの回転周期等を調整する
ことにより、ロール表面に形成する凸部の高さや体積、
形状、数などを任意に調整することができる。
【0017】上記の様にして圧延ロールに形成した凸部
を鋼板の片面もしくは両面に効率よく転写するには、調
質圧延時の圧下率を0.3%以上に設定することが必要
となる。しかして、圧下率が上記値未満では、ロール表
面に折角形成した適正な高さと体積の凸部が鋼板表面に
正確に転写されず、潤滑油溜りとしての凹部の深さ及び
容積が不十分となって満足なプレス成形性の鋼板が得ら
れなくなるからである。圧下率の上限は特に規定しない
が、圧下率が大きくなり過ぎると転写時の鋼板の加工硬
化によって鋼板が硬質化し、鋼板高度の上昇によってプ
レス成形性に悪影響が現われてくるので、好ましくは
1.5%程度以下の圧下率に止めることが望まれる。鋼
板の加工硬化を最小限に抑えつつロール表面の凸部を鋼
板表面に正確に転写する意味から、より好ましい圧下率
は0.5〜1.2%の範囲である。
【0018】上記の様に本発明では、中心線平均粗さの
小さいロールの表面に高密度エネルギー照射により、適
正な盛り上がり高さと体積を有する凸部を適性密度で形
成した圧延用ワークロールを使用し、このワークロール
を用いて適正な圧下率で鋼板を調質圧延し、それにより
上記凸部を鋼板表面に転写して凹部を形成することによ
り、プレス成形工程で過不足のない潤滑油保持量を保証
することができ、潤滑油切れによる摩擦抵抗の増大、深
絞り性の低下、ネッキングや焼付きによる型かじりの発
生といった成形不良を生じることのない、優れたプレス
成形性を備えた鋼板を得ることに成功したものである。
【0019】また本発明は、上記の様にワークロール表
面に形成する凸部の高さ・体積・数を特定し、該ロール
を用いて所定の圧下率で鋼板の調質圧延を行なうことに
より、上記凸部を鋼板の表面にうまく転写し、潤滑油溜
りとして適正な深さと容積の凹部を形成するところに要
旨を有するものであるから、鋼板の素材そのものには一
切制限がなく、最も一般的な冷延鋼板はもとより、熱延
鋼板あるいはこれらにめっき等の表面処理を施した様々
の表面処理鋼板にも同様に適用することができる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0021】実施例 レーザーパルス法により表面に様々の凸部を形成した圧
延ロールを作成し、各ロールを用いて冷延鋼板(SPC
D材)の調質圧延を行なうことにより、該凸部を鋼板表
面に転写して凹部を形成した。得られた各鋼板を使用
し、プレス成形時の摺動特性を比較するため成形荷重を
調べると共に、ネッキングの有無を調べた。
【0022】尚成形荷重の測定は、幅40mm、長さ2
50mm、厚さ0.8mmの冷延鋼板1にプレス用潤滑
油(パーカー社製「ノックスラスト530」)約5g/
2を塗布し、これを図1に示す様なビード付きダイス
2にしわ押え3を用いてセットし、しわ押え圧400k
gf/cm2 の下でポンチ4を押し上げて高さ65mm
になるまで絞りあげ、このときの成形荷重とネッキング
発生の有無を調べた。
【0023】表1は、各調質圧延ロールについて表面に
形成された凸部の寸法形状をレーザー顕微鏡を用いて詳
細に調べると共に、夫々のロールを用いて所定の圧下率
で調質圧延を行はって得た鋼板を上記プレス成形試験に
供したときの成形荷重とネッキングの有無を調べた結果
を示したものである。また、図2(A)、(B)および
(C)は、表1に示したもののうち、No.3,10,
12で使用した圧延ロールの表面に形成された凸部の断
面形状を模式的に拡大して示したものである。更に図3
は、表1の結果から、凸部の高さと体積が鋼板のプレス
成形性(ネッキングの有無)に与える影響を整理して示
したグラフである。
【0024】
【表1】
【0025】表1および図2,3より次の様に考察する
ことができる。No.1〜7は本発明の規定要件を全て
満足する実施例、No.8〜17は何れかの規定要件を
欠く比較例であり、比較例では何れもプレス成形時の成
形荷重が1750kgfを超えており、全ての場合にネ
ッキングが認められるのに対し、実施例では比較例に比
べて何れもプレス成形時の成形荷重が小さく且つネッキ
ングも生じていない。
【0026】また、図2(A)(No.3のロール)と
同(B)(No.10のロール)を比較すると、両者の
体積Va ,Vb はほぼ同じであるが、前者は盛り上がり
部(凸部)5の高さha が高く裾野が狭い形状となって
いるのに対し、後者は盛り上がり部5の高さhb が低く
裾野が広い形状となっており、また図2(C)(No.
12のロール)は、図2(A)と盛り上がり部5の高さ
c はほぼ同じであるがその体積Vc が小さい。これら
のロールを用いて調質圧延を行った鋼板の成形荷重とネ
ッキングの有無を表1で比較すれば明らかである様に、
本発明の目的を達成するには、ロール表面に形成する盛
り上がり部5が適度の高さhと体積Vを有するものでな
ければならないことが分かる。
【0027】更に図3は、表1の結果より、調質圧延ロ
ール表面に形成された盛り上がり部5の高さhと体積V
が、得られる圧延鋼板のプレス成形性(ネッキングの有
無)に与える影響を整理して示したグラフであり、盛り
上がり部5の高さhが15μm以上、体積Vが2800
0μm3 以上である圧延ロールを使用して調質圧延した
鋼板(圧下率は何れも0.3%以上)では、何れもネッ
キングが生じておらず、優れたプレス成形性を有してい
ることが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、調
質圧延ロール表面に適正な高さと体積の盛り上がり部を
形成し、適度の圧下率で調質圧延を行なうことにより、
鋼板表面に転写形成される凹部の潤滑油溜り部としての
機能を過不足なく効果的に発揮させることができ、ネッ
キングなど潤滑不足による欠陥を生じることなく低い成
形荷重で円滑にプレス成形することのできる鋼材を提供
し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス成形性を調べるために行なった成形荷重
の測定法を示す要部断面説明図である。
【図2】実験で使用した調質圧延ロール表面の盛り上が
り部(凸部)の形状を拡大して示す模式図である。
【図3】調質圧延ロール表面に形成された盛り上がり部
5の高さhと体積Vが、得られる圧延鋼板のプレス成形
性(ネッキングの有無)に与える影響を整理して示した
グラフである。
【符号の説明】
1 供試鋼板 2 ダイス 3 しわ押え 4 ポンチ 5 盛り上がり部(凸部)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延用ワークロールの表面に形成された
    凹凸を鋼板の片面もしくは両面に転写するに当たり、中
    心線平均粗さRaが0.8μm以下である圧延用ワーク
    ロールの表面に高密度エネルギーを照射することによ
    り、盛り上がり高さ:15〜30μm、盛り上がり体
    積:28000μm3 以上の凸部をロール表面の1mm2
    当たり9個以上形成した圧延用ワークロールを使用し、
    圧下率0.3%以上で調質圧延することを特徴とするプ
    レス成形性に優れた鋼板の製法。
JP17098194A 1994-07-22 1994-07-22 プレス成形性に優れた鋼板の製法 Expired - Lifetime JP2692598B2 (ja)

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