JPH0334389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、機体の前後中間部位に上下動自在に
配設した単一の推進車輪を、下降作動に伴つて機
体後方に移行させる機構を備えるとともに、植付
作業機構に対する動力を断続自在な植付クラツチ
を備えた歩行型水田作業機に関する。

〔従来技術〕

従来、上記水田作業機としては、特公昭52−
23928号に示すように、田植機に前記機構を装備
した点で、本考案と類似する技術があつた。

この田植機は、推進車輪の昇降の際、機体の重
心に対する推進車輪の接地点の前後方向への移動
量を調節して機体の前後バランスの均衡を図る、
あるいは泥土中に推進車輪を漬けた状態で前進走
行する場合に生ずる推進車輪からの大きな逆トル
クを打ち消すようにしていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、単一の推進車輪で走行する作業機を旋
回させる場合には通常、ハンドル杆を持ち上げる
と同時に機体を旋回内側に傾斜させるため、ハン
ドル杆を持ち上げた際、機体のバランスが崩れる
ことがあつた。つまり、機体が正常な走行姿勢に
あるときには、推進車輪の接地点の略上方に機体
重心が存在するため、ハンドル杆を持ち上げて機
体を傾斜させると、機体重心が前記接地点に対し
て前方に移動して、アンバランスになるのであ
る。

従つて、この種の水田作業機を旋回させるに
は、ハンドル杆を持ち上げると同時に、ハンドル
杆が自然に上昇し過ぎないよう、持ち上げ量を抑
制せねばならず扱いにくいものであつた。

本考案は上記実情に鑑み、又、水田作業機を旋
回させる場合には、常にハンドル杆を持ち上げる
方向に操作することが扱い易い点に鑑み為された
ものであつて、一輪歩行型の水田作業機を楽に旋
回できるようにする点に目的を有する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴は、植付クラツチレバーの切り作
動に連動して前記推進車輪を前方に移動させる機
構を備えてある点にあり、その作用、及び効果は
次の通りである。

〔作用〕

つまり、上記の如く構成したことによつて、前
記推進車輪の移動量を、機体旋回時の重心移動量
と水平方向で、少なくとも略同一に設定すると、
植付クラツチレバーを切り操作するだけで、他の
操作をすることなく、推進車輪が移行して、ハン
ドル杆を持ち上げても、機体は前バランスになら
ない。

〔考案の効果〕

従つて、機体を旋回させる際には、多くの場合
切り操作する植付クラツチレバーと連動して、推
進車輪が自動的に移行して、操作が楽で、しかも
旋回時には、常にハンドル杆を持ち上げる方向に
操作できて、楽に機体旋回が行えるようになつ
た。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第２図に示すように、前部にエンジン１及びミ
ツシヨンケース２を搭載すると共に、その先端に
単一の推進車輪３を軸加したチエンケース４をミ
ツシヨンケース２に上下揺動自在に設け、後部に
左右一対の植付アーム５、マツト状苗Ｗを載置す
る苗のせ台６、操縦ハンドル杆７の夫々を設け、
下部に左右一対の整地フロート８を設けて、歩行
型水田作業機の一例として２条植田植機が構成さ
れている。

前記チエンケース４はミツシヨンケース２に枢
着した基端ケース４ａと、このケース４ａの揺動
端に更に枢着した先端ケース４ｂとで成り、先端
ケース４ｂに設けたアーム９と、このアーム９と
機体との間に設けた油圧シリンダ１０とでリンク
機構を構成し、推進車輪３の下降作動に伴つて、
機体後方に、推進車輪３を可逆的に移行させるよ
うに構成してある。

又、基端ケース４ａにはアーム１１が形成さ
れ、このアーム１１と機体との間に油圧シリンダ
１２が設けられ、このシリンダ１２の駆動で推進
車輪３が昇降し、前述のように、推進車輪が移行
して、水田作業中に於て生ずる、推進車輪からの
逆トルクを補正し、機体の前後バランスを図るよ
うになつている。

尚、第１図に示すように、推進車輪３の昇降
が、前記フロート８の揺動によつて制限されるよ
う、フロート８に連結するロツド１３、ベルクラ
ンク１４、前記シリンダ１２に対する油圧バルブ
１５、油圧ポンプ１６で制御系が構成されてい
る。

前記ハンドル杆７の基端部に、主クラツチレバ
ー１７、ハンドルグリツプにミツシヨンケース２
から植付アーム５等に対する伝動系に介装した植
付クラツチ（図示せず）を入り切り操作するため
の植付クラツチレバー１８等が設けられ、該田植
機では植付クラツチレバー１８を切り操作する
と、自動的に推進車輪３が前方へ移行し、機体の
旋回時にハンドル杆７を持ち上げる際に生ずる重
心の前方への移動を抑制して、前後バランスの均
衡を図つている。

つまり、第１図に示すように前記リンク機構を
構成する油圧シリンダ１０が複動式に構成される
と共に、このシリンダ１０に対する油圧バルブ１
９には電磁式のものが用いられ、又、このバルブ
１９には前記油圧ポンプ１６から圧油が供給され
る。そして、シリンダ１０のピストンロツド１０
ａが両ストロークエンドに達したことを検出する
リミツトスイツチ２０ａ，２０ｂ、前記植付クラ
ツチレバー１８が切り操作位置（OFF）に操作
されると切換る復元型スイツチ２１、前記バルブ
１９のソレノイド１９ａ，１９ｂと電源２２を結
ぶ回路２３、この回路２３に設けたスイツチング
トランジスタ２４、及びこのトランジスタ２４を
作動させるため、前記スイツチ２１と連動して前
記トランジスタ２４を作動させると共に、リミツ
トスイツチ２０ａ，２０ｂのいずれかの検出でト
ランジスタ２４の作動を停止させる制御装置２５
で制御系が成り、植付クラツチレバー１８の切り
操作に連係して推進車輪３が前方へ移行する。

〔別実施例〕

本実施例では油圧シリンダ１０の駆動によつて
推進車輪の移行を行つていたが、モータで駆動さ
れる螺軸を用いる等電動アクチユエータで行つて
も良く、又、植付クラツチレバー１８を操作する
際の操作力で行つても良い。

又、本考案は、機体に種播種装置を装着した水
田直播機にも適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型水田作業機の実施例
を示し、第１図は推進車輪を前方に移行させる機
構を示す概略図、第２図は田植機の全体側面図で
ある。 ３……推進車輪、１８……植付クラツチレバ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の前後方向中間部位に上下動自在に配設し
   た単一の推進車輪３を、下降作動に伴つて機体後
   方に移行させる機構を備えた歩行型水田作業機で
   あつて、植付クラツチレバー１８の切り作動に連
   動して前記推進車輪３を前方に移行させる機構を
   備えてある歩行型水田作業機。