JPS6124019Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、原動機、ミツシヨン更に上下に揺動
固定自在な伝動ケースを介して左右一対の駆動車
輪を設けた機枠の下方で車輪軸よりも前方位置に
接地フロートを設け、一方、苗植付装置と、この
苗植付装置に苗を供給する苗のせ台を備えた苗植
付部を設けた機枠の下方で車輪軸よりも後方に前
記接地フロートとは別の接地フロートを設け、こ
の後方の機枠を前方の機枠に連設してある一軸車
輪型の歩行型田植機に関する。

冒記した田植機は、車輪軸の前後にフロートを
振り分け配置してあるので、車輪軸を支点とする
前後の重量のアンバランスをこのフロートで効果
的に受け止めて、安定的に植付作業ができる利点
がある。そして、上記田植機を旋回させるに際し
ては、前記苗植付部の機体に備えた後方の接地フ
ロートに起因する旋回抵抗を解消するために苗植
付部を、上昇状態に維持する必要があるが、従
来、操縦者自身がハンドルを持上げる事によつて
前記車輪軸を中心に機体全体を前方を下方に後方
を上方に傾斜させ、これによつて苗植付部を上昇
させており、この事によつて旋回に多大な労力を
要していた。しかも前方を下位にさせることによ
つて、車輪軸よりも前方に設けたフロートが泥中
に深く押し込まれ泥押しが激しく圃場を荒らすば
かりでなく、泥中に押し込まれた分、旋回抵抗が
増大するもので、一層の労力を要求される。本考
案は、上記実情に鑑みて、人為的な苗植付部持上
げを必要とすることなく、旋回を極力楽に行える
ようにする事を目的とする。

次に、本考案の歩行型田植機の実施例を図面に
基づいて説明する。

エンジン、主クラツチ２、ミツシヨン３及び接
地フロート１２及びバランスウエイト取付枠４ａ
を備えた機枠４に、上下に駆動揺動及び揺動固定
自在な伝動ケース５を介して左右一対の駆動車輪
６，６を設けると共に、後方に延びる操作ハンド
ル７を備えた機枠８を上下揺動可能に設け、一定
の回動軌跡に沿つて上下運動する左右一対の苗植
付装置９，９、両苗植付装置９，９に苗を供給す
べく機体左右方向に往復動するように設けた傾斜
苗のせ台１０、及び左右一対の接地フロート１３
ａ，１３ａを備えた苗植付部１１を、前記機枠８
に取付けもつて、フロート１２によつて、前記両
苗植付装置９，９の苗植付箇所を整備させると共
に、フロート１２，１３ａ，１３ｂの協働により
機体のピツチング及びローリングを規制させなが
ら、機体自走に伴つて２条の苗植付を行えるよう
にしてある。又、前記接地フロート１２と左右一
対の接地フロート１３ａ，１３ｂとは、側面視、
車輪軸を中心にしてその前後に振り分け状に配さ
れていて、前後の重量バランスを図つて苗植付け
深さを安定させるように構成されている。

前記苗植付部１１の各装置部分を駆動するに、
第３図に示すように、前記ミツシヨン３からの出
力を、前記車体機枠４に内装してある伝動チエー
ン１４，１４、チエーンを複数枚のスプロケツト
に択一的に掛け換えるようにした変速装置１５、
及びクラツチ１６を介して、前記両機枠４，８を
揺動自在に連結する横方向軸に兼用した苗植付装
置９の駆動軸１７に伝達し、この駆動軸１７の回
動力を、伝動チエーン１４及びギア咬合変更式変
速装置１８を介して前記苗のせ台１０に対する駆
動機構１９に伝達するようにしてある。

前記両苗植付部フロート１３ａ，１３ｂ夫々の
機体前方側は、腰折リンク２０を介して苗植付部
機枠８に取付けてあり、機体後方側は、両フロー
ト１３ａ，１３ｂを連結する部材２１を、前記機
枠８に付設の支軸２２に対してその機体前後方向
の軸芯Ｐ周りで揺動自在に取付けてあり、前記腰
折リンク２０の屈伸と連結部材２１の揺動によ
り、両フロート１３ａ，１３ｂの背反的な昇降を
可能に構成してある。つまり、一方のフロート１
３ａあるいは１３ｂが泥面上に隆起する硬い土塊
に乗り上げたり、耕盤傾斜のために機体がその横
方向に傾斜して、両フロート１３ａ，１３ｂの接
地圧が相違した場合、前記背反昇降により接地圧
相違が解消されて、機体がローリングしたり、ピ
ツチングする事を防止できるようにしてある。

そして、両苗植付部フロート１３ａ，１３ｂの
先端を前記駆動軸１７よりも後方に位置させると
ともに、前記苗植付部１１の車体に対する揺動昇
降及び固定操作を行う流体圧シリンダ２３を、前
記両機枠４，８にわたつて架設し、前記シリンダ
２３に対するコントロールバルブ（図外）を切換
え操作する揺動レバー２５を前記ハンドル７に配
設し、もつて、機体を旋回させるに際して、前記
レバー２５操作により苗植付部１１を車体に対し
て上昇させ、第４図に示すように、両苗植付部接
地フロート１３ａ，１３ｂを、旋回抵抗を小さく
する対地上昇状態と、旋回完了に伴つてレバー２
５の操作により苗植付部１１を車体に対して下降
させる対地下降状態とに固定自在に切換える機構
を構成してある。

尚、前記流体圧シリンダ２３は、流体圧モータ
とギア機構の組合せ等の各種駆動昇降構成に変更
可能であり、要するに、苗植付部１１の駆動昇降
及び固定可能な構成であれば良く、これらを、苗
植付部１１を昇降及び固定するための駆動機構２
３と総称する。

又、苗植付部１１を昇降させるに、平面視にお
ける車体との位置関係に変化が生じない昇降構成
を採用しても良いが、前述のように上昇に伴つて
車体前方に移動するように構成すると、重心位置
変化によつて車体の自重後転モーメントが小さく
なり、旋回時に操縦者がハンドル７を支持するに
必要な力を弱くできて便利である。

又、苗植付部１１を上昇させると、自動的に、
両苗植付部フロート１３ａ，１３ｂが水平姿勢に
て固定されるように構成すると、旋回時にフロー
ト１３ａ，１３ｂが揺動する不都合の発生を回避
できる。

以上要するに、本考案による歩行型田植機は、
冒記した一軸車輪型のものにおいて、前記後方の
機枠を前方の機枠に対して横方向軸まわりで揺動
自在に枢支するとともに、前記後方の機枠の姿勢
を上昇状態と下降状態とに固定自在に切換える機
構を設け、前記別の接地フロートの先端を前記横
方広向軸よりも後方に位置させてあることを特徴
とする。

すなわち、苗植付部を備える後方の機枠を前方
に機枠に対して上昇してその上昇位置で固定でき
るようにして、機体全体を持上げるような従来の
手法を不必要にする事によつて、旋回操作を楽に
行わせる事ができ、作業の能率向上及び作業者の
疲労軽減を図れるようになつた。

しかも、前方の機枠は、苗植付時と全く変わら
ぬ姿勢に保たせることができるために、従来のよ
うにこの前方の機枠下方の接地フロート、つまり
整地フロートが旋回時泥土中に押し込まれること
がなくなり、後方の機枠に設けた接地フロートの
先端が機枠の揺動軸よりも後方に位置しているの
で、後方の機枠を対地上昇させるときに、後方の
機枠に設けた接地フロートの先端が泥中に突入す
ることもなく、圃場を荒らしたり、旋回抵抗が増
大したりする欠点がなくなる上に作業者の一層の
疲労軽減が図れるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は全体平面図、
第３図は連動機構の概略図、第４図は苗植付部上
昇状態を示す側面図である。 １……原動機、３……ミツシヨン、４，８……
機枠、５……伝動ケース、６……駆動車輪、９…
…苗植付け装置、１０……苗のせ台、１１……苗
植付部、１３ａ，１３ｂ……接地部、１７……軸
芯、２３……駆動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原動機１、ミツシヨンケース３更に上下に揺動
   固定自在な伝動ケース５を介して左右一対の駆動
   車輪６，６を設けた機枠４の下方で車輪軸よりも
   前方位置に接地フロート１２を設け、一方、苗植
   付装置９とこの苗植付装置９に苗を供給する苗の
   せ台１０を備えた苗植付部１１を設けた機枠８の
   下方で車輪軸よりも後方に前記接地フロート１２
   とは別の接地フロート１３ａ，１３ｂを設け、こ
   の後方の機枠８を前方の機枠４に連設してある一
   軸車輪型の歩行型田植機において、前記後方の機
   枠８を前方の機枠４に対して横方向軸１７まわり
   で揺動自在に枢支するとともに、前記後方の機枠
   ８の姿勢を上昇状態と下降状態とに固定自在に切
   換える機構を設け、前記別の接地フロート１３
   ａ，１３ｂの先端を前記横方向軸１７よりも後方
   に位置させてあることを特徴とする歩行型田植
   機。