JPS6013736Y2

JPS6013736Y2 - 歩行型耕うん機における車軸ケ−スの駆動装置

Info

Publication number: JPS6013736Y2
Application number: JP16535079U
Authority: JP
Inventors: 信裕岡田; 仁行足立
Original assignee: 三菱農機株式会社
Priority date: 1979-11-29
Filing date: 1979-11-29
Publication date: 1985-05-01
Also published as: JPS5683484U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、機体の前後重心位置を変えることができる歩
行型耕うん機に係り、詳しくはその揺動可能な車軸ケー
スの駆動装置に関する。

一般に、歩行型耕うん機は、作業中にロータリの跳ね上
りを阻止して容易に耕うん作業を行なえるように、機体
後方に重心位置が設定されている。

このため、耕うん機を回向するに際して、ハンドルによ
り機体後方を持ち上げてロータリを圃場から引き抜くの
に、運転者はきわめて大きな重量を支えなければならず
、疲労の原因＆；なると共に、特に非力な婦女子の作業
を困難にしていた。

そこで、ミッションケースに対し車軸ケースを揺動自在
に設け、該車軸ケースを、その揺動の両端にてストッパ
ー及びロック装置により固定して、通常の耕うん作業時
は機体後方に重心を位置させ、また回向時には重心を前
方に移動させ、回向を容易にした歩行型耕うん機が提案
されている。

ところで、該耕うん機の前後重心位置変更装置は、車軸
ケースの揺動を、車軸が車軸ケースの枢軸に対して常に
後方に位置するように規制し、もって回向に際して重心
を前方に移動するには、機体重量に基づく車軸ケースの
回動力により自動的に車軸ケースを傾斜させていたが、
通常の耕うん作業を行なうため、重心を後方に移動する
には、前記機体重量に基づく回動力に抗して車軸ケース
を揺動させなければならず、相当な力を必要としていた
。

本考案は、上述事情により、車軸ケースの揺動中心とな
る中間軸にクラッチを摺動のみ自在に設け、該クラッチ
の車軸ケースへの係合により、中間軸の回転に基づき車
軸ケースを駆動して揺動し、機体の前後重心位置の変更
を人力を用いることなく容易に行なえるようにした歩行
型耕うん機における車軸ケースの駆動装置を提供するこ
とを目的とするものである。

以下、図面に沿って、本考案の実施例を説明する。

歩行型耕うん機１は、第１図に示すように、左右の駆動
車輪２，２で懸架されている機体３を有している。

機体３の前部にはエンジン５が搭載され、またその中程
にはベルト伝動装置６を介してエンジン５より動力伝達
されているミッション７が配設され、更にその後方には
ノ１ンドル９が延設されており、また機体５の後方でハ
ンドル９の下方にはロータリ１０が装着・固定されてい
る。

ミッション７は、第３図及び第４図に示すように、ミッ
ションケース１１で覆われており、ケース１１には駆動
ギヤ１２が固定されているサイドクラッチ軸１３が回動
自在に支持されている。

クラッチ軸１３には駆動ギヤ１２の両側で、該ギヤ１２
に係合するように付勢され、かつサイドクラッチレバ−
１４（第１図）により該係合を解除し得る左右のサイド
クラッチギヤ１５，１５が回転自在に支持されており、
ギヤ１５．１５はそれぞれ中間軸１６．１６にスプライ
ン結合し、かつカラーで位置決めされている中間ギヤ１
８．１８にそれぞれ常時噛合している。

中間軸１６はミッションケース１１の左右に突出して延
びており、該突出部でそれぞれギヤ１９．１９がスプラ
イン結合されていると共に、該中間軸１６を中心に揺動
自在に、車軸ケース２０．２０がその突出筒部２０ａ、
２０ａに固定されたライナー２１により軸支されてミッ
ションケース１１に支持されている。

更に、中間軸１６は軸受２２により車軸ケース２０に支
持されており、軸受２２はライナー２１の鍔部２１ａで
抜は止めされている。

また、中間軸１６には爪クラッチ２３がスプラインで摺
動のみ自在に支持されており、爪クラッチ２３のテーパ
ーを有する爪２３ａはライナー２１に形成されたテーパ
ー穴２１ｂに係し得る。

更に、爪クラッチ２３はシフター２５及びロッド２６を
介して操作レバー２７に連結されており、操作レバー２
７はループ状の補助ハンドル２９に沿うようにし構成さ
れていると共に、トラブルスプリング３０によりその人
・切位置に安定するように付勢されている。

また、車軸ケース２０．２０には左右の車軸３１．３１
が回転自在に支持されており、車軸３１．３１には前記
ギヤ１９．１９と噛合している車軸ギヤ３２．３２がス
プライン結合されている。

また、車軸ケース２０．２０はそれぞれ蓋部２０ｂ、２
０ｂと共働して各ギヤ１９．３２を覆っていると共に、
ミッションケース１１の下方において突出連結部２０ｃ
ｗ２０ｃがそれぞれ延設されおり、両突出連結部２０
Ｃ＊２０ｃはその先端の合せフランジ部２０ｄ
、２０ｄで互に結合され、従って左右車軸ケース２０．
２０は一体に揺動する。

一方、第５図及び第６図に示すように、車軸ケース２０
．２０のそれぞれ前後側面には両ケース２０．２０を連
結するようにロックシャツ）３３．３５が固定されてい
る。

また機体３の車軸ケース２０．２０の前後にはロックア
ーム３６．３７がそれぞれ枢支されており、各アーム３
６．３７はスプリング３９．４０でそれぞれケース２０
のロックシャフト３３．３５に当接するように付勢され
ている。

また、各ロックアーム３６．３７の先端はロックシャフ
ト３３．３５に係合し得ると共に、他端はベルクランク
状の一方のリンク４１．４２先端に設けられたロックピ
ン４３．４５に係合し、ロックアームの回動を阻止し得
る。

また、ベルクランク状の他方のリンク４６．４７はそれ
ぞれボーデンワイヤー４９．５０を介して前記操作レバ
ー２７に連結していると共に、戻しスプリング５１．５
２が張設されている。

更に、ミッションケース１１の下部の前後にはその突出
量を調節自在に螺合されているボルトよりなるストッパ
ー５３．５５が設けられており、ストッパー５３．５５
は前記両車軸ケース２０．２０の合せフランジ部２０ｄ
に当接して車軸ケース２０の揺動位置を規制している。

本考案は以上のような構成を有するので、通常の耕うん
作業時には、エンジン５の回転がベルト伝動装置６を介
してミッション７に伝達され、更にミッション７の駆動
ギヤ１２、左右のサイドクラッチギヤ１５，１５及び中
間ギヤ１８を介して中間軸１６に伝達され、更にギヤ１
９．３２を介して車軸３１．３１に伝達され、車輪２を
駆動して耕うん機１を走行すると同時に、ロータリ１０
にも動力伝達され、耕うん作業を行なう。

この際、車軸ケース２０は、第２図実線及び第５図に示
すように、突出連結部２０ｃの合せフランジ部２０ｄが
前方ストッパー５３に当接し、また後方ロックシャフト
３５が後方ロックアーム３７の先端に係合し、かつアー
ム３７は他端がロックピン４５に当接して回動を阻止さ
れているので、車軸ケース２０はミッションケース１１
との枢支部ヲ構成する中間軸１６が車軸３１の垂直線よ
りも僅かな距離１だけ前方にあるが、重心Ｇは車軸３１
の軸線よりも僅かに後方に作用する立上り位置に固定さ
れている。

ついで、耕うん機１を枕地において回向する際、操作レ
バー２７を上方へ回動すると、ボーデンワイヤー４９は
弛められ、またボーデンワイヤー５０は戻しスプリング
５２に抗して引っ張られて、前方ロックピン４３がロッ
クアーム３６端に当接するように回動付勢されると共に
、後方ロックピン４５がロックアーム３７から外される
ように回動される。

これにより、車軸３１の垂直線は車軸ケース２０の揺動
中心である中間軸１６よりも僅かに後方に位置している
ので、第２図鎖線及び第６図に示すように、中間軸１６
に作用する機体重量による車軸ケースの回動力に基づき
、機体３は車軸３１に対し前方に移動する。

この際、操作レバー２７の上方への回動に伴い、ロッド
２６及びシフター２５を介して爪クラッチ２５はその爪
２３ａがライナー２１のテーパー穴２１ｂから外れ、上
述車軸ケース２０の機体重量に基づく回動を阻害しない
。

そして、車軸ケース２０の合せフランジ部２０ｄが後方
ストッパー５５に衝突すると同時に、ロックアーム３６
の先端がロックシャフト３３に係合し、車軸ケース２０
は傾斜位置に固定される。

この状態では中間軸１６は車軸３１を垂線に対し大きく
Ｌ前方に移動しており、従って重心Ｇも車軸３１の前方
に作用し、運転者は操作レバー２７と共に補助ハンドル
２９を持ち上げることにより、ロータリ１０を容易に引
き上げることができる。

更に、耕うん機１の回向が終了し、再び耕うん作業を始
めるには、揺動操作レバー２７を下方へ回動し、トラブ
ルスプリング３０で保持させると、ロッド２６及びシフ
ター２５を介して爪クラッチ２３は摺動され、その爪２
３ａが車軸ケース２０に固定されているライナー２１の
テーパー穴２１ｂに係合する。

同時に、ボーデンワイヤー４９を介してロックピン４３
によるロックアーム３６のロック作用が解除され、車軸
ケース２０は前方への揺動が可能となるので、上述中間
軸１６の回転に伴なう爪クラッチ２３の回転により車軸
ケース２０は第２図実線及び第５図に示す立上り位置に
駆動されて揺動される。

そして、ロックアーム３７の先端がシャフト３５に係合
すると同時に、合せフランジ部２０ｄが前方ストッパー
５３に当接し、従って車軸ケース２０はストッパー５３
及びロックアーム３７により挟持されて、確実に固定さ
れる。

この際依然として、爪クラッチ２３はその爪２３ａがラ
イナー２１のテーパー穴２１ｂに係合するようにトラブ
ルスプリング３０により付勢されているが、爪２３ａ及
び穴２１ｂはテーパーにより、所定トルクを伝達すると
共に所定トルク以上の力に対しては滑るトルクリミッタ
−を構成しているので、車軸ケース２０がストッパー５
３に当接した後は滑動する。

なお、操作レバー２７をスプリングピン等によりその回
動範囲を一応規制して、該規制範囲内でロックアーム３
６．３７を操作すると共に、該範囲内での回動では爪ク
ラッチ２３がライナーの穴２１ｂに係合しないように構
成し、更に操作レバー２７をスプリングピンに抗して規
制範囲外に回動した場合、爪クラッチ２３をライナー２
１に係合して車軸ケース２０を駆動し、常時は爪クラッ
チ２３がライナー２１に当接しないようにしても良いこ
とは勿論である。

また、上述実施例は機体重量に基づく車軸ケースの回動
力により、車軸ケース２０を回動付勢しているが、これ
をスプリングにより回動付勢しても良く、更には耕うん
機１を後進状態にし、中間軸１６を逆回転した状態で爪
クラッチ２３を係合し、車軸ケース２０を反対方向に回
動するようにしても良い。

以上説明したように、本考案によれば、中間軸１６に摺
動のみ自在に設けたクラッチ２３を車軸ケース２０に係
合することにより、車軸ケース２０をエンジン５に基づ
く中間軸１６の回転により駆動して揺動できるので、機
体３の前後重心位置の変更を人力を用いることなく容易
に行なえ、機体３の回向を楽に行なうことができる。

更に、爪クラッチ２３を、車軸ケース２０の回動部分の
軸受を構成するライナー２１に設けたテーパー穴２１ｂ
に係合するように構成すると、ライナー２１はその鍔部
２１ａで中間軸１６の軸受２２の抜は止めを兼用するこ
とができ、部品点数を減らして組立を容易に行なうこと
ができる。

また、クラッチ２３をロック装置３６．３７・・・操作
用の操作レバー２７に連結すると、クラッチ操作のため
の特別な操作をする必要がなく、操作が簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されている歩行型耕うん機を示す
側面図、第２図はその車軸ケースの作用を示す概略側面
図、第３図は第２図■−■線による断面図、第４図はそ
の片側を示す拡大した断面図、第５図は車軸ケースが立
上った状態を示す側面図、第６図はその傾斜した状態を
示す側面図である。１・・・・・・歩行型耕うん機、３・・・・・・機体、
１１・・・・・・ミッションケース、１６・・・・・・
中間軸、２０・・・・・・車軸ケース、２３・・・・・
・クラッチ、３６〜５０・・・・・田ツク装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ミッションケースに対し、車軸ケースを、中間軸を中心
に揺動自在に設け、また該車軸ケースの揺動の両端にて
該ケースをロック装置により固定して、機体の前後重心
位置を変更できるように構成した歩行型耕うん機におい
て、前記中間軸に、所定トルクを伝達すると共に所定ト
ルク以上の力に対しては滑るクラッチを摺動のみ自在に
設け、該クラッチの前記車軸ケースへの係合により、前
記中間軸の回転に基づき該車軸ケースを駆動して揺動す
るように構成した歩行型耕うん機における車軸ケースの
駆動装置。