JP3675862B2 - 乗用管理機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、乗用管理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗用管理機の一形態として、走行部をなす小型トラクタの直後方位置に各種作業部を昇降自在に連結したものがあり、駆動系について言えば、前記走行部にエンジン及びミッションを搭載し、同エンジンからの動力をミッションを介して後輪に伝達して後輪駆動とし、上端にステアリングハンドルを取付けたステアリングシャフトを前車輪に連動連結して操舵輪としたものがある。
【0003】
しかし、かかる前輪操舵、後輪駆動のものでは、旋回時に後輪からの直進力を受けるために、小旋回を行うことが難しかった。
【0004】
また、ミッションを介して動力を前後輪に伝達する4輪駆動式としたものがあり、しかも、後輪を左右サイドクラッチ・ブレーキ機構を介してミッションに連結したものがある。
【0005】
かかる構成により、左右側の後車輪への動力伝達の接・断続を可能とすると共に、各後車輪をそれぞれ制動可能に構成している。
【0006】
上記サイドクラッチ・ブレーキ機構は、走行部に設けた運転部のペダル操作により作動させる構成となっている。
【0007】
すなわち、図7に示すように、例えば、圃場Yを走行して耕耘作業を行い、その終端の枕地Y1手前で旋回する場合に、右旋回を行う場合は、右側ペダルを操作して右側後輪に制動力を加えてブレーキターンを可能とし、できるだけの小旋回を行えるようにしていた。
【0008】
また、左旋回を行う際には、左側ペダルを操作して左側後輪に制動力を加えて旋回するものである。
【0009】
図7において、100 は乗用管理機、101 は前輪、102 は後輪、103 は耕耘作業機である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の乗用管理機では、以下のような課題を残していた。
【0011】
すなわち、図7に示すように、乗用管理機100 で圃場Yを耕耘し、枕地Y1の手前でターンする場合に、できるだけの小旋回を行ったとしても限度があり、どうしても未耕地部分の長さDが長くなり、圃場Y内の耕耘面積が小さくなり、有効作付面積が小さくなってしまうという問題があった。
【0012】
また、上記乗用管理機では、隣接する条への乗り入れるために舵を最大に切った状態で急旋回することになり、運転操作が難しく転倒のおそれもあり危険であった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決することのできる乗用管理機を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明では、後端に作業機を連結可能とした車体フレームに運転部と原動機部とを配設すると共に、前車輪と後車輪とを取付け、同後車輪は、運転部における操作により左右サイドクラッチ・ブレーキ機構を介してそれぞれ制動可能とし、さらに、同車体フレームの前端にサイドクラッチハンドルを前方へ向けて取付け、同サイドクラッチハンドルの左右側には、前記左右サイドクラッチ・ブレーキ機構とそれぞれ連動する左右サイドクラッチレバーを取付けたことを特徴とする乗用管理機に係るものである。
【0015】
また、本発明は、上記前車輪を運転部に配設したステアリングハンドルに連動連結して操舵輪となし、さらに、同ステアリングハンドルの操舵に上記サイドクラッチ・ブレーキ機構を連動させたことにも特徴を有する。
【0016】
また、本発明は、上記原動機部はエンジンとトランスミッションとを具備し、しかも、エンジンとトランスミッションとは後車輪間の直上方位置に配設したことにも特徴を有する。
【0017】
さらに、本発明は、上記サイドクラッチハンドルは、左右基端部を機体フレームに取付けると共に、前方へ張り出したループ状に形成したことにも特徴を有する。
【0018】
【実施例】
図1は本発明に係る乗用管理機の全体側面図、図2は同平面視による説明図である。
【0019】
この発明の実施例を図面にもとづき以下に説明する。
【0020】
(全体構成)
図1及び図2に示すように、乗用管理機Aは、走行部1の直後方位置に耕耘作業機2を昇降リンク機構3を介して昇降自在に連結している。
【0021】
走行部1は、車体フレームF上の前部にステアリングコラム11、運転席20等を配した運転部5を設ける一方後部に原動機部6を設け、さらに、車体フレームFの前部下方位置で上記ステアリングコラム11よりもやや後方位置に、左右の前車輪7,7 をフロントデフケース8を介して取付け、後部下方位置には左右側に後車輪9,9 をリヤデフケース10を介して取付けて構成している。
【0022】
後車輪9,9 は、それぞれ、トランスミッション31に設けた後述する左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C に連動連結しており、トランスミッション31からの動力伝達を接・断続可能とすると共に制動可能に構成している。
【0023】
上記構成の乗用管理機Aにおいて、車体フレームFの前端にサイドクラッチハンドルHを設け、同サイドクラッチハンドルHの左右側には、前記左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C にそれぞれ連動する左右サイドクラッチレバー4a,4b を取付けたことに本発明の特徴がある。
【0024】
すなわち、本実施例において、左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C をステアリングコラム11に取付けたステアリングハンドル13の操舵に連動するように構成すると共に、サイドクラッチハンドルHに取付けた左右サイドクラッチレバー4a,4b による操作も可能としている。
【0025】
したがって、運転者が降車してサイドクラッチハンドルHを持上げて後車輪9,9 のみで機体を支持し、左右サイドクラッチレバー4a,4b を適宜操作することにより図3に示すような小さな旋回を可能としている。
【0026】
図3においてJは圃場、Kは枕地であり、旋回した場合に、未耕地となる耕耘作業機2の後端と枕地Kとの間隔dを著しく小さくすることができ、圃場Jの有効作付面積を大きくすることができる。
【0027】
サイドクラッチハンドルHは、左右基端部H1,H1 を車体フレームFに取付けると共に、前方へ張り出したループ状に形成しており、その取扱いを容易な形状にしている。
【0028】
F1は車体フレームFの前端に取付けたフロントヒッチであり、同ヒッチF1の左右端面にサイドクラッチハンドルHの左右基端部H1,H1 を側方から着脱自在に取付けている。
【0029】
したがって、フロントウェイト等をフロントヒッチF1に取付ける場合も何ら支障がない。
【0030】
また、同フロントヒッチF1には、サイドクラッチハンドルHを取り外したときに前側作業機等を連結することもできる。
【0031】
以下、左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C の構成、及び、同機構C,C とステアリングハンドル13との関連について説明しながら、同機構C,C と上記左右サイドクラッチレバー4a,4b とを連結する構成について詳述する。
【0032】
(左右サイドクラッチ・ブレーキ機構)
左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C は、本実施例では、図4に示すように、トランスミッション31に設けた左右の走行車軸83,83 に組付けている。
【0033】
即ち、向かい合う走行車軸83,83 の基端部はスプライン状に形成しており、同基端をベアリング84,84 を介して軸支すると共に、同ベアリング84を抱くようにサイドクラッチギヤ85を遊嵌している。
【0034】
また、上記走行車軸83,83 の基端部に左右摺動カラー86,86 をスプライン嵌合しており、同摺動カラー86,86 はスプリング87,87 によって上記サイドクラッチギヤ85に噛合方向に付勢され、クラッチ入り状態としている。
【0035】
また、同摺動カラー86,86 は左右クラッチアーム79,79 に連結軸C1,C1 を介して連動連結しており、外部からの操作によって走行車軸83,83 上を前記スプリング87,87 に抗して摺動可能とし、サイドクラッチギヤ85との噛合を離脱させてクラッチを切り状態とすることができる。
【0036】
左右摺動カラー86,86 のそれぞれの左右両端側には多板式ブレーキ88を設けており、同摺動カラー86,86 の各一側当接面は多板式ブレーキ88に当接するように構成している。
【0037】
従って、サイドクラッチを断続する場合は、摺動カラー86を外側方へ移動させるとよく、さらに、外側へ移動させると同カラー86がスプリング87を押圧して多板式ブレーキ88を作動させるように構成している。
【0038】
そして、摺動カラー86が元の位置へ復帰すると、多板式ブレーキ88による制動力は消滅して、サイドクラッチが再び入り状態となる。なお、図4中、94はリヤアクスルケース、95は主変速ギヤ群である。
【0039】
上記左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C は、図2に示すように、前車輪操舵機構S及びリンク式伝動機構Lを介してステアリングハンドル13に連動連結している。
【0040】
すなわち、運転部5の前側に、ステアリングコラム11を後上方へ向けて伸延させ、同ステアリングコラム11中にステアリングシャフト12を立設しており、同ステアリングシャフト12の上端にステアリングハンドル13を取付け、同シャフト12の下端に操舵アーム71、左右ドラッグロッド72,73 を具備する前車輪操舵機構Sを連動連結し、同前車輪操舵機構Sを前車輪7,7 に連動連結して前輪操舵式に構成している。
【0041】
(前車輪操舵機構)
前車輪操舵機構Sは、図2、図5、図6に示すように、左右一対の車体フレームF,F の間に上方へ膨出させて形成した操舵機構用ブラケット25を設け、同ブラケット25にステアリングシャフト12を内装したステアリングコラム11を立設している。55は同コラム11を固定するボルトである。
【0042】
上記操舵機構用ブラケット25は、前高後低の傾斜状に形成しており、同ブラケット25に立設するステアリングコラム11もやや後方へ傾斜した状態となって、運転者がステアリングシャフト12の上端に連結したステアリングハンドル13を容易に操作できるようにしている。
【0043】
また、操舵機構用ブラケット25の裏部においては、図5、図6に示すように、上記ステアリングシャフト12の下端にピニオンギヤ74を連結すると共に、同ギヤ74と噛合する扇形に形成したラック75を配設している。
【0044】
さらに、上記ピニオンギヤ74と扇形ラック75とを、上部プレート26と下部プレート27とで挟持し、両プレート26,27 を上記操舵機構用ブラケット25に連結ボルト56により連結している。
【0045】
また、扇形ラック75は、同ラック75の基端部に同ラック75と一体的に連設した基軸(図示せず)を下方に向けて突設しており、同基軸の下端部と操舵アーム71に形成したボス部72a とをスプライン嵌合して連結している。
【0046】
一方、操舵アーム71には左右ドラッグロッド72,73 の一端を連結しており、また、同ロッド72,73 の他端は、それぞれ、前車輪7,7 に連動連結している。
【0047】
すなわち、前車輪7,7 は、左右ドラッグロッド72,73 を介して操舵アーム71を連結し、同操舵アーム71とステアリングシャフト12とは前記ピニオンギヤ74、及び、扇形ラック75を介して連動連結している。
【0048】
従って、ステアリングハンドル13を回転させると、その回転はステアリングシャフト12→ピニオンギヤ74→扇形ラック75→基軸→ボス部72a →操舵アーム71と伝達され、操舵アーム71は所定の操舵角で水平揺動することになる。
【0049】
また、リンク式伝動機構Lは上記した前車輪操舵機構Sに連動し、操舵角に応じた前車輪7,7 の切れ角に応じて左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C の接・断続を行うようにすると共に、前車輪7,7 に制動力を加えるようにしている。
【0050】
(リンク式伝動機構)
図2に示すように、リンク式伝動機構Lは、実質的に、一部が前車輪操舵機構Sと重複した構成となっており、前述したように、前車輪操舵機構Sのステアリングシャフト12の基端にピニオンギヤ74を取付け、同ピニオンギヤ74と噛合するラック歯75a を円弧部分に形成した扇形ラック75を配設し、さらに、同扇形ラック75と操舵アーム71とを連結している(図6)。
【0051】
また、操舵アーム71は、左右ドラッグロッド72,73 を介して、前車輪7,7 に連動連結しており、ステアリングハンドル13の回転操作により、所定の切れ角で前車輪7,7 は操舵可能となっている。
【0052】
一方、操舵アーム71には、ボス部72a の左側に一定距離離隔した位置に緩衝ロッド76の一端を回動自在に連結すると共に、同緩衝ロッド76の他端をクランク78に連結している。また、緩衝ロッド76の中途には緩衝スプリング81を介設している。
【0053】
すなわち、クランク78のアーム部78a の中央に枢支部78b を設け、緩衝ロッド76の他端をアーム部78a 上で、前記枢支部78b の右側に一定距離離隔した位置に回動自在に連結しており、操舵アーム71とクランク78とは、緩衝ロッド76により操舵アーム71の揺動中心となるボス部72a と、クランク78の枢支部78b とに対して斜状に軸支されることになり、操舵アーム71の揺動方向とクランク78の揺動方向とは逆向きとなっている。
【0054】
ところで、クランク78の両端部には係合ピン78c,78c を突設しており、同係合ピン78c,78c を左右サイドクラッチ操作ロッド80,80 に連結している。
【0055】
すなわち、左右サイドクラッチ操作ロッド80,80 の基端にピン係合部80a,80a を連設し、同ピン係合部80a,80a には長孔77,77 を形成しており、同長孔77,77 に上記係合ピン78c,78c を係合させている。
【0056】
一方、同左右サイドクラッチ操作ロッド80,80 の先端は、略へ字状に形成した左右クラッチアーム79,79 の先端に連動連結しており、同アーム79,79 の基端はトランスミッション31に設けた左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C の連結軸C1,C1 に連結している。
【0057】
(左右サイドクラッチレバーと左右サイドクラッチ・ブレーキ機構との連結)
図2に示すように、上記ピン係合部80a,80a における各先端部に、それぞれ、基端部を左右サイドクラッチレバー4a,4b に連結したサイドクラッチワイヤW,W の先端を交差させて連結している。W1,W2 はサイドクラッチワイヤW,W のアウターとインナーである。
【0058】
上記構成により、例えば、左サイドクラッチレバー4aの操作によりサイドクラッチワイヤWが引っ張られると、クランク78が左廻り(反時計廻り)に水平揺動し、かかる水平揺動によって、右サイドクラッチ操作ロッド80を介して右クラッチアーム79が揺動し、同アーム79の基端に連結した左サイドクラッチ・ブレーキ機構Cの連結軸C1が回動して、左側後車輪9のサイドクラッチ機構が接・断続し、さらに連結軸C1の回動が進むと、左サイドクラッチ・ブレーキ機構Cは前述したようにブレーキ作用を行うことになり、後車輪9に制動力を加えることができる。
【0059】
すなわち、左サイドクラッチレバー4aを操作すると左側後車輪9に、右サイドクラッチレバー4bを操作すると右側後車輪9に制動力がはたらくことになる。
【0060】
左右サイドクラッチレバー4a,4b を実際に使用した場合について以下に説明する。
【0061】
図3に示すように、乗用管理機Aが枕地Kの手前に達すると、運転者は降車して前方へ移動し、側方に立ってサイドクラッチハンドルHを握り上方へ持ち上げて前車輪7,7 を浮かし、乗用管理機Aを後車輪9,9 のみで支持する。
【0062】
この場合、右に旋回するので右サイドクラッチレバー4bを操作して右側後車輪9にブレーキをはたらかせれば、乗用管理機Aを右側後車輪9を中心にして小旋回させることができ、隣接する条への乗り入れも容易に行うことができる。
【0063】
したがって、図3からも明らかなように、未耕地となる長さを小さくでき、圃場Jの有効作付面積を大きくとることができる。
【0064】
また、ステアリングハンドル13で操舵しての急旋回と異なり、転倒するおそれもなく安全である。
【0065】
ところで、左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C をステアリングハンドル13の操作でブレーキターンをする場合について説明すると以下の通りである。
【0066】
ステアリングハンドル13を回転させると、前述したように操舵アーム71が所定の操舵角で水平揺動し、所定の切れ角で前車輪7,7 が操舵可能となる一方、操舵アーム71の水平揺動に連動して緩衝ロッド76が進退し、緩衝ロッド76の進退運動により、クランク78が操舵アーム71の揺動方向と逆向きに水平揺動する。
【0067】
クランク78の水平揺動によって、左右サイドクラッチ操作ロッド80,80 を介して左右クラッチアーム79,79 が揺動し、同アーム79,79 の基端に連結した左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C の連結軸C1,C1 が回動して、後車輪9,9 のサイドクラッチ機構が接・断続する。
【0068】
ステアリングハンドル13をさらに回転させると、操舵アーム71及びクランク78の揺動が大きくなり、左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C の連結軸C1,C1 が回動する角度も大きくなって、左右サイドクラッチ・ブレーキ機構C,C は前述したようにブレーキ作用を行うことになり、後車輪9,9 に制動力を加えることができる。
【0069】
例えば、ステアリングハンドル13を左方向(反時計回り)に回転させると、操舵アーム71は右方向(時計回り)に揺動し、左右ドラッグロッド72,73 は、それぞれ、牽引側と押進側とに作用して、前車輪7,7 は、それぞれ左(反時計回り)に切れて左旋回を可能とする。
【0070】
そして、さらにステアリングハンドル13を左方へ回転させると、左サイドクラッチ・ブレーキ機構Cのブレーキ機構が作用して、左側後車輪9には制動力がはたらく。
【0071】
このときに、緩衝ロッド76の中途に介設した緩衝スプリング81によって、ブレーキ力を任意に設定することが可能であり、また、緩衝ロッド76のストロークオーバー等によるトランスミッション31の破損を防止することができる。
【0072】
上記構成により、通常の走行においてはステアリングハンドル13の操作だけで容易にブレーキターンを行え、誤操作のおそれもなく、安全な小旋回が可能となり、しかも、旋回時のフィーリングが向上する。
【0073】
また、本発明に係る乗用管理機Aでは、原動機部6はエンジン30とトランスミッション31とを具備し、しかも、エンジン30とトランスミッション31とを、後車輪9,9 間の直上方位置に配設したことにも特徴がある。
【0074】
(原動機部)
すなわち、本実施例では、エンジン30とトランスミッション31とを上下方向に積層した状態で配設して原動機部6を構成しており、図1に示すように、エンジン30の出力軸30a とトランスミッション31の入力軸31a とを連動ベルト32により連動プーリ33,34 を介して連動連結し、同ミッション部31にフロントデフケース8をドライブシャフト35(図4参照)を介して連動連結して、4輪駆動が行えるようにしている。36はテンションローラである。
【0075】
さらに、エンジン30の左右側壁後端部には、左右一対のステー41,41 を後方へ向けて突設し、両ステー41,41 の後端間に筒状支軸42を左右幅方向に軸線を向けて横架し、同筒状支軸42中に動力取出軸43を軸支し、同動力取出軸43の左側端部に入力プーリ(図示せず)を取付け、同入力プーリとエンジン30の出力軸30a に前記連動プーリ33と平行して取付けた出力プーリとの間にテンションローラ47を介して伝達ベルト46を巻回している。
【0076】
このように、エンジン30とトランスミッション31とを、後車輪9,9 間の直上方位置に配設したことにより、機体全長を短くすることができ、全体をコンパクトにすることができる。
【0077】
また、重量物が集中的に後車輪9,9 にかかるので、サイドクラッチハンドルHを持ち上げて前車輪7,7 を浮かすことが容易となっている。
【0078】
さらに、機体の地上高さを十分確保することができ、圃場Jの畝等を跨いで走行することができる。
【0079】
(その他の構成)
以下、本発明に係る乗用管理機Aのその他の構成について説明する。
【0080】
車体フレームFの後端に連結した耕耘作業機2は、耕耘部フレーム60の前端に作業部側ヒッチ61を取付け、中途部に上下方向に伸延する耕耘伝動ケース62を取付け、後端に尾輪63を取付けている。
【0081】
そして、耕耘伝動ケース62の上部に入力軸48を軸線を左右幅方向に向けて設けると共に、下部には左右幅方向へ向けてそれぞれ伸延する耕耘軸65を軸支し、同耕耘軸65に耕耘爪69を取付けている。66は耕耘カバー、67は耕耘爪の回転軌跡である。
【0082】
また、図2に示すように、上記した動力取出軸43の右側端部と耕耘作業機2の入力軸48の右側端部との間には、伝動機構49を着脱自在に介設し、同伝動機構49によりエンジン30から耕耘作業機2へ動力を伝達可能に構成している。
【0083】
上記伝動機構49は、前側伝動ケース50と後側伝動ケース51とから構成しており、動力取出軸43の右側端部に前側伝動ケース50の前端を連動連結し、前側伝動ケース50の後端と後側伝動ケース51の前端とを中折れ支軸52を介して上方へ凸状に中折れ自在に連動連結している。
【0084】
なお、図1において、19はトランスミッション31のミッションケース下部に着脱自在に取付けた前側作業部用動力伝達部であり、例えば前側に作業機等を設けた場合に、必要に応じて装着して前側の作業機へトランスミッション31から動力を伝達することができるものである。
【0085】
また、21は運転席20の左側方位置に設けた主変速レバー、22,23 は運転席20の右側方位置に前後に配設したヒッチ部昇降用レバーと副変速レバー、99はステアリングコラム11の左右側に設けた乗降ステップである。
【0086】
【発明の効果】
後端に作業機を連結可能とした車体フレームに運転部と原動機部とを配設すると共に、前車輪と後車輪とを取付け、同後車輪は、運転部における操作により左右サイドクラッチ・ブレーキ機構を介してそれぞれ制動可能とし、さらに、同車体フレームの前端にサイドクラッチハンドルを前方へ向けて取付け、同サイドクラッチハンドルの左右側には、前記左右サイドクラッチ・ブレーキ機構とそれぞれ連動する左右サイドクラッチレバーを取付けたことにより、運転者が降車してサイドクラッチハンドルを持上げて後車輪のみで機体を支持し、左右サイドクラッチレバーを適宜操作することによりきわめて小さな旋回が可能となり、畝を跨いで隣接する条への乗り入れが容易となり、しかも、安全な旋回移動が可能となる。
【0087】
したがって、圃場における未耕地部分を著しく小さくすることができ、有効作付面積を大きくすることができる。
【0088】
また、上記前車輪を運転部に配設したステアリングハンドルに連動連結して操舵輪となし、さらに、同ステアリングハンドルの操舵に上記サイドクラッチ・ブレーキ機構を連動させたことにより、通常の走行においてはステアリングハンドルの操作だけで容易にブレーキターンを行え、誤操作のおそれもなく、安全な小旋回が可能となり、しかも、旋回時のフィーリングが向上する。
【0089】
また、上記サイドクラッチハンドルは、左右基端部を機体フレームに取付けると共に、前方へ張り出したループ状に形成したことにより操作しやすい。
【0090】
さらに、エンジンとトランスミッションとを、後車輪間の直上方位置に配設したことにより、機体全長を短くすることができ、全体をコンパクトにすることができる。
【0091】
また、重量物が集中的に後車輪にかかるので、サイドクラッチハンドルを持ち上げて前側車輪を浮かすことが容易となっている。
【0092】
また、機体の地上高さを十分確保することができ、圃場の畝等を跨いで走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗用管理機の全体側面図である。
【図2】同平面視による説明図である。
【図3】同乗用管理機の旋回状態を示す説明図である。
【図4】サイドクラッチ・ブレーキ機構を示す説明図である。
【図5】前車輪操舵機構の側面視による説明図である。
【図6】同平面視による説明図である。
【図7】従来の乗用管理機の旋回状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A 乗用管理機
C サイドクラッチ・ブレーキ機構
D リンク式伝動機構
F 車体フレーム
H サイドクラッチハンドル
W サイドクラッチワイヤ
1 走行部
4a 左サイドクラッチレバー
4b 右サイドクラッチレバー
7 前車輪
9 後車輪
13 ステアリングハンドル
30 エンジン
31 トランスミッション
Claims (4)
- 後端に作業機を連結可能とした車体フレーム(F) に運転部 (5) と原動機部(6) とを配設すると共に、前車輪(7),(7) と後車輪(9),(9) とを取付け、同後車輪(9),(9) は、運転部(5) における操作により左右サイドクラッチ・ブレーキ機構(C),(C) を介してそれぞれ制動可能とし、さらに、同車体フレーム(F) の前端にサイドクラッチハンドル(H) を前方へ向けて取付け、同サイドクラッチハンドル(H) の左右側には、前記左右サイドクラッチ・ブレーキ機構 (C),(C) とそれぞれ連動する左右サイドクラッチレバー(4a),(4b) を取付けたことを特徴とする乗用管理機。
- 上記前車輪(7),(7) を運転部(5) に配設したステアリングハンドル(13)に連動連結して操舵輪となし、さらに、同ステアリングハンドル(13)の操舵に上記サイドクラッチ・ブレーキ機構(C),(C) を連動させたことを特徴とする請求項1記載の乗用管理機。
- 上記原動機部(6) はエンジン(30)とトランスミッション(31)とを具備し、しかも、エンジン(30)とトランスミッション(31)とは後車輪(9),(9) 間の直上方位置に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の乗用管理機。
- 上記サイドクラッチハンドル(H) は、左右基端部を車体フレーム(F) に取付けると共に、前方へ張り出したループ状に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乗用管理機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26247094A JP3675862B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 乗用管理機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26247094A JP3675862B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 乗用管理機 |
Publications (2)
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