JPS5930593B2 - 歩行型耕うん機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機体の前後重心位置を変えることができる歩
行型耕うん機に関する。

一般に、歩行型耕うん機は、作業中にロータリの跳ね上
りを阻止して容易に耕うん作業を行なえ・るように、機
体後方に重心位置が設定されている。

このため、耕うん機を回向するに際して、ノ・ンドルに
より機体後方を持ち上げてロータリを圃場から引き抜く
のに、きわめて大きな重量を運転者は支えなければなら
ず、疲労の原因になると共に、特に非力な婦女子の作業
を困難にしていた。

そこで、ロータリを油圧により機体に対し回向自在に取
付けて、回向時に機体重心を前方に移動し、容易にハン
ドルで機体後方を持ち上げられるように構成した歩行型
耕うん機が提案されている。

しかし、該耕うん機は、油圧ポンプ及びシリンダー等の
高精度で高価な部品を必要とし、かつ構造を複雑にして
コストアップを招いている。

本発明は、上述事情により、ミッションケースに対し車
軸ケースな揺動自在に設け、また該車軸ケースの揺動を
、該ケースの枢軸に対し車軸が真下でかつ機体重心作用
線の前方又は後方でかつ機体重心作用線の後方に位置す
るようにストッパーで規制し、更に該車軸ケースの揺動
端にて該ケースをロック装置により固定し得るように構
成し、機体重量及び車輪の駆動反力に基づき車軸ケース
を移動することにより、構造簡単で回向時の操作性を向
上させることができる歩行型耕うん機を提供することを
目的とするものである。

以下、図面に沿って、本発明の詳細な説明するＯ 歩行型耕うん機１は、第１図に示すように、左右れ駆動
車輪２，２で懸架されている機体３を有している。

機体３の前部にはエンジン５が搭載され、またその中程
にはベルト伝動装置６を介してエンジン５より動力伝達
されているミッション７が配設され、更にその後方には
・・ンドル９が延設されており、また機体３の後方でバ
ンドル９の下方にはロータリ１０が装着・固定されてい
る。

ミッション７は、第３図に示すように、ミッションケー
ス１１で覆われており、ケース１１には駆動ギヤ１２が
固定されているサイドクラッチ軸１３が回動自在に支持
されている。

クラッチ軸１３には駆動ギヤ１２の両側で、該ギヤ１２
に係合するように付勢され、かつサイドクラッチレバ−
１４（第１図）により該保合を解除し得る左右のサイド
クラッチギヤ１５，１５が回転自在に支持されており、
ギヤ１５．１５はそれぞれ左右の中間軸１６．１６にス
プライン結合し、かつカラー１７で位置決めされている
中間ギヤ１８．１８にそれぞれ常時噛合している。

中間軸１６はミッションケース１１の左右に突出して延
びており、該突出部でそれぞれギヤ１９，１９がスプラ
イン結合されていると共に、該中間軸１６を中心に揺動
自在に、車軸ケース２０．２０が軸受２１によりその突
出筒部２０ａ 、２０ａを軸支されてミッションケース
１１に支持されている。

更に、ケース２０゜２０には左右の車軸２２．２２が回
転自在に支持されており、車軸２２．２２には前記ギヤ
１９゜１９と噛合している車軸ギヤ２３．２３がスプラ
イン結合されている。

また、車軸ケース２０゜２０はそれぞれ蓋部２０ｂ 、
２０ｂと共働して各ギヤ１９，２３を覆っていると共に
、ミッションケース１１の下方において突出連結部２０
ｃ。

２０ｃがそれぞれ延設されており、両突出連結部２０ｃ
、２０ｃはその先端の合せフランジ部２０ｄ。

２０ｄで互に結合され、従って左右車軸ケース２０．２
０は一体に揺動する。

更に、車軸ケース２０．２００上部に形成された突起２
０ ｅ 、 ２０ｅと機体との間にはバックスプリング
２４．２４が張設されており、スプリング２４は機体重
量に基づく車軸ケース２０の回動力よりも僅かに小さい
回動力で逆方向に付勢して機体重量をバランスしている
。

更に、第４図及び第５図に示すように、車軸ケース２０
．２０のそれぞれ前後側面には両ケース２０．２０を連
結するようにロックシャツ）２５．２６が固定されてい
る。

一方、第６図及び第７図に示すように、機体３の車軸ケ
ース２０゜２０の前後にはロックアーム２７，２９がそ
れぞれ支点ピン３０．３１により枢支されており、各ア
ーム２７，２９はスプリング３２．３３でそれぞれケー
ス２０のロックシャツ）２５．２６に当接するように付
勢されている。

また、各ロックアーム２７，２９の先端はロックシャフ
ト２５゜２６に係合する凹部２７ａ 、２９ａになって
おり、他端はピン３０．３１を中心としだ円弧になって
いると共に、そのケース側部はロックピン３５゜３６に
係合する切欠き部２７ｂ 、２９ｂになっている。

ロックピン３５．３６はピン３７．３９で機体３に回転
自在に支持されているベルクランク状の一方のリンク４
０．４１の先端に固設されており、ベルクランク状の他
方のリンク４２，４３の先端にはそれぞれボーデンワイ
ヤー４５ 、４６が固定されていると共に、ワイヤーの
戻しスプリング４７．４９がそれぞれ張設されている。

ワイヤー４５．４６の他端はバンドル９に枢支された揺
動操作レバー５０のラグ５０ａ 、５０ｂに、その上ラ
グ５０ａが前方のリンク４２に、その下ラグ５０ｂが後
方のリンク４３に連結するように固定されており、更に
第１図に示すように、揺動操作レバー５０はループ状の
補助バンドル５１の下方に沿うように構成されている。

一方、ミッションケース１１の下部の前後にはその突出
量を調節自在に螺合されて℃・るボルトよりなるストッ
パー５２．５３が設けられており、ストッパー５２゜５
３は前記両車軸ケース２０の合せフランジ部２０ｄに当
接して車軸ケース２０の揺動位置、即ち第６図に示すよ
うにミッションケース１１との連結部を構成する中間軸
１６に対し車輪２２が僅かな距離１だけ後方に位置した
立上り位置が、又は第７図に示すように太きくし後方に
位置した傾斜位置になるように規制している。

本発明は以上のような構成を有するので、通常の耕うん
作業時には、エンジン５の回転がベルト伝動装置６を介
してミッション７に伝達さし、更にミッション７の、駆
動ギヤ１２、左右のサイドクラッチギヤ１５，１５及び
中間ギヤ１８を介して中間軸１６に伝達され、更にギヤ
１９．２３を介して車軸２２．２２に伝達され、車輪２
を駆動して耕うん機１を走行すると同時に、ロータリ１
０にも動力伝達され、耕うん作業を行なう。

この際、第２図実線及び第６図に示すように、突出連結
部２０ｃの合せフランジ部２０ｄが前方ストッパー５２
に当接し、また後方ロックシャフト２６が後方ロックア
ーム２９の先端凹部２９ａに係合し、かつアーム２９は
他端切欠き部２９ｂがロックピン３６に当接して回動を
阻止されているので、車軸ケース２０はミッションケー
ス１１との連結部を構成する中間軸１６が車軸２２の垂
直線よりも僅かな距離１だけ前方にあるが、重心の作用
線Ｇは車軸２２の軸線よりも僅かに後方に作用する立上
り位置に固定されている。

ついで、耕うん機１を枕地において回向する際、揺動操
作レバー５０を上方へ回動し、補助バンドル５１に重合
する。

すると、ボーデンワイヤー４２は弛められて、またボー
デンワイヤー４３は戻しスプリング４９に抗して引っ張
られて、リンク４０．４２は戻しスプリング４７により
前方ロックピン３５がロックアーム２７端に当接するよ
うに回動付勢されると共に、リンク４１，４３は後方ロ
ックピン３６がロックアーム２９の切欠き部２９ｂかも
外されるように回動される。

これにより、車軸２２の垂直線は車軸ケース２０の揺動
中心である中間軸１６よりも僅かに後方に位置している
ので、車軸ケース２０は第２図鎖線及び第７図に示すよ
うに、中間軸１６に作用する重力に基づき、スプリング
２４に抗して回動され、機体３は車軸２２に対し前方に
移動する。

この際、前方ロックアーム２７はスプリング３２により
ロックシャフト２５に接するように回動付勢されている
ので、合せフランジ部２０ｄが後方ストッパー５３に当
接すると同時に、その先端の凹部２７ａがロックシャフ
ト２５に係合し、車軸ケース２０は傾斜位置に固定され
る。

この状態では中間軸１６は車軸２２に垂線に対し大きく
Ｌ前方に移動しており、従って重心の作用線Ｇも車輪２
２の前方に作用し、運転者は操作レバー５０と共に補助
バンドル５１を持ち上げることにより、ロータリ１０を
容易に引き上げることができる。

更に、耕うん機１０回向が終了し、再び耕うん作業を始
めるには、揺動操作レバー５０を下方へ回動し、そのま
まレバー５０を持って機体３の前進を阻止する。

すると、リンク４０．４２の回動に基づきロックピン３
５によるロックアーム２７のロック作用が解除され、車
軸ケース２０は前方への揺動が可能となっているので、
駆動車輪２の駆動反力により車軸ケース２０は第６図に
示す立上り位置に揺動される。

そして、戻しスプリング４９により後方ロックアーム２
９の上端に接するように付勢されているロックピン３６
は、スプリング３３によりロックシャフト２６に接する
よう付勢されているロックアーム２９の凹部２９ａがシ
ャフト２６に係合すると同時に切欠き部２９ｂに係合す
る。

この際同時に、合せフランジ部２０ｄが前方ストッパー
５２に当接し、従って車軸ケース２０はストッパー５２
及びロックアーム２９により挾持されて、確実に固定さ
れる。

以上説明したように、本発明によれば、ミッションケー
ス１１に対し車軸ケース２０を揺動自在に設け、また該
車軸ケース２０の揺動を、車軸２２がその揺動中心を構
成する中間軸１６に対し、略々真下でかつ機体重心作用
線Ｇの前方又は後方でかつ機体重心作用線Ｇの後方に位
置するようにストッパー５２，５３で規定し、更に該車
軸ケース２０の揺動端にて該ケースをロック装置２７゜
２９により固定し得るようにしたので、揺動操作レバー
５０による車軸ケース２０の固定の解除により、機体重
量に基づき機体３を自動的又は僅かな力で前方に移動す
ることができ、従って機体重心を前方に移−Ｃて容易に
ロータリ１０と共に機体３の後方を持ち上げることがで
き、耕うん機１０回向を容易に行なうことができる。

また、機体重量及び車輪２の駆動反力により車軸ケース
２０を揺動するので、油圧ポンプ等の特別な装置を必要
とせず、構造簡単で安価に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用されている歩行型耕うん機を示す
側面図、第２図はその車軸ケースの揺動状態を示す概略
側面図、第３図は第１図■−■線による断面図、第４図
は第１図ｒＶ−ＩＶ線による断面図、第５図は車軸ケー
スの斜視図、第６図は車軸ケースが立上った状態を示す
側面図、第７図はその傾斜した状態を示す側面図である
。 １・・・・・・歩行型耕うん機、２・・・・・・駆動車
輪、３・・・・・・機体、１０・・・・・・ロータリ、
１１・・・・・・ミッションケース、１６・・・・・・
中間軸、２０・・・・・・車軸ケース、２２・・・・・
・車軸、２７〜５０・・・・・・ロック装置、５２゜５
３・・・・・・ストッパー、Ｇ・・・・・・重心作用線
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車軸に固定された駆動車輪により懸架されている機
   体を有し、かつ該機体の後方にロータリを装着してなる
   歩行型耕うん機において、ミッションケースに対し駆動
   車輪を有する車軸ケースを、中間軸を中心に揺動自在に
   設け、また該車軸ケースの揺動を、車軸が車間軸の略々
   真下でかつ機体重心の作用線の前方又は中間軸垂線の後
   方でかつ機体重心の作用線の後方に位置するようにスト
   ッパーで規制し、更に車軸ケースの揺動端にて該ケース
   をロック装置により固定し得るように構成した歩行型耕
   うん機。