JPH068656Y2 - 水田作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、畦際等の枕地の泥面が機体旋回時に車輪によ
って踏み荒らされても、枕地に対する作業時に、その車
輪跡が作業の支障とならないように、枕地での旋回時に
整地装置を対地作用させて車輪跡を整地しながら旋回で
きるように構成してある水田作業機、詳しくは、対地作
用状態と対地非作用状態とに切換える切換機構を備えた
整地装置を設けてある水田作業機に関する。

〔従来の技術〕

冒記した水田作業機の一例として、例えば実開昭58-113
317号公報に記載されているように、植付装置を駆動昇
降自在に連結するリンク機構に整地装置の切換機構を連
係させ、植付装置を上昇させると整地装置が下降し、枕
地での旋回走行時に整地作業を行うようにしたものが公
知となっている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の水田作業機は、枕地での機体旋回時には植付
装置が上昇されることに関連づけて整地装置を対地作用
状態に切換えるようにしたものであり、路上走行時或い
は畦越え時等に植付装置を上昇させても整地装置が対地
作用状態に切換わるため、このような場合は、植付装置
を上昇させるかわりに機体から取外したり、整地装置の
切換機構とリンク機構との連係を解除する作業が別途必
要となり、作業効率が低下する問題があった。

本考案は上記問題を解決することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、冒記した
水田作業機において、操向装置が設定操向角度を超えて
操作されていることを検出する操向角度検出装置を設
け、前記操向角度検出装置による検出結果に基づいて前
記切換機構を操作し、前記整地装置を対地作用状態に切
換える連係機構を設けてある点にあり、かかる構成から
次の作用並びに効果を奏する。

〔作用〕

即ち、枕地での旋回走行は、枕地が広くなり過ぎること
がないように、極力小さな旋回半径をもって行われ、そ
の為に、旋回走行を開始する前に極力大きな操向角度を
設定するように繰向装置が操作され、しかも、このよう
な操向操作は通常の路上走行時や畦越時等には行われな
い点に着目し、枕地での旋回走行に適した設定操向角度
を超えて操向装置が操作されているときにのみ整地装置
が対地作用状態に切換わる。

そして、枕地での旋回が完了し、直進走行を行うべく操
向装置を操作して操向角度が設定操向角度以下になると
操向角度検出装置による検出は行われず、整地装置は対
地非作用状態により切換わる。

〔考案の効果〕

水田の枕地旋回時にのみ整地装置が対地作用状態に切換
わり、路上走行時や畦越え走行時等に整地装置が対地作
用状態に切換わることがないから、走行状態にかかわら
ず能率良く作業が行えるに至った。

〔実施例〕

第３図に示すように、左右一対の操向用前車輪(1),(1)
と後車輪(2),(2)とで支持された走行機体(3)の前部に搭
載フレーム(4)を介してエンジン(5)を取付けるととも
に、機体中間部にステアリングハンドル(6)を装備した
運転部(7)を配置し、かつ、機体後部に昇降用油圧シリ
ンダ(8)で駆動される昇降リンク(9)を設け、前記昇降リ
ンク(9)に苗植付装置(10)を着脱自在に連結して、水田
作業機の一例としての乗用田植機を構成してある。

第２図に示すように、前記運転部(7)に装備してある変
速操作レバー(11)の操作パネル(12)に、ソレノイドの例
示によって変速操作レバー(11)の操作経路内に突入し、
植付速度位置(F₁又はF₂)から高速の機体移動速度位置(F
₃)への操作を牽制するピン(13a)を備えた牽制具(13)を
取付けるとともに、前記昇降リンク(9)に、苗植付装置
(10)を取外すと閉作動して前記ソレノイドを励磁するス
イッチ(S_w)を設け、もって、苗植付装置(10)の取外しに
よって機体の前後方向重量バランスが崩れ、高速での走
行が危険な場合には、変速操作レバー(11)の機体移動速
度位置(F₃)への操作を牽制し、低速で安全に走行するよ
うに構成してある。

前記走行用前車輪(1),(1)に対する操向装置(14)は、第
１図に示すように、前車輪(1),(1)の夫々のナックルア
ーム(14a),(14a)どうしをタイロッド(14b)を介して連結
するとともに、一方の前車輪(1)に設けたステアリング
アーム(14c)とピットマンアーム(14d)とをドラグリンク
(14e)を介して連結し、前記ピットマンアーム(14d)とス
テアリングハンドル(6)とをステアリングギア(14f)を介
して連動連結して構成されるものであって、ステアリン
グハンドル(6)の操作に連動してピットマンアーム(14d)
が揺動し、前車輪(1),(1)を操作するように構成してあ
る。

前記ピットマンアーム(14d)の揺動軸(14g)にカム板(15)
を固着するとともに、走行機体(3)側に揺動自在に枢支
した揺動部材(16)の一端に、前記カム板(15)のカム面
(S)に接当するカムフオロアー(17)を設け、ステアリン
グハンドル(6)の操作にともなうピットマンアーム(14d)
の揺動角度が、枕地での旋回走行に適した設定操向角度
に対応する角度を超える角度範囲ではスプリング(18)の
付勢力によってカムフオロアー(17)が機体前方側に揺動
され、揺動角度が設定操向角度に対応する角度以下の角
度範囲では、前記スプリング(18)の付勢力に抗して機体
後方側に揺動されるようにして、カムフオロアー(17)の
機体前方側への揺動によって、操向装置(14)が設定操向
角度を超えて操作されていることを検出する操向角度検
出装置(19)を構成してある。

そして、側面視で、後車輪(2),(2)と苗植付装置(10)と
の間に位置させた整地装置の一例としてのローラー(20)
がロッド(21)を介して上下揺動自在に枢支してあり、前
記ロッド(21)に揺動操作部材(22)を連設して、この揺動
操作部材(22)を機体前方側に揺動するローラー(20)が泥
面の上に上昇して対地非作用状態に切換わり、機体後方
側に揺動するとローラー(20)が泥面に下降して対地作用
状態に切換える切換機構(23)を構成してある。

前記操向角度検出装置(19)における揺動部材(16)の枢支
軸(16a)を挾んでカムフオロアー(17)とは反対側の遊端
と前記切換機構(23)における揺動操作部材(22)の遊端と
をレリーズワイヤー(24)を介して連結し、もって、連結
機構(25)を構成してあり、前記操向角度検出装置(19)に
よって操向装置(14)が設定操向角度を超えて操作されて
いることを検出し、揺動部材(16)のカムフオロアー(17)
が機体前方に揺動すると、これに連動してローラー(20)
が下降して対地非作用状態に切換わり、操向装置(14)が
設定操向角度以下で操作されているときは、カムフオロ
アー(17)の機体後方側への揺動に連動してローラー(20)
が上昇し、対地非作用状態に切換わるように構成してあ
る。

〔別実施例〕

前記整地装置(20)を電動或いは油圧によって駆動昇降す
るように構成し、操向角度検出装置(19)からの検出結果
に基づいてスイッチ或いはバルブを操作し、整地装置(2
0)を対地作用状態に切換えるように構成しても良い。

又、整地装置(20)としてはローラーに限らず、整地板を
備えたものでも良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る水田作業機の実施例を示し、第１図
は要部拡大平面図、第２図は操作パネルの平面図、第３
図は全体側面図である。 (14)……操向装置、(19)……操向角度検出装置、(20)…
…整地装置、(23)……切換機構、(25)……連係機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対地作用状態と対地非作用状態とに切換え
   る切換機構(23)を備えた整地装置(20)を設けてある水田
   作業機において、操向装置(14)が設定操向角度を超えて
   操作されていることを検出する操向角度検出装置(19)を
   設け、前記操向角度検出装置(19)による検出結果に基づ
   いて前記切換機構(23)を操作し、前記整地装置(20)を対
   地作用状態に切換える連係機構(25)を設けてあることを
   特徴とする水田作業機。