JPH0323414Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等のステアリングホイールに
係り、特に、ステアリングホイール本体の上部に
ホーン操作用その他のパツドを設けたものに関す
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種のステアリングホイールとして、
実開昭60−57468号公報に示されたものがある。

これは、合成樹脂製のパツドの下部に設けた金
属製のクランプスプリングのく字状の係止部（弾
性係合部）を、ステアリングホイール本体の上部
に設けたパツド取付板（ホーンプレート）の取付
孔（係止孔）に挿通して弾性的に係止するもの
で、クランプスプリングの係止部の上部に幅挟部
を形成することにより、パツドに衝撃が加わつて
パツドがずれたときに、パツド取付板の取付孔の
縁部下面にクランプスプリングの係止部の上縁を
係合させて、パツドの脱落を防止している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上述した従来のステアリングホイー
ルでは、パツドを定位置に固定するために、パツ
ドに複数の突部を一体形成してパツド取付板の上
面に当接している。

そのため、パツドを成形する金型のキヤビテイ
形成が面倒であり、しかも、表面被覆部を持たな
いパツドの場合、突部に対応したパツドの表面に
ヒケが生じるという問題があり、さらに、突部を
強固に形成しないと突部が衝撃時に折れてしまう
ので、強度的な配慮も必要であつた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、ステアリングホイール本体のパツド取付板に
対して、クランプスプリングを介して、パツドを
取付けるステアリングホイールにおいて、パツド
の製造を容易にすることを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ステアリングホイール本体４の上部
に、取付孔２９を備えたパツド取付板たとえばホ
ーンプレート１５等を設けるとともに、たとえば
ホーン操作用のパツド５の下部に、く字状の係止
部２７を備えかつこの係止部２７の上部に係止部
２７より幅の挟い幅挟部２８を形成したクランプ
スプリング２１を設け、このクランプスプリング
２１の係止部２７を上記パツド取付板の取付孔２
９に挿通してパツド取付板の下部に弾性的に係止
したステアリングホイールに関するものであつ
て、上記クランプスプリング２１の幅挟部２８の
縁部から、上記パツド取付板の上面に当接する支
持片３０を上記係止部２７と同方向に一体に折曲
形成し、この支持片３０と上記係止部２７とでパ
ツド取付板１５を挟持し、上記パツド５に衝撃が
加わつてパツド５がずれたときに上記パツド取付
板１５の下面に上記係止部２７の上縁が係合する
ものである。

〔作用〕

本考案のステアリングホイールは、パツド５に
設けたクランプスプリング２１の係止部２７と支
持片３０とで、ステアリングホイール本体４に設
けたホーンプレート１５等のパツド取付板の取付
孔２９の縁部を挟持し、これによつて、従来のよ
うなパツド５と一体の突部を設けることなく、パ
ツド５をパツド取付板に取付固定するものであ
る。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図及び第２図はステアリングホイールを示
し、このステアリングホイールは、還状のリム部
１と、その中心に位置したボス部２と、これらの
リム部１及びボス部２を連結した複数のスポーク
部３から成るステアリングホイール本体４の上部
に、この実施例ではボス部２の上部に、ホーン操
作用のパッド５を設けたものである。

上記ステアリングホイール本体４は、図示しな
いステアリングシヤフトに嵌着されるボス部２の
金属ボス６と、各スポーク部３の芯金７と、リム
部１の芯金８を互いに溶接し、金属ボス６の下部
に合成樹脂製の下部カバー９を装着して金属ボス
６及び各スポーク部３の芯金７の内端部の下面及
び側面を覆うとともに、この下部カバー９及び上
記パツド５から露出した各スポーク部３の芯金７
の外端部及びリム部１の芯金８を軟質合成樹脂製
の外被１０で覆うことによつて形成されている。

そして、上記金属ボス６の上部にはフランジ部
１１が一体形成され、このフランジ部１１に支持
板１２が固定され、この支持板１２上に、絶縁イ
ンシユレータ１３及びコイルスプリング１４を介
して、パツド取付板としての金属製のホーンプレ
ート１５が押圧自在に支持されている。

なお、上記下部カバー９はねじ１６で上記支持
板１２に固定されているとともに、上記ホーンプ
レート１５は上記下部カバー９の下面に設けられ
た環状のスリツプリング１７に、図示しないコン
タクトスプリングを介して、電気的に接続されて
いる。

また、上記パツド５は、合成樹脂製で、その下
部に複数たとえば３個の金属製のクランプスプリ
ング２１が設けられている。この各クランプスプ
リング２１は、第３図ないし第６図に示すよう
に、取付片２２とこの取付片２２の両端から折曲
した一対の脚片２３とでほぼコ字状に形成されて
おり、その取付片２２を上記パツド５に突設した
取付用突部２４にねじ２５で取付けるとともに、
この取付片２２をパツド５に突設した複数の方向
規制用突部２６に係合することにより、パツド５
に固定されている。

そして、この各クランプスプリング２１の一対
の脚片２３の下端部には外方にく字状に折曲した
係止部２７が形成されているとともに、この各係
止部２７の上部には係止部２７より幅の挟い幅挟
部２８が、脚片２３の両側縁部の一部を外方に切
り起こし折曲することによつて、形成されてお
り、係止部２７を上記ホーンプレート１５に形成
した取付孔２９に挿通してホーンプレート１５の
下部に弾性的に係止するとともに、上記幅挟部２
８の形成の際に幅挟部２８の縁部から外方に一体
に切り起こし折曲された支持片３０をホーンプレ
ート１５の上面に当接することにより、パツド５
が各クランプスプリング２１を介してホーンプレ
ート１５に固定されている。

なお、上記クランプスプリング２１は３個設け
られているが、その位置は第１図に示すホーンプ
レート１５の３対の取付孔２９に対応し、その方
向を直交する２方向に向けてある。

したがつて、パツド５を押圧すると、各クラン
プスプリング２１の支持片３０を介して、ホーン
プレート１５が押圧され、可動接点となるホーン
プレート１５と固定接点となるねじ１６の頭部が
導通し、ホーンが吹鳴するようになつている。

そうして、パツド５に衝撃が加わつた場合、パ
ツド５がずれ、第６図に示すように、クランプス
プリング２１の係止部２７の上縁がホーンプレー
ト１５の取付孔２９の縁部下面に係合するので、
パツド５がステアリングホイール本体４から脱落
することがない。

この場合、クランプスプリング２１が３個設け
られ、しかも、その方向を変えてあるので、パツ
ド５に対する衝撃がどの方向から加えられても、
少なくとも１個のクランプスプリング２１の係止
部２７の上縁がホーンプレート１５の取付孔２９
の縁部下面に係合することになり、パツド５の脱
落を確実に防止できる。

そして、パツド５の取付けに際しても、パツド
５側の各クランプスプリング２１の係止部２７を
ステアリングホイール本体４側のホーンプレート
１５の対応する取付孔２９に向けた状態で、パツ
ド５をステアリングホイール本体４に押圧する
と、各クランプスプリング２１のく字状の係止部
２７が取付孔２９を弾性的に通過し、係止部２７
がホーンプレート１５の下部に弾性的に係止する
とともに、係止部２７の上部の支持片３０がホー
ンプレート１５の上面に当接し、このクランプス
プリング２１の係止部２７と支持片３０とでホー
ンプレート１５の取付孔２９の縁部を挟持するの
で、パツド５の取付けが容易にできる。

また、第７図はクランプスプリング２１の変形
例を示すもので、係止部２７の上縁を傾斜状に形
成して、衝撃時に、クランプスプリング２１の係
止部２７がホーンプレート１５の取付孔２９の縁
部下面に確実にずれて係合するようにしたもので
ある。

なお、本考案の実施に際して、パツド５の位置
は、この実施例のボス部２に限らず、スポーク部
３でもよく、さらに、パツド５は、この実施例の
ようなホーン操作用のものに限らず、他の目的た
とえば内部構造の覆いを目的としてステアリング
ホイール本体４に設けられるものでもよく、した
がつて、パツド取付板も、この実施例のホーンプ
レート１５のように押圧自在のものに限らず、固
定のものでもよい。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、パツドに設
けたクランプスプリングのく字状の係止部をステ
アリングホイール本体に設けたパツド取付板の取
付孔に挿通すると、クランプスプリングの係止部
がパツド取付板の下部に係止するとともに、クラ
ンプスプリングの支持片がパツド取付板の上面に
当接するので、パツドの取付けが一方向の一動作
だけできわめて簡単にできるとともに、取外しも
逆の動作できわめて簡単にでき、しかも、クラン
プスプリングの係止部の上部に幅挟部を形成した
ので、パツドに衝撃が加わつてずれた場合に、ク
ランプスプリングの係止部の上縁がパツド取付板
の下面に係合するので、パツドがステアリングホ
イール本体から脱落することがなく、運転者の安
全を確保できる。

そして、パツドに設けたクランプスプリングの
係止部と支持片とで、ステアリングホイール本体
に設けたパツド取付板の取付孔の縁部を挟持する
ので、従来のようなパツドと一体の突部を設ける
ことなく、パツドをパツド取付板に取付固定する
ことができ、したがつて、パツドを成形する金型
のキヤビテイ形成が容易となり、しかも、パツド
の表面にヒケを生じさせる可能性のある突部を少
なくできるので、パツドの製造が容易となる。

また、クランプスプリングの支持片は、幅挟部
を形成する際にクランプスプリングの一部を折曲
するだけで形成できるので、クランプスプリング
の製造コストは変わらず、材料の無駄もない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のステアリングホイールの一実施例
を示し、第１図はその平面図、第２図は第１図の
−視断面図、第３図及び第４図はその要部の
縦断面図で通常時の状態、第５図はそのクランプ
スプリングの斜視図、第６図はその要部の斜視図
でパツドの脱落が防止された状態であり、そし
て、第７図はその変形例を示す要部の縦断面図で
ある。 ４……ステアリングホイール本体、５……パツ
ド、１５……パツド取付板としてのホーンプレー
ト、２１……クランプスプリング、２７……係止
部、２８……幅挟部、２９……取付孔、３０……
支持片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ステアリングホイール本体の上部に、取付孔を
   備えたパツド取付板を設けるとともに、パツドの
   下部に、く字状の係止部を備えかつこの係止部の
   上部に係止部より幅の挟い幅挟部を形成したクラ
   ンプスプリングを設け、このクランプスプリング
   の係止部を上記パツド取付板の取付孔に挿通して
   パツド取付板の下部に弾性的に係止したステアリ
   ングホイールであつて、 上記クランプスプリングの幅挟部の縁部から、
   上記パツド取付板の上面に当接する支持片を上記
   係止部と同方向に一体に折曲形成し、この支持片
   と上記係止部とでパツド取付板を挟持し、上記パ
   ツドに衝撃が加わつてパツドがずれたときに上記
   パツド取付板の下面に上記係止部の上縁が係合す
   ることを特徴とするステアリングホイール。