JPH0132609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車などのステアリングホイール
に係り、とくに、ステアリングホイール本体に対
するホーンパツド等のパツドの取付け、取外しが
容易で、しかも、衝撃が加わつたときにはパツド
が脱落することのないものに関する。

（従来の技術） 従来、この種のステアリングホイールにおいて
は、ステアリングホイール本体の上部にホーンプ
レートを押圧自在に支持するとともに、ホーンパ
ツドの下部に弾性係合板を取付け、この弾性係合
板をホーンプレートに弾性的に係止することによ
つて、ホーンパツドをステアリングホイール本体
に取付けている。

この構造の場合、単にホーンプレート等のパツ
ド取付板に弾性係合板を弾性的に係止しただけで
あるため、ホーンパツド等のパツドの取付け、取
外しは容易であるが、衝撃が加わつた場合には、
パツドが脱落し易く、人体に障害を与えるおそれ
があつた。

そのため、ホーンプレート等のパツドの脱落防
止を目的として、種々の構造が考えられたが、い
ずれのものも、パツドの脱落防止が不十分で、た
とえば、パツドが衝撃で横方向にずれた場合には
脱落防止の機能を果さなくなつたり、あるいは、
ステアリングホイール本体の変形を利用してパツ
ドの脱落防止を行なつているためパツド単独での
脱落防止を行なえないものであつたりした。

（考案が解決しようとする問題点） 上述したように、従来のステアリングホイール
において、ホーンプレート等のパツド取付板に対
し、弾性係合板を用いて、ホーンパツド等のパツ
ドを取付け、これによつて、パツドの取付け、取
外しを容易にしたものでは、衝撃が加わつた場合
に、パツドが脱落し易いという問題が有つた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、ステアリングホイール本体に対するホーンプ
レート等のパツドの取付け、取外しが容易で、し
かも、衝撃が加わつたときには確実にパツドの脱
落を防止できるステアリングホイールを提供しよ
うとするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案のステアリングホイールは、ステアリン
グホイール本体５の上部にパツド取付板１６を設
けるとともに、このパツド取付板１６に係止孔２
８を形成し、パツド６の下部に弾性係合板２１，
２１ａを固定するとともに、この弾性係合板２
１，２１ａの端部に弾性係合部２７を形成し、上
記パツド取付板１６の係止孔２８に上記弾性係合
板２１，２１ａの弾性係合部２７を挿通してこの
弾性係合部２７をパツド取付板１６の下部に弾性
的に係止したステアリングホイール１に関するも
のであつて、上記弾性係合板２１，２１ａの弾性
係合部２７の上部の側縁部に段部３１を介して弾
性係合部２７より巾の狭い巾狭部３０，３０ａを
形成し、上記パツド６に衝撃が加わつてパツド６
がずれたとき、上記パツド取付板１６の係止孔２
８の縁部下面に上記弾性係合部２７の上縁の段部
３１を係合するものである。

（作用） 本考案のステアリングホイール１は、パツド取
付板１６の係止孔２８の縁部下面と弾性係合部２
７の上縁の段部３１の係合によつて、パツド６の
脱落を防止するものである。

（実施例） 本考案のステアリングホイールの実施例を図面
を参照して説明する。

第１図及び第２図はステアリングホイール１を
示し、このステアリングホイール１は、環状のリ
ム部２と、その中心に位置したボス部３と、これ
らのリム部２およびボス部３を連結した複数のス
ポーク部４から成るステアリングホイール本体５
の上部に、この実施例ではボス部３の上部に、パ
ツドとしてのホーンパツド６を設けたものであ
る。

上記ステアリングホイール本体５は、図示しな
いステアリングシヤフトに嵌着されるボス部３の
金属ボス７と、各スポーク部４の芯金８と、リム
部２の芯金９を互いに熔接し、金属ボス７の下部
に合成樹脂製の下部カバー１０を装着して金属ボ
ス７及び各スポーク部４の芯金８の内端部の下面
及び側面を被うとともに、この下部カバー１０及
び上記ホーンパツド６から露出した各スポーク部
４の芯金８の外端部及びリム部２の芯金９を軟質
合成樹脂製の外被１１で被うことによつて形成さ
れている。

そして、上記金属ボス７の上部にはフランジ部
１２が一体形成され、このフランジ部１２にホー
ン機構取付板１３が固定され、このホーン機構取
付板１３上に、絶縁インシユレータ１４及びコイ
ルスプリング１５を介してパツド取付板としての
ホーンプレート１６が押圧自在に支持されてい
る。

なお、上記ホーン機構取付板１３に上記下部カ
バー１０がねじ１７で固定されているとともに、
上記ホーンプレート１６は、図示しないコンタク
トスプリングによつて、上記下部カバー１０の下
面に設けられた環状のスリツプリング１８に電気
的に接続されている。

また、上記ホーンプレート６の下部に複数たと
えば３個の弾性係合板としてのクランプスプリン
グ２１が固定されている。このクランプスプリン
グ２１は、第３図及び第４図に示すように、略コ
字状に形成され、その中間辺部２２が上記ホーン
パツド６に突設された取付用突部２３にねじ２４
で取付けられているとともに、この中間辺部２２
がホーンパツド６に突設された一対の方向規制用
突部２５に嵌合され、その両側辺部２６の下端部
には外方に向かつて略く字状に折曲した弾性係合
部２７が形成され、この弾性係合部２７が上記ホ
ーンプレート１６に形成された係止孔２８に挿通
されてホーンプレート１６の下部に弾性的に係止
されているとともに、第２図に示すように、ホー
ンパツド６の下部に突設された複数の押圧用突部
２９がホーンプレート１６に当接され、これによ
つて、ホーンパツド６がホーンプレート１６に固
定されている。

そうして、上記各クランプスプリング２１の両
側辺部２６には、第４図に示すように、上記弾性
係合部２７の上部に位置して弾性係合部２７より
巾の狭い巾狭部３０が、両側辺部２６の両側縁部
を切欠することによつて、段部３１を介して形成
されている。

また、上記クランプスプリング２１は３個設け
られているが、この位置は第１図に示すホーンプ
レート１６の各対の係止孔２８に対応し、しか
も、その方向は各対の係止孔２８の方向で示すよ
うに直交する２方向に向けてある。

次に、作用を説明する。

ステアリングホイール本体５にホーンパツド６
を取付ける場合、各クランプスプリング２１の弾
性係合部２７をホーンプレート１６の対応する係
止孔２８に対向した状態で、ホーンパツド６をス
テアリングホイール本体５のボス部３に圧接する
と、各クランプスプリング２１の両側辺部２６が
内方に弾性変形してその先端の弾性係合部２７が
係止孔２８に挿入され、弾性係合部２７が係止孔
２８を通過すると、各クランプスプリング２１の
両側辺部２６が外方に拡開して弾性係合部２７が
ホーンプレート１６の下部に弾性的に係止すると
ともに、ホーンパツド６の押圧用突部２９がホー
ンプレート１６に当接し、これによつて、ホーン
パツド６がホーンプレート１６に取付けられる。

また、ホーンパツド６をステアリングホイール
本体５から取外す場合には、逆にホーンパツド６
をステアリングホイール本体５から上方に引き離
せば、上記と逆に、各クランプスプリング２１の
両側辺部２６が内方に弾性変形してその先端の弾
性係合部２７がホーンプレート１６の係止孔２８
を通過し、ホーンパツド６をホーンプレート１６
から取外せる。

そうして、自動車の衝突などによつて、運転者
の頭部や胸部が第１図の矢印Ａ方向からホーンパ
ツド６に衝突した場合、ホーンパツド６は下方に
ずれるとともに、はね上がろうとするが、クラン
プスプリング２１に巾狭部３０による段部３１が
形成されているので、第５図に示すように、クラ
ンプスプリング２１の弾性係合部２７の上縁の段
部３１がホーンプレート１６の係止孔２８の縁部
下面に係合して、ホーンパツド６のはね上がりが
押えられ、ホーンパツド６が脱落することがな
い。

そして、この場合、クランプスプリング２１が
３個設けられ、しかも、その方向を直交する２方
向に向けているので、ホーンパツド６に対する衝
撃がどの方向から加えられても、少なくとも１つ
のクランプスプリング２１の弾性係合部２７の上
縁の段部３１が必ず係止孔２８の縁部下面に係合
することになり、ホーンパツド６の脱落を確実に
防止できる。

なお、第６図はクランプスプリングの変形例を
示し、このクランプスプリング２１ａは両側辺部
２６の先端の弾性係合部２７以外の部分を中間辺
部２２も含めてすべて巾狭部３０ａとしたもので
あり、作用は先に説明した実施例のクランプスプ
リング２１と同様である。

また、本考案の実施に際しては、上述した実施
例に限定されるものではなく、巾狭部３０，３０
ａ及び段部３１は、クランプスプリング２１，２
１ａの両側縁部に限らず、一方の側縁部だけに形
成してもよい。

そして、ホーンパツド６等のパツドの位置は、
ボス部に限らずスポーク部でもよく、さらに、ボ
ス部とスポーク部にまたがつて設けられたもので
もよい。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、ステアリン
グホイール本体のパツド取付板に係止孔を形成す
るとともに、パツドに弾性係合板を取付け、この
弾性係合板の端部の弾性係合部を係止孔に挿通し
て弾性的に係止するので、パツドの取付け、取外
しが容易にでき、しかも、弾性係合板の弾性係合
部の上部に段部を介して巾狭部を形成したので、
パツドに衝撃が加わつたときに、パツドがずれる
のを利用して、弾性係合板の弾性係合部の上縁の
段部をパツド取付板の係止孔の縁部下面に係合で
き、パツドの脱落を確実に防止して内部の機構が
露出することがなく、運転者の安全を確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のステアリングホイールの一実施例
を示し、第１図はその平面図、第２図は第１図の
−視断面図、第３図は第２図の−視断面
図、第４図はその弾性係合板の斜視図、第５図は
その作用説明図、第６図は弾性係合板の変形例の
斜視図である。 １……ステアリングホイール、５……ステアリ
ングホイール本体、６……パツドとしてのホーン
パツド、１６……パツド取付板としてのホーンプ
レート、２１，２１ａ……弾性係合板としてのク
ランプスプリング、２７……弾性係合部、２８…
…係止孔、３０，３０ａ……巾狭部、３１……段
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ステアリングホイール本体の上部にパツド取付
   板を設けるとともに、このパツド取付板に係止孔
   を形成し、パツドの下部に弾性係合板を固定する
   とともに、この弾性係合板の端部に弾性係合部を
   形成し、上記パツド取付板の係止孔に上記弾性係
   合板の弾性係合部を挿通してこの弾性係合部をパ
   ツド取付板の下部に弾性的に係止したステアリン
   グホイールであつて、 上記弾性係合板の弾性係合部の上部の側縁部の
   段部を介して弾性係合部より巾の狭い巾狭部を形
   成し、上記パツドに衝撃が加わつてパツドがずれ
   たとき、上記パツド取付板の係止孔の縁部下面に
   上記弾性係合部の上縁の段部を係合することを特
   徴とするステアリングホイール。