JPH04122260U - ステアリングホイール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体上部に内部構造のカバー又はホーン操作
用等のパッドを設けた自動車用等のステアリングホイー
ルにおいて、通常のパッド取付けと衝撃時等におけるパ
ッドの脱落防止とを一つの係止部材で共用することがで
き、安価にステアリングホイールを製造することができ
る構造を提供することを目的とする。 【構成】 ステアリングホイール本体１内に、パッド７
の下部に取り付けた弾性係合部材（クランプスプリン
グ）１３の係合部１５ａをパッド取付板１０の取付孔１
１に挿通して取付板１０に弾性的に係合したステアリン
グホイールにおいて、前記弾性係合部材１３の少なくと
も一つに、前記パッド取付板１０の取付孔１１の縁辺部
１９に係合してパッド外れを阻止する手段として、係止
脚１６、挟持片１７及び鈎止片１８を一体に設けること
により、衝撃時等のパッド外れを阻止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等のステアリングホイールに関し、特に、本体上部に内部構 造のカバー又はホーン操作用等のパッドを設けたステアリングホイールの構造に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のステアリングホイールにおいては、例えばホーンパッド等のパ ッドの下部に弾性係合板を取り付け、この弾性係合板を例えばホーンプレート等 のパッド取付板に弾性的に係止することによってパッドをステアリングホイール 本体に取付け固定したものが一般的である。しかしながら、このようなステアリ ングホイールの構造では、単にパッド取付板に弾性係合板を弾性的に係合させた だけであるため、パッドの取付け、取外しは容易であるが、ステアリングホイー ルに衝撃が加わった場合等にはパッドが脱落し易く、このため人体に傷害を与え るおそれがあった。そこで、衝撃時等におけるパッドの脱離を防止することを目 的として、従来種々の構造のものが提案されている。このようなステアリングホ イールの構造として、例えば、実公平１−３２６０９号公報、実開昭６４−１９ ５７０号公報に開示されたものがある。

【０００３】 上記実公平１−３２６０９号公報に示されたものは、ステアリングホイール本 体の上部にパッド取付板を設けるとともにこのパッド取付板に係止孔を形成し、 パッドの下部に弾性係合板を固定するとともにこの弾性係合板の端部に係合部を 形成し、上記パッド取付板の係止孔に上記弾性係合板の係合部を挿通してこの係 合部をパッド取付板に弾性的に係止したステアリングホイールにおいて、上記弾 性係合板の係合部の上部側縁部の段部を介して係合部より幅の狭い幅狭部を形成 し、上記パッドに衝撃が加わってパッドがずれたとき、上記パッド取付板の係止 孔の縁部下面に上記係合部の上縁の段部を係合することによってパッドの脱離を 阻止するものである。

【０００４】 また、実開昭６４−１９５７０号公報のものは、上記例と同様の（ただし段部 及び幅狭部を有しない）弾性係合部材を用い、この弾性係合部材の係合部をパッ ド取付板の取付孔に挿通して取付孔の縁辺に弾性的に係止したステアリングホイ ールにおいて、上記弾性係合部材の取付板であるパッドブラケットと上記パッド 取付板との二次的係合をなす係止部材を設けたことにより、衝撃時等におけるパ ッドの脱離を防止するようにしたものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記実公平１−３２６０９号公報のステアリングホイールにおいては、衝撃に よりパッドがずれた際には、弾性係合部の上縁の段部がパッド取付板の取付孔の 縁部下面に係合することにより、パッドの脱落を防止することができる効果があ る。しかしながら、パッドがずれないで、衝撃の反動で跳ね上がるような場合に は、パッドが脱落してしまうことがある。

【０００６】 そこで、前記実開昭６４−１９５７０号公報のステアリングホイールでは、二 次的係合をなす係止部材（パッド外れ防止鈎止弾性体、脱離防止用撓結具等）を 設けてパッド外れを防止している。しかし、この二次的係合用係止部材はパッド 外れを防止するだけの機能で、通常のパッド係止用の係合部材（クランプ）では ないので、通常のクランプを設けた上に別個に二次的係合用部材を設けねばなら ず、構造が複雑となって多数の部品を要し、コストアップにつながる欠点がある 。

【０００７】 本考案は、以上のような従来のステアリングホイール構造の問題点に鑑み、通 常のパッド取付けと衝撃時等におけるパッドの脱落防止とを一つの係止部材で共 用することができ、安価にステアリングホイールを製造することができる構造を 提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本考案のステアリングホイールは、ステアリン グホイール本体内に、ステアリングパッドの下部に取り付けた弾性係合部材の係 合部をパッド取付板の取付孔に挿通して取付板に弾性的に係合したステアリング ホイールにおいて、前記弾性係合部材の少なくとも一つに、前記パッド取付板の 取付孔の縁辺部に係合してパッド外れを阻止する手段を一体に設けたものである 。

【０００９】

【作用】

以上のように構成された本考案のステアリングホイールにおいては、ステアリ ングパッドの下部に取り付けた弾性係合部材の係合部をパッド取付板の取付孔に 挿通することによってステアリングパッドの取付けが行なわれるとともに、弾性 係合部材の少なくとも一つがパッド取付板の取付孔の縁辺部に係合し、衝撃等に よりステアリングパッドが脱離しようとする動きを阻止する。

【００１０】

【実施例】

以下、図面に示した実施例により、本考案の構成をさらに詳細に説明する。

【００１１】 図１及び図２は本考案を適用したステアリングホイールの一実施例を示し、図 １はステアリングホイールの平面図、図２は図１のＡ−Ａ部縦断面図である。こ のステアリングホイール本体１は、図１に示すように、環状のリム部２と、その 中心に位置するボス部３と、これらリム部２とボス部３とを連結するスポーク部 ４とから成り、スポーク部４内部にはスポーク芯金４ａが通されており、中央の ボス部３からスポーク部４にかけてその上面がステアリングパッド部５によって 覆われている。

【００１２】 図２に見られるように、ステアリングパッド部５は中央部のホーンパッド６と その周囲の外側パッド７とに分かれ、それらの上面全体をパッド外被８により覆 われている。ホーンパッド６下方の空間９には、図示しないがホーン機能が内蔵 されており、ホーンパッド６の中心部を押圧することによりホーンが作動、吹鳴 される。

【００１３】 ステアリングホイール本体１内下部には、金属板材で形成されたパッド取付板 １０が固定され、このパッド取付板１０に略四角形状の取付孔１１が開けられて いる。一方、外側パッド７（以下、単に「パッド」と呼称する）の取付ボス１２ の下端には、弾性係合部材であるクランプスプリング１３が取り付けられ、この クランプスプリング１３の係合部を前記パッド取付板１０の取付孔１１に係合さ せることによって、パッド７が取付け固定される。

【００１４】 図３は、クランプスプリング（弾性係合部材）及びパッド取付板を示した斜視 図である。クランプスプリング１３は、弾性を有する金属薄板材等をプレス加工 等により打抜、折曲成形したもので、略四角形状の取付片１４の両側縁部から一 対の脚片１５が下方に折曲形成され、その先端部に略く字状に折曲した係合部１ ５ａが形成されている。また、この脚片１５と直角の方向の取付片１４の一側縁 部から係止脚１６が下方に折曲形成されており、この係止脚１６の中央部分が内 方下向きに切り起されて挟持片１７を形成し、さらにその挟持片１７の中央部が 逆方向上向きに切り起されて鈎止片１８が形成されている。クランプスプリング １３の取付片１４には、取付用の孔１４ａと方向規制用の孔１４ｂとが設けられ ており、孔１４ａにビス２１を通してパッド７の取付ボス１２に締め付けられ、 孔１４ｂに取付ボス１２の方向規制用突部２２を嵌合させることによって、クラ ンプスプリング１３の取付方向が規制される。

【００１５】 パッド７をステアリングホイール本体１に固定する際には、パッド７に取り付 けられたクランプスプリング１３の脚片１５をパッド取付板１０の取付孔１１に 押入することにより、く字状係合部１５ａが内側に撓んで取付孔１１内縁を挿通 し、クランプスプリング１３がパッド取付板１０に弾性的に係止され、従ってパ ッド７がステアリングホイール本体１に取付け固定される。これと同時に、クラ ンプスプリング１３の係止脚１６と挟持片１７とがパッド取付板１０の取付孔１ １の縁辺部１９を挟んで下降し、鈎止片１８が撓み取付孔１１の内縁を通過して 下方から縁辺部１９に当接する。車両の衝突等でパッド７に衝撃が掛かった場合 には、パッド７の横方向のずれは係止脚１６と挟持片１７により規制され、衝撃 の反動で跳ね上がる動きは鈎止片１８が取付板縁辺部１９に引っ掛かることによ って阻止される。

【００１６】 なお、クランプスプリング１３は、通常円周上３箇所（概ね１２０度おき）に 設けるが、前記のように係止脚１６を備えたものは通常１箇所のみとし、他の２ 箇所のクランプスプリングは脚片１５の係合部１５ａで取付板１０に弾性的の係 合するだけのものとする。

【００１７】 図４は、図２のＢ部を拡大図示したものであるが、ステアリングホイール本体 １のケーシング２０のクランプスプリング１３に対向する部位には、孔２０ａが 開けられており、通常時にパッド７を取り外す際にはこの孔２０ａにドライバ等 の工具を通して挟持片１７を図示矢印Ｃのように内方に押して鈎止片１８をパッ ド取付板１０の取付孔縁辺部１９から外し、パッド７を引き上げてクランプスプ リング１３を取付孔１１から外してやればよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明より明らかな通り、本考案の構造は、ステアリングホイール本体内 に、ステアリングパッドの下部に取り付けた弾性係合部材の係合部をパッド取付 板の取付孔に挿通して取付板に弾性的に係合したステアリングホイールにおいて 、前記弾性係合部材の少なくとも一つに、前記パッド取付板の取付孔の縁辺部に 係合してパッド外れを阻止する手段を一体に設けたものであるから、弾性係合部 材によってパッドをパッド取付板に取付け固定するとともに衝撃時等のパッド脱 離を阻止することができ、別個の係止部材等を設けることを要せず、確実にパッ ド外れを防止し得るステアリングホイールを低コストで製造することが可能とな る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用されるステアリングホイールの一
例を示す平面図である。

【図２】本考案のステアリングホイールの一実施例を示
す図１のＡ−Ａ部縦断面図である。

【図３】図２の実施例における弾性係合部材及びパッド
取付板を示す斜視図である。

【図４】図２のＢ部拡大図である。

【符号の説明】

１ ステアリングホイール本体 ７ パッド １０ パッド取付板 １１ 取付孔 １３ 弾性係合部材（クランプスプリング） １４ 取付片 １５ａ 係合部 １６ 係止脚 １７ 挟持片 １８ 鈎止片 １９ 縁辺部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステアリングホイール本体内に、ステア
   リングパッドの下部に取り付けた弾性係合部材の係合部
   をパッド取付板の取付孔に挿通して取付板に弾性的に係
   合したステアリングホイールにおいて、前記弾性係合部
   材の少なくとも一つに、前記パッド取付板の取付孔の縁
   辺部に係合してパッド外れを阻止する手段を一体に設け
   たことを特徴とするステアリングホイール。