JPH072241Y2 - 自動車用ホイールステップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のディスクホイールに取付けられた運
転者が自動車を乗り降りする際に足を掛けるのに用いら
れる自動車用ホイールステップの改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

自動車用ホイールステップは、外周面にステップ座を有
する環状のステップ本体と、この環状のステップ本体を
ディスクホイールに固定するステップ固定手段とから成
り、ステップ固定手段は、ステップ本体をディスクホイ
ールに位置決めする位置決め部材と、ディスクホイール
の切り欠きに掛け止めされた鉤部を有する取付ボルトが
貫通し突出端をナット止めする取付座とから成ってい
る。従来技術では、ステップ固定手段の位置決め部材
は、第４図に示すように、ディスクホイール14に接合さ
れるように周方向に間隔をあけて設けられた複数の取付
耳30から成っているが、これらの取付耳30は、ディスク
ホイール14が取付けられるアクスルハブ12aから突出す
る環状の係合突片12bに係合してホイールステップを位
置決めするようになっている。

しかし、このような構造では、比較的重量の大きいホイ
ールハブは、この位置決め部材である取付耳が係合する
環状の係合突片12bの分だけ軸方向に延ばす必要がある
ので、ホイールハブが重くなる欠点があった。

一方、ディスクホイールのステップ取付座のほぼ全面に
接合され外周にステップ座を有するドーナツ状のステッ
プ本体から成る自動車用ホイールステップも用いられて
いる（実開昭62−87901号公報参照）。この種のホイー
ルステップは、同公報の第２図に示されるように、ディ
スクホイールをホイールハブに固定する取付ボルトに螺
合されるナットの内面が係合する打ち出し部をホイール
ステップに形成し、この打ち出し部がディスクホイール
の取付ボルト貫通孔に係入してホイールステップをディ
スクホイールに位置決めするか、同公報第１図に示すよ
うに、ディスクホイール取り付け用のナットが逃げる逃
げ孔をステップ本体に形成し、ステップ本体の内周面に
ディスクホイールの内縁に係合する折り曲げ部を形成し
てこの折り曲げ部によってステップ本体をディスクホイ
ールに位置決めしている。

しかし、いずれの構造も、ステップ本体は、ディスクホ
イールのステップ取付座のほぼ全面に接合されているの
で、ステップ本体の重量が大きくなる上に、特に後者の
ナットの逃げ孔と位置決め用の折り曲げ部とを有する構
造のホイールステップは、逃げ孔と折り曲げ部との相互
の位置関係がずれると、ステップ本体を位置決めするこ
とができなくなるため、ステップ本体を再調整する必要
が生じ、ホイールステップの取付の作業性が低下する欠
点があった。

更に、ホイールステップをディスクホイールの飾り穴に
位置決めする構造が提案されている（実開昭57−141142
号公報参照）。このホイールステップは、ディスクホイ
ールの８つの飾り穴の交互に対応してホイールステップ
の取付部と案内部とを形成し、案内部は、飾り穴の内面
に係合する突片から成っている。

しかし、この案内部の突片は、その湾曲された部分の先
端縁のみで飾り穴の内側の面に係合するので、すべての
案内部の突片が飾り穴の内側の面に嵌り込むように位置
合わせしながら、ホイールステップを取り付ける必要が
あり、ホイールステップの案内部を嵌め込む作業が極め
てやっかいであり、作業性が低い欠点がある。また、若
しホイールステップがディスクホイールからずれた状態
で無理に嵌め込もうとすると、突片が飾り穴の縁によっ
て湾曲状態を変形するようにして撓ませられて位置決め
の失敗を起こす虞がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が解決しようとする課題は、ホイールハブを軽量
化しつつホイールステップを位置決めすることができ、
またディスクホイールをホイールハブに固定するボルト
・ナット手段がホイールステップの位置決めを阻害する
ことがない上にホイールステップの位置決めを容易に行
なうことができ、高い作業性でホイールステップを取付
けることができる自動車用ホイールステップを提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記の課題を解決するために、ディスクホイ
ールのステップ取付座の外面に取付けられ外周面にステ
ップ座を有する環状のステップ本体と、この環状のステ
ップ本体をディスクホイールに固定するステップ固定手
段とから成り、ステップ本体は、ディスクホイールをホ
イールハブに取り付ける取付ボルトより外側で内周縁が
終わっている環状部材から成り、ステップ固定手段は、
ステップ本体をディスクホイールに位置決めする位置決
め部材と、ディスクホイールの切り欠きに掛け止めされ
た鈎部を有する取付ボルトが貫通し突出端をナット止め
する締付け座とから成る自動車用ホイールステップにお
いて、位置決め部材は、ディスクホイールの外面に沿っ
てステップ本体の内周縁から内側に径方向に延び周方向
に間隔をあけて設けられた複数の取付耳と、これらの取
付耳の内端を一体に折り曲げてディスクホイールの内縁
に係合する折り曲げ片とから成っていることを特徴とす
る自動車用ホイールステップを提供するものである。

〔作用〕

このように、ステップ本体がディスクホイールをホイー
ルハブに取付ける取付ボルトより外側で内周縁が終わっ
ている環状部材から成っていると、ステップ本体はディ
スクホイールのステップ取付座の全面に接合することが
なく小型化され、またステップ本体の位置決めはこのス
テップ本体の内周縁から内側に径方向に延びる複数の取
付耳の内端を一体に折り曲げて形成された折り曲げ片を
ディスクホイールの内縁に係合させて行うので、ホイー
ルハブ側に係合突片を設ける必要がなく、アクスルハブ
を全体的に軽量化することができる。

また、ステップ本体にはディスクホイールをホイールハ
ブに取り付けるためのボルト・ナットの逃げ孔を必要と
することがなく、従ってこの逃げ孔と位置決め部とのず
れによる位置決め不能を生ずることがなく、ステップ本
体をディスクホイールに効率よく取り付けることができ
る。

更に、位置決め部材は、ディスクホイールの内周面に係
合する折り曲げ部を有する取付耳から成っているので、
ホイールステップがディスクホイールに対してにずれて
いても取付耳の折り曲げ部がディスクホイールの内周面
に滑り込んでホイールステップをディスクホイールに円
滑に位置決めしながら嵌め込むことができ、ホイールス
テップの位置決めを容易に行なうことができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して詳細にのべると、第１
図は本考案に係る自動車用ホイールステップ10の全体を
概略的に示し、この自動車用ホイールステップ10は、ア
クスル12のホイールハブ12aに取付ボルト13によって固
定されたディスクホイール14に取付けられている。

ホイールステップ10は、第１図及び第２図に示すよう
に、ディスクホイール14のステップ取付座14bの外面に
取付けられ外周面にステップ座16を有する環状のステッ
プ本体18と、この環状のステップ本体18をディスクホイ
ール14に固定するステップ固定手段20とから成ってい
る。ステップ本体18は、ディスクホイール14をホイール
ハブ12aに取り付ける取付ボルト13より外側で内周縁が
終わっている環状部材18Aから成っている。従って、取
付ボルト13は、ステップ本体18に干渉されることなく、
ディスクホイール14をホイールハブ12aに取り付けるこ
とができる。ステップ固定手段20は、ステップ本体18を
ディスクホイール14に位置決めする位置決め部材22と、
後にのべる複数の取付ボルト24が貫通してこの取付ボル
ト24によってディスクホイール14に固定される締付け座
26とから成っている。取付ボルト24は、ディスクホイー
ル14の切り欠き14aに掛け止めされた鉤部24aを有し、こ
の取付ボルト24の鉤部24aとは反対側の端部は締付け座2
6を貫通し、その突出端24bはナット28によって締付けら
れてステップ本体18をディスクホイール14に固定する。

位置決め部材22は、第２図及び第３図に示すように、デ
ィスクホイール14の外面に沿ってステップ本体18の内周
縁18aから内側に径方向に延び周方向に間隔をあけて設
けられた複数の取付耳30と、これらの取付耳30の内端を
一体に折り曲げてディスクホイール14の内縁14bに係合
する折り曲げ片32とから成っている。尚、締付け座26
は、ステップ本体18に溶接等によって固定されている
が、ステップ本体18と一体に折り曲げによって形成して
もよい。

このように、ステップ本体18がディスクホイール14をホ
イールハブ12aに取付ける取付ボルト13より外側で内周
縁が終わっている環状部材18Aから成っていると、ステ
ップ本体18は、ディスクホイール14のステップ取付座14
cの全面に接合することがなく軽量化される。

ステップ本体18は、このステップ本体18の内周縁18aか
ら内側に径方向に延びる複数の取付耳30の内端を一体に
折り曲げて形成された折り曲げ片32をディスクホイール
14の内縁に係合させて位置決めするので、第４図で示す
従来技術のように、ホイールハブ12a側に係合突片12bを
延長して設ける必要がない。従って、ステップ本体18及
びホイールハブ12aが軽量化してアクスルを全体的に軽
量にすることができる。

また、ステップ本体18にはディスクホイール14をホイー
ルハブ12aに取り付けるための取付ボルト等の逃げ孔を
必要とすることがないのでこの逃げ孔と位置決め部との
ずれによる位置決め不能を生ずることがなく、ステップ
本体18をディスクホイール14に効率よく取り付けること
ができる。

更に、位置決め部材22は、ディスクホイール14の内周面
に係合する折り曲げ片32を有する取付耳30から成ってい
るので、ホイールステップの取付け時にステップ本体18
がディスクホイール14に対して多少ずれていても取付耳
30の折り曲げ片32がディスクホイール14の内周面に滑り
込んでホイールステップ10をディスクホイール14に円滑
に位置決めしながら嵌め込むことができ、ホイールステ
ップ10の位置決めを容易に行なうことができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、上記のように、ステップ本体及びホイ
ールハブを小型化してアクスルハブを全体的に軽量化す
ることができ、またステップ本体の位置決め部とディス
クホイールの取付部とが相互に干渉することがなく、更
にステップ本体をディスクホイールに容易に位置決めし
つつステップ本体をディスクホイールに効率よく取り付
けることができる実益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用ホイールステップの全体
の正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は
ステップ本体の断面図、第４図は従来技術によるホイー
ルステップの位置決め部分の拡大断面図である。 10……自動車用ホイールステップ、14……ディスクホイ
ール、14a……切り欠き、14b……内縁、14c……ステッ
プ取付座、16……ステップ座、18……ステップ本体、18
A……環状部材、20……ステップ固定手段、22……位置
決め部材、24……取付ボルト、24a……鉤部、26……締
付け座、28……ナット、30……取付耳、32……折り曲げ
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクホイールのステップ取付座の外面
   に取付けられ外周面にステップ座を有する環状のステッ
   プ本体と、前記環状のステップ本体を前記ディスクホイ
   ールに固定するステップ固定手段とから成り、前記ステ
   ップ本体は、前記ディスクホイールをホイールハブに取
   り付ける取付ボルトより外側で内周縁が終わっている環
   状部材から成り、前記ステップ固定手段は、前記ステッ
   プ本体を前記ディスクホイールに位置決めする位置決め
   部材と、前記ディスクホイールの切り欠きに掛け止めさ
   れた鈎部を有する取付ボルトが貫通し突出端をナット止
   めする締付け座とから成る自動車用ホイールステップに
   おいて、前記位置決め部材は、前記ディスクホイールの
   外面に沿って前記ステップ本体の内周縁から内側に径方
   向に延び周方向に間隔をあけて設けられた複数の取付耳
   と、前記取付耳の内端を一体に折り曲げて前記ディスク
   ホイールの内縁に係合する折り曲げ片とから成っている
   ことを特徴とする自動車用ホイールステップ。