JPH0323416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等のステアリングホイールに
係り、特に、ステアリングホイール本体の上部に
ホーン操作用その他のパツドを設けたものに関す
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種のステアリングホイールとして、
実開昭60−57468号公報に示されたものがある。

これは、第５図に示すように、図示しない合成
樹脂製のパツドの下部に設けた金属製のクランプ
スプリング２１のく字状の係止部２７を、図示し
ないステアリングホイール本体の上部に設けたホ
ーンプレート１５の取付孔２８に挿通して弾性的
に係止するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上述した従来のステアリングホイー
ルでは、パツドの着脱の際には、クランプスプリ
ング２１の脚片２３が、第５図に二点鎖線で示す
ように、内方に弾性変形することにより、脚片２
３の下端部の係止部２７が取付孔２８を通過する
が、この着脱は自動車の完成までに何回も繰辺さ
れ、たとえば、ステアリングホイールの製造メー
カではステアリングホイール本体にパツドを取付
けた状態でステアリングホイールを納入し、車体
組立メーカではパツドを取外してステアリングホ
イール本体をステアリングシヤフトに固定した後
パツドを再び取付け、さらに、ホーン機構の点検
等でパツドの着脱を繰返す場合がある。

このようにパツドの着脱を何回も繰返すと、ク
ランプスプリング２１の脚片２３が、第６図に二
点鎖線で示すように、塑性変形して、本来ホーン
プレート１５の取付孔２８の縁辺の下部に弾性的
に係止しなければならない係止部２７と取付孔２
８の縁辺との間にがたを生じることがあり、パツ
ドの固定も不確実となることがあつた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、パツドの着脱を繰返しても、パツドをがた無
く確実に取付固定できるようにすることを目的と
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ステアリングホイール本体４の上部
に、取付孔２８を備えたパツド取付板たとえばホ
ーンプレート１５等を設けるとともに、たとえば
ホーン操作用のパツド５の下部に、パツド５に対
する取付片２２から脚片２３を折曲しかつこの脚
片２３の下端部にく字状の係止部２７を形成して
成るクランプスプリング２１を設け、このクラン
プスプリング２１の係止部２７を上記パツド取付
板の取付孔２８に挿通して取付孔２８の一側縁辺
２９の下部に弾性的に係止したステアリングホイ
ールに関するものであつて、上記く字状の係止部
２７の上部に位置して、上記クランプスプリング
２１の脚片２３に、係止部２７と逆の方向に係合
片３１を一体に設け、この係合片３１を上記パツ
ド取付板の取付孔２８の他側縁辺３２に弾性的に
当接するものである。

〔作用〕

本考案のステアリングホイールは、パツド５に
設けたクランプスプリング２１の係合片３１とス
テアリングホイール本体４に設けたホーンプレー
ト１５等のパツド取付板の取付孔２８の他側縁辺
３２との弾性的な当接により、クランプスプリン
グ２１の脚片２３を一側方に付勢し、脚片２３の
下端部のく字状の係止部２７を、パツド取付板の
取付孔２８の一側縁辺２９の下部に確実に係止さ
せるものであり、これによつて、パツド５をパツ
ド取付板にがた無く確実に取付固定するものであ
る。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図及び第２図はステアリングホイールを示
し、このステアリングホイールは、環状のリム部
１と、その中心に位置したボス部２と、これらの
リム部１及びボス部２を連結した複数のスポーク
部３から成るステアリングホイール本体４の上部
に、この実施例ではボス部２の上部に、ホーン操
作用のパツド５を設けたものである。

上記ステアリングホイール本体４は、図示しな
いステアリングシヤフトに嵌着されるボス部２の
金属ボス６と、各スポーク部３の芯金７と、リム
部１の芯金８を互いに溶接し、金属ボス６の下部
に合成樹脂製の下部カバー９を装着して金属ボス
６及び各スポーク部３の芯金７の内端部の下面及
び側面を覆うとともに、この下部カバー９及び上
記パツド５から露出した各スポーク部３の芯金７
の外端部及びリム部１の芯金８を軟質合成樹脂製
の外被１０で覆うことによつて形成されている。

そして、上記金属ボス６の上部にはフランジ部
１１が一体形成され、このフランジ部１１に支持
板１２が固定され、この支持板１２上に、絶縁イ
ンシユレータ１３及びコイルスプリング１４を介
してパツド取付板としての金属製のホーンプレー
ト１５が押圧自在に支持されている。

なお、上記下部カバー９はねじ１６で上記支持
板１２に固定されているとともに、上記ホーンプ
レート１５は下部カバー９の下面に設けられた環
状のスリツプリング１７に、図示しないコンタク
トスプリングを介して、電気的に接続されてい
る。

また、上記パツド５は、合成樹脂製で、その下
部に複数たとえば３個の金属製のクランプスプリ
ング２１が設けられている。この各クランプスプ
リング２１は、第３図及び第４図に示すように、
取付片２２と、この取付片２２の両端から折曲し
た一対の脚片２３とでほぼコ字状に形成されてお
り、その取付片２２を上記パツド５に突設した取
付用突部２４にねじ２５で取付けるとともに、こ
の取付片２２をパツド５に突設した複数の方向規
制用突部２６に係合することにより、パツド５に
固定されている。

そして、この各クランプスプリング２１の一対
の脚片２３の下端部には外方にく字状に折曲した
係止部２７が形成されており、この係止部２７を
上記ホーンプレート１５に形成した取付孔２８に
挿通して取付孔２８の外側縁辺２９の下部に弾性
的に係止するとともに、上記パツド５に突設した
複数の押圧突部３０（第１図に示す）をホーンプ
レート１５に当接することにより、パツド５が各
クランプスプリング２１を介してホーンプレート
１５に固定されている。

したがつて、パツド５を押圧すると、ホーンプ
レート１５が押圧され、可動接点となるホーンプ
レート１５と固定接点となるねじ１６の頭部が導
通し、ホーンが吹鳴するようになつている。

そうして、上記各クランプスプリング２１の一
対の脚片２３には、上記係止部２７の中央部を内
側上方に切り起こすことにより、係止部２７の上
部に位置して、逆へ字状の係合片３１が係止部２
７の折曲方向すなわち外方と逆の方向に一体に形
成されており、パツド５を各クランプスプリング
２１を介してホーンプレート１５に固定した状態
で、係合片３１がホーンプレート１５の取付孔２
８の内側縁辺３２に弾性的に当接するようになつ
ている。

このため、パツド５の着脱の繰返しによつてク
ランプスプリング２１の脚片２３が内側方に塑性
変形した場合でも、脚片２３は、係合片３１とホ
ーンプレート１５の取付孔２８の内側縁辺３２と
の弾性的な当接により、外側方に付勢され、脚片
２３の下端部のく字状の係止部２７が取付孔２８
の外側縁辺２９の下部に確実に係止し、これによ
つて、パツド５をホーンプレート１５にがた無く
確実に取付固定することができる。

そして、パツド５の取付けに際しても、パツド
５側の各クランプスプリング２１の係止部２７を
ステアリングホイール本体４側のホーンプレート
１５の対応する取付孔２８に向けた状態で、パツ
ド５をステアリングホイール本体４に押圧する
と、各クランプスプリング２１のく字状の係止部
２７が取付孔２８を弾性的に通過し、係止部２７
が取付孔２８の外側縁辺２９の下部に弾性的に係
止するとともに、各クランプスプリング２１の係
合片３１が取付孔２８の内側縁辺３２に弾性的に
当接して脚片２３を外側方に付勢するので、パツ
ド５の取付けが容易にできる。

なお、上記クランプスプリング２１の係合片３
１の弾性を、パツド５の通常のホーン操作時の押
圧により変形しないように、ホーンプレート１５
を支持したコイルスプリング１４の弾性よりも強
くしておくと、パツド５の押圧用突部３０（第１
図に示す）を省略することもできる。

また、本考案の実施に際して、パツド５の位置
は、ボス部２に限らず、スポーク部３でもよく、
さらに、パツド５は、ホーン操作用に限らず、他
の目的、たとえば内部構造の覆いを目的としてス
テアリングホイール本体４に設けられるものでも
よく、したがつて、パツド取付板も、ホーンプレ
ート１５のように押圧自在のものに限らず、固定
のものでもよい。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、パツドに設
けたクランプスプリングの脚片の下端部のく字状
の係止部を、ステアリングホイール本体に設けた
パツド取付板の取付孔に挿通して取付孔の一側縁
辺の下部に弾性的に係止するとともに、係止部の
上部に位置した係合片を取付孔の他側縁辺に弾性
的に当接し、この係合片の当接により、脚片を付
勢して脚片の下端部の係止部を取付孔の一側縁辺
の下部に確実に係止するので、パツドの着脱の繰
返しによつてクランプスプリングの脚片が塑性変
形した場合でも、係止部による係止が確実に行な
われ、これによつて、パツドをパツド取付板にが
た無く確実に取付固定することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のステアリングホイールの実施例を
示し、第１図は第２図の−視断面図、第２図
はステアリングホイールの平面図、第３図はその
要部の縦断面図、第４図はその要部の分解斜視図
であり、第５図及び第６図は従来のステアリング
ホイールの欠点の説明図である。 ４……ステアリングホイール本体、５……パツ
ド、１５……パツド取付板としてのホーンプレー
ト、２１……クランプスプリング、２２……取付
片、２３……脚片、２７……係止部、２８……取
付孔、２９……縁辺、３１……係合片、３２……
縁辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングホイール本体の上部に、取付孔を
   備えたパツド取付板を設けるとともに、パツドの
   下部に、パツドに対する取付片から脚片を折曲し
   かつこの脚片の下端部にく字状の係止部を形成し
   て成るクランプスプリングを設け、このクランプ
   スプリングの係止部を上記パツド取付板の取付孔
   に挿通して取付孔の一側縁辺の下部に弾性的に係
   止したステアリングホイールであつて、上記く字
   状の係止部の上部に位置して、上記クランプスプ
   リングの脚片に、係止部と逆の方向に係合片を一
   体に設け、この係合片を上記パツド取付板の取付
   孔の他側縁辺に弾性的に当接したことを特徴とす
   るステアリングホイール。