JPS6353069B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、自動車のステアリングホイールにお
けるフイニツシヤなどの車輌用部品の取付装装置
に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

一般に、自動車などのステアリングホイール装
置は、第１図および第２図に示すようなものが用
いられている。

１はステアリングホイール本体で、このステア
リングホイール本体１は、リム部２の内側にスポ
ーク部３が設けられ、このスポーク部３の上面に
ホーンパツド４が装着され、このホーンパツド４
の両側上部にホーンボタン５が設けられている。
また、上記ホーンパツド４の中央部にステアリン
グホイール本体１をステアリングシヤフト６から
取外す際の作業用の凹所７が形成され、この凹所
７の中央部にプーラタツプ８を露出させるための
菱形の開口部９が形成されているとともに、凹所
７の周囲部に複数個の取付孔１０が穿設されてい
る。

そして、上記凹所７にこれに対応する合成樹脂
製のフイニツシヤ１１が嵌着され、このフイニツ
シヤ１１の裏面に上記各取付孔１０に対応して一
体に突設された各係止爪１２が各取付孔１０に挿
入係着され、ステアリングホイール本体１にフイ
ニツシヤ１１が着脱自在に取付けられている。

しかし、このようなフイニツシヤ１１の取付構
造においては、第３図および第４図に示すよう
に、車輌の衝突などの際に発生する衝撃力により
ステアリングホイール本体１のリム部２が折曲し
たとき、これにともないスポーク部３とホーンパ
ツド４が歪曲されるため係止爪１２が折れ、その
反動でフイニツシヤ１１が脱出し、運転者の顔面
などを傷付けるおそれがある。

また、フイニツシヤ１１の取付作業時に斜め方
向の応力を加えた際、係止爪１２が折損するおそ
れがある。

〔発明の目的〕

本発明は、上述のような点を改良しようとする
もので、フイニツシヤの係止爪の折損を防止し
て、安全性を向上することを目的とするものであ
る。

〔発明の概要〕 本発明は、取付孔を有する一方の車輌用部品
に、係止爪を有する他方の車輌用部品を取付孔の
縁部と係止爪との係着により取付ける取付装置に
おいて、上記係止爪に対し、係止爪の背部および
両側部に間隔をおいて対設した保護壁を設け、か
つ、少なくとも上記係止爪の背部とこれに対する
保護壁との間隔を係止爪が折損する弾性限界内に
設定し、上記保護壁の先端に上記係止爪と異なる
方向の補助爪を形成し、上記係止爪とともに保護
壁を上記取付孔に挿入したことを特徴とし、係止
爪の屈撓を保護壁で制限するようにしたものであ
る。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第５図ないし第１０
図を参照して説明する。

なお、上記第１図および第２図の装置と同一部
分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。

上記のように、一方の車輌用部品としてのステ
アリングホイール本体１に他方の車輌用部品とし
てのフイニツシヤ１１を取付けるものにおいて、
合成樹脂製のフイニツシヤ１１の裏面の前後両側
の縁部の４個所に係止爪１２を一体に突設すると
ともに、この係止爪１２の背部から両側部に対し
て保護壁１３を一体に突設する。この保護壁１３
は、係止爪１２の背面に一定間隔をおいて対設す
る制御壁１４と、この制御壁１４の両側に連続し
て係止爪１２の両側部に一定間隔をおいて対設し
た補強リブ部１５とを有して、係止爪１２の背部
から両側部を囲む断面ほぼコ字形に形成する。そ
して、少なくとも上記係止爪１２の背部とこれに
対する保護壁１３との間隔、すなわち、係止爪１
２の背面と制御壁１４との間隔は係止爪１２が折
損する弾性限界内に設定する。

さらに、上記保護壁１３の両側のリブ部１５の
先端に上記係止爪１２と直交する横方向に向いた
補助爪１６を形成する。

また、ステアリングホイール本体１の凹所７に
上記各係止爪１２部に対応する位置において係止
爪１２とその背側の保護壁１３とが挿入される長
方形状の取付孔１０を穿設し、この取付孔１０の
内側縁部に枠壁１７を突設する。

なお、係止爪１２と保護壁１３の根元幅Ａおよ
び取付孔１０の幅A′は、Ａ＝A′またはＡがA′よ
り若干小さく形成し、保護壁１３の端面長さｌお
よび取付孔１０の長さl′はｌ＝l′またはｌがl′より
若干小さく形成する。また、係止爪１２の厚さ幅
Ｂと保護壁１３の制御壁１４の厚さ幅Ｃは、Ｂ＋
Ｃ≦A′に形成する。

こうして、第７図に示すように、各取付孔１０
にフイニツシヤ１１の各係止爪１２を対設して押
込むと、第８図に示すように、係止爪１２がその
弾性により背側に屈撓しつつ通過し、第９図およ
び第１０図のように、係止爪１２が枠壁１７の係
合縁部１７ａに係着して、凹所７にフイニツシヤ
１１が取付けられる。この際、係止爪１２の一定
限度以上の屈撓作用は制御壁１４により抑制され
るので、折損するおそれはない。また、制御壁１
４は両側を補強リブ部１５によつて補強されるの
で、変位することがない。

さらに、係止爪１２とともに保護壁１３が取付
孔１０に挿入されるが、この際、枠壁１７をその
弾性により外方に撓ませながら補助爪１６が通過
し、フイニツシヤ１１が固定された状態では補助
爪１６と枠壁１７との間にクリアランスｈが形成
されている。

また、実施にあたつて、保護壁１３は断面コ字
形に形成するほか、第１１図に示すように、断面
が円弧状または楕円状などの弧状に制御壁１４と
両側の補強リブ部１５とを一体に連設してもよ
い。この場合、第１２図に示すように、制御壁１
４の内側に補強突条１８を一体に形成することに
より保護壁１４の強度を上げることができる。

なお、枠壁１７は設けずに、取付孔１０の内側
縁部として係止爪１２を直接係合するようにして
もよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ステアリングホイール本体の
ような一方の車輌用部品に対し、フイニツシヤの
ような他方の車輌用部品を取付けた状態で、車輌
の衝突などの際に衝撃力が発生して、他方の車輌
用部品の係止爪に過大な曲げ応力が作用する状態
となつても、係止爪は保護壁によつて一定限度以
上の背部側への屈撓を抑制されて折損が阻止さ
れ、かつ、保護壁が取付孔に嵌合していて他方の
車輌用部品が脱出することがなく、なお、万が
一、係止爪が外れたとしても保護壁の先端の補助
爪が係止されるため、他方の車輌用部品の抜けは
確実に阻止され、したがつて、運転者の顔面など
を傷付けることを未然に防止することができ、安
全性を向上することができる。

また、他方の車輌用部品を取付けるに際し、係
止爪と取付孔の寸法誤差などにより、係止爪に大
きな曲げ応力が作用する状態となつても、保護壁
によつて一定限度以上の屈撓が生じないので折損
のおそれがなく、さらに、保護壁によつて係止爪
を囲んでいるので、部品輸送時などにおいて係止
爪を保護して損傷を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の装置の分解斜視図、第２図はそ
の一部の断面図、第３図は従来の装置の衝撃を受
けた状態の斜視図、第４図はその一部の断面図、
第５図は本発明の装置の一実施例を示す分解斜視
図、第６図はその一部の斜視図、第７図ないし第
８図はその取付状態を示す断面図、第１０図は第
９図Ｘ−Ｘ部の断面図、第１１図および第１２図
は他の実施例を示す一部の斜視図である。 １……一方の車輌用部品としてのステアリング
ホイール本体、１０……取付孔、１１……他方の
車輌用部品としてのフイニツシヤ、１２……係止
爪、１３……保護壁、１６……補助爪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 取付孔を有する一方の車輌用部品に、係止爪
   を有する他方の車輌用部品を、取付孔の縁部と係
   止爪との係着により取付ける取付装置において、 上記係止爪に対し、係止爪の背部および両側部
   に間隔をおいて対設した保護壁を設け、かつ、少
   なくとも上記係止爪の背部とこれに対する保護壁
   との間隔を係止爪が折損する弾性限界内に設定
   し、上記保護壁の先端に上記係止爪と異なる方向
   の補助爪を形成し、上記係止爪とともに保護壁を
   上記取付孔に挿入したことを特徴とする車輌用部
   品の取付装置。