JPH0313336B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は二重撚糸機、特にその捲取装置の構成
に関する。

＜従来の技術＞ 二重撚糸機は、一般に糸に撚を付与する撚糸機
部分（狭義にはこの撚糸機部分を二重撚糸機と称
すこともある）と撚糸された糸を捲取る捲取機部
分とにより構成されている。そのような二重撚糸
機は背中合せの状態で二列に複数錘が並設されて
いる一台の機械となつている。

上記捲取機部分は、一般に撚糸後の糸を該捲取
機部分に送り出すフイードローラと、捲取パツケ
ージを支持するクレードルアームと、捲取パツケ
ージと圧接し該パツケージに回転力を与えるフリ
クシヨンローラなどにより構成されている。

従来、上記捲取パツケージが満巻状態になつた
時には、作業者が上記クレードルアームを挙げて
フリクシヨンローラと捲取パツケージとの圧接を
解いた後、該フレードルアームから満巻の捲取パ
ツケージを抜き取り、該パツケージを運んでい
た。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 本発明に係る技術の開発は、上記のような作業
者による満巻パツケージの搬送に代わる自動搬送
手段を得ることを主眼とし、作業者の多大な労力
を軽減する目的からスタートしている。そのよう
な自動搬送手段を開発するに際し、本出願の発明
者は、既存する二重撚糸機を大幅に変更しないよ
うにすること、また二重撚糸機が上記搬送手段を
付加したために大型化しないことを念頭に入れ開
発していた。

上記二つの条件を満足する技術として、本出願
の発明者は二重撚糸機の上部でかつ背中合せの二
列の機台の中間位置、すなわち背中合せの二列の
機台の捲取パツケージの中間位置に、直線状にコ
ンベアを配置し、満巻の捲取パツケージは該コン
ベア上に排出して機台の端部まで移送させ、該端
部で一括する、という技術を考え出した。

ところが、上記中間位置は従来、クレードルア
ームや該アームの支軸が占有する所であり、捲取
パツケージを収納し搬送させるための空間はなか
つた。特に、大きな巻径を有す捲取パツケージの
搬送はその構造上、不可能に近かつた。

本発明は上記中間位置において、大きな巻径の
捲取パツケージであつても十分に収納できる空間
を有すようにすることを目的としている。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は背中合せの状態で二列に複数錘並設さ
れている二重撚糸機であつて、フリクシヨンロー
ラの上方に上記複数錘の二重撚糸機に渡る支持軸
を二列設け、背中側の該支持軸にクレードルアー
ムの基端部を回動可能にそれぞれ軸支したもので
ある。

〔実施例〕

第５，６図には本発明に係る撚糸機１を示して
いる。この撚糸機１において、多数の二段給糸型
二重撚糸機（以下、端に二重撚糸機という）２が
背中合わせに二列配設されている。該背中合わせ
の二重撚糸機２列の外側には長コンベア３，４が
二列延設され、該長コンベア３，４間には短コン
ベア５，６，７が両長コンベア３，４を渡す位置
に設置されている。該長コンベア３，４と短コン
ベア７の交差する位置には不動ストツパ８，９が
それぞれ配設され、同じく長コンベア３，４と短
コンベア６の交差する位置には可動ストツパ１
０，１１がそれぞれ配設されている。該可動スト
ツパ１０，１１は長コンベア３，４上に突出する
位置と該長コンベア３，４から退避する位置との
二位置を選択的にとつている。通常は上記可動ス
トツパ１０，１１は長コンベア３，４上に突出す
る位置をとり、矢印１２，１３，１４，１５方向
に物品を移送する循環ライン１６、および矢印１
７方向に物品を移送する交換ライン１８とを形成
している。第５，６図において２０は給糸パツケ
ージ交換装置を、２１は口出し装置を２２は空ボ
ビン受箱を、２３は捲上パツケージ２４の搬送コ
ンベアを、２５は捲上パツケージ受箱を、２６は
上記長コンベア３，４に沿つて往復動する自動パ
ツケージ交換機をそれぞれ示している。

移送物品は搬送媒体（以下、トレイと呼ぶ）３
０と給糸パツケージPa，Pbとにより構成されて
いる。

第１図には上記二重撚糸機２を示している。こ
の二重撚糸機２は、公知の撚糸部４０と捲取部５
０とにより構成されている。給糸パツケージ４１
から解じよされた糸Ｙはテンサ体４２およびスピ
ンドル４３の中空部を通り、図示しない回転円盤
の糸導出孔より外部に出て、バルーンコントロー
ルリング４４で規制されバルーンしながらバルー
ンガイド４５を経て捲取部５０へと送られてい
る。

捲取部５０では、上記バルーンガイド４５を経
た糸Ｙが糸ガイド５１でガイドし、フイードロー
ラ５２で送り出す。５３は積極回転するフリクシ
ヨンローラを示し、後述するクレードルアーム５
４に把持された紙管５５または捲取パツケージ５
６の糸層表面に圧接し、回転力を与えている。５
７は紙面と直交する方向に往復動するトラバース
ガイドを示している。５８はベルト支持材を示
し、前述した捲上パツケージの搬送コンベアベル
ト２３を支持している。５９，６０はガイド体を
示し、捲上りパツケージ６１は捲上り位置から該
ガイド体５９，６０上を転がつてコンベア２３上
に到る。

上記クレードルアーム５４の構成を次に説明す
る。なお、背中合せになつている二台の二重撚糸
機については、以下詳述するクレードルアーム５
４を含め全ての構造は同一であり両機台の中心線
（面）において相方が鏡像関係になつている。さ
らにクレードルアーム５４に関しては両機台につ
いて第１図において前後関係があるけれども構成
は同一である。以下、説明は第１図左側の機台の
クレードルアーム５４について行ない、第１図右
側のクレードルアーム５４については同一部材に
は数字の後にａを付し説明は省略する。

上記フリクシヨンローラ５３の上方には二列に
並設された二重撚糸機２に渡る支持軸７０，７０
ａが配設されている。背中側の機台上の支持軸７
０ａにクレードルアーム５４の円筒基端部７１が
回転可能に支持されている。該クレードルアーム
５４はＬ字型をしたアーム部７２と該アーム部７
２先端に一体的に固着した紙管把持部７３とより
成り、該把持部７３は向かい合う２枚のプレート
７４，７５間に紙管を把持するもので、２枚のプ
レート７４，７５間には板バネ７６が介在してお
り、該プレート７４，７５同士の接近、離反が可
能になつている。７７，７８はそれぞれ紙管係止
部である。上記クレードルアーム５４は上記した
ようにその基端部７１の相手側の上方の支持軸７
０ａに支持され、自らの側の支持軸７０の上部を
通り、鉛直方向に垂下している（空紙管時）。

上記円筒基端部７１には大プレート８０が固着
されている。一方、もう一方の支持軸７０には円
筒体８１が回転可能に挿入され、該円筒体８１に
は小プレート８２と連結バー８３が固着されてい
る。上記大プレート８０と小プレート８２にはタ
ーンバクル８４の両端部がそれぞれ回動可能に軸
支されている。上記連結バー８３先端には接圧減
ウエート８５が固着されている。

上記大プレート８０上端は支持軸７０ａを中心
とする扇形になつていて、両端部に凹状溝８６，
８７が形成されている。機台側のブラケツト８８
には円筒８９内に挿入され、スプリング９０によ
り、下方に付勢されているピン９１が上記大プレ
ート８０上端と当接している。

上記ブラケツト８８にはシリンダ９２の基部が
回転可能に軸支９３され、該シリンダ９２のピス
トンロツド９４先端は前記アーム部７２に軸支９
５されている。なお、９６は機台側にブラケツト
９７を介して設置したリミツトスイツチを示し、
捲取りパツケージ満巻になつた際、アーム部７２
に固着した検出ドツグ９８が該スイツチ９６をけ
り満巻信号を発す。この実施例の場合は赤ランプ
９９が点燈する。なお、１００は空紙管のストツ
クを示している。

以上のような構成により、クレードルアーム５
４の紙管把持部７３に把持した紙管に撚が付与さ
れた糸が捲取られる。その際、ウユート８５の支
持軸７０を中心とする第２図の時計方向の力のモ
ーメントにより、小プレート８２、ターンバクル
８４および大プレート８０を介してクレードルア
ーム５４は上方に引上げるようとする力、すなわ
ち、捲取パツケージ５６のフリクシヨンローラ５
３に対する接圧を減ずる方向の力が作用する。

捲取パツケージの捲径が増大するにつれ、クレ
ードルアーム５４は上挙し、大プレート８０は時
計針方向に傾き、ターンバクル８４および小プレ
ート８２を介して、ウエート８５の水平線に対す
る傾き角度θは減少していく。すなわち、捲取パ
ツケージの捲径が増大するにつれて、上記角度θ
は減少することにより、Lcosθの値が増え、ウエ
ート８５のモーメント力が増大する。なお、上記
Ｌはウエート８５の中心から支持軸７０までの距
離をいう。捲取パツケージの径が増大するという
ことは、該パツケージの重量が大きくなりフリク
シヨンローラ５３との接圧も増えるということで
あり、上記のようにウエート８５のモーメント力
が接圧の減少力として増大することにより上記接
圧を巻径にかかわらず一定にしている。

満巻になつた捲取パツケージ５６は、作業者あ
るいは図示しない装置によりクレードルアーム５
４の紙管把持部７３のプレート７５を板バネ７６
に抗して押し広げることにより、クレードルアー
ム５４から外してコンベア２３上に払い出され
る。その後、ストツク１００に貯留されている紙
管５５を紙管把持部７３に備え、シリンダ９２を
作動させピストンロツド９４を該シリンダ９２か
ら伸長させることによりクレードルアーム７２を
下げ紙管５５をフリクシヨンローラ５３に接触さ
せ、捲取開始となる。該捲取開始時および捲取パ
ツケージの満巻時において、ピン９１が凹状溝８
６，８７にそれぞれ嵌入することで上記クレード
ルアーム５４はその位置に係止されるようになつ
ており、捲取開始時の紙管への糸掛けの間、ある
いは満巻時の満巻パツケージの払い出しの間、そ
の位置を保持するようになつている。

さて、以上の構成および動作をしたクレードル
アーム５４においては、２つの支持軸７０，７０
ａと２つのフリクシヨンローラ５３，５３により
形成される略四角形の空間が満巻パツケージ６１
移送のために利用されうる空間であり、かなり大
きな巻径をしたパツケージ６１を生産することが
可能になる。すなわち、クレードルアーム５４は
上記略四角形の空間の外側をその移動空間とし、
内側へは侵入しないような構成になつているので
ある。さらに、第１図からも明らかなように機台
１１０の幅Ｄや大きさを既存のものを何ら変更す
ることなしに上記大きな巻径のパツケージ６１を
搬送できる。

＜発明の効果＞ 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、背中合せの二列の機台の捲取パツケージの中
間位置が広い空間を有すようになり、該中間位置
を捲取パツケージ搬送用の空間として利用するこ
とが可能となつた。

さらに、上記中間位置へ巻取パツケージをクレ
ードルアームから外して移動させる際にも支障な
く通過し、ラージパツケージの処理にも好都合で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用されている二重撚糸機を
示す正面図、第２図はクレードルアームの構成を
示す正面図、第３図は同じくクレードルアームを
示す平面図、第４図はウエートの移動とモーメン
ト力を説明するための概略正面図、第５図は本発
明に係る撚糸機の側面図、第６図は同じく平面図
である。 ２……二重撚糸機、５３……フリクシヨンロー
ラ、５４……クレードルアーム、７０，７０ａ…
…支持軸、７１，７１ａ……基端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 背中合せの状態で二列に複数錘並設されてい
   る二重撚糸機であつて、フリクシヨンローラの上
   方に上記複数錘の二重撚糸機に渡る支持軸を二列
   設け、クレードルアームは、その基端部が相手側
   の上方の支持軸に回動可能に支持され、アーム部
   が自らの側の支持軸の上部を通り、下方に垂下し
   て設けられたことを特徴とする二重撚糸機。