JPH0310249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、屋根板相互の連結部の構造に関する
ものである。

金属屋根板を横葺するものにあつては、板同志
を連結させる場合に、連結部の下面に捨て板を当
て、そして上面にカバ−を当てて行うが屋根板間
に雨水が侵入することは避け難いものであつた。
そのために捨て板に突条を設けて流水路を確保し
屋根下地材や屋根裏面への漏水を防止せんとする
工夫がなされているが、実際には屋根板裏面に貼
着されたウレタンフオ−ムが、前記突条間に入り
込み水路を埋めてしまうために所期の効果が奏せ
られず屋根の下地材等に雨水が侵入するおそれが
存した。

そこで本考案は、下面に当てる捨て板に、その
上面に位置する屋根板裏面のウレタンフオ−ムが
接触しないように下板を配し、この捨て板と下板
との間に空間を確保し、侵入水のさめの水路を作
成せんとするものであると同時に、この下板に一
定の間隔を有して上方に平行にカバ−板を配し且
つ中央部にて両者を固着しておき、この下板とカ
バ−板とによつて連結すべき屋根板を挟持せんと
するものである。

次に図面に示す一実施例に従つて説明する。

捨て板１は、上端１ａが上方にそして下端１ｂ
が下方に折曲され、そして上下方向にほぼ平行な
突条２が適当数設けられており（実施例において
は２本の突条２ａ，２a′のみを示してある）、さ
らに中央には係合段３が突設されている。また両
側端イ，ロは、わずか上方に立ち上つている。

屋根板４，４′は、捨て板と同様に上端４ａが
上方に、そして下端４ｂが下方に折曲されてお
り、この各折曲部に、次の段の折曲部が係合し、
次々に屋根板が葺かれるようになつている。

５は、二つの屋根板を連結させるための断面Ｈ
型状の連結部材であつて、下板６、上板７および
カバ−板８とから成つており、下板６および上板
７は、それぞれ中央に凹部６ｃ，７ｃを対称に有
しており、この対象の凹部同士が固着されてい
る。

この凹部６ｃの大きさは、捨て板１の中央に突
設された係合段３の頂部に係合し得る大きさを有
している。そして下板６の両端６ａ，６a′間の長
さは、捨て板１の中央寄りの２本の突条２ａ，２
a′間の幅よりも大となつている。

また、連結部材５の下板６および上板７は、固
着部以外の両側縁が平行であつてその間に間隔を
有して構成され、屋根板４，４′のための係合溝
Ａ，A′となつている。

さらに上板７には、両側縁７ａ，７a′を包み込
むようにしてカバ−板８がカバ−している。

そして連結部材５は下端が下方に折曲してお
り、上端は屋根板の折曲部より手前にて停止する
ような長さとなつている。

このように本考案は、構成されているので、屋
根板を連結する場合には、まず、連結位置の屋根
の下地材上に捨て板１をおき、次に捨て板中央の
係合段３に連結部材５の下板６の凹部６ｃを係合
させて配置し、この連結部材５の上板７と下板６
間に形成された係合溝，Ａ，A′に両側方向より
それぞれウレタンフオ−ム９を裏面に貼着した屋
根板４，４′の端縁が圧入して差し込まれている。
そして、その後にさらに屋根板４，４′の上端折
曲部４ａ，４a′に上段の屋根板１０の下端折曲部
１０ａを係合させると同時に、その下端折曲部１
０ａにて連結部５の上端５ａを押える。（第３図） このようにして両屋根板４，４′は連結される
が、両屋根板４，４′間は、熱膨脹を考慮するこ
ともあつてある程度の間隔があけられ特に上部に
おいて屋根板間に〓間Ｂが生じ、この間より雨水
が侵入することが避けられないものである。

連結部５の下板６は、捨て板の突条２ａ，２a′の
幅より大きい幅となつているので、この下板６と
捨て板１間には空間Ｃが作出されている。したが
つて、前記侵入した水は、この空間Ｃを水路とし
て流れ、下段の屋根板上に導かれ、外方へ放出さ
れる。

従つて従来は、屋根板下面のウレタンフオ−ム
がこの水路を塞いでしまつていたために、ウレタ
ンフオ−ムによつて下地材に水が伝わつてしまう
ために生じた諸不体裁が本考案によつては回避さ
れる。

また、実施例においては、連結部は上板に更に
カバ−板を被せてなるが、この上板を省略してカ
バ−板の中央を下板に直接固着しても良く、又、
連結部全体をアルミ等の押出しにて作製しても良
いことは云うまでもない。

１１はゴムバツキンであつて屋根板膨脹から生
じる伸長に対処するための装入奥行き調整材であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は分解斜視図。第２図は、連結状態の断
面斜視図。 １……捨て板、２……突条、３……係合段、４
……屋根板、５……連結部材、６……下板、７…
…上板、８……カバ−板、１０……屋根板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に係合段３が突設し、その両側に突条が設
   けられている捨て板１と、この係合段の裏面凹部
   が被さり係合し得る凹部６ｃを有し、且つ、前記
   捨て板１の突条間の幅よりも広い幅を有する下板
   ６、およびこの下板に中央にて固着し、且つ両側
   縁方向が相互に平行に、且つ間隔を有しているカ
   バ−板８とから成る連結部材の下板６とカバ−板
   ８との間に側方より屋根板の端縁が差し込まれて
   いる屋根板の連結構造。