JPH028020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は屋根の軒裏天井面とボード等の外壁
との接合部に取付し、その接合部を美麗に施工す
ると共に水切り及び通気等を確実にすることを目
的とした軒裏見切縁に関する。

従来この種の軒裏天井面と見切縁との施工は非
常に複雑で大変手間の係るものである。また、施
工には数種の部品が必要である欠点と、軒裏傾斜
面に適宜対応できる軒裏見切縁はなく、構造が複
雑のわりには仕上がりが美麗に出来ないと云う欠
点もある。

この考案は、このような従来の軒裏見切縁の持
つ欠点を改良せしめたものである。その主たる構
成とする所は、合成樹脂製よりなる軒裏見切縁を
長手方向の長辺と短辺との二辺を以つて構成す
る。その長辺と短辺との角部連接部分を軟質合成
樹脂製よりなる折曲自在の弾性可曲部を以つて一
体成型せしめる。また、長辺の長手方向には、天
井材挾持部と段部を設けて軒下との間に通気孔を
穿設した通気水平部を形成する。その天井材挾持
部には、内壁に弾性密接材と天井板の当受部を各
形成せしめる。更に、長辺の下面にモルタル仕上
用の境界突起と水切片を各突設してある。この考
案によると、軒裏の見切部分が大変に美麗に仕上
がると共に、施工が簡便であり、且つ水切りと通
気性が良好となる効果と、屋根勾配の緩急に対し
ても弾性可曲部が自由に対応できる効果がある。

次にこの考案の実施例を図面について説明する
と、軒下１７とラスボード１８等の外壁との交差
部に固定する軒裏見切縁Ａは、合成樹脂製よりな
る取付部となる長辺１と、短辺５との二辺より構
成される。この長辺１と短辺５との角部連接部分
に適宜の巾に軟質合成樹脂製よりなる折曲自在の
弾性可曲部６を一体に介在させてある。長辺２に
は、その長手方向に天井材挾持部２と、下向に折
曲した段部４と、多数の通気孔１１，１１…を穿
設した通気水平部３とを各々形成せしめてある。
天井材挾持部２には、屈曲片７によつて形成され
た相対向する内壁の一方に軟質合成樹脂製よりな
る弾性密接材９を一体に溶着すると共に、他方に
天井板１５を受ける当受部８を形成せしめてあ
る。また、該通気水平部３には下面にモルタル仕
上材２０の境いを示す境界突起１０を形成する。
該段部４の下面には、突出した水切片１２を形成
せしめてある。更に、長辺１の長手方向の端縁
と、短辺５の端縁とには各々所定間隔に亘つて釘
穴１３，１３…と釘穴１４，１４とが穿設される
ものである。符号１９は柱体を示し、２１は取付
用の打釘を示したものである。

この考案は上述の如き構成であり、今この用法
を説明すると、軒裏の化粧用の天井板１５を取付
するには、軒裏見切縁Ａを適宜傾斜した軒下１７
と柱体１９側の例えばラスボード等との壁面１８
に対して、長辺１と短辺５とを打釘２１，２１等
を以つて第１図に示す様に打付けし、長辺１の天
井材挾持部２の内部に天井板１５の端部を弾性密
接材９に抗して当受部７に対して押圧挿着せしめ
るものである。また、長辺１の下面に設けた境界
突起１０に沿つてラスボード１８等の表面に垂直
方向にモルタル等の仕上材２０を美麗に塗着する
ものである。

この考案によると、軒下勾配の緩急角度に対し
て自由に対応できる効果と、軒下の必要不可欠で
ある換気作用を確実に実施すると共に、軒裏の見
切縁が大変に美しく仕上がる優れた効果がある。
そして、合成樹脂製の軒裏見切縁は、長辺と短辺
との二辺を角部連接部分に於いて軟質合成樹脂製
の弾性可曲部によつて一体成型してあるから、製
作も容易で運搬、施工が大変に簡便となる効果を
有し、弾性可曲部の構成によつて、屋根及び軒裏
いかなる傾斜角度に対しても装着できる実用的な
効果がある。長辺の一方に設けた天井材挾持部に
よつては、化粧天井板の先端を容易に挿入挾持す
ると共に、弾性密接材と当受部とによつて、天井
板を強固に圧接し、且つ安定よく強靱化せしめる
効果がある。また、長辺に設けた段部によつて
は、軒下と軒裏見切縁との間に確実に空間部を形
成し、充分な通風効果を達成せしめ、更に、通気
孔を穿設した通気水平部によつて通気性を著しく
良好とする効果がある。また、長辺の下面に設け
たモルタル仕上用の境界突起と水切片とは、モル
タルの左官仕上げを敏速、良好とすると共に、仕
上がりが大変美麗となる効果と、水切片によつて
は、雨水の切れを良好として湿気等による腐敗を
確実に防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は便用
状態の全体を示す断面図、第２図は軒裏見切縁の
斜面図である。符号Ａは軒裏見切縁、１は長辺、
２は天井材挾持部、３は通気水平部、４は段部、
５は短辺、６は弾性可曲部、８は当受部、９は弾
性密接材、１０は境界突起、１１は通気孔、１２
は水切片、１５は天井材、２２は仕上材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒裏見切縁は長手方向の長辺と短辺との二辺よ
   り構成され、該長辺と短辺との角部連接部分を軟
   質合成樹脂製よりなる折曲自在の弾性可曲部を以
   つて一体成型せしめ、該長辺の長手方向には、天
   井材挾持部と段部を設けて通気孔を穿設した通気
   水平部を形成せしめ、該天井材挾持部には内壁に
   弾性密接材と天井板の当受部を各々形成せしめ、
   且つ該長辺の下面にモルタル仕上用の境界突起と
   水切片とを各々突設せしめた事を特徴とする軒裏
   見切縁。