JPH0242980B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工場生産された耐火壁材を張り付
ける耐火壁の施行方法に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、耐火壁を施行するには、天井ランナーと
床ランナーとに上下端を固定して多数本のスタツ
ドを建込んだのち、このスタツドを挾む両側にメ
タルラスを張り付け、そしてメタルラスに岩綿モ
ルタル等の耐火壁材を吹き付けながら耐火壁を形
成していた。

また、隣地の建築物等により屋外からメタルラ
スに耐火壁材を吹き付けることができない場合
は、屋内側から耐火壁材を吹き付けている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

耐火壁材の吹き付け以前に現場に耐火壁材の資
材を搬入し、次いで資材を配合して混練するの
で、準備に手数がかかると共に、混練機内の耐火
壁材が空になると吹き付けが中断する問題があつ
た。

また、隣地建築物の火災にともない屋外壁に熱
を受けると、メタルラスが溶断し、そして屋外壁
の支持力が弱まるので、屋外壁が崩壊する問題が
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この発明は天
井と床とに上下端を支持させて左右に所定の間隔
を存したスタツドを並列状に建込み、そして前記
各スタツドの屋外面所定位置にタツピングネジの
挿通孔を有するプレートを適宜の方法で固定した
のち、金属板と、この金属板の両面に貼り付け１
体化した耐火ボードとで構成してある外壁材を前
記プレートの挿通孔に貫通させて金属板にねじ込
むタツピングビスを介し順次張り付け、次いで前
記各スタツドの屋内面所定位置に支持具のプレー
トを適宜方法で取付けたのち、支持具のプレート
と、このプレートの表面に突出するＬ字状の係合
爪との間の下地耐火内壁板の上下縁を嵌め込み支
持させ、最後に下地耐火内壁板の表面にボードを
貼り合わせて耐火壁を構成したものである。

〔実施例〕

以下にこの発明の施工方法を添付図面に基づい
て説明する。

まず、耐火壁施工線上の天井面１と床面２とに
天井ランナー３及び床ランナー４をそれぞれ固定
（釘止め等により）したのち、この天井ランナー
３及び床ランナー４に上下端を嵌め込み支持させ
て左右に所定の間隔を存した多数本のスタツド５
を建込む。

次に、各スタツド５の屋外に位置する側壁６に
タツピングビスの挿通孔７を所要数設けてあるプ
レート８を取付ける。

プレート８の取付け方法は、プレート８に二本
の並行線が上下に位置するＨ字状の切込み９を入
れて、この切込み９の内側をプレート８の裏面側
に打ち出すと共に、片方の片に屈曲によりフツク
１０を設け、また残る片方の片に両端が片の先端
方向に向くコ字状の切込み１１を入れて、この切
込み１１の内側を打ち出して爪１２を設け、まず
スタツド５の側壁６の開口縁にフツク１０を係合
させたのち、この係合部分を支点として側壁６に
向けプレート８を回動させ、次いでハンマーによ
りプレート８を軽打するとスタツド５の側壁６と
主壁１３との間のコーナーにより爪１２が押し広
げられ、その後に主壁１３の凹入段部１４の側縁
に爪１２が合致して、前記凹入段部１４に押し広
げ解除した爪１２の先が嵌入係止するので、スタ
ツド５にプレート８が取付けられる。

しかして、金属板１５と、この金属板１５の両
面に接着剤或はステープルを介し貼り合わせ１体
化した耐火ボード１６とで構成した工場生産の外
壁材１７の裏側耐火ボード１６をプレート８に重
ね、そして挿通孔７から金属板１５にタツピング
ネジ１８をねじ込んで順次外壁材１７を張り付け
る。

なお、タツピングネジ１８の先端は、表側耐火
ボード１６内にとどまつている。

また、外壁材１７の周辺対向間隙には、耐火性
のある接着剤が充填されている。

外壁材１７の取付け後に各スタツド５の屋内に
位置する側壁６に内壁板１９の上下縁を支持する
支持具２０を取付ける。

上記の支持具２０は、金属製のプレート２１
と、このプレート２１に前記プレート８の取付け
方法と同様にスリツト９を入れて設けてあるフツ
ク１０と爪１１とを介し取付け、またプレート２
１には、プレート２１の下縁から上方に向けスリ
ツト２２を入れて前方に突出させた水平板２３
と、この水平板２３の先端縁から内方にスリツト
２４を入れて、このスリツト２４を挾む両側を上
下方向に屈曲した垂直板２５とが設けられてお
り、上向き垂直板２５の内側に内壁板１９の下縁
を嵌め込んで支持させると共に、水平板２３によ
り内壁板１９の下縁を受架し、また下向き垂直板
２５の内側に内壁板１９の上縁を嵌め込んで支持
させる。

然るのち、内壁板１９の表面にボード２６を重
ね合わせて固着する。

固着方法は、接着剤やステープル等を用いる。

なお、ボード２６の表面にクロス等を張り付け
たり、或は塗装して仕上げる。

〔効 果〕

以上のように、この発明に係る耐火壁の施工方
法によれば、スタツドの屋外に位置する側壁にフ
ツクと爪とを介しプレートを支持させ、そしてこ
のプレートの挿通孔にタツピングビスを挿通して
外壁材に前記タツピングビスをねじ込むので、隣
接地に建物があつても室内から外壁材を取付ける
ことができる。

また、外壁材は、金属板と、この金属板の両面
に貼り合わせ一体化した耐火ボードとで構成して
あるので、金属板にタツピングビスをねじ込んで
強固に取付けることができると共に、衝撃、遮音
並びに防犯性にすぐれた効果を発揮し、外部から
の熱を内側の耐火ボードにより室内に伝えること
がない。

さらに、スタツドの内側に位置する側壁に支持
具のプレートを取付け、そしてプレートの垂直板
により内壁板の上下縁を支持し、然るのち内壁板
にボードを貼り付けるので、垂直板が露出しな
い。

また、スタツドに直接外壁材及び内壁板が接触
しないので、層間変位の追従性があり、かつ遮音
性が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る耐火壁の施工方法を示す
もので、第１図は一部切欠正面図、第２図は同縦
断側面図、第３図は同上の要部を示す縦断拡大側
面図、第４図は同横断平面図、第５図は同上の分
解斜視図である。 １…天井面、２…床面、３…天井ランナー、４
…床ランナー、５…スタツド、６…側壁、７…挿
通孔、８…プレート、９…切込み、１０…フツ
ク、１１…切込み、１２…爪、１３…主壁、１４
…凹入段部、１５…スタツド、１６…耐火ボー
ド、１７…外壁材、１８…タツピングネジ、１９
…内壁板、２０…支持具、２１…プレート、２２
…スリツト、２３…水平板、２４…スリツト、２
５…垂直板、２６…ボード。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 天井と床とに上下端を支持させて左右に所定
   の間隔を存したスタツドを並列状に建て込み、そ
   して前記各スタツドの屋外面所定位置にタツピン
   グネジの挿通孔を有するプレートを適宜の方法で
   固定したのち、金属板と、この金属板の両面に貼
   り付け１体化した耐火ボードとで構成してある外
   壁材を前記プレートの挿通孔に貫通させて金属板
   にねじ込むタツピングビスを介し順次張り付け、
   次いで前記各スタツドの屋内面所定位置に支持具
   のプレートを適宜の方法で取付けたのち、支持具
   のプレートと、このプレートの表面に突出するＬ
   字状の係合爪との間に下地耐火内壁板の上下縁を
   嵌め込み支持させ、最後に下地耐火内壁板の表面
   にボードを貼り合わせたことを特徴とする耐火壁
   の施行方法。