JPH0242408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、内部に連結用の鉄板を埋設した複
数の板状のコンクリートブロツクを同時に成型す
ることができるようにしたコンクリートブロツク
成型用型枠に関するものであり、特に前記連結用
の鉄板のコンクリートブロツク内における位置決
めを正確になしうるようにしたものである。

〈従来の技術及びその問題点〉 従来よりいわゆる間知石と称する天然の構築材
料が存在したが、最近においてはこの間知石に代
るものとして同様の形状に人工的に成型した間知
ブロツクが使用されている。この間知ブロツクは
主として護岸構築用又は急斜面の土砂崩れを防止
するために使用されているのであるが、この種の
ブロツクは、いわゆる積みブロツクとも称するよ
うに、かなりの勾配をもつ積み工法を採用せざる
を得なかつた。ところが階段状に造成した地形の
斜面は、むしろ勾配をなくし、垂直に近い状態に
することが、その上の土地を広い範囲で有効利用
することができる、という見地から、実公昭57−
16917号公報に示すような数個の板状コンクリー
トブロツクを複合した擁壁ブロツクが開発されて
いる。ところがこの公報に示されているブロツ
ク、特に正面に位置するブロツクには、内部に第
４図に示すような鉄筋１２及び一部を露出せしめ
た連結用の鉄板１３が埋設する必要があつたた
め、従来は１枚のブロツクを１枚づつ、しかも前
記鉄筋１２や連結用の鉄板１３の位置決めするた
めに慎重に、きわめて非能率的な成型方法を強い
られていたのであつた。

〈問題点を解決するための手段〉 そこでこの考案は、方形状に形成し、内部に仕
切り体を有する型枠本体の外周四側縁を回動自在
に配設するとともに、相対向する二側縁のみを二
段階に回動する構造とし、そのうち型枠本体の底
板に近い側の曲折片に、出没自在なノツクピンを
配設して、複数のブロツクを同時に、かつ前記鉄
筋や連結用の鉄板をノツクピンで固定することに
よつて確実かつ正確に位置決めすることができる
ようにし、成型能率を高めることができるように
したものである。

〈実施例〉 次にこの考案にかかるコンクリートブロツク成
型用型枠の一実施例を図面にもとづいて述べる
と、１は型枠本体の底板であり、２はこの底板１
上に起立配設した仕切り体である。この底板１は
成型せんとするブロツクの正面を成型する作用を
営むものであり、したがつてこの正面の形状に対
応する形状に形成してある。３，４は前記底板１
の外周に回動自在に配設した側板であり、このう
ち側板３の上端にバツクル５を配設してある。ま
た他の互いに向き合う側板４は二段階に回動する
構造としてあり、このうち型枠本体の底板１に近
い側の曲折片６には型枠本体の内部方向に出没す
るノツクピン７を配設してある。このノツクピン
７は後述する連結用の鉄板の位置決めをするため
のものであるが、そのためにこの連結用の鉄板に
穿設した連結孔の位置に合致すべき部分に、ノツ
クピン７も位置するように構成されている。また
このノツクピン７は、前記のように出没自在に構
成してあるが、成型時においては、このノツクピ
ン７を型枠本体の内部に突出させ、かつ固定する
必要があり、そのためにこの曲折片６に係合片８
を形成せしめておき、かつ前記ノツクピン７の端
部にも、この係合片８と係脱自在な小プレート９
を配設してある。またこの側板４の上方、すなわ
ち型枠本体の底板１から遠い方向にある他の曲折
片６′には、ハンドル１０及び前記側板３に配設
したバツクル５と係合する引掛片１１を配設して
ある。

〈作用〉 しかしてこれによつてブロツクを成型する際に
は次のように行う。

まずブロツクに埋設する鉄筋１２及び連結用の
鉄板１３については第４図を参照されたい。この
ように鉄筋１２及び連結用の鉄板１３が埋設され
るブロツク１４は第５図に示すものであり、鉄筋
１２に連結用の鉄板１３が第４図のような状態に
おいて固定されている。この固定については一般
に行う方法によつて溶接すればよいのであるが、
連結用の鉄板１３の端部が直角に曲折して形成さ
れ、この端部に連結孔１５が穿設されている。そ
して成型後はこの連結孔１５の部分がブロツク１
４の外表に突出するのである。

そこで前記型枠本体においてすべての側板３，
４を開いて前記連結用の鉄板１３付きの鉄筋１２
を各仕切り体２によつて仕切られた範囲に連結用
の鉄板１３の曲折端部が上面になるように型枠本
体の底板１の上にセツトする。その後、側板４を
回動せしめる。そしてこの側板４のノツクピン７
を突出させて前記連結用の鉄板１３の連結孔１５
に挿し込み、かつこのノツクピン７を小プレート
９及び係合片８によつて固定する。これによつて
鉄筋１２は型枠本体内に固定されることになり、
さらに他の側板３を回動させ、バツクル５を引掛
片１１に連結させて、側板３，４全体の固定を図
る。そして上方からこの型枠本体内にコンクリー
トを流し込み、成型し、一定の養生後ブロツク１
４を脱型する。

脱型する場合には、さきとは逆に、バツクル５
を外し、側板３を外方に回動せしめるとともに、
他の側板４のノツクピン７を小プレート９及び係
合片８の固定を解除しつつ抜くように外方に移動
し、すなわちノツクピン７と連結用の鉄板１３の
連結孔１５との連結を解除せしめて、この側板４
を外方に回動せしめる。このことにより、成型さ
れたブロツク１４を型内から取出すことができ
る。尚、この場合、例えば側板３を外方に回動せ
しめたときに、型枠本体の底板１が仕切り体２部
分において分割され、かつこれらが僅かな間隔分
のみ移動するように構成すると、ブロツク１４は
この仕切り体２からも剥離され、その脱型はより
一層容易になる。

〈考案の効果〉 前記のようにこの考案にかかるコンクリートブ
ロツク成型用型枠によれば、きわめて安定した状
態で、かつ能率的に、しかも連結用の鉄板を正確
な位置決めを行うことが可能となり、さらに量産
性も向上するという効果を有するのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案にかかるコンクリートブロツク
成型用型枠の一実施例を示すものであり、第１図
は斜視図、第２図は開いた状態の斜視図、第３図
は鉄筋の斜視図、第４図イはブロツクの正面側か
らみた斜視図、同ロはブロツクの背面側からみた
斜視図である。 １……底板、２……仕切り体、３，４……側
板、５……バツクル、６，６′……曲折片、７…
…ノツクピン、８……係合片、９……小プレー
ト、１０……ハンドル、１１……引掛片、１２…
…鉄筋、１３……連結用の鉄板、１４……ブロツ
ク、１５……連結孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形状に形成し、内部に仕切り体を有する型枠
   本体の外周四側縁を回動自在に配設するととも
   に、相対向する二側縁のみを二段階に回動する構
   造とし、そのうち型枠本体の底板に近い側の曲折
   片に、出没自在なノツクピンを配設したことを特
   徴とするコンクリートブロツク成型用型枠。