JPH0232986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は下方から作動する予備グリツパを有す
る自動給紙式輪転印刷機に関する。この自動給紙
式輪転印刷機は１またはそれ以上の印刷装置から
なり、第１の印刷装置の前方に紙差台が配置さ
れ、紙は予備グリツパによつて紙差台から取り去
られ、印刷機速度に加速され、給紙胴に受け渡さ
れる。

ドイツ民主共和国特許第122239号明細書によつ
て、下方から作動する揺動式予備グリツパにより
紙差台から紙が取り去られ、給紙胴の紙把持部材
に受け渡される形式の印刷機は公知である。この
印刷機では紙差台と給紙胴は、紙差台の平面が給
紙胴と交叉するように相互に向かい合わせて配置
する。給差台と給紙胴のこのような配置の場合、
紙が紙差台から下方に引張られ、給紙胴の著しく
彎曲した円軌道上を導かれる。しかし、運び去ら
れる紙の前端縁が紙差台の平面の下方に位置する
前当ての軌道との交点を通過したときに初めて前
当てが紙差台の紙差基準線の方に旋転して戻るこ
とができる。そのため、このような紙差台の配置
は、前当てが回転して戻る時点に不利となるので
紙の縁を揃えるサイクル時間が制限される。しか
し紙揃え時間が短かいことは、特に機械の回転数
が大きい場合、紙揃え精度と品質に合つた紙の印
刷に欠点をもたらす。

本発明の目的は、紙差台における紙揃えのため
に利用できる回転角を大きくすることによつて、
本来印刷が行われるところ、すなわち圧胴とゴム
胴との間に形成される押圧接触領域に入る際の紙
の位置決め精度が高く、従つ印刷品質の改良が保
障される下方から作動する予備グリツパを有する
自動給紙式輪転印刷機を提供することである。

本発明の課題は、短かい紙軌道での紙の供給を
保障する位置を紙差台が給紙胴に対して取り、か
つ、予備グリツパによつて導かれる紙の前端縁の
軌道が前当ての軌道と交叉する交点が紙差台平面
の上方にある下方から作動する予備グリツパを有
する自動給紙式輪転印刷機を提供することであ
る。

本発明によれば、この課題は空間的に給紙胴の
周縁とある距離を有する平面に紙差台が給紙胴に
対して位置するようにすることによつて解決され
る。

予備グリツパは駆動揺動腕と、この駆動揺動腕
に回転自在に配置したグリツパリンク対を支承し
付加的な運動を行う三腕レバーとからなり、この
三腕レバーの第２の腕をグリツパリンク対として
形成している。

三腕レバーの第３の腕には、揺動カム上を転動
するカム従節を配置する。揺動カムは機械フレー
ムに揺動自在に配置される。

三腕レバーの第１の腕にはローラレバーに固着
したグリツパを配置する。ローラレバーにはカム
ロールを固定し、このカムロールは機械フレーム
に同様に揺動自在に取り付けたグリツパカム上を
転動する。

紙差台を給紙胴に対し前述のように配置するこ
とは、紙差台における紙差基準線が運び去られる
紙から迅速に取り除かれるという利点をもたら
す。これは、前当てが小さな回転角で次の紙の縁
を揃えるために再び紙差基準線に回転して戻るこ
とができることを意味する。従つて、紙の縁を揃
えるのに大きな回転角を利用でき、これによつて
印刷機の回転数が大きい場合でも紙の縁を正確に
揃えることが可能となる。

さらに、前当ては旋転するのに小さな揺動角を
要するに過ぎず、そのため加速、従つて慣性力も
僅少となる。

短かい紙の軌道は幅の広い印刷材料パレツトを
加工するのに有利に作用する。

次に図面の実施例につき本発明に詳述する。

第１図は圧胴２、ゴム胴、版胴４、給紙胴５お
よび予備グリツパ６ならびに紙差台７からなる自
動給紙式輪転印刷機の給紙印刷装置１の側面図を
示す。

紙差台７には紙の側面揃え装置８および前当て
９を配置する。給紙胴５および圧胴２は挾持グリ
ツパ１０を備えている。

第２図において、予備グリツパ６は駆動揺動腕
１１からなり、この揺動腕１１は機械フレームに
取り付けた軸１２と固着され、また、この揺動腕
１１に三腕レバー１３を回動自在に配設してあ
る。三腕レバー１３は第１の腕１３．１、第２の
腕１３．２および第３の腕１３．３からなる。第
１の腕１３．１にはグリツパ１５を固着したグリ
ツパ軸１４と、カムローラ１７を有するローラレ
バー１６を配置し、第２の腕１３．２は同時にグ
リツパリンク節として形成され、第３の腕１３．
３はベルクランクとして形成され、カム従節１９
を収容するための軸受ボルト１８を有する。第１
の引張りばね２０がグリツパカム２２に抗してカ
ムローラ１７を引張り、このグリツパカム２２は
支持具２１に固定され、この支持具２１と共に軸
１２の周囲を揺動する。

グリツパカム２２およびその駆動装置は公知で
あり、例えばドイツ民主共和国特許第122239号明
細書に示されているので、ここでは詳述しない。

三腕レバー１３の第３の腕１３．３に配置する
カム従節１９は揺動カム２３と協働し、この揺動
カム２３は機械フレームに固定したボルト２４に
枢動自在に配置される。揺動カム２３はレバー２
５の上方に公知の駆動装置を備えている。揺動カ
ム２３のカム輪郭は直線状に延びる円弧として紙
差台７の範囲に形成される。軸受ボルト１８には
第２の引張りばね２６を設け、その他端部を軸１
２に固着したレバー腕２７に固定する。

第４図に予備グリツパ６の駆動装置を示す。こ
の駆動装置は給紙胴５と同心状に配置した駆動カ
ム２８、この駆動カム２８の起動上を回動する駆
動カムローラ２９、機械フレームに取り付けら
れ、その１つの腕にカムローラ２９を回転自在に
収容するベルクランク状のローラレバー３０、こ
のベルクランク状と回転自在に結合したリンク３
１および軸１２を介して駆動揺動腕１１に固着さ
れ、リンク３１と回転自在に結合した被動レバー
３２からなる。

カムローラ２９は、ばね３３によつてカム２８
に抗して引張られる。

第３図は予備グリツパ６の制御機構の他の実施
例を示す。この実施例によれば、揺動カム２３は
上下運動を行わず、揺動カム２３全体がボルト２
４の周囲を揺動する。揺動カム２３およびグリツ
パカム２２は第２図に示した実施形式とは異なる
カム輪郭を有する。

本発明装置の作動方法は次の通りである。紙差
台７に紙３４を段状に供給し、前当て９で紙の前
端縁を揃え、次いで側面揃え装置８によつて側縁
を揃える。紙３４を揃えた後、前当て９を紙差台
７から旋転して外す。その際、前当て９の先端は
第５図に示した軌道３６を描く。前当て９によつ
て紙３４を解放した後、この紙３４が前当て９で
静止状態にある間に紙３４を捕えた予備グリツパ
６によつて紙３４を加速し、給紙胴５に受け渡
す。給紙胴５から圧胴２の挾持グリツパ１０に紙
３４が送られ、次いで印刷される。紙が印刷機械
に送られている間、紙３４の前端縁は第２図およ
び第３図に示した紙の軌道３７上に導かれる。紙
の軌道３７と前当て９の軌道３６の交点３８は紙
差台７の平面の上方にある（第５図参照）。

予備グリツパ６の運動ならびにその制御は次の
ように行われる。

給紙胴５と共に回転する駆動カム２８、カムロ
ーラ２９、ベルクランク状のローラレバー３０、
リンク３１および被動レバー３２を介して駆動揺
動腕１１に駆動カム２８のカム輪郭曲線に対応し
て揺動が与えられる。さらに、この揺動は駆動揺
動腕１１と回転自在に結合した三腕レバー１３な
らびにグリツパリンク節として形成した三腕レバ
ー１３の第２の腕およびグリツパ軸１４、グリツ
パ１５ならびにカムローラ１７を有するローラレ
バー１６およびレバー２７に与えられる。

予備グリツパ６（第６，１図）、グリツパカム
ローラ２２（第６，２図）、グリツパ１５の、グ
リツパリンク節として形成した三腕レバー１３の
第２の腕１３．２（第６，３図）および揺動カム
２３（第６，４図）の運動は第６図の図表に表わ
されている。この図表は360度の回転に相当する
機械行程を示したものである。

第６図から明らかなように、予備グリツパ６の
揺動は、紙差台７における「紙を受け取る」位置
に短時間係止することによつてのみ中断する。

このような作業位置（第２図および第３図に破
線で示す）でグリツパカムローラ２２は時計方向
に揺動し、紙３４はグリツパ１５によつてグリツ
パ１５上にグリツパリンク節１３．２に挾まれ
る。

この位置で揺動カム２３は第２図に実線で示し
た下方の位置にある。

紙が把持された後、予備グリツパ６は運び去ら
れる紙３４．１と共に駆動揺動腕１１、軸１２お
よび三腕レバー１３が「紙の受渡し」を行う作業
位置（第２図および第３図に実線で示す）に揺動
し、ここで紙３４．１は印刷機の速度に達し、給
紙胴５に受け渡される。給紙胴５によつて引き取
られた後、予備グリツパ６のグリツパ１５が開
き、紙３４．１をさらに給紙胴５によつて運搬す
るためにこの紙を解放する「紙の引取り」を行う
作業位置と「紙の受渡し」を行う作業位置の間の
運動段階で揺動カム２３は下方位置にある。その
際、紙３４．１はグリツパリンク節１３．２の上
方軌道３７．１を動き、この軌道３７．１は予備
グリツパ６の揺動カム従節１９が揺動カム２３の
円弧部分上を転動することによつて生じる三腕ア
ーム１３の運動と重なり合うことによつて形成さ
れる。

紙の受渡しが行われた後、グリツパ１５は、そ
の解放運動によつて加速されて、給紙胴５の運動
によつて決定される紙の軌道から外れ、予備グリ
ツパ６は「運動反転」の作業位置（第２図および
第３図に鎖線で示す）で速度零まで減速される。
同時に揺動カム２３は上方位置（第２図に鎖線で
示す）に旋転され、その際、カム従節１９は常に
揺動カム２３上を転動する。

揺動カム２３の揺動運動カム従節１９が揺動カ
ム２３上を転動する転動運動の重なりは「紙の受
渡し」―「運動反転」―「紙の受渡／戻り」の運
動段階での三腕レバー１３の制御には極めて僅か
な影響を与えるに過ぎない。

「運動反転」の位置から予備グリツパ６は、作
業位置である「紙の受渡し」位置へ再び戻り、こ
の戻り段階の間にグリツパ１５の先端は下方軌道
３７．２に沿つて移動する。

「紙の受渡し」を行う作業位置に達する直前
に、揺動カム２３は下方位置に旋転し、そのため
グリツパリンク節１３．２は予備グリツパ６によ
つて把持することのできる紙３４．２の下方に来
る。

第３図の実施例の予備グリツパ６の制御は第２
図で予備グリツパ６の制御するのと同様に行う。
第３図で、紙差台７において「紙の受渡し」を行
う直前にグリツパリンク節１３．２の上方軌道３
７．１からずれるグリツパリンク節の下方軌道３
７．２を辿る上で単に相違があるに過ぎない。こ
れは、本実施例では予備グリツパ６が戻る際に、
グリツパリンク節１３．２が給紙胴５および運び
去られた紙３４．１の近くを通過することを意味
する。グリツパ軸１４を中心とするグリツパ１５
の運動を惹起するグリツパカム２２の運動につい
ては公知であるので、ここでは詳述しない。

予備グリツパ６は、本実施例の場合、グリツパ
１５を備えている。しかし、吸引式グリツパによ
つて紙を機械に送ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は紙差台を有する印刷機の印刷装置を示
す図、第２図はグリツパおよびグリツパ用制御機
構を有する予備グリツパを示す図、第３図は予備
グリツパ用制御機構の他の実施例を示す第２図と
同様の図、第４図は予備グリツパの駆動装置を示
す図、第５図は紙および前当ての運動軌道を示す
図、第６図は予備グリツパおよびその制御機構の
運動を示す図表である。 ２…圧胴、５…給紙胴、６…予備グリツパ、７
…紙差台、１１…駆動揺動腕、１３…三腕レバ
ー、１４…グリツパ軸、１５…グリツパ、１６…
ローラレバー、１７…カムローラ、１９…カム従
節、２２…グリツパカム、２３…揺動カム、２８
…駆動カム、２９…カムローラ、３０…ローラレ
バー、３１…リンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧胴と、該圧胴と協働する給紙胴と、該給紙
   胴の下方に配置され前記給紙胴の周囲と距離を置
   き離れる方向に配向する面内で延びかつ排出部を
   有する紙差台と、前記給紙胴の下方に配置され前
   記排出部から枚葉紙を把持して前記給紙胴の方へ
   上方に送る予備グリツパとを備え、該予備グリツ
   パは、グリツパカムと、揺動カムと、駆動揺動腕
   と、該駆動揺動腕上に枢支された三腕レバーと、
   該三腕レバーの第１の腕に枢支されたグリツパ
   と、前記揺動カムと協働し前記グリツパカムの動
   きを制御するカムローラと、前記三腕レバーの第
   ３の腕上に回転自在に支持され前記揺動カムと協
   働するカム従節とを備えた自動給紙式輪転印刷
   機。 ２ 前記カム従節が前記第３の腕に枢動自在に接
   続されたレバー上に配置され、かつ前記カム従節
   を前記揺動カムに接触させるばねを備えた特許請
   求の第１項に記載の自動給紙式輪転印刷機。 ３ 前記揺動カムが固定点を中心に揺動するよう
   に支持された特許請求の範囲第１項に記載の自動
   給紙式輪転印刷機。 ４ 前記駆動揺動腕の駆動装置を備え、該駆動装
   置は前記給紙胴に接続されて共に回転する駆動カ
   ムと、ばねで付勢されて前記駆動カムに当接され
   た駆動カムローラと、該駆動カムローラを前記駆
   動揺動腕に結合させるリンクとを有する特許請求
   の範囲第１項に記載の自動給紙式輪転印刷機。 ５ 前記紙差台の排出部に設けられた前当てを有
   し、該前当ては、前記排出部の前端縁の下方の枢
   動点を中心に回転するように支持され、かつ彎曲
   軌道に沿つて移動し、該彎曲軌道の半径は前記予
   備グリツパの運動軌道の曲率半径よりも短く、前
   記紙差台の前記面の上方の点において前記予備グ
   リツパの運動軌道と交叉する特許請求の範囲第１
   項に記載の自動給紙式輪転印刷機。 ６ 前記グリツパカムおよび揺動カムが前記駆動
   揺動腕と共に前記予備グリツパの開閉を制御する
   特許請求の範囲第１項に記載の自動給紙式輪転印
   刷機。