JPH0228054B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明は、被加熱を誘電加熱する高周波加熱装
置などの加熱調理器のタイマーの改善に関するも
のである。 従来例の構成とその問題点 従来の例えば高周波加熱装置である加熱調理器
は、食品などの被加熱物のみを誘電加熱するの
で、加熱効率がよく迅速な加熱が可能な為、非常
に便利な加熱調理器である。また調理のメニユー
によつては、解凍や卵調理、煮込み料理のような
長時間とろ火による加熱調理時に、高周波出力を
制御し、低出力で長時間加熱する事も可能であ
り、出力切換付の高周波加熱装置も従来の製品に
取り入れられており、それなりの効果を発揮して
いる。特に煮込み料理等は低出力で非常に長時間
加熱する為、加熱時間設定も長時間にならざるを
得ない。例えば通常の500W若しくは600W程度の
高周波出力による誘電加熱であれば、15分〜20分
程度の時間設定ができればまず満足できるのであ
るが、煮込み料理となると通常の約1/3程度の高
周波出力で加熱するので、１時間程度の加熱時間
設定が必要となるため、従来の15〜20分程度の時
間設定しかできないものであれば非常に不便であ
る。この例として、第１図に示す如く加熱室１内
の回転載置台２に被加熱物（図示せず）を載せ、
ドア３を閉じた後、高出力用タイマ４を、被加熱
物の種類及び大きさ（重量）によりメニユー表５
に合せて加熱時間を設定し、作動釦６を押して調
理を開始し、高出力用タイマ４が切れると加熱調
理が終了する構成であつた。 そこで通常の加熱調理に使用するタイムスイツ
チと煮込み料理用の長時間設定の可能なタイムス
イツチとを設けなければならなかつた。 この例として第２図に示すものがある。これは
高周波出力の切替えがあるもので、タイムスイツ
チは高出力用タイマ４と低出力用タイマ７とがあ
り、高出力時は高出力用タイマで加熱時間を設定
し、低出力時の煮込み等の場合は、低出力用タイ
マ７により加熱時間設定を行なうものであつた。 第３図はこの回路を示すもので、低出力用タイ
マ７が操作されるとタイムスイツチ８が入り、低
出力用タイマモータ９が回転をはじめる。このと
きタイムスイツチ８はもちろん時間がくるまでず
つと閉成されたままである。 上記問題を解決するため、タイマ１個で短時間
や長時間も設定可能な加熱時間設定装置であり、
加熱時間設定動作後タイマーが動作した後軸の回
転速度が自動的に途中で変わるいわゆる２つのス
ピードがあるということで２スピードタイマー１
０を採用したものがある。これは、第４図に示す
ように約20分程度で時間設定を区切り、20分迄は
大きな目盛で容易に短時間設定が可能で、20分を
超える点から動作時間表示目盛であるタイマー目
盛が小さくなり、長時間設定が可能なようにタイ
ムスイツチの動作速度を切換釦１３で可変にする
ことができる。 しかし、このような構成からなる加熱調理器
は、タイマーモータの動作速度が可変する時、構
造的にタイムラグが発生する事及び動作速度が可
変するタイムスイツチの指針１１の角度と２スピ
ードタイマ１０の目盛１２との誤差により設定目
盛に対して２〜５分程度のばらつきが生じてくる
もので、前述したように加熱時間のばらつきによ
る調理のでき具合いが悪くなつてしまうものであ
る。 また構造的に１スビードタイマに比べ非常に複
雑になるため、部品のコストもタイマを２ヶ使用
した際と殆んど変らなくなるばかりでなく、品質
的にも構造が複雑になるため不利であり、メリツ
トは設計上省スペースになるという事だけであつ
た。 発明の目的 本発明は上記従来の欠点を解消するもので、タ
イマーの軸の回転速度が１つのスピードであるタ
イマーを用いて、簡単な構成で用途に応じて設定
時間が時間経過する途中でタイマーの軸のスピー
ドが可変するタイマーにすることが可能で、品質
的にも安定した使い勝手の良い加熱調理器のタイ
マーの提供を目的とするものである。 発明の構成 上記目的を達成するために、本発明の加熱調理
器は、被加熱物を収容する加熱室と、加熱室内の
被加熱物の加熱手段の入力を断続して加熱出力を
可変する断続手段と、加熱手段の動作時間を設定
する加熱時間設定装置である電動タイマーと、電
動タイマーの軸と、電動タイマーの軸の周囲に設
けかつ加熱手段の動作時間を設定するとともに軸
の回転角度当たりの設定時間が少なくとも途中で
変わる設定タイマー目盛と、電動タイマーのモー
タのスピードを可変するスピード可変装置と、軸
の回転角度当たりの設定時間がタイマー目盛の途
中で切り替わる軸の角度を検出するべく軸に装着
されたカムと、カムによつて動作する角度検出切
替スイツチとを備え、カムの直径を少なくとも設
定タイマー目盛の直径の1/2以上の寸法とする構
成であり、軸に装着されたタイマーのツマミの指
針をタイマー目盛に合せようとする時、タイマー
のツマミの指針の合わせる直径と、カムの外形が
ほぼ近い寸法となつているので、タイマーのツマ
ミの指針の合わせる時の合わせ易さそのものの状
態が、カムとスイツチとの関係となり、結果とし
て、スイツチの取り付けの際にも、さほどむつか
しい取り付け精度を要求しなくても充分取り付け
精度がでるし、加熱時間設定後の角度切替スイツ
チが動作する時間精度も充分にあるし、かつ、た
とえ少々カムが取り付け精度悪く取り付けたとし
ても、取り付けた当初に、動作確認さえしておけ
ば、その後の使用に対しても、充分に信頼性や耐
久性が確保出来るのであるという効果を有するも
のである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を第５図から第８図に基
づいて説明する。 なお、従来例と同じ部材については同一符号を
付して説明する。 第５図において、１４は加熱室の開口部に設け
られたドアの介に連動するドアスイツチ、１０は
被加熱物の加熱手段である例えば高周波発生装置
（図示せず）の動作時間を設定する加熱時間設定
装置の一例として用いた２スピードのタイマであ
る。１５加熱室内照明用のランプ、１６は高周波
発生装置を冷却するフアンモータ、１７は加熱室
内に収められた被加熱物を回転させる回転載置台
駆動用モータである。８は第６図に示すタイマー
の操作部であるタイマーつまみ１８をまわすこと
により閉成するタイムスイツチで、加熱時間をタ
イマーつまみ１８で高加熱出力、即ち０〜200°の
範囲にセツトすると、第７図に示すタイマー軸１
９に設けられたカム２０の回転によりスイツチ２
１が接点イ側へ接続され、外部操作で強火側の切
換釦を選択し作動釦を押すと、スイツチ２１，２
２が閉成し、スイツチ２３が接点イ側に接続さ
れ、タイマーモータ１０に電源が継続的に通電さ
れるとともにトランス２４の二次側に設けられた
高周波発生装置から加熱室内へ高周波が放射され
る。 また第６図においてタイマーつまみ１８で低加
熱出力、即ち200〜300°の範囲に加熱時間をセツ
トすると、第７図のタイマー軸１９に設けられた
カム２０でスイツチ２１が第５図接点ロ側へ接続
され、駆動用のモータ１７に設けられたカムの作
用で断続スイツチ２５によりタイマーモータ１０
の電源がオン、オフされ、高周波発生装置の動作
時間を制御することができるとともに、加熱時間
を長く設定することが可能となる。 また第６図のタイマーつまみ１８の周囲に設け
られた動作時間表示目盛であるタイマー目盛１２
は、高加熱出力の20分（０〜200°）までが１分を
10°とし、低加熱出力30分から120分（200°〜300°）
を１分が1°としているため、高加熱出力による時
間設定をより正確に行うことができる。 第８図は２スピードのタイマの構成を示すもの
で、タイマー軸１９に設けられたカム２０の径l_C
は、タイマーつまみ１８の周囲に位置し、タイマ
ー取付板２６に設けられたタイマー目盛１２の径
l_Tの少なくとも1/2以上にすることが望ましい。
このカム２０の径l_Cをタイマー目盛１２の径l_Tの
１／２以上にすると、実際に調理面でタイマの精度
が損われ、良好な加熱調理を行うことができない
なくなる。 このように本実施例の加熱調理器によれば、１
スピードのタイマを簡単な構成で使用目的に応じ
た２スピードタイマにしたことにより、品質、性
能ともに安定した使い勝手のよい加熱調理器を安
価に提供することができる。 また１つのタイマを２スピードのタイマとした
ことにより、取付スペース及び組立作業工数の削
減が図れ、しかもタイマーモータ１０の電源は、
タイマー軸１９に設けられたカム２０も及び回転
載置台駆動用のモータ１７に設けられたカムで動
作する断続スイツチ２５によりオン、オフさせる
構成であるため、タイマー目盛１２を任意に設計
することが可能である。 またタイマーモータ１０の回転スピードの切換
は、タイマー軸１９に設けられたカム２０と連動
するスイツチ２１で行い、しかもカム２０の径l_C
をタイマー目盛１２の径l_Tの1/2以上の大きさで
構成したことにより、軸に装着されたタイマーの
ツマミの指針をタイマー目盛に合わせようとする
時、タイマーのツマミの指針の合わせる直径と、
カムの外形がほぼ近い寸法となつているので、タ
イマーのツマミの指針の合わせる時の合わせ易さ
そのものの状態が、カムとスイツチとの関係とな
り、結果として、スイツチの取付けの際にも、さ
ほどむつかしい取り付け精度を要求しなくても充
分取り付け精度がでるし、加熱時間設定後の角度
切替スイツチが動作する時間精度も充分にある
し、かつ、たとえ少々カムが取り付け精度悪く取
り付けたとしても、取り付けた当初に、動作確認
さえしておけば、その後の使用に対しても、充分
に信頼性や耐久性が確保できるのである。 更にタイマー目盛１２の０〜20分の範囲を、１
分を10°としたことにより、調理時間の設定がし
やすく、断続スイツチ２５を利用すれば下記のよ
うな調理方法ができるので大変に便利である。

【表】 発明の効果 構成したことにより、軸に装着されたタイマー
のツマミの指針をタイマー目盛に合わせようとす
る時、タイマーのツマミの指針の合わせる直径
と、カムの外形がほぼ近い寸法となつているの
で、タイマーのツマミの指針の合わせる時の合わ
せ易さそのものの状態が、カムとスイツチとの関
係となり、結果として、スイツチの取り付けの際
にも、さほどむつかしい取り付け精度を要求しな
くても充分取り付け精度がでるし、加熱時間設定
後の角度切替スイツチが動作する時間精度も充分
にあるし、かつ、たとえ少々カムが取り付け精度
悪く取り付けたとしても、取り付けた当初に、動
作確認さえしておけば、その後の使用に対して
も、充分に信頼性や耐久性が確保できるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例である加熱調理器の正
面図、第３図は同第２図の加熱調理器の電気回路
図、第４図は他の従来例である加熱調理器の正面
図、第５図は本発明の一実施例である加熱調理器
電気回路図、第６図は同タイマの操作部を示す正
面図、第７図は同タイマの要部を示す斜視図、第
８図は同タイマの構成を示す側面図である。 １……加熱室、１０……２スピードのタイマー
モータ（加熱時間設定装置）、２０……カム、２
１……スイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室内
   の被加熱物の加熱手段の入力を断続して加熱出力
   を可変する断続手段と、前記加熱手段の動作時間
   を設定する加熱時間設定装置である電動タイマー
   と、前記電動タイマーの軸と、前記電動タイマー
   の軸の周囲に設けかつ加熱手段の動作時間を設定
   するとともに軸の回転角度当たりの設定時間が少
   なくとも途中で変わる設定タイマー目盛と、前記
   電動タイマーのモータのスピードを可変するスピ
   ード可変装置と、前記軸の回転角度当たりの設定
   時間がタイマー目盛の途中で切り替わる軸の角度
   を検出するべく軸に装着されたカムと、前記カム
   によつて動作する角度検出切替スイツチとを備
   え、前記カムの直径を少なくとも設定タイマー目
   盛の直径の1/2以上とするとともに、前記角度検
   出切替スイツチが切り替わると前記スピード可変
   装置に直列接続される構成とした加熱調理器。 ２ スピード可変装置は、タイマーモータの電源
   に接続される構成とした特許請求の範囲第１項記
   載の加熱調理器。