JPH0224819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、壁パネル用接合ピースに関し、例
えば既設の建物本体側に対しその内・外等に居室
その他の空間を増改築する場合壁パネルの標準型
をそのまま流用して完成できると共に従来のよう
に縦横に長さの違う一本通し型接合材によらずピ
ースでもつてパネル間を接合するから接合メンバ
ーを共通化することができしかも軽量で所要強度
も充足するピースによつて施工の能率化並びに耐
用度の要求にも充分応えうるように工夫されたも
のであり、特に変位が生じ易い外壁パネルの接合
に適する。

第１図はこの考案に係るピースを使用した場合
の増築例であるが、このように既設の建物本体１
側として柱２・梁３・桁４等を躯体として有する
ものに対し５……を増築方向に延伸させその下
部側周縁に複数枚の壁パネル６……を配列して増
築する場合、パネルを互いに接合する必要がでて
くるのであり、その場合パネルの通りとかコーナ
ーでの直角度の確保その他目地板介装間隔を確保
すると共に、外気温等の温度変化に対する膨張、
収縮による変位の逃げや、地震や台風の風圧によ
る変位の逃げのため、パネル間に間隙を確保して
おく必要がある。

こうした要求がある訳であるが、従来法によれ
ば第２図に示す如く壁パネル６……相互の接合材
７として一本通し型の型剛を使用していた結果次
のような問題がでてきた。つまり、一本通しであ
ると縦横方向でパネル数が異なるため接合材７が
例えば縦方向で短く横方向で長くなつたりする結
果それに見合つた異寸法の型鋼を用意する必要が
あり、また一本通しであると材料的な無駄や施工
能率面での問題もある。それとは別に型鋼製接合
材７を使用すると当然乍らボルト・ナツト８，９
で固定する必要がでてくるのであり、この場合接
合材７の所定間隔にボルト孔１０……を形成しか
つ壁パネル６，６にも同じくボルト孔１０を開設
しておいて初めて可能となるものではなく、壁パ
ネル６に図示の如きナツト９挿入用の窓口１１，
１１を開設しておくことが必要であり、これは建
物本体１側に使用される所謂標準パネルの構成と
は違つた特殊パネルとなることを意味し、この限
りにおいて建物本体１側と増築側とは標準化を達
成できないのであり、それだけでなくその製作施
工は非常に煩わしいものとなつていた。

また壁パネル６の変位に対する逃げのために予
め必要な間隙を壁パネル６，６間に確保すべく、
接合材７と壁パネル６に夫々ボルト孔１０を形成
して所定巾の目地板１２で納まりを決める訳であ
るが、この場合のボルト孔１０……はボルト締付
け以前に設定されることから孔合わせが確実でな
く、しかもそのことから壁パネル６，６相互間の
間隔が所期目的通りに得られず、その結果巾の規
定された目地板１２をここにもつてくると最適状
態に納めることもできず調整・交換等の付加作業
が要求された。これらのことは第３図に示した出
隅コーナーにおいても同様である。

この考案はこうした観点からなされたものであ
り、従つてここに特徴とする処は、両壁パネル間
に間隙を有して所定巾の目地板を介装固定する木
質外枠製の両壁パネルの上端間を互いに接合する
ピースであつて、両壁パネル上端壁の相対応する
端部上に上方から添着する姿勢で両パネル間に渡
架されるピース上板壁と、該上板壁に対しコの字
枠状をなすべく一体折曲成形され両壁パネル上端
部内外両側壁に添着する一対のピース側板壁とを
有して所定長さに成形され、かつ両壁パネル間隔
を目地板介装に必要な納り寸法に規定する一体折
曲型ストツパをピース上板壁から下向きに突出し
て備えると共に両壁パネルに対し釘付け可能とし
た点にある。

以下、図示した実施例を参照してこの考案内容
を説明する。

第１図は前述したようにこの考案の一実施例を
示しこの場合建物本体１側外部に一定の居室空間
を増設するものを例示するが、勿論第４図の如く
建物本体１内部に構成する場合も考えている。

第５図乃至第９図はコーナー以外の個所を接合
するための構造例を示してあり、ここで６，６は
（外）壁パネルで外枠１３を矩形の木質材にて形
成すると共に内・外パネル板１４，１５を添着し
内部に断熱材１６を装填して構成されている。

この各壁パネル６，６は、土台（図示省略）上
に突設した下受台にパネル下端を溝嵌合した状態
で立て込み、両者間に次の特殊接合ピース１７を
上から被冠する。

このピース１７は、ピース上板壁１８と一対の
ピース側板壁１９，１９を一体化して偏平コの字
枠となし、この場合ピース上板壁１８は、両壁パ
ネル６，６上端壁の相対応する端部上に上方から
添着する姿勢で両パネル６，６間に渡架されるも
のとされ、またピース側板壁１９，１９について
は、上板壁１８に対しコの字枠状をなすべく一体
折曲成形され両壁パネル６，６上端部内外両側壁
に添着する関係とされる。ここで２０，２０は両
壁パネル６，６の間隔を目地板１２介装に必要な
納り寸法に規定する一体折曲型のストツパでピー
ス上板壁１８から下向きに突設されており、こう
した接合ピース１７を被冠しストツパ２０，２０
を壁パネル６，６内側面に当てた状態で数個所か
ら釘付けする。

コーナーに対しては第１０図乃至第１１図に例
示する如く接合ピース１７をコーナーに見合つた
直角Ｌ型状となし各パネル端面に当るストツパ２
０，２０を同様な折返し手段でもつて形成する。
この場合直角とあるのは、壁パネル６，６相互の
組付け角に応じて変更されるものである。またこ
の構造は入隅コーナーにおいても適用できる。

この考案は以上のように構成したので、例えば
既設の建物本体側に対しその内・外等に居室その
他の空間を増改築する場合などに壁パネルの標準
型をそのまま流用して完成できると共に従来のよ
うに縦横に長さの違う一本通し型接合材によらず
ピースでもつてパネル間を接合するから接合メン
バーを共通化することができしかも軽量で所要強
度も充足するピースによつて施工の能率化並びに
耐用度の要求にも充分応えうることとなつた。ま
た、下向きに突出されたストツパに両壁パネルの
側面を当てることにより、両壁パネル間に所定巾
の間隙が容易に確保でき、各壁パネルの変位に対
する逃げが良好に確保できる。そして温度変化に
よる膨張、収縮の度合が大きく、地震や台風の風
圧による影響を受け易い外壁パネルの接合に対
し、特に実用効果が大である。

尚、前記ストツパ２０，２０については第１２
図の如く折曲方向を第５図示とは直角の方向とな
すこともあり、この場合一対でなく単一片のみで
あつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のピースを使用し増築を図つ
た場合の斜視説明図、第２図は従来の接合構造例
を示した分解斜視図、第３図は出隅コーナーでの
従来例を示す横断平面図、第４図は建物本体内の
改築例を示す斜視説明図、第５図はこの考案ピー
スの一例を他との取合関係のもとに示す分解斜視
図、第６図は第７図−線断面矢視図、第７図
は第６図−線断面図、第８図は第７図−
線断面図、第９図は第７図−線断面図、第１
０図はコーナーについての実施例を示す分解斜視
図、第１１図はその横断面図、第１２図はストツ
パの変形案を示す斜視図である。 ６……壁パネル、１２……目地板、１７……接
合ピース、１８……ピース上板壁、１９……ピー
ス側板壁、２０……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両壁パネル間に間隙を有して所定巾の目地板を
   介装固定した木質外枠製の両壁パネルの上端間を
   互いに接合するピースであつて、両壁パネル上端
   壁の相対応する端部上に上方から添着する姿勢で
   両パネル間に渡架されるピース上板壁と、該上板
   壁に対しコの字枠状をなすべく一体折曲成形され
   両壁パネル上端部内外両側壁に添着する一対のピ
   ース側板壁とを有して所定長さに成形され、かつ
   両壁パネル間隔を目地板介装に必要な納り寸法に
   規定する一体折曲型ストツパをピース上板壁から
   下向きに突出して備えると共に両壁パネルに対し
   釘付け可能としたことを特徴とする壁パネル用接
   合ピース。