JPH0222701B2 - - Google Patents

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JPH0222701B2
JPH0222701B2 JP24224085A JP24224085A JPH0222701B2 JP H0222701 B2 JPH0222701 B2 JP H0222701B2 JP 24224085 A JP24224085 A JP 24224085A JP 24224085 A JP24224085 A JP 24224085A JP H0222701 B2 JPH0222701 B2 JP H0222701B2
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oxygen
iron powder
anion exchange
resin
basic anion
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Yasunobu Nasu
Taichi Ogishima
Akira Idei
Haruhiko Uchida
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SHIMADAYA HONTEN KK
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Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、新規な脱酸素剤に関し、その目的は
従来の脱酸素剤と同様、食品の腐敗やカビ発生の
防止又は酸化や虫害の防止、衣類の虫害やカビ発
生の防止、金属製品のサビ防止、その他易酸化性
物質の酸化防止等に供しようとするものである。 「従来技術」 従来の脱酸素剤は、(イ)金属粉とハロゲン化金
属、(ロ)第1鉄化合物と酢酸ナトリウム10水塩、硫
酸ナトリウム10水塩又は水酸化アルカリ等のアル
カリ性物質、(ハ)アスコルビン酸等の有機系還元性
物質とアルカリ性物質、(ニ)ハイドロサルフアイト
とアルカリ性物質等を主構成成分とするものであ
つた。 「発明が解決しようとする問題点」 従来の脱酸素剤は、その構成成分に水溶性物質
を使用しているため、通気性袋若しくは容器から
水溶性物質が漏出して食品等を汚染する心配があ
り、又脱酸素効力は必ずしも充分に満足できるも
のではなく、更に脱酸素速度や環境湿度依存性の
調節が複雑である等の問題があつた。 本発明は、水溶性物質の使用が必須ではなく、
小型軽量でありながら強力な脱酸素効力を有し、
かつ脱酸素速度や環境湿度依存性の調節が比較的
簡単な新規脱酸素剤を提供しようとするものであ
る。 「問題を解決するための手段」 本発明者等は、従来の脱酸素剤に使用されなか
つた物質について種々検討した結果、塩基性陰イ
オン交換樹脂のハロゲン化物が鉄粉の酸化を著し
く促進することを偶然に発見し、本発明を完成す
るに到つたものである。すなわち、本発明は、
「塩基性陰イオン交換樹脂のハロゲン化物と、鉄
粉とよりなる脱酸素剤」を構成要件とする。 まず、本発明で使用する物質につき説明する。 鉄粉は、電解鉄粉、還元鉄粉等が好適に使用で
きるが、これらの鉄粉に限らず、鉄粉が主成分で
あるようなものはいずれも使用できることは当然
である。 塩基性陰イオン交換樹脂とは、ポリスチレン等
の高分子化合物に一級、二級又は三級アミンを多
数付加結合させたものであつて、弱塩基性、中塩
基性又は強塩基性の陰イオン交換樹脂として市販
されているものが使用できる。中でも、弱塩基性
と中塩基性の陰イオン交換樹脂が特に好適であ
る。市販品は、通常微粒状(約20〜50メツシユ)
であるが、粉状やその他の形状のものも使用でき
る。イオン交換樹脂は、食品衛生法により食品添
加物として認可されているもので、衛生的に全く
問題のないものである。 塩基性陰イオン交換樹脂は、遊離型のものと塩
素型のものが一般に市販されており、塩素型のも
のは、そのまま塩基性陰イオン交換樹脂のハロゲ
ン化物として使用できる。遊離型の塩基性陰イオ
ン交換樹脂のハロゲン化物の調整は、次の方法に
よると簡単である。すなわち、塩酸、沃化水素酸
又は臭化水素酸等のハロゲン化水素酸の水溶液に
塩基性陰イオン交換樹脂を浸す方法や、ガス状の
ハロゲン化水素酸を塩基性陰イオン交換樹脂と接
触させる方法により、塩基性陰イオン交換樹脂の
ハロゲン化物(以下、ハロゲン化樹脂と称す)を
得ることができる。塩素型の塩基性陰イオン交換
樹脂を臭素若しくは沃素型のものに変換するとき
は、4%程度の水酸化ナトリウム水溶液で処理
し、水洗して遊離型とした後、沃化水素酸若しく
は臭化水素酸で処理すればよい。 塩基性陰イオン交換樹脂に対するハロゲン化水
素酸の最大化合量は、前者乾燥物1Kgに対し、後
者5モル前後であつた。前記最大化合量を100と
すると、略10以上で本発明目的を充分に達成で
き、化合量の増加に伴ない、製出する脱酸素剤の
脱酸素速度が高くなることが分つた。脱酸素速度
を抑制するために、ハロゲン化水素酸の化合量を
低下させたいときは、次のように行なう。すなわ
ち、ハロゲン化水素酸と遊離型の塩基性陰イオン
交換樹脂とは、定量的かつ比較的速やかに反応す
るので、予め求めた最大化合量を基準として、使
用するハロゲン化水素酸水溶液の濃度と量を設定
することにより所望の化合量のハロゲン化樹脂を
得ることができる。ハロゲン化水素酸に代えて、
塩化ナトリウムや臭化カリウム等のハロゲン化ア
ルカリ金属を使用した場合は、本発明目的を全く
達成することができなかつた。但し、塩化ナトリ
ウムと硫酸又は陽イオン交換樹脂の組合せの如
き、ハロゲン化水素酸が生成する条件であれば、
その供給源として使用が可能である。 以上で得たハロゲン化樹脂を、ハロゲン化水素
酸の臭気が残留していれば水洗する。次いで、余
剰の付着水があれば、通風や遠心分離等により除
去し、必要により熱風等で乾燥する。ハロゲン化
樹脂は、例えば、105℃程度でその減量が停止す
るまで乾燥しても、本発明目的達成に何ら支障が
なかつた。従つて、ハロゲン化樹脂は、極めて安
定であるので、ハロゲン化樹脂の含水率の調節を
するような場合には、乾燥後一定量の水を加える
方法を採用することができる。 水洗後余剰水を除去した程度のハロゲン化樹脂
の含水率は、40〜70%(塩基性陰イオン交換樹脂
の種類により異なる)であり、この含水率以下で
は比較的サラサラとしていて、鉄粉との混合作業
や小包装作業が好適に行なわれる。又、ハロゲン
化樹脂の含水率により、製出する脱酸素剤の脱酸
素速度や環境湿度依存性が変化する。従つて、含
水率を調節するだけで、環境湿度の影響を受けな
い自力反応進行型、環境湿度依存型あるいはこれ
らの中間型等任意の特性を有する脱酸素剤の調製
が可能である。 製出する脱酸素剤の脱酸素速度等は、ハロゲン
化樹脂の粒度によつても変化する。市販の微粒状
の状態のまま使用しても全く差しつかえないが、
ハロゲン化水素酸処理前若しくは後に粉砕しても
良い。粒度が小さくなるに従い、製出する脱酸素
剤の脱酸素速度が高くなる。しかし、粒度を例え
ば250メツシユ程度以上に小さくすると、製出す
る脱酸素剤の反応進行に伴ない固結化して以降の
脱酸素反応を阻害することがあるが、この場合
は、ハロゲン化樹脂の含水率や使用に供する食品
等の水分活性を考慮することにより解決すること
ができる。 以上で調製したハロゲン化樹脂と、鉄粉とを混
合し、あるいは別々に、公知の通気性袋若しくは
容器に封入し、小包装状態で使用に供するように
するのが一般的である。別々に封入した場合は、
二者の物質が必ずしも均一に混合していなくても
相当の脱酸素効力が認められるが、なるべく均一
になるように、封入後、通気性袋若しくは容器を
倒置したり振動を与えることが望ましい。ハロゲ
ン化樹脂と鉄粉との混合物を公知の手段により錠
剤等に整形したり、あるいは、シート等の表面
に、二者の物質を積層状に、又はその混合物を層
状に形成させて使用に供しても良い。 ハロゲン化樹脂と鉄粉の使用量は次の通りであ
る。 250mlの空気中の酸素ガスを除去することを標
準とすると、これに必要な鉄粉は約0.2gであつ
たが、この鉄粉の脱酸素能を最大限に働かせるに
要するハロゲン化樹脂の必要量は、最良の条件の
場合で、乾燥重量換算で約0.15gであつた。但
し、鉄粉の使用量が増加すると、ハロゲン化樹脂
の使用量を減ずることができる。 製出する脱酸素剤が自力反応進行型で反応速度
が高いものである場合は、ハロゲン化樹脂と鉄粉
との混合工程や小袋詰め工程を、窒素ガス等の不
活性ガス雰囲気とすることが望ましい。 以下、実施例により具体的に説明する。 「実験1(実施例1〜18)」 塩基性陰イオン交換樹脂又はハロゲン化水素酸
の種類と影響 次の市販塩基性陰イオン交換樹脂を使用した。
なお、塩素型のものは、予め水酸化ナトリウムで
処理して遊離型に変えた後使用した。 ロームアンドハースカンパニー製造品 ●弱塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標アンバー
ライトIRA−45、遊離型、(以下、単にIRA−
45と称す) ●中塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標アンバー
ライトIRA−68、遊離型、(以下、単にIRA−
68と称す) ●強塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標アンバー
ライトIRA−400、塩素型、(以下、単にIRA−
400と称す) ダウケミカルカンパニー製造品 ●弱塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標ダウエツ
クスWGR−2、塩素型、(以下、単にWGR−
2と称す) ●強塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標ダウエツ
クスMSA−1、塩素型、(以下、単にMSA−
1と称す) 室町化学工業株式会社製造品 ●弱塩基性陰イオン交換樹脂、登録商標ムロマツ
クA−7、塩素型、(以下、単にA−7と称す) 以上の塩基性陰イオン交換樹脂各100重量部に
対し、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、又は沃
化水素酸(HI)の各10%水溶液150重量部を加
え、攪拌後異臭が残留しない程度まで数回水洗し
た。次いで余剰の付着水をガーゼでふき取り、6
種類のハロゲン化樹脂を得た。これらのハロゲン
化樹脂0.4gと電解鉄粉0.25gを混合したものを
通気性袋(片面が紙、他面がポリエチレン製)に
封入し、本発明に係る脱酸素剤18種類を得た。 脱酸素剤の効力試験は、次の条件によつた。 ●自力反応進行型試験 脱酸素剤を塩化ビニリデンコートポリプロピレ
ン袋(以下KOP袋と称す)に脱気密封した。次
いで、KOP袋表面に貼付した粘着ゴム板(東レ
エンジニアリング株式会社製造品)を介して、注
射器により袋内空気含有量がほぼ250mlになるよ
うにした。これらの包装体を25℃で保存し、袋内
の酸素ガス濃度を酸素計(東レジルコニア式酸素
計LC700T型サンプル量5ml)で経時測定した。 ●環境湿度依存型試験 自力反応進行型試験において、KOP袋内に、
水分供給源として、水4mlを含ませたテイツシユ
ペーパーを共存させ、他は同一条件で行なつた。 以下、特にことわりがなく自力反応進行型試験
又は環境湿度依存型試験と称した場合は、上記条
件をさす。 以上の実験の結果を第1表に示す。 第1表により、本発明に係る脱酸素剤の効力
は、ハロゲン化水素酸の種類によつては、ほとん
ど影響を受けないことが分る。なお、フツ化水素
酸の場合も、同等の効果を有するものと推定され
るが、取扱い上かなり危険であり、工場での使用
は避けた方が得策であると考え、本発明では実験
を省略した。塩基性陰イオン交換樹脂では、弱塩
基性及び中塩基性のものが特に優れ、強塩基性の
ものはやや劣つていた。しかし、強塩基性陰イオ
ン交換樹脂においても、IRA−400は28時間後、
MSA−1は72時間後に袋内酸素ガスが0.000%を
示していたので、強塩基性陰イオン交換樹脂の場
合は、脱酸素速度は低いが、脱酸素能力はこの条
件で充分に認められることが分つた。 なお、環境湿度依存型試験の結果は、第1表と
【表】 ほぼ同様であつたので掲載を省略した。 その他のイオン交換樹脂、例えば強酸性又は弱
酸性陽イオン交換樹脂等を使用した場合、あるい
はその他の酸、例えばリン酸、硫酸、クエン酸等
を使用した場合では、いずれも本発明目的が達成
できなかつた。 「実験2(実施例19〜39)」 ハロゲン化樹脂の含水率の影響 IRA−45又はIRA−68の100重量部に対し、10
%塩酸水溶液150重量部を加え、攪拌後異臭が残
留しない程度まで数回水洗した。水切後、105℃
で約3時間乾燥し、ハロゲン化樹脂の乾燥物(無
水物とみなした)を得た。A−7については、何
ら前処理をすることなく、105℃で約3時間乾燥
し、ハロゲン化樹脂の乾燥物とした。これらの樹
脂各0.2gについて、その含水率が0〜60%にな
るように水を加え、更に電解鉄粉0.25gを混合し
たものを通気性袋に封入し、本発明に係る脱酸素
剤21種類(第2表に示す)を得た。 以上で得た各脱酸素剤について、自力反応進行
【表】 型試験及び環境湿度依存型試験を行なつた。その
結果を第3表及び第4表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 第3表及び第4表により、例えば実施例19の脱
酸素剤は、環境に水分供給源がないと全く反応が
進行しないが、その存在で最終的に酸素ガスを完
全に除去できることが分る。 「実験3(実施例40〜44)」 ハロゲン化樹脂の粒度の影響 IRA−45を用い、実験2の場合と同様に行なつ
て、ハロゲン化樹脂の乾燥物を得た。この乾燥物
を適宜粉砕し、フルイを用いて、種々の粒度のも
のに分画した。各粒度のハロゲン化樹脂0.2gに、
その含水率が50%になるように水を加え、更に還
元鉄粉0.25gを混合したものを通気性袋に封入
し、本発明に係る脱酸素剤5種類を得た。 以上で得た各脱酸素剤について、自力反応進行
型試験を行なつた。その結果を第5表に示す。 第5表により、ハロゲン化樹脂の粒度は小さい
方が、脱酸素速度が高くなる傾向があることが分
る。
【表】 「実験4(実施例45〜49)」 ハロゲン化樹脂のハロゲン化合量の影響 IRA−45の100重量部に対し、10%塩酸水溶液
150重量部又は1/10規定塩酸水溶液150〜2000重量
部を加え、攪拌及び水切後、105℃で乾燥し、ハ
ロゲン化合量の異なるハロゲン化樹脂の乾燥物を
得た。 ハロゲン化合量は、硝酸カリウムによりハロゲ
ン化樹脂から溶脱する塩素イオンを硝酸銀で滴定
する方法により求め、IRA−45の乾燥物1Kg当り
のモル数で示した。なお、10%塩酸水溶液を使用
して得たハロゲン化樹脂のハロゲン化合量は、塩
酸量をこれ以上増加してもほとんど変化しなかつ
たので、このハロゲン化合量を100%とし、他の
ハロゲン化樹脂のハロゲン化率を併記した。 ハロゲン化樹脂の乾燥物各0.2gに、その含水
率が50%になるように水を加え、更に電解鉄粉
0.25gを混合したものを通気性袋に封入し、本発
明に係る脱酸素剤5種類(第6表に示す)を得
た。
【表】 以上で得た各脱酸素剤について、自力反応進行
型試験及び環境湿度依存型試験を行なつた。その
結果を第7表及び第8表に示す。
【表】
【表】 第7表及び第8表により、ハロゲン化率が約10
%以上であれば、本発明目的を充分に達成できる
ことが分る。 「実験5(実施例50〜72)」 ハロゲン化樹脂と鉄粉の使用割合の影響 実験3で得られた60〜100メツシユの粒度のハ
ロゲン化樹脂の乾燥物0.1〜0.5gに、その含水率
が50%になるように水を加え、更に電解鉄粉を
0.05〜0.5gを混合したものを通気性袋に封入し
て、本発明に係る脱酸素剤23種類(第9表に示
す)を示す。
【表】
【表】 以上で得た各脱酸素剤について、自力反応進行
型試験を行なつた。その結果を第10表に示す。
【表】 第10表により、空気250ml中の酸素ガスを除去
するには、鉄粉0.2gを要し、この鉄粉の脱酸素
能を充分に働かせるに必要なハロゲン化樹脂は約
0.15g(乾物量)であつた。又、ハロゲン化樹脂
の使用量が0.1g(乾物量)と少ない場合は、鉄
粉の使用量を0.25g程度以上に増加させれば良い
ことが分る。別に、同様に実施した例で、ハロゲ
ン化樹脂0.07g(乾燥物)と鉄粉0.3gの組合せ
の脱酸素剤でも、24時間後に酸素ガスを完全に除
去できた。 なお、以上の実施例19〜39、40〜44、45〜49及
び50〜72の各例を考察して、ハロゲン化樹脂と鉄
粉の組合せを、250mlの空気中の酸素ガスを除去
することを標準として例示すると、
【表】 このようになり、ハロゲン化樹脂(乾燥物g)
と鉄粉(g)の組合せが0.15〜0.010:0.20〜1.0
の範囲では、実用上酸素ガスの除去効果に大差な
く、0.005:1.1以下では、その効果が漸減する傾
向を示し、0.0025:1.2以下では実用性に乏しい。 なお、前記実施例50の如き脱酸素剤は、包装内
空気含有量250mlの場合には能力不足で不適であ
るが、空気含有量100ml程度の場合には、充分に
使用できるものである。 「実験6(実施例73)」 実験3で得られた60〜100メツシユの粒度のハ
ロゲン化樹脂1重量部と電解鉄粉5重量部とを混
合した。この混合物を、粘着テープ(住友スリー
エム株式会社製、商品名カバーアツプテープ
658Post−it巾25.4mmのものを80mmに切つたもの)
の表面に付着させ(付着量0.25g)、他の粘着テ
ープでその面を覆つて圧着し、本発明に係る脱酸
素剤を得た。 この脱酸素剤について、環境湿度依存型試験
(但し、空気含有量をほぼ50mlになるようにした)
を行なつたところ、24時間後に酸素ガスを完全に
除去できた。 「実験7(実施例74)」 IRA−68を100℃で充分乾燥後、濃塩酸を塩化
水素ガスの供給源とし、吸引法により、IRA−68
と塩化水素ガスを数秒間接触させて、ハロゲン化
樹脂(ハロゲン化合量3.5モル/Kg)を得た。こ
のときにかなり熱が発生するので、大量に処理す
るときは冷却装置が必要と思われる。 このハロゲン化樹脂を60〜100メツシユの粒度
に調整したもの0.2gと電解鉄粉0.25gを、通気
性袋に封入し、次いで混合して、本発明に係る脱
酸素剤を得た。 以上で得た脱酸素剤について、環境湿度依存型
試験を行なつたところ、54時間後に酸素ガスを完
全に除去できた。 「実験8(実施例75)」 環境湿度の影響 実験3で得た100〜200メツシユの粒度のハロゲ
ン化樹脂の乾燥物0.15gに還元鉄粉0.4gを通気
性袋に封入し、次いで混合して、本発明に係る脱
酸素剤を得た。 以上で得た脱酸素剤について、環境湿度依存型
試験を行なつた。但し、袋内環境湿度の調整は次
のようにした。すなわち、水4mlを含ませたテイ
ツシユペーパーのかわりに、重クロム酸カリウム
(K2Cr2O7)、硝酸カリウム(KNO3)、塩化カリ
ウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、又は硝
酸マグネシウム6水塩(Mg(NO32・6H2O)2
gを包んだテイツシユペーパーに、対応する塩類
の飽和溶液4mlを含ませたものを共存させた。そ
の結果を第11表に示す。
【表】 実施例75の脱酸素剤は、環境湿度に依存して脱
酸素効力を示すタイプのものであるが、環境湿度
約80%以上で充分な効果を示すことが分つた。 「実験9」 水素の発生 実施例1〜9、実施例19〜25、実施例33〜39、
実施例40〜44及び実施例45〜49の各脱酸素剤につ
いて、自力反応進行型及び環境湿度依存型の試験
を行ない、48時間後に袋内の水素ガス発生の有無
を水素ガス検知管(北沢産業株式会社製造の商品
名ガステツク、測定範囲0.5〜2.0%)を用いて調
べた。その結果、ほとんどの脱酸素剤では水素の
発生を全く認めなかつた。少数の脱酸素剤ではわ
ずか検知管の変色を認めたが、いずれも測定限界
以下で水素ガスによるものかどうか不明であつ
た。 「実験10」 アセトアルデヒド除去効果 従来公知の脱酸素剤とエチルアルコールとを包
装食品に併用すると、アセトアルデヒドが生成す
る問題がある。本発明の脱酸素剤を使用した場
合、アセトアルデヒド生成に及ぼす影響について
検討した。 実験4で得た実施例45〜49の脱酸素剤と参考例
のもの、及び対照例として「電解鉄粉100gに飽
和食塩水2mlを混合し、次いで減圧乾燥したもの
2gを通気性袋に封入した従来公知の脱酸素剤」
について、環境湿度依存型試験を行なうに際し、
テイツシユペーパーに含ませる水4mlのかわりに
25%エチルアルコール4mlを使用し、24時間及び
48時間後に、袋内のアセトアルデヒドをガスクロ
マトグラフにより測定した。 アセトアルデヒドの測定条件は次の通りであ
る。
【表】
【表】 測定値:アセトアルデヒド量を定量値として示す
ことが困難であつたので、試薬のアセトアルデ
ヒド(温度25℃)を約2/3量入れた試薬ビンの
ヘツドスペースガスについてのピーク高を100
とした場合の相対値で示した。この相対値が約
0.04以上であると、かなり強いアセトアルデヒ
ドの悪臭を示す。 なお、測定限界は0.004程度であるので、この
値未満は「検出せず」で示した。 以上の測定の結果を第12表に示す。
【表】 第12表により実施例45〜49の脱酸素剤及び参考
例のものは対照例の脱酸素剤に比べアセトアルデ
ヒドの生成量は著しく少なく、特にハロゲン化樹
脂のハロゲン化率が65.8%以下のものでは、アセ
トアルデヒドの生成は全く認められなかつた。こ
の理由は、アセトアルデヒドが生成しなかつたの
ではなく、一旦生成したアセトアルデヒドがハロ
ゲン化樹脂により、除去されたものと思われる。
従つて、このハロゲン化樹脂において、ハロゲン
化率10〜70%程度のものを使用した脱酸素剤は、
アセトアルデヒドも極めて有効に除去する効果を
有することが分る。 この他に、ハロゲン化率100%のものを使用し
た実施例45の如き脱酸素剤において、アセトアル
デヒド除去効果の増強を欲する場合には、ハロゲ
ン化率の小さい、あるいはハロゲン化率0%の弱
塩基性の陰イオン交換樹脂を併用しても良い。 なお、別に検討した結果、アセトアルデヒド除
去効果を有効に示すものは、弱塩基性の陰イオン
交換樹脂に限られ、中塩基性や強塩基性、及びそ
の他のイオン交換樹脂を用いた場合には、有効な
効果を示さないことが分つた。 「実験11(応用例1)」 包装生中華めん 常法製造した生中華めん120gをKOP袋に収容
し、実施例22、30又は58の脱酸素剤を共存させ
て、空気含有量をほぼ250mlとして密封した。 以上の各包装生中華めんを20℃で保存し、24時
間後に包装内空気中の酸素ガス濃度を測定したと
ころ、いずれも0.000%であつた。 「実験12(応用例2)」 市販カステラ二切(約100g)をKOP袋に収容
し、実施例51又は52の脱酸素剤を共存させて、空
気含有量をほぼ100mlとして密封した。 以上の各包装カステラを10℃で保存し、24時間
後に包装内空気中の酸素ガス濃度を測定したとこ
ろ、いずれも0.000%であつた。 「実験13(応用例3)」 市販いかのくんせい50gをKOP袋に収容し、
実施例47、48又は49の脱酸素剤を共存させて、空
気含有量をほぼ100mlとして密封した。 以上の各包装いかのくんせいを20℃で保存し、
24時間後に包装内空気中の酸素ガス濃度を測定し
たところ、いずれも0.000%であつた。 「発明の効果」 以上の説明で明らかなように、本発明に係る脱
酸素剤は、水溶性物質の使用が必須でないため、
食品等の汚染の心配がなく、脱酸素速度や環境湿
度依存性の調節が比較的簡単で、しかも、小型軽
量でありながら強力な脱酸素効力を有する等種々
の意義高い効果を奏するものである。例えば、空
気含有量250ml用の市販脱酸素剤の内容量を測定
したところ、1.76g、2.79g、4.39gであつたが、
本発明に係る脱酸素剤で同様能力のものは、例え
ば実施例19では0.45g、実施例25では0.75g、実
施例53では0.45gと、極めて少量である。 本発明の脱酸素剤の内、弱塩基性陰イオン交換
樹脂のハロゲン化物を使用したものは、脱酸素効
力に加えて、アセトアルデヒドを除去する優れた
効果を奏する。 又、本発明の脱酸素剤は、従来公知の脱酸素剤
と同様、脱酸素反応の進行に伴ない発熱するもの
であるので、加温又は保温剤としての使用も可能
である。 本発明の完成により、従来にない優秀な特徴を
有する脱酸素剤の供給が可能になり、今後、食品
等の品質保持の目的で、広く使用されることにな
るものと確信する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩基性陰イオン交換樹脂のハロゲン化物と、
    鉄粉とよりなる脱酸素剤。
JP24224085A 1985-10-29 1985-10-29 脱酸素剤 Granted JPS62102829A (ja)

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