JPH0218981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、植付泥面整地用フロートの接地面積
を大にし、機体に対する苗植付装置部分のローリ
ング動作を安定化するために、植付爪の通過用切
欠きを後端側において開口する状態で形成した平
面視形状Ｕ字状の整地フロートを、車体横巾方向
最横側に位置する植付爪の植付泥面を整地作用さ
せる状態で設けた田植機用整地装置に関する。

上記田植機用整地装置にあつては、車体横巾方
向両最横側に配置する整地サイドフロートを平面
視形状Ｕ字状に形成することに伴ない、サイドフ
ロート前面の横巾寸法が大となり、車体の走行に
伴なう整地フロート部分前面での泥土水押のけ量
が大となるために、隣接既植苗に対してサイドフ
ロートが泥押し作用し、隣接苗が倒伏する等が問
題があり、改善の余地があつた。

本考案の目的は、上述従来の実情に鑑みて、整
地サイドフロートに対する簡単な改良により、整
地用フロートの接地面積を大に維持し、苗植付装
置部分のローリング動作の安定性を維持しながら
も、車体の走行に伴なうサイドフロートの泥押し
作用を低減し、隣接既植苗の倒伏を防止できるよ
うにする点にある。

本考案の特徴構成は、冒記田植機において、前
記フロートの全長に亘る泥水流動用凹溝を、前記
フロートの底部に、前記切欠きの横側部におい
て、車体内方側のフロート部分にのみ位置させる
状態で形成してあることにある。

つまり、サイドフロート底部の全長に亘つて泥
水流動用凹溝を設けたことにより、車体の走行に
伴なうサイドフロート前面での泥土押しのけ量を
低減することができるので、隣接既植苗に対する
サイドフロートの泥押し作用を抑制することがで
き、かつ、その泥水流動用凹溝をＵ字状フロート
の車体内方側フロート部分のみに配置したことに
より、通過泥土を極力車体内方側に逃がすことが
できるので、隣接既植苗に対する泥押し作用を一
層抑制することができるに至り、しかも、サイド
フロートの接地面積を少なくすることもないの
で、苗植付装置部分のローリング動作を安定的に
行なわせるという従来の利点をも生かすことがで
き、全体として、倒伏苗の少ない良好な苗植付作
業を円滑に行なえるに至つた。その上、サイドフ
ロートの底部に凹溝を形成するだけの極めて簡単
な改良であるから、製作面及び経済面においても
有利にし得るに至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対の推進用後車輪
１ｂ及びステアリング操作自在な左右一対の推進
用前車輪１ａを備えた車体に、運転座席２を備え
た運転部３、及び、前部原動部４を設けると共
に、一定ストロークで横往復移動される傾斜苗の
せ台５、上下に循環作動しながら傾斜苗のせ台５
に載置された苗の下端部列に沿つて順次一株分づ
つの苗を植付ける４個の植付爪６、及び車体横方
向に並べて配置された３個の整地フロート７，８
等を備えた苗植付装置９を、車体の後端に、リン
ク機構１０を介して油圧シリンダ１１により昇降
駆動操作自在に、かつ、前後向き軸芯Ｐ周りで相
対ローリング自在に取付け、車体の走行に伴ない
順次４条の苗を植付作業する乗用型田植機を構成
してある。

前記整地フロート７，８について更に詳述する
と、第２図及び第３図に示すように、中央に位置
するセンターフロート７の後部両外側部に、４個
の植付爪６のうち中央２個の植付爪６ａの植付作
用部としての切欠き７ａを形成し、その平面視略
Ｔ字状センターフロート７の泥面整地作用により
中央２条に対する植付泥面整地を行なうように構
成すると共に、他方、センターフロート７に対し
て両外側方に配置したサイドフロート８の後部
に、両外側２条用の植付爪６ｂの植付作用部とし
ての後方向き開口の切欠き８ａを形成し、その平
面視略Ｕ字状のサイドフロート８の整地作用によ
り両外側２条に対する植付泥面整地を行なうよう
に、かつ、外側２条の植付作用部よりも外側方
に、サイドフロート８の外方側部分８ｃを配置し
たことにより、苗植付装置９の接地横巾を大に
し、かつ、その接地面積を大にして、車体に対す
る苗植付装置９ローリング動作を安定化するよう
に構成してある。

更に、センターフロート７の左右中央部分の底
部、及び、各サイドフロート８の内方側部分８ｂ
の底部には、前端側開口部をラツパ状に拡大した
泥水流動用凹溝１２ａ，１２ｂを形成すると共
に、各サイドフロート８の外方側部分８ｃの横巾
寸法を、内方側部分８ｂの横巾寸法よりも小に構
成し、もつて、それら泥水流動用凹溝１２ａ，１
２ｂの泥土案内作用により、車体の走行に伴なう
各整地フロート７，８前面での泥土押しのけ量を
低減し、隣接既植苗Ａに対するサイドフロート８
の泥押し作用を抑制し、かつ、サイドフロート８
の泥水流動用凹溝１２ｂをその内方側部分８ｂに
のみ形成したことによる車体内方側への泥土逃が
し作用、及び、サイドフロート８の外方側部分８
ｃの横巾寸法の縮小により、サイドフロート８の
隣接既植苗Ａへの泥押し作用を一層抑制して、走
行作業に伴なう隣接既植苗Ａの倒伏を確実に防止
できるように構成してある。

尚、サイドフロート８の外方側部分８ｃの横巾
寸法を内方側部分８ｂの横巾寸法と等しくし、泥
水流動用凹溝１２ｂの作用のみによりサイドフロ
ート８の泥押し作用を抑制するように構成しても
良く、また、各泥水流動用凹溝１２ａ，１２ｂの
具体的平面視形状及び断面形状も各種の構成変更
が可能である。

本考案による整地装置は、乗用型や歩行型等の
各種の多条植田植機に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機用整地装置の実施例
を例示し、第１図は田植機の全体側面図、第２図
は整地フロートを示す平面図、第３図は第２図の
−線断面図である。 ６，６ａ……植付爪、８……フロート、８ａ…
…切欠き、８ｂ……フロート部分、１２ｂ……凹
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付爪６の通過用切欠き８ａを後端側において
   開口する状態で形成した平面視形状Ｕ字状の整地
   フロート８を、車体横巾方向最横側に位置する植
   付爪６ｂの植付泥面を整地作用させる状態で設け
   た田植機用整地装置であつて、前記フロート８の
   全長に亘る泥水流動用凹溝１２ｂを、前記フロー
   ト８の底部に、前記切欠き８ａの横側部において
   車体内方側のフロート部分８ｂにのみ位置させる
   状態で形成してあることを特徴とする田植機用整
   地装置。