JPS6224418Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湛水直播機における多条播用整地装置
に関する。

すなわち、両車輪により牽引する整地用各フロ
ートの後部から播種するように構成した湛水直播
機において、両車輪によるフロートへの泥水の影
響を少なくするようにしてフロートによる整地性
能を向上させることができ、機体の旋回時には泥
押しが少なくなり、水の流れが播種側へ影響を及
ぼさないように良好に整地して直播を確実円滑に
行なうことができ、簡単な構造にして好適に実施
できるよう提供するものである。

次に、図面に示す実施例について説明する。第
１図は６条播式湛水直播機の側面図を示し、前部
にエンジン３を装備した本体４の両側方には伝動
ケース５，５′を介してラグ付き車輪１，１′をそ
れぞれ軸装し、両車輪１，１′間の後方側にセン
ターフロートＡを、両車輪１，１′の外方側後方
でセンターフロートＡの両側方に両サイドフロー
トＢ，B′をそれぞれ配設するが、各フロートとも
に下面が田面を滑走して整地できるように、かつ
前部を上方に少しく立上り傾斜状となるように形
成し、センターフロートＡは平面略４角状に形成
し、両サイドフロートＢ，B′は内側前端部から外
側後方にかけて傾斜線２，２′が形成されて全体
が平面略直角３角形状となるように形成し、各フ
ロートの後部両側には上下に貫通して後方に開放
する播種溝６，６′をそれぞれ形成して構成す
る。

また、各フロートＡ，Ｂ，B′の中間部上面には
それぞれ支杆７を連設し、起立した各支杆７の上
部には繰出しロール内蔵の繰出部８を、その上方
にタンク９をそれぞれ装設し、各繰出部８からそ
れぞれ下向きに延出する２本の播種管１０，１
０′の下端を各フロートの播種溝６，６′の上方に
のぞませ、各フロート上の各支杆７を横方向の連
結杆１１，１１′により連結するとともに、それ
らを本体４の後部に支持フレーム１２を介して連
設し、本体４から伝動して延出するフレキシブル
伝動軸１３，１３，１３により各繰出部８を駆動
するように装設し構成する。

なお、支持フレーム１２から後方上部へハンド
ル１４を延出して構成する。

しかして、両車輪１，１′により各フロート
Ａ，Ｂ，B′を牽引しながらそれぞれの下面により
田面を整地するとともに、各タンク９内の種籾を
繰出部８より繰出して各播種管１０，１０′より
各フロート後部の播種溝６，６′を通し田面に直
播して、６条の直播作業を行なうことができる。

その場合、機体の前進にともなつて両車輪１，
１′の外側方を流れる泥水は第３図において矢印
で示すように両サイドフロートＢ，B′の傾斜線
２，２′にそつて外側方へ流れるので、両サイド
フロートＢ，B′における整地性能は損われない状
態となり、湛水時にはそのようにして水の流れを
分割できて、各フロートの後部における播種部が
水の影響を受けることもなくなる。さらに、セン
ターフロートＡ並びに両サイドフロートＢ，
B′は、車輪１，１′の後方で且つ車輪走行跡に対
し左右に偏位した位置に配設されているために、
車輪１，１′により乱された走行跡を整地するこ
とはなく、また各フロートＡ，Ｂ，B′上に車輪
１，１′に付着した土塊が落下することもないた
め、各フロートＡ，Ｂ，B′の整地姿勢が極めて安
定し、条寄り等のない極めて正確な播種を行うこ
とができる。

また、往復作業時に機体が旋回する場合、両サ
イドフロートＢ，B′が傾斜線２，２′を有した平
面略直角３角形状であるので、旋回方向に対し横
方向へ泥押しをすることも少なくなつて田面を荒
すことも少なくなる。

このように本考案は、両車輪により牽引する整
地用各フロートに上下に貫通して後方に開放する
播種溝を形成し該播種溝より播種するように構成
した湛水直播機において、両車輪間の後方にセン
ターフロートを配設するとともに、両車輪の外方
側後方でセンターフロートの両側方にはそれぞれ
サイドフロートを配設し、内側前部から外側後方
にかけて傾斜線が形成されるようにして両サイド
フロートを平面略直角３角形状にそれぞれ形成し
て多条播式に構成したから、両車輪側から後方へ
の泥水を両サイドフロートの傾斜線により外側方
へ誘導して泥水の影響を少なくしフロートによる
整地性能を向上させることができ、湛水時には水
の流れがフロート後方の播種側に影響を及ぼさな
いようにさせて良好に整地するとともに直播を確
実円滑に行なうことができ、機体の旋回時には両
サイドフロートが平面略直角３角形状であるので
側方への泥押しが少なくなつて田面を荒さないよ
うにすることができ、さらに、センターフロート
並びにフロートは、車輪の後方で且つ車輪走行跡
に対し左右に偏位した位置に配設されているため
に、車輪により乱された走行跡を整地することは
なく、また各フロート上に車輪に付着した土塊が
落下することもないため、各フロートの整地姿勢
が極めて安定し、条寄り等のない極めて正確な播
種を行うことができ簡単な構造にして好適に実施
できる特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体の
側面図、第２図はハンドルを取外した状態の平面
図、第３図は各フロートの平面図を示す。 １，１′……車輪、Ａ……センターフロート、
B.B′……サイドフロート、２，２′……傾斜線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両車輪により牽引する整地用各フロートに上下
   に貫通して後方に開放する播種溝を形成し該播種
   溝より播種するように構成した湛水直播機におい
   て、両車輪間の後方にセンターフロートを配設す
   るとともに、両車輪の外方側後方でセンターフロ
   ートの両側方にはそれぞれサイドフロートを配設
   し、内側前部から外側後方にかけて傾斜線が形成
   されるようにして両サイドフロートを平面略直角
   ３角形状にそれぞれ形成して多条播式に構成した
   ことを特徴とする多条播用整地装置。