JPH02157746A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真印画紙用支持体に関するものである。更に
詳しく述べるならば、本発明は自動現像機による高速処
理に適した写真印画紙のための支持体に関するものであ
る。

〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕今日の
写真印画紙用支持体には、印画紙の現像処理の高速化に
ともない、耐水性のある樹脂被覆支持体が一般に使用さ
れている。これはシート状基体の両面に溶融した耐水性
樹脂を塗布、冷却、固化する方法、いわゆる押し出しコ
ーティング法により製造されている。一般に写真乳剤層
が形成される表面層は白色顔料を含む樹脂層により被覆
され、裏面は顔料を含まない樹脂層により被覆されてい
る。

この樹脂被覆支持体の、写真乳剤層を塗布される面（表
面側面）に対し反対側の面（裏面側面）、いわゆる裏面
は、印画紙を重ねた時に、写真乳剤層面に対して滑りを
良くするため、あるいはタイプ印刷性を良くするためな
どの目的で、粗面化されている。

この裏面側粗面ば、押し出しコーティングの際に、粗面
加工されたクーリングロールを用い、これに圧着固化さ
れる溶融樹脂層表面にその粗面形状を転写することによ
って形成されている。また、要すれば、更にこの裏面粗
面樹脂層の上に筆記性、印刷性および導電性を付与する
ためのバックコート層が塗布されている。

印画紙は、一般に自動現像機を用いて現像されるが、そ
の処理速度は一般に、現像部において２０ないし６０ｍ
／分であり、それに続く断裁部においては３０ないし１
００ｍ／分である。この際、印画紙の裏面は多くの固定
式のガイドに接触しながら走行するが、この際、このガ
イドに付着する白色の堆積物が、しばしば問題を発生さ
せている。

この白色堆積物は、特に５０ｍ／分以上の高速処理のと
きに発生しやすく、これが大量に付着すれば機械を停止
して清掃しなければならないが、その除去も容易でなく
、このため現像処理の生産性が低下するので、この解決
が望まれていた。

本発明の目的は、高速の自動現像機上において、白色堆
積物の発生がない、又は少ない、写真印画紙用支持体を
提供することである。

〔課題を解決するための手段・作用〕

発明者が上記の白色堆積物の発生原因を追求するため堆
積物の分析を行ったところ、バックコート塗布が施され
ている支持体に於ても、バックコート組成物の他に、゛
多量の被覆層を形成している樹脂（例えばポリエチレン
）が存在する事が判明した。すなわち白色堆積物は、印
画紙の裏面が高速で固定物により摩擦されたとき、バッ
クコート層の凸部が剥離した後、摩擦熱によって被覆層
樹脂が軟化し、その突出部が除去され、たがいに融着し
て生じたものである。この解決方法を検討した結果、樹
脂被覆紙の裏面の粗面形状を、多数の微細クレータ−が
稜線状突起部を介して互に隣接して形成されているよう
にすると白色堆積物の発生が少ないことを見いだし、本
発明に到達した。

すなわち本発明の写真印画紙用支持体は、シート状基体
と、耐水性、熱可塑性樹脂材料を主成分として含み、か
つ前記シート状基体の表面（写真乳剤層が形成される側
）および裏面（反対側）に形成された被覆層とを有し、
前記裏面側被覆層の表面が、多数の微細なクレーター部
が稜線状の突起部を介して、互に隣接して形成された形
状を有することを特徴とするものである。

一方、従来の写真印画紙用支持体の裏面側被覆層の粗面
形状は、不規則な山脈−渓谷状の凹凸を有するものであ
る。

本発明の支持体から得られる印画紙において、その裏面
側被覆層の粗面により堆積物の発生が少なくなる理由は
今のところ明確ではないが、恐らく、固定ガイドの表面
に、印画紙裏面の微細クレータ−の間に形成されている
稜線状突起部の先端部のみが接触するため、両者の間の
摩擦抵抗が少なく、従って発熱が少なくなるためであろ
うと思われる。

本発明の写真印画紙用支持体の裏面側樹脂被覆層表面に
形成される多数の微細クレータ一部は５〜３０４の平均
直径を有することが好ましく、この平均直径は１０〜２
０−であることがより好ましい。

微細クレータ一部の平均直径が５趨未満であると、得ら
れる印画紙の裏面側樹脂被覆層と、それに接触する他の
印画紙の表面側乳剤層との滑りが不十分となって自動現
像機上の作業性が低下し、また、その平均直径が３０趨
より大きくなると、この裏面側樹脂被覆層に接触する他
の印画紙の表面側乳剤層を傷つけ、その光沢を低下させ
るおそれがある。

微細クレータ−を有する印画紙用支持体裏面の凹凸の深
さは、ＪＩＳ　Ｂ　０６０１に規定される１０点平均粗
さで３〜１５癖であることが好ましい。凹凸の深さが３
趨より小さくなると印画紙間の密着がよくなってすべり
が悪くなることがあり、この深さが１５７１１１１より
深くなると相接する表面の写真感光層を傷つけるおそれ
がある。

本発明に使用される写真印画紙用支持体のシート状基体
は、紙からなるものが一般に広く用いられ、これは通常
、天然パルプを主体としたパルプを用いて製造され、ま
たサイズ剤、強度剤、蛍光剤、帯電防止剤等を内添、ま
たは塗布して製造されている。

また本発明の支持体の被覆層に使用される樹脂は熱可塑
性樹脂であれば、押し出しコーティングにおいてクーリ
ングロールから凹凸型を写し取ることができるので、そ
れが耐水性である限りその種類に格別の制限はない。一
般に好ましくはポリオレフィン樹脂、特に好ましくはポ
リエチレンが用いられる。また、熱可塑性樹脂層の上に
は、表面側に乳剤層との接着性を良くするサブコート層
が、また裏面側にバックコート層が塗布されてもよい。

本発明の支持体において、多数の微細クレータ一部と稜
線状突起部とからなる粗面は、以下の述べる方法で形成
されることが好ましいが、しかし、この方法に限定され
るものではない。

例えば鉄ロールに銅メツキを施し、又は施さずに、この
ロールの平滑な表面にサンドブラスト加工、又は液体ホ
ーニング加工などのような機械的な粗面化処理を施して
、その表面に、例えば第１図に示されているような多数
の微細な凸部１および凹部２を形成する。この場合、粗
面化の程度は、ＪＩＳ　Ｂ　０６０１に規定される１０
点平均粗さで３〜１５趨になるようにするのが好ましい
。必要な粗さが得られた後、この粗面にメツキを施して
、例えば第２図に示されているようなメツキ層３を形成
する。このときのメツキ金属はどのようなものでも良い
が、操業性などを勘案すればクロムメツキが好ましく、
特に硬質クロムメツキがより好ましい。メツキ層の厚さ
は、好ましくは１０〜５０趨である。このメツキ工程に
おいて、メツキする金属が、ロール表面の機械的粗面化
により形成された凸部を覆い１例えば第２図に示されて
いるように多数の球面状の凸部が挾い凹部５を介して隣
接して形成される。このようにして得られた粗面ロール
をクーリングロールとして用い、押し出しコーティング
を行えば、シート状基体上に形成された樹脂被覆層表面
に例えば第３図に示されているように、クーリングロー
ル表面の形状が転写され、多数の微細なクレーター部６
が稜線状（狭い山塊板状）突起部７を介して隣接して形
成されている粗面を有する樹脂被覆紙が得られる。この
際、クーリングロール表面の凹凸と樹脂被覆層表面の凹
凸とが逆の関係である事は云うまでもない。

クーリングロール表面のメツキ層の厚さが１０角未満で
あると、機械的粗面化処理によって形成されたロール表
面の凸部を球面状の凸部にすることが困難になり、従っ
て、樹脂被覆層にクレータ−状凹部を形成することがで
きず、このような支持体から得られる印画紙は高速現像
に十分適合することができなくなる。またそれが５０角
より厚くなるとメツキ層がロール表面の凹部を埋めてし
まうので、クーリングロール表面の凸部の高さが不十分
になり、樹脂被覆層表面に形成されるクレータ一部の深
さが不十分になる。

クーリングロール表面に対するメ・７キ方法については
特別な条件はなく、通常に行われているメツキ方法が用
いられる。ただし、メツキ層の厚さをコントロールする
ためには処理条件、メツキ浴温度および電流密度などを
十分に管理する必要がある。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明の詳細な説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。

実施例及び比較例゛ 坪量１７０ｇ／ｒｒｆの原紙からなるシート状基体の、
乳剤が塗布される側の面（表面側面）に、密度０．９２
の低密度ポリエチレン６４重量部と、密度０．９６の高
密度ポリエチレン２５重量部と、アナターゼ型二酸化チ
タン粉末１０重量部と、顔料及び酸化防止剤等の添加剤
１重量部とを配合した樹脂組成物から、押出しコーティ
ング法により厚さ３０−の表面側被覆層を形成し、同様
にして、シート状基体の乳剤が塗布される面と反対側の
面（裏面側面）に、密度０．９２の低密度ポリエチレン
５０重量部と、密度０．９６の高密度ポリエチレン５０
重量部とを配合した樹脂組成物から、厚さ３０、ｍの表
面側被覆層を形成した。

シート状基体の裏面側表面を押し出しコーティングする
際、異なる粗面形状を有する２種類のり−リングロール
を用いた。実施例においては、平均１３趨の直径を有す
る、多数の半球状凸部が形成されている粗面を有するク
ーリングロールを用いた。このクーリングロールにより
形成された裏面側樹脂被覆層の粗面においては、多数の
微細クレータ−が、稜線状突起部を介して隣接して形成
されており、クレータ一部の平均直径は１３Ｉ！ｍであ
った。また、裏面側樹脂被覆層の粗面の１０点平均粗さ
は６．０−であった。

比較例においては、十点平均粗さ８．４　ｎの溝状凹部
を有するクーリングロールを用いた。得られた裏面側樹
脂被覆層は、不規則な山脈状突起部を有していた。

このようにして作製した２種類の樹脂被覆紙の表面側表
面上に、乳剤のかわりに硬化剤を含むゼラチンを、乾燥
後の厚さが８０ｊ１ｍになるように塗布した。

この印画紙類似のシートから１０センチメートル幅の巻
紙を作製し、それぞれ２０．４０．６０．８０ｍ／分の
速度で、カラープリント用のカッターに供し、２００メ
ートル通過後の固定ガイド表面の状態を観察した。堆積
物がほとんど無いのをＯ１堆積物があるが掃除を要しな
い程度をΔ、堆積物があって掃除を必要とするものを×
で示した。

その結果は第１表に示されているように、本発明の支持
体を用いた印画紙類似シートは８０ｍ／分という高速に
おいても問題となるような堆積物は発生せず、本発明の
効果が明白であった。

第１表 〔発明の効果〕 本発明の写真印画紙用支持体は、その裏面側樹脂被覆層
表面に形成された多数の、互いに稜線状突起部を介して
隣接する微細クレータ−を有するものであり、この支持
体から製造された写真印画紙は、高速自動現像機やカッ
ターに供されたとき、白色堆積物を発生することがなく
、又は少な（、かつ、写真印画紙が重ね合わされたとき
、乳剤層が、裏面側樹脂被覆層により傷つけられること
がないというすぐれた実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、クーリングロール上に、機械的粗面化方法に
より形成された粗面の形状を示す断面説明図であり、 第２図は、第１図に示されたクーリングロールの粗面に
メツキを施して得られる粗面の形状を示す断面説明図で
あり、 第３図は、第２図のクーリングロール粗面により得られ
る樹脂被覆層の粗面の形状を示す断面説明図である。 １．４・・・凸部、　　　　　　３・・・メツキ層、２
．５・・・凹部、　　　　　　６・・・クレータ一部、
７・・・稜線状突起部。 第２国 ７・・・稜線状突起部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、シート状基体と、 耐水性、熱可塑性樹脂材料を主成分として含み、前記シ
   ート状基体の表面（写真乳剤層が形成される側）および
   裏面（反対側）に形成された被覆層と、 を有し、 前記裏面側被覆層の表面が、多数の微細なクレーター部
   が、稜線状突起部を介して互に隣接して形成された形状
   を有する、 写真印画紙用支持体。