JPH02208649A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真印画紙用支持体に関するものである。さら
に詳しく述べるならば、本発明は改善される写真乳剤高
速塗布適性を存する写真印画紙用支持体に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

今日、一般に使用されている写真印画紙用支持体は、印
画紙の現像処理の高速化にともない、従来のバライタ紙
に代って、シート状基体の両面に耐水性のある樹脂を被
覆した樹脂被覆支持体である。

この樹脂被覆支持体は、シート状基体の両面に溶融した
耐水性樹脂を塗布、冷却、固化する方法、いわゆる押出
しコーティング法により製造されており、一般に写真乳
剤層が形成される側の表面層には白色顔料を含む樹脂層
が、形成され、裏面側には顔料を含有しない樹脂層が形
成されている。

写真印画紙の製造にあたり、上述のような写真印画紙用
支持体に、ハロゲン化銀写真乳剤層の他に、保護層、下
引き層、又は中間層、あるいは、ハレーション防止層、
又は紫外線吸収層などが単−層として、又は積層された
多数層として塗布される。

またカラー写真印画紙においては、青感乳剤層と中間層
、緑感乳剤層と中間層、および赤感乳剤と保護層などの
多層の乳剤層が積層して塗布される。

最近、コストおよび生産性の面を考慮して、多数の乳剤
層を一回の操作で同時に塗布形成することが行われてい
る。たとえば、スライドホッパー方式、カーテンコート
方式等の塗布方法により多数の層を同時に積層塗布する
ことが可能となった。

更にこれらの乳剤塗布速度を高速で行い、生産性を高め
ることも重要でありその具体的方法が種々検討されてい
る。

いづれの場合も、このような写真印画紙用支持体を用い
た印画紙には、支持体表面層の表面形状に応じて、平滑
で高光沢のある面、低光沢面、絹目面、或は微粒面など
の表面形状を有する写真乳剤層が形成されることになる
。

写真印画紙用支持体の表面は一般に疎水性であるから、
親水性の乳剤層を塗布するために、乳剤層が塗布れれる
べき支持体表面にコロナ放電処理、火炎処理、又は低温
プラズマ処理などを施して親水化することが知られてお
り、広（使用されている。

一般に、平滑な光沢面を有する写真印画紙用支持体に対
する乳剤塗布においてその塗布速度は１００〜２００ｍ
／分で実施されている。しかしながら、前記絹目面、低
光沢面、微粒面等の粗面加工を施した写真印画紙用支持
体の場合、乳剤塗布速度を１００ｍ／分以上に高くする
と、乳剤層の位置ずれ（以下、乳剤層ズレと云う）や乳
剤ハジキ等のトラブルが発生する場合があった。

この乳剤層ズレや乳剤ハジキ等のトラブルが発生すると
、このような印画紙を用いて写真焼付、現像処理すると
、得られる写真画像に色の濃淡むらや、色ズレなどを発
生し写真印画紙の性能上著しく品質の低いものとなって
しまう。このため乳剤塗布速度をある値以上に高くする
ことが困難となり、従って、印画紙製造における、生産
性が低いものになるという問題があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、従来の粗面加工を施した写真印画紙用支持体
の有する前述のような問題点を解消し、高速で乳剤塗布
した場合でも乳剤層ズレや乳剤ハジキなどの発生するこ
とのない、写真印画紙用支持体を提供しようとするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の写真印画紙用支持体は、前記シート状基体の表
面（写真乳剤層が形成される側）および裏面（反対面側
）に形成され、かつ、シート状基体と、耐水性・熱可塑
性樹脂を主成分として含む樹脂被覆層とを有し、前記表
面側被覆層の表面が、多数の微細なクレーター部が稜線
状突起部を介して互に隣接、して形成されている粗面形
状を有することを特徴とするものである。

本発明者は、写真印画紙用支持体の粗面加工を施された
面に、写真乳剤を塗布する際に、高速塗布が可能であり
、かつ乳剤層ズレや乳剤ハジキ等が発生しない条件を種
々検討した結果、支持体表面の粗面形状を、滑らかな丸
みを有する多数の微細なりレータ−が互に隣接して形成
されるようにすることによって乳剤塗布速度を著るしく
高くすることが可能になることを見出し、本発明を完成
したのである。

従来の写真印画紙用支持体の表面側樹脂被覆層表面を粗
面形状にすることは知られていたが、その粗面形状とは
、不規則な山脈−渓谷状の凹凸を有するものであった。

本発明の支持体から得られる写真印画紙において、その
表面側樹脂被覆層の表面に形成された特殊粗面形状によ
り、乳剤層ズレや乳剤ハジキの発生が著るしく減少する
が、その理由は今のところ十分には明確ではない、しか
しその機構として次のことが考えられる。

つまり、不規則な山脈−渓谷状の粗面形状では、その渓
谷（凹部）内に空気が保持されやすく、塗布速度が速く
なるにつれて、乳剤層が粗面上にのるとき、粗面上渓谷
内の空気を乳剤層とにより十分置換できないで乳剤層ズ
レになったり、乾燥工程で粗面上の空気が膨張し、乳剤
ハジキを発生するものと推定することができる。これに
対して、滑らかな丸みを有する多数の微細クレータ−が
互に隣接して形成されている粗面形状を有する樹脂被覆
層表面に高速塗布で乳剤層を塗布するとき、粗面上のク
レータ−内の空気と乳剤層とが、十分置換され、乳剤層
ズレや乳剤ハジキが発生しに（くなるものと考えられる
。

本発明の写真印画紙用支持体の表面側樹脂被覆層表面に
形成される多数の微細クレータ一部の深さは、ＪＩＳ　
ＢＯ６０１に規定される１０点平均粗さ（以下、単にＲ
２と云う）で表わした場合、３〜１７ｐｍであることが
好ましく、４〜１５−であることがより好ましい。微細
クレータ一部の平均深さが３μ未満であると、乳剤塗布
により粗面形状が喪失してしまい、また１１ｎより深い
場合、乳剤層ズレおよび乳剤ハジキが発生しやすくなる
。

本発明に使用されるシート状基体としては、紙からなる
ものが一般に広く用いられ、これは通常、天然パルプを
主体としたパルプを用いて製造されるが、場合によって
はこれに合成パルプ、合成繊維などを混合してもよい、
さらに、本発明に使用するシート状基体に対し、必要に
応じて、サイズ剤、紙力増強剤、蛍光剤、および／又は
帯電防止剤などを内添または塗布したものであってもよ
い。

また、本発明の支持体の樹脂被覆層に使用される樹脂は
、押し出しコーティングにおいてクーリングロールから
粗面形状を写し取ることができる熱可塑性樹脂であれば
よく、その種類に格別の制限はないが、一般に、ポリオ
レフィン樹脂を用いることが好ましく、特にポリエチレ
ン樹脂を用いることがより好ましい。

本発明の支持体において、その表面側樹脂被覆層表面に
形成される多数の微細クレータ一部とそれをとりまく稜
線状突起部とからなる粗面形状は、下記の方法により形
成されることが好ましいが、しかしこの方法に限定され
るものではない。

例えば、低光沢粗面形状を形成するには、下記の方法が
用いられる。すなわち鉄ロールに銅メツキを施し、又は
施さずに、このロールの平滑な表面に対し、サンドブラ
スト加工、又は液体ホーニング加工などのような機械的
な粗面化処理を施して、その表面に、例えば第１図に示
されているような多数の微細な凸部ｌおよび凹部２を形
成する。

この場合、粗面化の程度はＲｔ　（１０点平均粗さ）で
４〜１８−になるようにすることが好ましい。

ロール表面に必要な粗さが得られぬ後、この粗面にメツ
キを施して、例えば第２図に示されているようなメツキ
層３を形成する。このときのメツキ金属はどのようなも
のでも良いが、メツキ処理の操業性、硬度、および耐摩
耗性などを勘案すればクロムであることが好ましく、特
に硬質クロムであることがより好ましい。メツキ層の厚
さは、好ましくは１０〜６０趨である。このメツキ工程
において、メツキする金属が、ロール表面の機械的粗面
化により形成された凸部を覆い、例えば第２図に示され
ているように多数の球面状の凸部４が挾い凹部５を介し
て隣接して形成される。このようにして得られた粗面ロ
ールをクーリングロールとして用い、押し出しコーティ
ングを行えば、シート状基体上に形成された樹脂被覆層
表面に、クーリングロール表面の粗面形状が転写され、
例えば第３図に示されているように、多数の微細なクレ
ーター部６が稜線状（狭い山尾棋状）突起部７を介して
隣接して形成されている粗面形状を有する樹脂被覆層の
表面が得られる。この際、クーリングロール表面の凹凸
と樹脂被覆表面の凹凸とが逆の関係にある事は云うまで
もない。

クーリングロール表面のメツキ層の厚さがｌ〇−未満で
あると、機械的粗面化処理によって形成されたロール表
面の凸部をメツキ層により球面状の凸部にすることが困
難になり、従って、樹脂被覆層に滑らかな丸みを有する
クレータ−状凹部を形成することができず、このような
支持体は高速塗布に十分適合することができなくなる。

またそれが６０＃１１１より厚（なると、メツキ層がロ
ール表面の凹部を適度に埋めてしまうので、乳剤塗布後
の乳剤層表面の光沢が変化してしまい、所望の風合を付
与することが困難になる。

また、絹目状粗面形状を形成するには、鉄芯ロールに銅
メツキを施すか、又は施さずに、均一な面に例えば亀甲
模様の型押ロールを用いて型押しを行う。この後、これ
に機械的粗面化処理を施し、型押しにより形成された粗
面形状の上に更に微細な凹凸を形成する。次に、この粗
面にメツキを施す、その粗面化の程度は低光沢面の場合
と同様にＲ２で４〜１８Ｊ！ｒａにすることが好ましい
、さらに、メツキはクロムメツキが好ましく、特に硬質
クロムメツキがより好ましい。メツキ層の厚みは１０〜
６０ｐｍであることが好ましい、このようにして得られ
たロールを用いて、多数の微細なクレーター部が稜線状
突起部を介して隣接して形成されている粗面形状を有す
る絹目面の樹脂被覆層表面が得られる。メツキ層の厚さ
が１０ｐｍ未満であると、樹脂被覆層に滑らかな丸みを
有するクレータ−状凹部を形成することができず、従っ
て、高速塗布が困難になる。

また、それが６０−より厚くなると、乳剤塗布により得
られる乳剤層表面の光沢が変化し、好ましくないものと
なる。

クーリングロール表面に対するメツキ方法については特
別な条件はなく、通常に行われているメツキ方法が用い
られる。ただし、メツキ層の厚さをコントロールするた
めには処理条件、メツキ浴温度および電流密度などを十
分に管理する必要がある。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明の詳細な説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。

夫１桝反び止較班 坪量１７０ｇ／ｒｙｆの原紙からなるシート状基体の、
乳剤を塗布すべき面側と反対側の面（裏面側面）とにコ
ロナ放電処理を施した。次にこの活性化された裏面側に
、高密度ポリエチレン（密度＝０．９４ｇ／ｃｔＡ、メ
ルトインデックス（Ｍｌ）＝８．０）と、低密度ポリエ
チレン（密度＝０．９２ｇ／ｃｄ、　Ｍ　Ｉ　＝４．６
）との重量比１：１の混合物を用い、樹脂温度３３０°
Ｃにおける押出しコーティング法によって、厚さ３０趨
の裏面側被覆層を形成した。

次いで、シート状基体の活性化された表面側に、二酸化
チタン（石層産業社製、Ａ−２２０）　１０％を含有す
る、高密度ポリエチレン（密度＝０．９４ｇ／ｃＪ、Ｍ
　Ｉ　＝　８．０　）と低密度ポリエチレン（密度＝０
．９１８ｇ　／　ｃｄ、ＭＩ＝７．０）との重量比１：
３の混合樹脂を用い、樹脂温度３２０’Ｃにおける押出
しコーティング法によって、厚さ３０ｊｎａの表面側被
覆層を形成した。

シート状基体の前記表面を押出しコーティングする際、
多数の微細クレータ−が稜線状突起部を介して隣接して
いる粗面形状を有する低光沢面、微粒面よび絹目面の３
種の粗面化表面を作成した。

この場合、低光沢面、微粒面および絹目面のＲ２は、そ
れぞれ５．２−１７．５−および１３．４−であった。

また、比較例として、従来の不規則な山脈−渓谷状凹凸
粗面形状を有する低光沢面、微粒面および絹目面の３種
を作成した。この場合、低光沢面、微粒面および絹目面
のＲ２は、それぞれ６．５μ、７．１−および１６．３
−であった。

それぞれの支持体の表面側被覆層表面に、同一条件でコ
ロナ放電処理を施し、その後その上に写真乳剤を常法に
より塗布した。

乳剤の塗布速度は第１表の如く４水準とし、それぞれの
速度における乳剤層ズレと乳剤ハジキの程度を観察し評
価した。その結果を第１表に示す。

第１表から明らかなように、多数の微細クレータ−が稜
線状突起部を介して隣接している粗面形状表面を有する
本発明の写真印画紙用支持体は、いずれも乳剤の高速塗
布が可能であり、本発明の効果が確認された。

第１表 乳剤層ズレ、乳剤ハジキ評価 Ｏ；乳剤層ズレ、乳剤ハジキの発生なし×：乳剤層ズレ
、乳剤ハジキが全面に発生

【図面の簡単な説明】

第１図はクーリングロールの表面上に、機械的粗面化方
法により形成された粗面形状を示す断面説明図であり、 第２図は、第１図に示されたクーリングロールの粗面に
メツキを施して得られる粗面形状を示す断面説明図であ
り、 第３図は、第２図のクーリングロール粗面により得られ
る樹脂被覆層表面の粗面形状を示す断面説明図である。 １．４・・・凸部、　　　　３・・・メツキ層、２．５
・・・凹部、　　　　６・・・クレータ一部、７・・・
稜線状突起部。 ７・・・ａｍ状ズ起鄭

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. シート状基体と前記シート状基体の表面（写真乳剤層が
   形成される面側）および裏面（反対面側）に形成され、
   かつ耐水性・熱可塑性樹脂を主成分として含む樹脂被覆
   層とを有し、前記表面側被覆層の表面が、多数の微細な
   クレーター部が稜線状突起部を介して互に隣接して形成
   されている粗面形状を有する、写真印画紙用支持体。