JP3519160B2 - 樹脂被覆写真用支持体及びそれに用いる冷却ロールとその表面加工方法 - Google Patents

樹脂被覆写真用支持体及びそれに用いる冷却ロールとその表面加工方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の冷却ロールを使用
し、紙等の基材にポリオレフィン等の熱可塑性樹脂(以
下単に樹脂と称する)を押出機で加熱溶融し被覆する樹
脂被覆写真用支持体に関するものである。詳しくは、乳
剤塗布開始時の塗膜の厚塗りを防止し、塗布の高速化、
塗布ムラを改良した樹脂被覆写真用支持体およびそれに
用いる冷却ロールとその表面処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】写真乳剤を連続走行している樹脂被覆写
真用支持体に塗布する場合、一般に樹脂被覆写真用支持
体の単位面積当たりの写真乳剤量(以下、「塗布量」と
いう。)が少ない程、あるいは、樹脂被覆写真用支持体
の走行速度が早い程、均一な塗布開始は困難となること
が知られている。すなわち、塗布の薄層化、塗布の高速
化に伴い、均一な塗布の開始が困難となり、塗布作業を
開始してもすぐには写真乳剤が樹脂被覆写真用支持体に
塗布されず、若干の誘導期間を経た後にはじめて塗布さ
れるのが通常であった。しかも、この誘導期間を経た後
に写真乳剤が樹脂被覆写真用支持体に塗布される場合に
も、写真乳剤が樹脂被覆写真用支持体にはじめて塗布さ
れた線(以下、「塗布開始線」という)近傍の塗膜は他の
定常塗膜に比べ約50〜100%の厚塗りになることが
知られていた。
【0003】さらに、塗布量を減少させるかあるいは、
樹脂被覆写真用支持体の走行速度を上昇させると、樹脂
被覆写真用支持体の不均一に塗布されたり、あるいは全
く塗布されなくなることがしばしばあった。このような
塗布開始時のトラブルの原因については、種々の面から
数多くの研究がなされているが、未だ定説というべきも
のがないのが現状であって、一般に樹脂被覆写真用支持
体が十分に濡れるまでは写真乳剤が樹脂被覆写真用支持
体に付着しがたい、あるいは樹脂被覆写真用支持体に同
伴される空気層を写真乳剤がその自重により排除しうる
ようになるまでは、塗布が開始されないなどと説明され
ている。しかし、このような説明ではこれらの現象を完
全に説明しきることはできなかった。
【0004】このようにその原因があきらかでないた
め、塗布開始時のトラブルを完全に解消しうるような解
決策がないのが現状であった。しかしながら、この塗布
開始時のトラブルが解消されない場合には、塗布開始線
近傍の厚塗りされた塗膜の乾燥のために、その厚塗り部
分が塗膜全体から見ればほんの一部であるにもかかわら
ず、乾燥工程を長くする必要があり、きわめて不経済で
あるばかりでなく、塗布さえ困難となり製造不可能とな
ってしまうという重大な問題があり、塗布の薄層化、高
速化という最近の要請に答えることはできない。
【0005】特公平6-27928号公報には、 塗布すべき表
面を熱処理し、塗布時において30℃ないし、50℃の
状態で塗布することにより、塗布開始線近傍の厚塗りさ
れた塗膜の乾燥のために、塗布開始時に発生するトラブ
ルを除去し、塗布開始線近傍における塗膜の厚塗りを防
止して、乾燥不可のいたずらな増大を防止し、塗布の高
速化、薄層化を可能にし、塗布ムラを改善することが開
示されている。特公昭56-26467号公報には、連続走行す
る樹脂被覆写真用支持体に写真乳剤を塗布する方法にお
いて、樹脂被覆写真用支持体表面の塗布を開始すべき部
分の近傍に予め粗面化を施して塗布することにより、塗
布開始時の写真乳剤の厚塗りを防止する方法が開示され
ている。同公報には、表面に「絹目」といわれる凹凸を
施したり、ローレットをかけたりする比較的大きな凹凸
化処理から微細な紙ヤスリをかけて得られるような比較
的小さな凹凸処理を含む方法が開示されている。
【0006】特開平5-66516号公報には、 連続走行する
樹脂被覆写真用支持体上に写真乳剤を塗布する方法にお
いて、塗布直前に樹脂被覆写真用支持体の塗布面に20
〜30℃、関係湿度70〜90%の高湿風を吹き付ける
ことにより、水滴付着による塗布故障、塗布ムラ、スタ
ティックマーク、帯電ムラ等に塗布故障を発生すること
なく、薄層塗布及び高速塗布の安定性を向上させる塗布
方法が開示されている。特開平5-66517号公報には、 連
続走行する樹脂被覆写真用支持体上にゼラチン下塗層上
に写真乳剤を塗布する方法において、下塗層のゼラチン
として、端鎖に親水基を有するカップリング剤を試薬と
してゼラチンを化学的に修飾して得られるゼラチン誘導
体を用いて塗布することにより、設備上の対策を施す必
要がなく、複雑な物性組成の調整を必要としていない塗
布の高速化対策方法を開示している。
【0007】特開昭62-50195号公報には、連続走行する
樹脂被覆写真用支持体に塗工液を塗布する方法におい
て、樹脂被覆写真用支持体の長手方向塗工液塗布開始個
所及びその近傍領域表面に水及び又は有機溶媒から成る
低粘度前処理液を予め薄層塗布してから、樹脂被覆写真
用支持体に塗工液の塗工部に送り込み、塗工部を通過中
の前処理液薄膜の拡張濡れ効果により塗布開始個所にお
ける厚塗り防止する塗布方法が開示されている。
【0008】以上のように、種々の手段により塗布開始
個所における厚塗りを防止する塗布方法が開示されてい
るが、いずれにせよ、樹脂被覆写真用支持体からの検討
はされていない。前述の特公昭56-26407号報では、樹脂
被覆写真用支持体の表面に微細な紙ヤスリを掛けて、比
較的小さな凹凸処理をする方法が開示されているが、樹
脂被覆写真用支持体の一部分であり、乳剤を塗布する前
の処理として、処理頻度が著しく多くなり、近年の高速
化に対応しきれないほど、作業性が悪くなってきてい
る。また、樹脂被覆写真用支持体全体に、紙ヤスリで得
られるような比較的小さな凹凸処理を行うと、乳剤を塗
布した際、グロッシータイプと呼ばれる鏡面写真印画紙
としての実用性が失われ、シルクと呼ばれるような型付
け写真印画紙のように、光沢が低下したレベルとなる。
さらに、近年、これらの樹脂被覆写真用支持体に乳剤を
重層塗布する速度が著しく高速になり、一定の乳剤の塗
布開始線が得られなくなっている。この場合、塗布先端
部分が厚塗りとなって、写真乳剤の塗布故障の原因とな
ったり、乾燥ゾーンの乾燥過負荷が過大となったりす
る。乾燥能力が少ない場合には、ペーパーロールの汚染
等重大な品質故障を発生する場合もある。
【0009】次に、樹脂被覆写真用支持体の製造におい
ては、樹脂で被覆した写真用支持体は樹脂を押出機で加
熱溶融し、紙等の基材と冷却ロールとの間にフィルム状
に押出し、ニップロール等で樹脂を基材にコーティング
し製造される。冷却ロールは樹脂コーティング層の表面
形状の形成に使用され、樹脂被覆写真用支持体の表面は
冷却ロール表面の形状により高光沢か、無光沢か、また
はパターン化された例えば絹目状やマット状等に形成す
ることができる。これらの中でも平滑な光沢面の樹脂被
覆写真用支持体は高光沢表面の冷却ロールを用いて製造
されている。
【0010】高光沢表面(平坦な面)の冷却ロールが用い
られる場合、無光沢でパターン化された表面の冷却ロー
ルに比べて樹脂と冷却ロール表面の接着力が大きく、樹
脂が充分に冷却されずに冷却ロールから剥されるため、
剥離横段ムラと呼ばれる微細な隆起が樹脂被覆写真用支
持体の表面に進行方向に対して直角方向に生じ、生産性
速度の向上を妨げているという問題がある。また、樹脂
成分が冷却ロールに堆積し、この堆積により高光沢表面
の外観上の支障をきたし、樹脂被覆写真用支持体の場合
には表面の光沢が変わり製品の価値が損われ、樹脂と冷
却ロールとの接着力が増大し、一定の速度で均一な押出
コーティングをしていても、樹脂被覆写真用支持体の樹
脂層が冷却ロールから律動的に剥離する現象が生じ剥離
横段ムラとなる。
【0011】この剥離横段ムラを防止するための方法と
して、樹脂に分離剤を添加しそれによって樹脂層が冷却
ロールに付着することが減少し、且つ押出された樹脂フ
ィルムを均一に容易に冷却ロールから剥離することは達
成される。しかし、分離剤の添加量が過剰の場合、樹脂
の混練不良や発煙増加、及びそれらに伴う冷却ロールの
汚れ、油煙の付着による樹脂表面の斑点状汚れなどによ
り製品の外観が損なわれる。また、紙等の基材と樹脂と
の接着力が低下し、製品の価値が損なわれる問題が発生
するため充分な方法とは言い難い。
【0012】特公昭62-19732号公報には、剥離横段ムラ
に有効な対策として、微細な凹凸を有する冷却ロールを
使用し、樹脂被覆写真用支持体表面を微細な凹凸で型付
けをすることが開示されているが、同公報においては樹
脂成分が冷却ロールに堆積する問題、高速加工とともに
発生が増加する樹脂被覆表面のクレーター状の細孔の問
題は未解決である。樹脂被覆表面に発生するクレーター
状の細孔は、高速押出しコーティングを行う際の圧着時
に、基材にコーティングされる溶融樹脂と冷却ロールと
の間に空気の巻き込みが促進され、空気溜まりができ樹
脂被覆表面にクレーター状の細孔が発生すると考えられ
ている。このクレーター状の細孔を防止するための方法
として、ニップロールの押しつけ圧力を増して、空気の
巻き込みを防ぐ方法があげられるが、ニップロールの押
しつけ圧力を増すと樹脂を加熱溶融し、押出コーティン
グする際にシート状基体の凹凸の影響が表面にあらわ
れ、樹脂被覆写真用支持体としての平滑面が得られない
という問題がある。
【0013】シート状基体側からの検討として、シート
状基体の凹凸をできるだけ少なくし、高押しつけ圧力を
かけ、樹脂被覆表面にクレーター状の細孔があらわれな
いようにする方法が種々開示されている。例えば、特開
昭60-67940号公報には、写真用支持体を構成する原紙に
0.4μm以下の孔径の空隙量が0.04ml/g以上の
パルプを使用することが開示され、特開昭60-69649号公
報には、平均繊維長0.4〜0.9mm、 平均繊維巾
13.5μm以上で平均繊維厚み4μm以下の木材パル
プを使用することが開示され、また、 特開昭61-275752
号公報には、天然パルプに疎水性繊維を5〜60%混合
して使用することが開示され、特開昭61-284762号公報
には、2枚ワイヤー抄紙機により、 パルプスラリーか
ら湿紙を得る際の脱水条件を限定するなど方法が開示さ
れている。しかしながら、加熱溶融樹脂を高速コーティ
ングする際の上記対策は効果が小さく、また、コスト的
にも不利であるという問題がある。更に、圧着部の周辺
雰囲気の減圧、遮風などもあげられるが充分な方法とは
言い難い。
【0014】これらを解決する手段として、特開平6-11
8557号公報には、樹脂被覆層表面の凸部が平均高さ0.
1〜1.5μmであり、かつ凹部が平坦な底部を持つ樹
脂被覆写真用支持体が出願されている。しかしながら、
前述の剥離横段ムラとクレーター状細孔は改善される
が、近年の写真印画紙の高級化傾向のため、目視の光沢
感の改善がユーザーから指摘される。この目視の光沢感
に相当するのが写像性であり、品質上重要な評価項目と
なってきた。
【0015】写像性とは、塗膜表面に物体が映った時、
その像がどの程度鮮明に、また、歪(ゆが)みなく映し出
されるかの指標として、特に、自動車ボディー塗装の美
観要素を決定づける重要な特性であり、近年発展されて
きた技術である。写像性の測定方法は、JIS H 86
86で規定され、光学的装置を使用し、光学くしを通し
て得られた光量の波形から写像性を像鮮明度として求め
る方法である。光学くしは暗部明部の比が1:1で、そ
の幅は0.125、0.5、1.0及び2.0mmの各種の
ものがある。測定は、光学くしを移動させ、記録紙上の
最高波形(M)及び最低波形(m)を読み取り、次式により
像鮮明度を求める。 C=(M−m)/(M+m)×100 ここで、C:像鮮明度(%)、M:最高波形、m:最低波
形である。像鮮明度Cは、値が大きければ写像性が良
く、小さければ「ボケ」又は「歪み」をもっていること
を示す指標である。この画像の「ボケ」または「歪み」
が少なければ、光沢計での光沢値が同じ場合であって
も、目視による光沢感が向上することがわかっている。
前記の公開公報には、これら樹脂被覆写真用支持体を用
いた場合の写真印画紙の写像性、すなわち目視の光沢感
の向上を満する方法に関しては、何ら検討されず、前述
のクレーター状細孔、剥離横段ムラ等の品質故障を改善
しつつ、写像性をも改善する方法に関ついても何ら開示
されてない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】乳剤塗布開始時の塗膜
方法は、いずれにおいても樹脂被覆写真用支持体から改
良を試みたことは未だかつて検討されていない。本発明
の第1の目的は、かかる塗布開始時に発生するトラブル
を除去し、塗布開始線近傍における塗膜の厚塗りを防止
して、乾燥負荷のいたずらな増大を防止すること及び塗
布の高速化、薄層化を可能にならめる樹脂被覆写真用支
持体を提供することにある。
【0017】また、本発明の第2の目的は、樹脂被覆写
真用支持体の製造時の高速押出コーティング時に、冷却
ロールから律動的に剥離されることにより、樹脂被覆写
真用支持体の進行方向に対して直角方向に生じる剥離横
段ムラと呼ばれる微細な隆起を防止し、樹脂成分が冷却
ロールに堆積することを防止することにより高光沢表面
を得ることができ、しかも樹脂被覆写真用支持体の表面
のクレーター状の細孔も防止でき、乳剤塗布後の写真用
印画紙の高光沢が維持され、更に高速度で長時間安定製
造することができる、樹脂被覆写真用支持体を製造する
ための冷却ロールを提供することにある。
【0018】さらに、本発明の第3の目的は、樹脂被覆
写真用支持体の表面に発生する品質故障である、剥離横
段ムラ、クレーター状の細孔、また、乳剤塗布時の塗布
開始時に発生するトラブルを除去し、塗布開始線近傍に
おける塗膜の厚塗りを防止すし、さらに、写真乳剤塗布
後の目視光沢感を良化させるために、樹脂被覆写真用支
持体を製造するための冷却ロールにおいて、特定の冷却
ロール表面形状を得るために必要な冷却ロールの表面処
理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、シート状基体
の両面がポリオレフィン樹脂で被覆され、写真乳剤層が
設けられる側の該樹脂被覆層表面が、(1)十点平均粗さ
Rzが0.3〜1.0μm、(2)平均ピッチが10〜40
μmの微細な凹凸を有し、(3)凹部の底部が平坦であ
り、かつ、(4)凸部の平均線から頂部側の平均傾斜角が
5〜7度であり、(5)凸部の平均線から底部側の平均傾
斜角が2〜4度で、(6)平坦部と凸部とのエッジ部分が
平坦部に平坦面を有する形で滑らかになっている樹脂被
覆写真用支持体により達成される。
【0020】また、本発明は、冷却ロールが、(1)平坦
な金属表面に十点平均粗さRzが0.3〜1.0μm、
(2)平均ピッチが10〜40μmの微細な凹凸を有し、
(3)凸部の頂部が平坦であり、かつ、(4)凹部の平均線
から底部側の平均傾斜角が5〜7度であり、(5)凹部の
平均線から頂部側の平均傾斜角が2〜4度で、(6)平坦
部と凹部とのエッジ部分が平坦部に平坦面を有する形で
滑らかになっている樹脂被覆写真用支持体の製造用冷却
ロールにより達成される。
【0021】さらに、本発明では、平滑な冷却ロールに
クロムメッキを施し、該クロムメッキ面の0.2S以下
の平滑な表面に少なくとも1回、粗面化処理を行い、し
かる後、しかる後、綿バフを用いた、バフ研磨方法にお
いて、第1段として、平均粒径が10〜50μmの研磨
材を使用して研磨を行い、その後、第2段として、平均
粒径が2.0μm以下の研磨材を用いて、2段階以上表
面を研磨する表面加工方法により達成される。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明で用いる粗さパラメータについて説明する。十点平
均粗さRzとは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った
部分において、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切ら
ない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目ま
での山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の
標高の平均値との差の値をマイクロメートル(μm)で表
したものをいい、下記数1でもとまり、 JIS B06
01−1982(日本工業規格)に規定されている。
【0023】
【数1】
【0024】R1、R3、R5、R7、R9は、 基準長さに
対応する抜取り部分の最高から5番目までの山頂であ
り、R2、R4、R6、R8、R10は、基準長さに対応する
抜取り部分の最深から5番目までの谷底である。
【0025】また、平均ピッチは、粗さ曲線から基準長
さだけ抜き取った部分において、平均線を横切って、山
から谷へ向かう点から、次の山から谷へ向かう横断点ま
での間隔をSmiとするとき、間隔の総数をNとすれ
ば、下記数2でもとまり、ISO 4287/1(国際
標準)に規定されている。
【0026】
【数2】
【0027】また、凹凸の平均傾斜角は、粗さ曲線から
平均線の高さ及び深さと、その底辺の長さから、下記数
3よりもとまる。
【0028】
【数3】
【0029】h1は、平均線からの頂部までの高さ及
び、 平均線からの底部までの深さで、L1は、その高さ
及び深さの底辺の長さである。
【0030】シート状基体の両面がポリオレフィン樹脂
で被覆され、写真乳剤層が設けられる側の該樹脂被覆層
表面の十点平均粗さRzが0.3μm未満であると、品
質故障である梨地が悪化し、乳剤表面がチカチカ乱反射
し、写真印画紙としての価値は失われる。また、1.0
μmを超えると、写像性が低下し、グロッシータイプの
写真印画紙としての光沢が低下し、実用性は失われる。
平均ピッチが10μ未満であると、剥離横段ムラが悪化
し、平均ピッチが50μmを超えると、乳剤塗布後の表
面にうねりが発生し、写像性が低下してしまう。凹部の
底部が平坦部でない場合は、乳剤塗布開始時の塗布ムラ
が生じることとなる。凸部の平均線から頂部側の平均傾
斜角が5度未満の場合、梨地が悪化し、平均傾斜角が7
度を超えると乳剤塗布開始時の薄層化が困難となる。凸
部の平均線から底部側の平均傾斜角が2度未満の場合、
剥離横段ムラが悪化し、平均傾斜角が4度を超えると、
乳剤塗布開始時の薄層化が困難となり実用性が失われ
る。
【0031】本発明において、樹脂被覆写真用支持体の
押出被覆型付けに用いる冷却ロール表面の凹凸粗さを大
きくすることにより剥離横段ムラ、クレーター状細孔を
防止することは容易であるが、粗さを大きくすることに
より乳剤塗布開始時の薄層化が出来ず、また、乳剤面の
写像性が低下してしまい、相反した問題を有するため、
最適な形状を得ることが必要である。そこで、種々の粗
さ、凹凸の形状を有する冷却ロールを用いて検討を行っ
た結果、本発明の樹脂被覆写真用支持体の表面の凹凸の
凹部を平坦にし、平坦部と凸部とのエッジ部分を滑らか
にすることで乳剤塗布開始時の薄層化が達成できた。
【0032】また、シート状基体の両面がポリオレフィ
ン樹脂を塗布し、ポリオレフィン層を冷却ロールに圧着
しながら冷却固化する押出コーティング法において、写
真乳剤層が設けられる側を樹脂被覆写真用支持体を製造
する冷却ロールの十点平均粗さRzが0.3μm未満で
あると、品質故障である梨地が悪化し、乳剤表面がチカ
チカ乱反射し、写真印画紙としての価値は失われる。ま
た、1.0μmを超えると、写像性が低下し、グロッシ
ータイプの写真印画紙としての光沢が低下し、実用性は
失われる。平均ピッチが10μ未満であると、剥離横段
ムラが悪化し、平均ピッチが50μmを超えると、梨地
が悪化し、乳剤塗布後の表面にうねりが発生し、写像性
が低下してしまう。凹部の底部が平坦部でない場合は、
乳剤塗布開始時の塗布ムラが生じることとなる。凸部の
平均線から頂部側の平均傾斜角が5度未満の場合、梨地
が悪化し、平均傾斜角が7度を超えると乳剤塗布開始時
の薄層化が困難となる。凸部の平均線から底部側の平均
傾斜角が2度未満の場合、剥離横段ムラが悪化し、平均
傾斜角が4度を超えると、乳剤塗布開始時の薄層化が困
難となり実用性が失われる。
【0033】本発明に用いられる冷却ロールの製造方法
について説明する。冷却ロールの材質は鉄等金属のクロ
ムメッキ又はニッケル、ホーロー引き、ステンレススチ
ール、テフロン加工のものなど種々選択でき、各々の材
質と粗面形状の付与方法は、本発明の冷却ロール表面形
状が得ることができれば、任意に選択することができ
る。
【0034】本発明では、樹脂被覆写真用支持体を製造
するために使用される冷却ロールの粗面化処理を行う際
に、クロムメッキ面が0.2Sを越えるとメッキ面のう
ねりが粗面化処理後にも生じ、均一な表面が得られな
い。乳剤面の写像性を低下させる要因は、乳剤面に発生
する微小なうねりであり、うねりは、冷却ロール表面の
凹凸で型付けられた樹脂被覆写真用支持体の表面の凹凸
部で発生されている。そこで、本発明では、表面の凹凸
部のピッチを特定し、凹凸の高さをきるだけ均一にした
冷却ロールを用いて製造された樹脂被覆写真用支持体を
用いることにより、写真乳剤が塗布された印画紙表面の
写像性を良化させることが可能である。
【0035】本発明の冷却ロールの粗面形状の付与法と
しては、サンドブラスト法、あるいはウエットホーニン
グ法を用いて、少なくとも1回、表面に微細な凹凸を付
けるが必要である。鉄等の材質のロールにクロムメッキ
を10〜200μmの厚さで施す。この際、表面は0.
2S以下に研磨でできるだけ平滑にした後、少なくとも
1回、サンドブラスト法、あるいはウエットホーニング
法により微細な凹凸を付けることにより達成される。な
お、微細な凹凸を付ける際は、最終目標の粗さ及び凹部
の深さよりも粗目に凹凸を付ける。
【0036】次に、微細な凹凸を付けたロールを表面研
磨し、平坦な金属表面部分をつくる。研磨方法としては
種々あるが、研磨法による研磨跡が付かないよう行うこ
とが必要である。本発明においては、綿バフのような柔
らかい材質を用いて、粒径の異なる研磨材を用いて、2
段階以上粗面を研磨することにより達成される。
【0037】次に、本発明の冷却ロールのクロムメッキ
表面の表面加工方法を詳細に説明する。例えば、本発明
の綿バフ以外の固い物を使用すると、冷却ロール表面に
研磨跡が付き、樹脂被覆写真用支持体を製造した場合、
冷却ロールの研磨跡が転写され品質故障となり、製品に
はならない。また、綿バフ以外の固い物を使用すると、
特定の研磨材を用いても、平坦部と凹部とのエッジ部分
が滑らかにならず、乳剤塗布開始時の薄層化が困難とな
る。
【0038】本発明の冷却ロール表面加工方法におい
て、第1段の研磨材として、平均粒径が10μm未満の
物を使用する場合、クロムメッキ面の粗面の研磨が出来
ず、逆に、50μmを越えた粒径の研磨材を使用する
と、平坦部と凹部のエッジ部分が滑らかにならず、乳剤
塗布開始時の薄層化が困難となる。また、第2段の研磨
時、平均粒径が2.0μmを越えた研磨材を用いると、
平坦部と凹部のエッジ部分が滑らかにならず、実用性が
失われる。本発明の表面加工に用いる研磨材は、硬度が
3.0以上のものを使用するのが好ましい。硬度が3.
0未満であると、クロムメッキ面に施した粗面を研磨す
ることが難しくなる。本発明の冷却ロール表面加工方法
により、冷却ロールの金属表面に平坦な部分ができ、凹
部と凸部のエッジが滑らかになり、本発明の冷却ロール
表面が得られる。
【0039】本発明に用いる研磨材としては、硬質粒子
として、人造・天然の鉱物粒子、軟質粒子として、植物
質と合成樹脂粒子等が用いられ、目的に応じ適宜選択す
ることが可能である。一般には、一炭化ケイ素(カーホ゛ランタ
゛ム)、 溶融アルミナ(アランタ゛ム)、金剛砂、ガラス粉末、け
い石、あるいは、バキュライト、ガーネット、ジルコ
ン、ガラスビーズ等を用いることが可能である。また、
ポリエステル、尿素樹脂、スチロールボールを用いても
構わない。
【0040】本発明における樹脂被覆写真用支持体は、
天然パルプから抄紙された紙や合成繊維からなる合成
紙、または、それらの混抄紙等のシート状基体に、熱可
塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたは
ポリオレフィン共重合体を単独、又は、混合物で溶融押
出機より被覆されたものである。また、シート状基体と
しては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートお
よびそれらと他の樹脂の共重合体を使用することも可能
である。樹脂被覆層の厚さについては特に制限はなく、
約5〜200μm程度であり、特に約15〜50μm程
度が好適である。また、乳剤層が設けられる側の好まし
い被覆層は、二酸化チタン又は二酸化チタンと他の白色
顔料もしくは充填材との混合物であり、特にポリエチレ
ン樹脂組成物が好ましい。更に有色顔料、染色蛍光増白
剤、又は他の公知の添加剤が少量含有されていても良
い。さらに、樹脂被覆層は2層以上の複数層あっても構
わなく、各層で添加剤の濃度を適宜変更しても構わな
い。
【0041】ポリエチレン樹脂組成物塗布は紙の片面又
は両面上に塗布されていてもよく、押出しコーティング
により270〜330℃の温度で行われる。本発明にお
けるポリエチレン混合物で被覆される基材は、必要に応
じサイズ剤、紙力増強剤、着色剤、蛍光増白剤などを添
加使用してもよい。基材の坪量についても特に制限がな
く約50〜300g/m2程度であり、 特に70〜20
0g/m2程度が好適である。
【0042】樹脂で被覆した写真用支持体は樹脂を押出
機で加熱溶融し、紙等の基材と冷却ロールとの間にフィ
ルム状に押出し、ニップロール等で樹脂を基材にコーテ
ィングし製造される。冷却ロールは樹脂コーティング層
の表面形状の形成に使用され、樹脂被覆写真用支持体の
表面は冷却ロール表面の形状により高光沢か、無光沢
か、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等
に形成することができるが、本発明では、これらの中で
も平滑な光沢面の樹脂被覆写真用支持体であるので、高
光沢表面の冷却ロールを用いて製造する。
【0043】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例を詳細に説
明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における%はすべて重量%によるものである。
広葉樹材晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サル
ファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディ
アンスタンダードフリーネスで300mlになるまで叩
解し、パルプスラリーを作成した。これにサイズ剤とし
てアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強
度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量
%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミ
ドエピクロロヒドリンを対パルプ0.5重量%添加し、
水で希釈後1%スラリーとした。このスラリーを長網抄
紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、 ポリオ
レフィン樹脂被覆紙の原紙とした。
【0044】[実施例1〜12及び実施例1〜8]本発
明である実施例1〜12は、ロール表面にクロムメッキ
を150μm施し、クロムメッキ面を0.2S以下にな
るよう研磨して、平滑な表面を得た後、サンドブラスト
法により、クロムメッキの表面を粗面化処理を行う。そ
の後、表1記載の粒径の研磨材を用いて、粗面上を綿バ
フ研磨し、冷却ロールの金属表面が、 東京精密製の表
面粗さ解析装置Surfcom E−RM−S27A型
で測定された微細な凹凸を有する本発明の冷却ロールを
作製した。実施例1〜8と同様に、比較例1〜12もロ
ール表面にクロムメッキを150μm施し、クロムメッ
キ面を0.2〜0.5Sになるよう研磨して、平滑な表面
を得た後、サンドブラスト法により、クロムメッキ面を
粗面化処理を行う。その後、表1記載の粒径の研磨材を
用い、粗面上を綿バフで研磨処理を行うか、あるいは、
砥石で研磨処理を施するか、もしくは研磨未処理の状態
で、冷却ロールの金属表面が、同様に、微細な凹凸を有
する冷却ロールを作製した。これら実施例1〜12と比
較例1〜8の研磨方法と得られた冷却ロールの表面形状
を表1に示す。
【0045】[クーリングロール表面の評価方法]クー
リングロール表面をレプリカにより形状を転写させ、三
次元表面粗さ計による三次元スキャン図、及び電子顕微
鏡写真の観察により、平坦部と凹部エッジ部分が滑らか
さを目視判定により、下記のグレード評価で行った。 ○:エッジ部分が滑らかになっている △:若干エッジ部分の角ばっている ×:エッジ部分が角ばって、鋭角になっている また、研磨により、平坦面の有無を ○:凸部の頂部に平坦面有り ×:凸部の頂部に平坦面無し とする。さらに、得られた冷却ロール表面の表面粗さ
は、フィルタを用いた数値であり、ロール表面の低周波
成分を除去するため、カットオフ値は0.8mmを用い
た。
【0046】
【表1】
【0047】本発明の様に、クロムメッキ面が0.2S
以下の平滑な面に、粗面化処理を施し、綿バフを用いた
バフ研磨方法において、第1段として、平均粒径が10
〜50μmの研磨材を使用し、第2段として、平均粒径
2.0μm以下の研磨材を用いて2段階研磨することに
より、実施例1〜12のような平坦部と凹部とのエッジ
部分が滑らかな冷却ロール表面が得られる。しかし、バ
フ研磨を行っていない比較例1、2は、平坦面がなく、
また、比較例3〜5の様に砥石で研磨される場合は、平
坦面を有するものの、平坦部と凹部とのエッジ部分が、
強い力により破壊されるように研磨する結果、エッジ部
分が滑らかになり難い。さらに、比較例6〜8の様に、
例え、綿バフ研磨を行っても、研磨回数と研磨材の粒径
が本発明の範囲を満たさないと、平坦部と凹部とのエッ
ジ部分が滑らかな冷却ロール表面が得ることができな
い。
【0048】抄造した原紙に、密度0.918g/cm3
の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、1
0重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエ
チレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ30μmに
なるように押出コーティングし、表1記載の冷却ロール
を用いて押出被覆型付けした。もう一方の面には密度
0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂を同様に
320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆
型付けした。なお、得られた樹脂被覆写真用支持体の表
面粗さ測定は、フィルタを用いた数値であり、樹脂被覆
写真用支持体の場合は支持体の原紙の低周波成分を除去
するため、カットオフ値0.08mmを用いた。
【0049】[品質評価方法]このようにして得られた
樹脂被覆写真用支持体の表面における、剥離横段ムラ、
クレーター状細孔の発生度合いを目視により評価した。
さらに、この樹脂被覆写真用支持体の表面にコロナ処理
を行い、カラー用ハロゲン化銀乳剤を13g/m2塗布
し、塗布開始線から塗布量が均一になるところまでの距
離を測定。 また、現像処理した写真用印画紙表面の写
像性を評価した。
【0050】[乳剤塗布開始から均一液付きの距離]乳
剤塗布開始線から均一液付きの距離は、50mmを越え
ると塗布先端部分が厚塗りとなり、乾燥ゾーンの乾燥負
荷が生じペーパーロールの汚染等重大な品質故障を発生
させる。
【0051】[剥離横段ムラ]剥離横段ムラの評価は、
グレード評価とし、樹脂被覆写真用支持体の剥離グレー
ド4以上になると写真用印画紙表面の光沢の低下等外観
上の支障をきたす。 グレード1:剥離横段ムラはまったく見られない グレード2:薄く剥離横段ムラが見られる グレード3:剥離横段ムラが見れるが、乳剤層上には見
えない グレード4:剥離横段ムラが強く、乳剤層上にも薄く見
れる グレード5:剥離横段ムラ非常に強く、乳剤層上にも強
く残る
【0052】[クレーター状細孔]クレーター状細孔の
評価は樹脂被覆写真用支持体の表面の2.0cm四方を
10倍のルーペで拡大して観察し、径0.4mm(実測
40μm)以上の細孔の数でグレード評価とし、クレー
ター状細孔グレードが4以上になると写真用印画紙表面
の光沢の低下等外観上の支障をきたす。 グレード1:表面上に細孔は見られない グレード2:1〜10個見られる グレード3:11〜50個見られる グレード4:51〜100個見られる グレード5:101個以上見られる
【0053】[写像性]写像性は、 スガ試験機株式会
社製 写像性測定器 ICM−2DP型 を使用し、光学
くしの幅2.0mmを用いて評価した。写像性C値が5
0%をしたまわると、鏡面タイプの高光沢感な写真用印
画紙としての性能が欠如し、外観上の支障をきたす。
【0054】
【表2】
【0055】実施例1〜12では、樹脂被覆写真用支持
体の表面が、十点平均粗さRzが0.3〜1.0μm、平
均ピッチが10〜50μmの微細な凹凸を有し、凹部の
底部が平坦であり、かつ、凸部の平均線から頂部側の平
均傾斜角が5〜7度であり、凸部の平均線から底部側の
平均傾斜角が2〜4度で、平坦部と凸部とのエッジ部分
が滑らかになっているため、乳剤塗布開始から均一液付
の距離が短く、乳剤塗布後の乾燥負荷も少なく、また、
樹脂被覆写真用支持体として、剥離横段ムラ、クレータ
ー状細孔等の品質故障も少なく、目視の光沢感である写
像性も高い、高品位な樹脂被覆写真用支持体が得られ
る。
【0056】しかしながら、比較例1、4のように、底
部側の平均傾斜角が4度を超えると、均一液付け距離が
悪く、乾燥負荷が大きいばかりか、樹脂被覆写真用支持
体上に、剥離横段ムラも発生し、製品にはならない。比
較例2、5のように、頂部あるいは底部側の平均傾斜角
が7度あるいは、4度を超え折ると、均一液付け距離が
著しく悪くなり、乾燥負荷が大きいばかりか、最悪の場
合、未乾燥のままドライヤーゾーンを通過し、ペーパー
ロールを汚染することがある。また、比較例3、6のよ
うに、十点平均粗さRzが0.3μm未満、あるいは、
平均ピッチが50μmを超えると、樹脂被覆写真用支持
体上に、剥離横段ムラ、クレーター状細孔等の品質故障
が多く発生し、製品にはならない。さらに、比較例7の
ように、平均ピッチが50μm以上で、頂部側平均傾斜
角が4度を超える場合や、比較例8のように十点平均粗
さRzが1.0μmを超える場合においては、比較例
2、5と同様に、均一液付け距離が著しく悪くなり、乾
燥負荷が大きいばかりか、最悪の場合、未乾燥のままド
ライヤーゾーンを通過し、ペーパーロールを汚染するこ
とがあるばかりではなく、写像性も著しく低下し、鏡面
タイプとしての写真印画紙として、まったく実用に耐え
なくなる。
【0057】
【発明の効果】本発明の冷却ロールを使用することによ
り、剥離横段ムラ、クレーター状の細孔、樹脂成分の堆
積が減少され、樹脂被覆写真用支持体の乳剤塗布開始時
の厚塗りを防止し、塗布の高速化、塗布ムラを改良した
写真用印画紙が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明に関わる樹脂被覆写真用支持体
の断面図。
【図2】図2は図1の拡大図。
【図3】図3は本願発明に関わる冷却ロール表面の断面
図。
【図4】図4は図3の拡大図。
【符号の説明】
1・・・樹脂被覆層 2・・・冷却ロール層 Smi・・・凹凸から凹凸までの間隔 h1、h2・・・平均線からの頂部までの高さ及び、平均
線からの底部までの深さ L1、L2・・・頂部までの高さの底辺及び、底部までの
深さの底辺

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状基体の両面がポリオレフィン樹脂
    で被覆され、写真乳剤層が設けられる側の該樹脂被覆層
    表面が、 (1)十点平均粗さRzが0.3〜1.0μm、 (2)平均ピッチが10〜50μmの微細な凹凸を有し、 (3)凹部の底部が平坦であり、かつ、 (4)凸部の平均線から頂部側の平均傾斜角が5〜7度で
    あり、 (5)凸部の平均線から底部側の平均傾斜角が2〜4度
    で、 (6)平坦部と凸部とのエッジ部分が平坦部に平坦面を有
    する形で滑らかになっていることを特徴とする樹脂被覆
    写真用支持体。
  2. 【請求項2】冷却ロール表面が、 (1)平坦な金属表面に十点平均粗さRzが0.3〜1.0
    μm、 (2)平均ピッチが10〜50μmの微細な凹凸を有し、 (3)凸部の頂部が平坦であり、かつ、 (4)凹部の平均線から底部側の平均傾斜角が5〜7度で
    あり、 (5)凹部の平均線から頂部側の平均傾斜角が2〜4度
    で、 (6)平坦部と凹部とのエッジ部分が平坦部に平坦面を有
    する形で滑らかになっていることを特徴とする樹脂被覆
    写真用支持体を製造するための冷却ロール。
  3. 【請求項3】 平滑なロールにクロムメッキを施し、該
    クロムメッキ面が0.2S以下の平滑な表面に少なくと
    も1回、粗面化処理を行い、しかる後、綿バフを用いた
    バフ研磨方法において、第1段として、平均粒径が10
    〜50μmの研磨材を使用して研磨を行い、第2段とし
    て、平均粒径が2.0μm以下の研磨材を用い、少なく
    とも2段階以上表面を研磨し、平坦部と凹部とのエッジ
    部分が滑らかになることを特徴とする請求項2記載の冷
    却ロールの表面加工方法。
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