JPH0213553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はアンカー筋を取り付けた杭頭接続装
置に関するもので、鋼管杭あるいは外殻鋼管とコ
ンクリートとからなる複合パイル等の既製杭の頭
部に接続して、杭とフーチングあるいは構造物の
柱等との連結および応力伝達のために用いる。

〔従来の技術および考案が解決しようとする問題点〕

従来、鋼管杭あるいは鋼管コンクリート複合パ
イル等の既製杭の杭頭部にアンカー筋を取り付け
る場合、第３図および第４図に示すように打設し
た既製杭６の頭部に溶接工が現場でアンカー筋７
を直接溶接するのが一般的である。

しかし、溶接の資格が必要なので誰でもできる
というものではなく、溶接工の技量によつても品
質のバラツキがある。また、屋外作業であるの
で、雨天時には作業ができないといつた欠点があ
る。

また、実公昭56−34045号公報には予め工場等
において鉄筋を溶接した鋼管を杭頭に被せ、鋼管
と杭との間に膨張性または無収縮性のコンクリー
ト等の充填材を詰め込むといつた考案が示されて
いる。しかし、充填材の硬化に時間を要し、また
狭い部分に充填するためコンクリート等が行きわ
たり難く、強度面あるいは応力の伝達といつた面
でも問題が残る。

この考案は予め工場等でアンカー筋を取付けた
金具をねじ込み式に杭頭部へ接合できるようにし
たもので、現場溶接を不要とし、誰でも簡単にア
ンカー筋取付作業が行なえるようにすることを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、この考案の杭頭接続装置を図示した実施
例（第１図および第２図）に基づいて説明する。

図の実施例は杭１として打設した鋼管コンクリ
ート複合パイルの杭頭部に、予め工場等でアンカ
ー筋５を溶接した金属製の筒体３を螺合する様子
を示したものである。杭１の上端部には雄ねじ２
が形成され、一方前記筒体３の内側面にはこれに
対応する雌ねじ４が形成されている。従つて筒体
３を杭１の雄ねじ２のまわりにねじ込むことによ
り、杭１と筒体３が結合し、アンカー筋５が取り
付けられたことになる。

筒体３としては内側面に雌ねじ４を形成したも
のを鋳造したり、あるいは杭１の外径より大きな
鋼管を輪切りにしたものの内側面に雌ねじ４を加
工したもの等が考えられる。また、それほど大き
な力が作用しない場合には薄鋼板の筒体に波形形
状の凹凸を設けて雌ねじを形成することも可能で
ある。

杭１としては鋼管コンクリート複合パイルの他
鋼管杭でも良く、その場合鋼管杭の内側面に雌ね
じを形成し、筒体の外側面にこれに螺合する雄ね
じを形成して、アンカー筋は筒体の内側面に溶接
することも可能である。

〔考案の効果〕

この考案の杭頭接続装置では予め工場等でアン
カー筋を取り付けた金具をねじ込み式に結合でき
るため、現場での溶接が不要で品質が均一にな
る。また、雨天時にも施工可能であり、誰にでも
簡単に作業できるため工期が短縮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の杭頭接続装置
の実施例における取付手順を示す正面図、第３図
および第４図は従来の溶接によるアンカー筋の取
付けの様子を示す正面図である。 １……杭、２……雄ねじ、３……筒体、４……
雌ねじ、５……アンカー筋、６……杭、７……ア
ンカー筋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 既製杭の上端部に螺合可能な金属製筒体の周
   方向に所定間隔でアンカー筋を設けてなる杭頭
   接続装置。 (2) アンカー筋は筒体の外側面に溶接してある実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の杭頭接続装
   置。