JPH05306527A - コンクリート杭 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 杭頭部における結合鉄筋の取付処理が特定の
熟練工を必要とせず簡単かつ迅速に行え、施工精度がよ
く管理も容易なコンクリート杭を提供する。 【構成】 外殻鋼管巻きコンクリート杭の杭頭部にて、
コンクリート12中にカップラーナット13とその下部に螺
合されたアンカー鉄筋（ねじ鉄筋）14を多数埋設する。
アンカー鉄筋14は、カップラーナット13の下半部に螺合
し、ロットナット17により所定の締付トルクでカップラ
ーナット13と一体化する。現場にて杭を施工した後、カ
ップラーナット13の上半部ねじ穴内にセメント系グラウ
ト、エポキシ系樹脂等の接合材を充填してから、杭頭上
面の座板11を通してカップラーナット13の上半部ねじ穴
内に杭頭結合鉄筋（ねじ鉄筋）15を螺入し、座板11を挾
んでロットナット18を締めることにより、所定の締付ト
ルクで杭頭結合鉄筋15とカップラーナット13とを一体化
させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、杭頭結合鉄筋の取付構
造に特徴を有するコンクリート杭に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】杭基礎においては、地中に設けられた多
数のコンクリート杭の頭部に、橋脚などの最下部に設け
られたフーチングを結合し、橋脚などを通じて伝えられ
る荷重を多数の杭頭部に分散して伝達させるようにして
いる。

【０００３】図３に示されるように、従来は、フーチン
グ１が結合される外殻鋼管巻きコンクリート杭（ＳＣ
杭）の頭部にて、外殻鋼管２の外側に杭頭結合鉄筋３が
フレア溶接されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この種の溶接は作業環
境の悪い場所での溶接作業となるため、溶接の信頼性に
問題が残る。さらに溶接工の技能および人材確保の面で
の対応が難しい状況となってきた現在では、溶接によら
ない杭頭結合鉄筋取付手段が求められている。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、杭頭部における結合鉄筋の取付処理が特定の熟練
工を必要とせず簡単かつ迅速に行え、さらに施工精度が
よく管理も容易な杭頭結合鉄筋取付構造を有するコンク
リート杭を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、杭頭結合鉄筋
取付構造を有するコンクリート杭であって、杭頭部のコ
ンクリート中に埋設されたアンカー鉄筋と、このアンカ
ー鉄筋を下部に螺着した状態でコンクリート中に埋設さ
れ杭頭上面より上部に杭頭結合鉄筋を螺入されるカップ
ラーナットとを具備したコンクリート杭である。

【０００７】

【作用】本発明は、現場にてコンクリート杭を施工した
後、杭頭部のカップラーナット上部に杭頭結合鉄筋を螺
入することにより、杭頭結合鉄筋とコンクリート中に埋
設されているアンカー鉄筋とを一体化する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図１および図２に示される実
施例を参照して詳細に説明する。

【０００９】図１は外殻鋼管巻きコンクリート杭（以
下、ＳＣ杭という）の杭頭部を示し、そのＳＣ杭天端に
は、外殻鋼管２の上端に溶接されたＳＣ杭天側座板11が
一体に設けられ、この座板11の下側にて杭頭部のコンク
リート12中に、カップラーナット13の下部に螺合された
アンカー鉄筋（ねじ鉄筋）14が多数埋設され、また、各
カップラーナット13の上部に杭頭結合鉄筋（ねじ鉄筋）
15が杭頭上面の座板11を通して螺入されている。

【００１０】コンクリート杭成形工場で予め埋設された
アンカー鉄筋14に対し、杭頭結合鉄筋15は杭施工時にカ
ップラーナット13を介して一体化され、その杭頭結合鉄
筋15およびこの鉄筋15に巻付けられた帯鉄筋16を介し
て、杭頭部とフーチング１とが結合される。

【００１１】図２に示されるように、前記アンカー鉄筋
14は、カップラーナット13の下半部に螺合されるととも
に、ロットナット17により所定の締付トルクでカップラ
ーナット13と一体化され、カップラーナット13およびロ
ットナット17とともにコンクリート12中に予め埋設され
ている。

【００１２】さらに、前記杭頭結合鉄筋15は、杭施工現
場にてＳＣ杭を施工した後、カップラーナット13の上半
部ねじ穴内にセメント系グラウト、エポキシ系樹脂等の
接合材を充填してから、その上半部ねじ穴内にこの杭頭
結合鉄筋15を螺入し、さらに、ＳＣ杭天側座板11を挾ん
でロットナット18を手締めにより定着させることによ
り、杭頭結合鉄筋15を所定の締付トルクでカップラーナ
ット13と一体化させる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、現場ではカップラーナ
ットの上部に杭頭結合鉄筋を螺入して固定するだけでよ
いから、作業環境の悪い場所でも杭頭部における結合鉄
筋の取付処理が特定の熟練工を必要とせず簡単かつ迅速
に行える。また、溶接等の現場施工が少ないので、施工
精度がよく管理も容易に行うことができ、信頼性も高
い。さらに、カップラーナットの下部に螺合されたアン
カー鉄筋がコンクリート中に埋設されているので、外殻
鋼管巻きコンクリート杭の場合は、このアンカー鉄筋を
コンクリート中に長く埋込むことにより、その鉄筋量に
見合うだけ外殻鋼管厚を薄くすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコンクリート杭の一実施例を示す杭頭
部の断面図である。

【図２】同上杭頭部におけるカップラーナットとねじ鉄
筋との螺合部を示す断面図である。

【図３】従来の杭頭結合鉄筋の溶接例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

13 カップラーナット 14 アンカー鉄筋 15 杭頭結合鉄筋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆畑 勇 東京都港区新橋一丁目８番３号 日本コン クリート工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 杭頭結合鉄筋取付構造を有するコンクリ
   ート杭であって、 杭頭部のコンクリート中に埋設されたアンカー鉄筋と、 このアンカー鉄筋を下部に螺着した状態でコンクリート
   中に埋設され杭頭上面より上部に杭頭結合鉄筋を螺入さ
   れるカップラーナットとを具備したことを特徴とするコ
   ンクリート杭。