JPH0212944B2 - - Google Patents

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JPH0212944B2
JPH0212944B2 JP55081384A JP8138480A JPH0212944B2 JP H0212944 B2 JPH0212944 B2 JP H0212944B2 JP 55081384 A JP55081384 A JP 55081384A JP 8138480 A JP8138480 A JP 8138480A JP H0212944 B2 JPH0212944 B2 JP H0212944B2
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acrylamide
copper
aqueous solution
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acrylonitrile
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Shiro Asano
Kohei Sei
Yoshihiko Kanbara
Junji Mikami
Hiroshi Kato
Tadatoshi Pponda
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Priority to IT22389/81A priority patent/IT1136669B/it
Priority to FR8112008A priority patent/FR2485002A1/fr
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Publication of JPH0212944B2 publication Critical patent/JPH0212944B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C253/00Preparation of carboxylic acid nitriles
    • C07C253/32Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C253/34Separation; Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/22Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C231/24Separation; Purification

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、銅系触媒の存在下液相でアクリロニ
トリルと水とを接触水和させて得られるアクリル
アミド水溶液の精製方法に関する。 アクリルアミドは従来からアクリルアミド系ポ
リマーとして製紙薬剤、凝集剤、石油回収剤およ
び土壌固化剤などに用いられ、また他のポリマー
のコモノマーとしても広い用途を有している。こ
れらの用途に供されるアクリルアミドの製法とし
ては、古くはいわゆる硫酸法により製造されてい
たが、近年に至り銅系触媒の存在下に接触水和す
る方法が開発され、現在では硫酸法に代わつて工
業的に実施されている。 アクリルアミドの上記の用途のうち、特に凝集
剤は、近年廃水処理用などに用途が拡大され、こ
れに伴つて品質性能の向上に著しい努力が払われ
ている。就中、凝集剤として用いられるアクリル
アミド系ポリマーは、その性能に直接寄与する高
分子量化の傾向が著しく、最近は1000万以上特に
1400万程度の高分子量のものが求められている。
これは他の用途に用いられるアクリルアミド系ポ
リマーの分子量が通常100万以下であることに比
して遥かに高い値である。 また、アクリルアミド系ポリマーは、凝集剤と
して通常水に溶解して用いられる為に、水に対し
て速かにかつ不溶解分を残さずに溶解すること、
及びアクリルアミドモノマーの有毒性の為にポリ
マー中に残存する未反応モノマーが例えば0.2%
以下の微量であることも必要とされている。これ
らの要求は、通常、高分子量化とは両立しがたい
性質であり、その達成に著しい努力が払われてい
るゆえんである。なお、本発明にいう分子量とは
後述する実施例1に示す試験方法によるものであ
り、また水溶性が問題とされるのは、通常、水性
媒体中で得られたポリマーを乾燥して水分を20重
量%以下、特に10重量%程度の乾燥粉体として保
存ししかる後水溶解して使用する場合であり、本
発明にいう水溶性も主としてこの意味で用いられ
る。 水溶性の良好な高分子量アクリルアミド系ポリ
マーの製造に関しては多くの提案がなされてい
る。例えば、アクリルアミドの重合反応の前、途
中又は後に不溶化防止剤として尿素系物質、各種
アミン類、ニトリロトリスカルボン酸などを添加
する方法、セリウム塩とアセチルアセトン、油溶
性アゾ化合物とアミン類などの特定の重合開始剤
系を用いる方法、或いは重合反応で得られた含水
ゲルの乾燥に際して溶剤による抽出脱水を併用し
たり、異つた条件の2段階の乾燥を行なう方法、
などが知られている。 而して前記課題の解決は、アクリルアミド系ポ
リマーの製造方法によるだけでなく、アクリルア
ミドの品質によるところが大きいとされている。
例えば、特開昭52−68118では原料であるアクリ
ロニトリル中のアクロレインは1.5ppm以下でな
ければならないとされ、特開昭52−138585ではア
クリルアミド中の3,3′,3″―ニトリロトリスプ
ロピオン酸を0.1ppm以下とすべきことが記載さ
れているなど、アクリルアミド中の或いは遡つて
原料アクリロニトリル中の1ppm程度の有機性不
純物といえども有害とされるほどで、極めて高度
の精製が必要であることがうかがわれる。しかも
周知のようにアクリルアミドは極めて反応性に富
んだ化合物であり、例えばビニル重合型重合反
応、カルバモイルエチル化反応或いはアミド基の
水素の移動を伴う反応などの反応性を有するの
で、精製中にこれらの反応を誘起して新らたな不
純物を生成しかねない。 このような観点からすれば、アクリルアミドの
精製方法のうち従来から行なわれている晶析法は
確実ですぐれた方法であるが、多大のコスト増加
を伴うものである。その理由は、接触水和法によ
りアクリルアミドの製造は必然的に水溶液状で製
造されそのまま上市もされており、一方アクリル
アミド系ポリマーはアクリルアミドを水溶液状で
用いる水溶液重合または油中水型エマルジヨン重
合により製造されるのが最も一般的であるからで
ある。従つてこのことを考えれば、アクリルアミ
ドモノマーの製造工程中に結晶化工程を含むこと
は極めて不経済といわなければならない。 そこで、接触水和法により得られるアクリルア
ミドを水溶液のままで精製する方法も多く提案さ
れており、例えば未反応アクリロニトリルを水の
一部と共に弱塩基性下で留去する方法(特開昭49
−56914)、特定のカチオン交換樹脂により脱銅す
る方法(特開昭50−62929)、キレート樹脂により
脱銅する方法(特開昭49−80016)、不活性ガスを
吹込みながら塩基処理する方法(特開昭49−
133318)、強塩基性アニオン交換樹脂で処理する
方法(特開昭50−82011)、空気処理と強酸性カチ
オン交換樹脂処理の後弱塩基性アニオン交換樹脂
処理する方法(特開昭52−100418)などが挙げら
れる。 本発明者らはこれらの方法とこれらの組合わさ
れた方法について詳細に検討したが、前記した高
分子量のアクリルアミド系ポリマーの製造に適し
たアクリルアミドの精製方法は見出されなかつ
た。即ち、上記の方法で精製されたアクリルアミ
ドを用いて高分子量アクリルアミド系ポリマーの
乾燥粉末状製品とする場合は、その品質就中水溶
性はしばしば不満足であり、更に該アクリルアミ
ドを水溶液状態で長期に貯蔵する場合は、貯蔵中
に劣化し、これから得られたポリマーの水溶性が
更に悪化する現象も認められた。 本発明は上記した技術的課題を解決することを
目的とするものであり、第1の目的は分子量1000
万以上特に1400万程度でかつ水に溶解しやすく未
反応単量体含量が例えば0.2重量%以下の微量で
ある高分子量アクリルアミド系ポリマーの製造に
好適なアクリルアミドを提供することにあり、更
に第2の目的はかかるアクリルアミド系ポリマー
の製造に供するに先立ち水溶液状態で長期に貯蔵
しても品質の劣化を来たさないアクリルアミド水
溶液の精製方法を提供することにある。 而して本発明の精製方法に用いられる粗アクリ
ルアミド水溶液自体の製造方法としては通常次の
様な方法が用いられる。 即ち、製造に用いられるアクリロニトリルとし
ては、通常はプロピレンの所謂アンモキシデーシ
ヨンにより合成されるものが用いられるが、高分
子量のアクリルアミド系ポリマーの製造に適した
アクリルアミドの合成に供する為には、既に知ら
れているようにその不純物に関して若干の制約が
ある。即ち本発明の方法に用いられるアクリロニ
トリルは、アクロレイン含有1.5ppm以下、ハイ
ドロキノン0.2ppm以下で且つオキサゾール
25ppm以下であることが好ましい。また工業用に
市販されるアクリロニトリルは、通常安定剤とし
てp―メトキシフエノール約40ppmを含むが、こ
れをこのまま用いることも出来るし、これ以下の
含量として用いても良い。 本発明の方法に用いられる銅系触媒の例として
は、(A)銅線、銅粉等の形の銅と銅イオンとの組合
わせ、(B)銅化合物を還元剤で還元して得られるも
の(還元銅)、(C)銅化合物を熱などにより分解し
て得られるもの(分解銅)、及び(D)銅のラネー合
金をアルカリなどで展開して得られるもの(ラネ
ー銅)がある。上記の還元銅の製法の例として
は、(1)酸化銅を気相中で水素、一酸化炭素または
アンモニアで還元する方法、(2)銅の塩又は水酸化
物を水溶液中でホルマリン、ヒドラジン又は硼水
素化ナトリウム等で還元する方法、及び(3)銅の塩
又は水酸化物を水溶液中で元素状のアルミニウ
ム、亜鉛又は鉄で還元する方法などがあり、得ら
れる触媒の主な成分はいずれも元素状の銅と考え
られる。上記の分解銅の製法の例としては、(1)銅
化合物を次亜燐酸ナトリウムなどで処理して得ら
れる水素化銅をアルカリ水中で熱分解する方法、
(2)蟻酸銅又は蓚酸銅を熱分解する方法、(3)特開昭
49−108015に示されたいわゆるクラスター銅を熱
分解する方法、及び(4)銅アセチリド又は窒化銅を
直接アクリロニトリルの水和反応系に加える方法
などがあり、触媒の主な成分はいずれも元素状の
銅と考えられる。上記のラネー銅の製法の例とし
ては、(1)銅―アルミニウム合金をカセイソーダ、
硫酸、水、有機アミンなどでほぼ完全に展開する
方法、及び(2)銅―アルミニウム合金をカセイソー
ダ、硫酸、水、有機アミンなどで部分的に展開し
てアルミニウムの一部を銅と共に残す方法などが
あり、得られる触媒の主な成分はいずれも元素状
の銅と考えられる。而してこれ等の銅系触媒は、
通常用いられる担体に担持されていても差支えな
いし、銅以外の金属、例えばクロム又はモリブデ
ンを含んでいても差支えない。触媒は使用前およ
び使用中を通じて酸素および酸素含有ガスとの接
触を避けることが望ましい。その理由は酸素が触
媒としての活性を損い、エチレンシアンヒドリン
などの副生物を増加させるからである。 本発明のアクリロニトリルの水和反応は上記し
た銅系触媒の存在下に次のようにして行なわれ
る。反応形式としては、液相中の懸濁床又は固定
床の触媒床で、流通式又は回分式が採用される。
水和反応に供されるアクリロニトリルと水との重
量比率は実質的に任意であるが、好ましくは60:
40〜5:95であり、更に好ましくは50:50〜10:
90である。水和反応の好ましい温度は50〜200℃
であり、更に好ましくは70〜150℃である。アク
リロニトリルの反応率は好ましくは10〜98%であ
り、更に好ましくは30〜95%である。 上記したアクリロニトリルと水との重量比、反
応温度およびアクリロニトリルの反応率に於て、
未反応アクリロニトリル、未反応水および生成ア
クリルアミドの3者が均一な溶液系を作らないこ
とがあるが、これを避ける為にアクリルアミドそ
の他の共溶剤を加えても良い。反応器内は、上記
した温度と組成に於ける蒸気圧又はそれに窒素な
どの不活性ガスを加えた圧力に保たれるが、その
圧力は通常、常圧ないし10気圧である。反応器に
供給される触媒、アクリロニトリル、水、共溶剤
などに含まれる溶存酸素は触媒の活性を損い、エ
チレンシアンヒドリンなどの副生物を増加させる
ので、反応器に供給する前に十分に除去すること
が望ましく、また同じ理由から反応器内は酸素を
含まない雰囲気に保つことが望ましい。なお水和
反応後反応器から取り出される反応液は主として
未反応アクリロニトリル、未反応水、アクリルア
ミド及びアクリルアミド以外の共溶剤を用いた場
合はその共溶剤から成り、更にエチレンシアンヒ
ドリン等の副生物と銅を含む。 次に、本発明の方法で得られるアクリルアミド
の主な利用目的は、凝集剤などに用いられる高分
子量アクリルアミド系ポリマーの製造であるが、
その製造法は概略次のようである。 アクリルアミドは単独又は他のビニル重合型の
コモノマーと共に用いられる。コモノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれ等の水溶
性塩:アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルア
ミノアルキルエステル又はそれ等の第4級アンモ
ニウム誘導体:N―(ジメチルアミノプロピル)
メタクリルアミド、又はその第4級アンモニウム
誘導体:酢酸ビニル:アクリロニトリルなどを挙
げることができる。これ等のコモノマーとアクリ
ルアミドとの混合比率は普通アクリルアミド100
モルに対して100モル以下特に50モル以下が好ま
しい。 アクリルアミドとコモノマーとの重合は水溶液
重合、乳化重合等周知の方法で行なわれるが、こ
のうち最も広く用いられる水溶液重合の一般的方
法を述べる。液中のアクリルアミドとコモノマー
の合計濃度は普通5〜60重量%の範囲が好まし
い。重合開始剤には過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過
酸化物:アゾビスイソブチロニトリル、2,2″―
アゾビス(2―アミジノプロパン)2塩酸塩、
4,4′―アゾビス(4―シアノバレリアン酸ナト
リウム)などのアゾ系遊離基開始剤:上記過酸化
物と重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミ
ン、硫酸第一鉄アンモニウムなどの還元剤を併用
するいわゆるレドツクス触媒系が用いられる。重
合反応の温度に関しては、アクリルアミドとコモ
ノマーとの合計濃度が15%以上であつて得られる
ポリマーの分子量が1000万以上の高分子量である
場合には、冷却などによる温度の制御が困難であ
る為に普通断熱的な重合形式がとられ、この場合
の重合系の温度は重合の進行と共に重合熱によつ
て上昇する。この場合に於て重合の開始時の温度
は−5〜40℃の範囲から選ばれることが多く、反
応終了時の温度は例えば55〜100℃の高温度に達
する。 分子量を1000万以上特に1400万程度の高分子量
とする為には、アクリルアミド及びコモノマーの
合計濃度、使用する重合開始剤の種類と濃度、反
応温度などについて工夫がなされる。未反応アク
リルアミドを例えば0.2%以下の微量とする為に
も同様の工夫がなされるが、特に2種類以上の重
合開始剤を異つた温度領域で作用させる方法が実
施される。 上記のような重合反応によつて得られるものは
含水ゲル、即ちアクリルアミドとコモノマーとを
水溶液にする為に用いた水をほぼそのまま含むゴ
ム状のゲルであるが、通常はこれを乾燥粉末状の
製品とする為、水の抽出又は加熱乾燥による脱
水、或いは含水ゲル又は乾燥ゲルの破砕又は粉砕
などの処理を加える。また、これ等の処理に先立
つて又はその途中で含水ゲルにカセイソーダをね
り込み加熱してアミド基の一部をカルボキシル基
に変えるなどアクリルアミド系ポリマーを化学的
に変性することもある。 以上のようにして高分子量化し、未反応モノマ
ーを減少させ乾燥粉末化し、場合により化学的変
性を行なう結果として、得られるアクリルアミド
系ポリマーは、しばしば水に溶解しにくいものと
なり、凝集剤などの商品としての価値を失いがち
である。その解決の為に前記したように、重合反
応の前、途中または後に不溶化防止剤を添加する
方法、特定の重合開始剤系を用いる方法、或いは
含水ゲルの乾燥を特定の条件下で行なう方法など
が行なわれる。 本発明者らは、上記のようなアクリロニトリル
の接触水和により得られるアクリルアミドを前記
のような高分子量アクリルアミド系ポリマーの製
造に適した品質のものとする為、その精製方法を
鋭意検討した結果、次の方法に到達した。即ち、
本発明は、銅系触媒の存在下アクリロニトリルを
接触水和して粗アクリルアミド水溶液とし次いで
精製するアクリルアミドの製造において、粗アク
リルアミド水溶液を(イ)未反応アクリロニトリルを
含有するアクリルアミドに対して100ppm以下に
留去する工程(ロ)銅を同じく10ppm以下に除去する
工程(ハ)塩基性化合物を添加して液のPHを11.5〜
14.0の範囲に調製したのち重合防止の為に酸素含
有ガスを吹き込む場合を除き酸素含有ガスを吹き
込むことなく直列に接続された2つ以上の撹拌
槽、または充填塔もしくは棚段塔により流通式で
処理する工程(ニ)カチオン交換処理する工程(ホ)弱塩
基性アニオン交換処理する工程より成る工程によ
り順次処理することを特徴とするアクリルアミド
水溶液の精製方法である。 次に本発明の特徴部分を具体的に説明すれば次
の通りである。 (イ) 未反応アクリロニトリルを留去する工程(脱
アクリロニトリル処理) アクリロニトリルの接触水和によつて得られ
る粗アクリルアミド水溶液は、主として未反応
アクリロニトリル、未反応水、アクリルアミド
及びアクリルアミド以外の共溶剤を用いる場合
はその共溶剤から成る。これを通常の方法又は
重合防止などの目的により特に工夫された方法
で蒸発或いは蒸留操作に付し、未反応のアクリ
ロニトリルと水の一部分を留出回収すると共
に、濃縮されたアクリルアミド水溶液が得られ
る。回収されたアクリロニトリルと水の一部分
は通常再び水和反応の原料として供される。而
してこの際得られるアクリルアミド水溶液が多
量のアクリロニトリルを含有することは、本発
明の付帯工程との関連において得られるアクリ
ルアミドの品質にとつて極めて有害である。本
発明者らの知見によれば、未反応アクリロニト
リルの許容し得る量としてはアクリルアミドに
対して100ppm以下、好ましくは10ppm以下で
ある。而して残存アクリロニトリルがアクリル
アミドに対して100ppmを越える場合は、得ら
れるポリアクリルアミドの分子量が小さく、本
発明の目的とする1000万以上特に1400万程度の
高分子量とすることはできない。 この工程で得られるアクリルアミド水溶液の
濃度は、通常10〜60重量%の範囲である。而し
てアクリルアミド水溶液の濃度が60重量%以上
ではアクリルアミドの重合反応などの工程中の
困難を招き、また10重量%以下であつても差支
えはないが、後の工程やアクリルアミド系ポリ
マーの製造を経済的に行なう為に濃縮する必要
が生じ好ましくない。 (ロ) 銅を除去する工程(脱銅処理) (イ)の脱アクリロニトリル処理で得られたアク
リルアミド水溶液は、通常10〜1000ppm(対ア
クリルアミド純分、以下同じ)の銅を含む。銅
の形態は明らかでなく、いわゆる銅イオン又は
銅錯イオンの他に元素状銅のコロイド粒子など
非イオン性銅も含まれると考えられる。かかる
多量の銅の存在は、続いて行なわれる処理工程
の正常な機能を阻害し、ひいては得られるアク
リルアミド水溶液の品質を低下せしめるので、
10ppm以下、好ましくは1ppm以下に脱銅処理
する。而して銅の残存量が10ppmを超える場合
は上記した機能の阻害および品質の低下を顕著
なものとする。 アクリルアミド水溶液から銅を除去する脱銅
処理の方法としては、カチオン交換樹脂を用い
る方法とキレート樹脂を用いる方法が広く知ら
れ、何れもすぐれているが、本発明に於てもこ
の2つの方法が採用される。上記した非イオン
性銅はそのままではこれらの脱銅処理では除か
れないか又は除かれにくいが、予め酸素ガスと
の接触などによりイオン性とすることにより容
易に除かれる。 カチオン交換樹脂およびキレート樹脂として
は周知の種々のものが使用される。カチオン交
換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂及び
弱酸性カチオン交換樹脂のいずれでも使用でき
るが前者が使いやすく、ゲル型であつてもポー
ラス型であつてもよい。具体的な例としては、
アンバーライトIR120B及びIRC50(いずれも商
品名、ロームアンドハース社製)、ダイアイオ
ンSKIB PK208及びWK10(いずれも商品名、
三菱化成社製)、レバチツトSP100、SP112及
びCNP80(いずれも商品名、バイエル社製)な
どが挙げられる。また遊離酸型であつてもナト
リウム塩型などの塩型であつても良いが遊離酸
型が使いやすい。キレート樹脂としては、スチ
レン―ジビニルベンゼン共重合体に各種のキレ
ート形成基を導入した樹脂のほか各種のものが
知られているが、これ等のうちスチレン―ジビ
ニルベンゼン重合体にキレート形成基を導入し
たものが好ましい。具体的な例としてはダイア
イオンCR−10(商品名、三菱化成社製)、レバ
チツトTP−207(商品名、バイエル社製)が挙
げられる。これ等のキレート樹脂は通常ナトリ
ウム塩型で使用される。 次に脱銅処理の方法を述べる。カチオン交換
樹脂又はキレート樹脂は固定床、移動床及び懸
濁床のいずれの型式でも用いられるが、このう
ち固定床が最も良い。脱銅処理におけるアクリ
ルアミド水溶液の濃度は前記(A)の工程の場合と
同様の事情から好ましくは10〜60重量%の範囲
である。脱銅処理の温度は、アクリルアミド水
溶液を安定に保つ為に40℃以下が好ましく、ま
たアクリルアミド水溶液はその濃度に応じてア
クリルアミドが析出する温度を有するのでそれ
より高温度でなければならない。処理前のアク
リルアミド水溶液のPHはアクリルアミド水溶液
を安定に保つ為に2〜10が好ましく、3〜9が
一層好ましいが、更に使用するカチオン交換樹
脂またはキレート樹脂の種類に特有の好ましい
使用範囲にも制約される。時間経過と共に脱銅
能力を失つたカチオン交換樹脂又はキレート樹
脂は、常法により薬液再生し再使用に供する。 (ハ) 塩基性に保つ工程(塩基処理) 前記(ロ)の脱銅処理で得られたアクリルアミド
水溶液はついで塩基性化合物を添加して塩基性
とし一定の条件下で放置される。合成されたア
クリルアミド中には、エステル型、酸アミド型
または酸イミド型の構造を持つ不純物が存在す
ると想像される。これらは塩基性の雰囲気で加
水分解されることが期待される。本発明の塩基
処理は、このような発想に基づいて、アクリル
アミド自体が実質的に加水分解されない程度の
塩基処理条件を選んで行うものである。 なお、この処理によつて生成される二次的な
不純物も又懸念されるところであるが、本発明
の実施例によれば、無害であるか、または続く
カチオン交換処理もしくは弱塩基性アニオン交
換処理で除去されるようである。 本発明に先立ち本発明者らは、特公昭52−
31847の開示方法、即ちアクリルアミドの15〜
60重量%濃度の水性溶液に、60℃までの温度に
おいて、アンモニアを除く無機塩基を対アクリ
ルアミド0.1〜1.5重量%の範囲で加えてPH12〜
13.7の水素イオン濃度としたのち、不活性ガス
吹きこみ孔が0.1mmφ以下の場合(例えばボー
ルフイルタ使用)は0.5mm/秒以上の空塔速度
の気体量、好ましくは2〜5mm/秒で、また1
mmφ以上たとえば2〜4mmφの場合は3mm/秒
以上好ましくは7〜20mm/秒のような大量の不
活性ガスを通常1〜6時間吹込むことによつて
生成するアンモニアを積極的に除去するアクリ
ルアミドの精製方法に着目し、検討を加えた。
その結果、この方法には一応の効果が認められ
るものの、本発明の目的とする凝集剤として有
用な高分子量のアクリルアミド系ポリマーの製
造に供した場合には、満足すべき良好な水溶性
は得られないことを知つた。 また上記発明と類似の特公昭52−28777の方
法、即ちアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及び
重炭酸塩ならびにアルカリ土類金属の水酸化物
から選ばれた少くとも1種を添加してPH8程度
とした希薄アクリルアミド水溶液から水を蒸発
除去することより成る濃厚アクリルアミド水溶
液の製造法、についても同様に検討を加えた
が、この方法による場合も高分子量のアクリル
アミド系ポリマーの製造に適したアクリルアミ
ドは得られないことを知つた。 而して上記した本発明者らの知見によれば、
本発明の構成、即ち、本発明の一連の処理工程
の実施によつてのみ本発明の目的が充分に達成
されることを知つた。 本発明に用いる塩基性化合物としては、アル
カリ金属の水酸化物と炭酸塩、アルカリ土類金
属の水酸化物、アンモニア及び有機アミン類が
用いられ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び
炭酸カリウムが好ましいものとして用いられ
る。 塩基性化合物の添加量は、添加後のPHが11.5
〜14.0になるように選ばれる。而して特に12.0
〜13.5になるように選ばれることが好ましい。
PHが11.5に満たない場合には十分な処理効果が
得られず、14.0を越える場合にはアクリルアミ
ドが不安定となつて有害な副反応を惹起する。 本発明の方法においては、通常アクリルアミ
ド水溶液をこのようなPH範囲に保ち乍ら放置さ
れるが、この際、液中に空気および窒素などの
不活性ガスを吹込んだり加熱により水を蒸発除
去する操作は、アクリルアミドの重合防止の為
に酸素含有ガスを吹込む場合を除き不必要であ
る。即ち、前記したような大量の酸素含有ガス
を吹きこむ場合は、それによつてPHが低下する
ことがあるので塩基性化合物を追加する必要が
生じ、更に後続するカチオン交換処理と弱塩基
性アニオン交換処理の効果を弱めるので好まし
くなく且つ得られるアクリルアミド水溶液を長
期間保存した場合の貯蔵安定性の低下現象が後
述する比較例13および14に示す如く顕著に認め
られる。 即ち、本発明の方法においては、必要により
アクリルアミド水溶液の重合を防止し得る。例
えば液中の溶解酸素濃度を実質的飽和に保ち得
るような少量の酸素含有ガス、例えば0.2mm/
秒以下の空塔速度、例えば0.1mm/秒程度の空
気をアクリルアミド中に吹き込むことはあつて
も大量の酸素含有ガスを吹き込むことはさけら
れるべきである。この点につき更に詳述すれ
ば、例えば特公昭52−31847に記載されている
ような0.5mm/秒以上、場合により7〜20mm/
秒のような大量の不活性ガスを吹き込み乍ら塩
基処理して生成するアンモニアを除去する必要
はなく、かかる大量の不活性ガスの使用は塩基
処理装置内の逆混合を助長し塩基処理の効果を
低下せしめるためにさけられるべきである。 塩基処理に於けるアクリルアミド水溶液の濃
度は、前記(イ)の工程の場合と同様の事情から、
好ましくは10〜60重量%の範囲である。而して
塩基処理の温度は、アクリルアミド水溶液を安
定に保つ為に、70℃以下0℃迄の温度、好まし
くは50℃以下5℃迄の温度、更に好ましくは40
℃以下10℃迄の温度範囲であり、アクリルアミ
ド水溶液はその濃度に応じてアクリルアミドが
析出する温度を有するのでそれより高温度でな
ければならない。 塩基処理は流通式で実施できる。流通式の装
置としては、直列に接続された2つ以上、好ま
しくは3つ以上の撹拌槽、通常の充填塔または
棚段塔のように液流の逆混合を抑えるように工
夫されたものが用いられ、例えば後述する実施
例に示す如く、ラシヒリング等を充填した充填
塔などが多用される。流通式の処理時間は、PH
と温度と装置形状にもよるが、一般的には0.5
〜10時間の範囲が良く、高いPHで且つ高い温度
では短い時間、低いPHで且つ低い温度では長い
時間処理することにより適宜好適条件を採択し
得る。勿論この範囲外であつても差支えない
が、短時間では効果が不足し、長時間ではそれ
以上の処理効果が得られないばかりでなく無用
の副反応を起こすので好ましくない。 (ニ) カチオン交換処理工程 前記(ハ)の塩基処理で得られたアクリルアミド
水溶液は次いでいわゆるカチオン交換樹脂を用
いて処理される。 カチオン交換樹脂としては周知の種々のもの
が使用され、強酸性カチオン交換樹脂及び弱酸
性カチオン交換樹脂のいずれでも使用でき、ゲ
ル型であつてもポーラス型であつてもよく、ま
たその遊離酸型が良い。具体的な例としては、
アンバーライトIR120B及びIRC50(いずれも商
品名、ロームアンドハース社製)、ダイアイオ
ンSKIB PK208及びWK10(いずれも商品名、
三菱化成社製)、レバチツトSP100、SP112及
びCNP80(いずれも商品名、バイエル社製)な
どが挙げられる。 次にカチオン交換処理の方法を述べる。カチ
オン交換樹脂は固定床、移動床及びけん濁床の
いずれの型式でも用いられるが、このうち固定
床が最も良い。カチオン交換処理におけるアク
リルアミド水溶液の濃度は前記(イ)の工程の場合
と同様の事情から好ましくは10〜60重量%濃度
の範囲である。カチオン交換処理の温度はアク
リルアミド水溶液を安定に保つ為に40℃以下が
好ましく、またアクリルアミド水溶液はその濃
度に応じてアクリルアミドが析出する温度を有
するのでそれより高温度でなければならない。
処理の速度は樹脂の種類及びアクリルアミド水
溶液の濃度および温度などにもよるが、固定床
式用法を例にとれば、空間速度1〜20hr-1の範
囲が好ましく、更に2−10hr-1の範囲が好まし
い。 時間経過と共に交換能力を失つたカチオン交
換樹脂は常法により薬液再生し再使用に供す
る。交換能力が失われた点は、最終的に得られ
たアクリルアミドの品質によつて知ることがで
きる。 (ホ) 弱塩基性アニオン交換処理工程 前記(ニ)のカチオン交換処理を経たアクリルア
ミド水溶液は、次いでいわゆる弱塩基性アニオ
ン交換樹脂を用いて処理される。アクリルアミ
ドの精製に関する公知の方法のうちには、強塩
基性アニオン交換樹脂で処理する方法も知られ
ているが、これを本発明のこの工程に用いた場
合には期待した効果は得られない。弱塩基性ア
ニオン交換樹脂としては、スチレン―ジビニル
ベンゼン共重合体に第1級、第2級または/お
よび第3級アミノ基を導入したものが用いら
れ、例としてアンバーライトIRA93(商品名、
ロームアンドハース社製)、レバチツトMP62
及びMP64(商品名、バイエル社製)、ダイアイ
オンWA10(商品名、三菱化成社製)を挙げる
ことができる。また使用に際しては塩型とせず
に遊離アミン型で用いる方が好ましい。 次に弱塩基性アニオン交換処理の具体的方法
について述べる。弱塩基性アニオン交換樹脂は
固定床、移動床及びけん濁床のいずれの型式で
も使用できるが、このうち固定床が最も実施し
やすい。処理するアクリルアミド水溶液の好ま
しい濃度は前記(イ)の工程の場合と同様の事情か
ら10〜60重量%の範囲である。処理温度はアク
リルアミドを安定に保つ為に40℃以下が好まし
く、またアクリルアミド水溶液はその濃度に応
じてアクリルアミドが析出する温度を有するの
でそれより高温度でなければならない。処理の
速度はアクリルアミド水溶液の濃度、温度など
にもよるが、固定床式用法を例にとれば、空間
速度0.5−10hr-1の範囲が好ましく、更に1−
5hr-1の範囲が好ましい。 時間経過と共に交換能力を失つた弱塩基性ア
ニオン交換樹脂は常法により薬液再生し再使用
に供される。交換能力を失つた点は、最終的に
得られたアクリルアミドの品質によつて知るこ
とができる。 本発明は上記した5つの精製工程を上記した順
に行なうことを特徴とするもので、上記した順を
変更した場合には期待した効果は得られず、本発
明の方法から除外される。しかしながら上記した
精製工程以外の工程、例えば活性炭による処理、
濃縮などの工程を挿入することを妨げるものでは
ない。 本発明を実施することにより達せられる効果
は、(1)分子量1000万以上特に1400万程度で、かつ
水に溶解しやすく、未反応単量体含量が例えば
0.2重量%以下の微量である高分子量アクリルア
ミド系ポリマーの製造に適したアクリルアミドが
得られ、且つ(2)例えば後述する40℃1箇月間のよ
うな長期間貯蔵しても品質の劣化、即ち、長期間
貯蔵したアクリルアミド水溶液より凝集剤として
の高分子量アクリルアミド系ポリマーを製造した
際、得られるポリマーの溶解性の低下および分子
量の低下もなく優れた品質を維持しうる安定なア
クリルアミドが得られる。 而して本発明を構成する5つの精製工程の順序
を変更する場合にはかかる効果は得られない。即
ち、例えば脱アクリロニトリル処理をカチオン交
換処理の次に行なつて得られたアクリルアミドか
らは高分子量のアクリルアミドポリマーは得られ
ない。また、弱塩基性アニオン交換処理を脱銅処
理の次に行なつて得られたアクリルアミドからは
水溶性良好なアクリルアミドポリマーは得られ
ず、また例えば、脱銅処理を塩基処理の次に行な
つた場合には脱銅が困難となり、得られたアクリ
ルアミドを重合させようとしても重合しにくく多
量の未反応モノマーが残存する。 次に実施例により本発明を更に説明する。 実施例1および比較例1〜8 水和反応の触媒:80メツシユ以下のラネー銅合
金を常法によりカセイソーダを用いて展開し洗浄
してラネー銅触媒を製造した。製造中及びその後
の取扱いに際して、空気などの酸素含有ガスとの
接触を避けた。 接触水和反応:ステンレススチール製で撹拌機
と触媒分離器を内蔵した反応器に上記の触媒を仕
込み、これに予め窒素ガスを用いて溶存酸素を除
いたアクリロニトリルと水を供給し反応させた。
反応液は触媒と共に撹拌されてけん濁液となり、
次いで触媒分離器を通つて触媒を殆んど含まない
液として反応器からとりだされる。 脱アクリロニトリル処理:ラシヒリングを充填
した精溜塔とその下部に直結させた蒸発器とから
なる脱アクリロニトリル装置を準備し、接触水和
反応で得られる液を精溜塔の頂部に供給して100
mmHgの圧で処理した。これによつて未反応アク
リロニトリルのほぼ全量と未反応水の一部とを留
去して濃度約50重量%のアクリルアミド水溶液が
得られた。この液はアクリロニトリル10ppm及び
銅350ppm(いずれもアクリルアミドに対して。以
下同じ)を含み、PH約6.5であつた。 脱銅処理:アンバーライトIR−120B(商品名、
ロームアンドハース社製、強酸性カチオン交換樹
脂)150mlを遊離酸型として内径20mmのガラス管
カラムに充填し、これに脱AN処理工程で得られ
る液を800ml/hrの速度で室温で通した。得られ
た液の銅含有量は0.01ppm、PHは3.8であつた。
この脱銅処理を24時間続けた。 塩基処理:次に脱銅処理工程から流出するアク
リルアミド水溶液に少量のカセイソーダを連続的
に注入してPHを約12.8に調整し更にこの液をステ
ンレススチール製ラシヒリングを充填した内径37
mm長さ3mのカラムの下端に導入し上端から流出
させた。液の処理流量を約800mm/hrとし、カラ
ムの温度を約20℃として、処理を24時間続けた。
この実験においては酸素含有ガスは全く吹き込ま
なかつたので充填塔内の逆混合現象もなく円滑に
塩基処理することができた。 カチオン交換処理:レバチツトSP112(商品名、
バイエル社製、強酸性カチオン交換樹脂)200ml
を遊離酸として内径20mmのガラス管カラムに充填
し、これを塩基処理用カラに直結させておき、こ
れに塩基処理後の液を同じ速度で導入した。この
処理も約20℃で24時間続けた。 弱塩基性アニオン交換処理:レバチツトMP−
62(商品名、バイエル社製、弱塩基性アニオン交
換樹脂)200mlを遊離塩基型として内径20mmのガ
ラス管カラムに充填し、これをカチオン交換処理
カラムに直結させておき、これにカチオン交換処
理後の液を同じ速度で導入した。この処理も約20
℃で24時間続けた。 PH調整:弱塩基性アニオン交換処理で得られる
液は微塩基性又は微酸性なので、これに硫酸又は
カセイソーダを加えてPHを約7.0に調整した。 アクリルアミド水溶液の貯蔵試験:PH調整で得
られた液は、直ちに以下の試験に供するか、又は
その一部分をポリエチレン瓶に入れて40℃で1ケ
月間貯蔵した後、以下の試験に供した。 アクリルアミドポリマーの製造方法:以上の操
作で得られたアクリルアミド水溶液を用いて次の
方法でアクリルアミドポリマーを製造した。アク
リルアミド水溶液に水を加えて濃度20重量%と
し、この500gを1lポリエチレン容器に入れ、18℃
に保ちながら窒素ガスを通じて液中の溶存酸素を
除き、直ちに発泡スチロール製の保温用ブロツク
の中に入れた。次いでこれに200×10-6mpm(ア
クリルアミドに対するモル比)の4,4′―アゾビ
ス(4―シアノバレリアン酸ナトリウム)、200×
10-6mpmのジメチルアミノプロピオニトリル及
び80×10-6mpmの過硫酸アンモニウムを夫々少
量の水に溶解してこの順に素早く注入した。これ
らの試薬には予め窒素ガスを通じて溶存酸素を除
いておき、また注入およびその前後には上記ポリ
エチレン容器にも少量の窒素ガスを通じておくな
どして酸素ガスの混入を防止した。試薬を注入し
て数分間の誘導期の後、ポリエチレン容器の内部
の温度が上昇するのが認められたので窒素ガスの
供給をとめた。約100分後に温度が約70℃の頂点
に達してからポリエチレン容器を保温用ブロツク
から取出して97℃の水に2時間浸漬し、次いで冷
水に浸漬して冷却した。かくして得られたアクリ
ルアミドポリマーの含水ゲルを小塊に分け、肉挽
機ですりつぶし、100℃の熱風で2時間乾燥し、
高速回転刃式粉砕機で3分間粉砕して乾燥粉末状
のアクリルアミドポリマーを得た。更にこれを篩
にかけて32〜42メツシユのものを分取し、以後の
試験に供するポリマーサンプルとした。(ポリマ
ーサンプルの水分を125℃1夜の熱風乾燥による
減量として求めたところ、本実施例を始めいずれ
のポリマーサンプルについても約10%であつた。) アクリルアミドポリマーの試験方法:ポリマー
サンプルの水溶性、分子量、標準粘度および未反
応アクリルアミドの測定を次の方法で行なつた。 水溶性は1lビーカーに水600mlを入れ、定めら
れた形状の撹拌羽根で撹拌しながらポリマーサン
プル0.66g(純分約0.60g)を添加し、200rpmで2
時間撹拌を行ない、得られた溶液を150メツシユ
の金網で過し、不溶解分の多少と過性から水
溶性を判定した。即ち、完溶又は完溶に近いもの
を〇、不溶解分があるがそれを別することがで
きるものを△、液の通過が遅く不溶解分の過
が事実上できないものを×とした。 分子量は上記と同様の操作で得られた液を用
いて濃度の異るいくつかのアクリルアミドポリマ
ー水溶液を調製し、これに1M濃度相当の硝酸ナ
トリウムを加え、毛管型粘度計を用いて極限粘度
を求め、次式を用いて算出した。 極限粘度=3.73×10-4〔重量平均分子量0.66〕こ
の式を分子量1000万以上のアクリルアミドポリマ
ーに適用することには疑問があることがReports
on progress in polymer physics in Japan,
20,5(1977)から示唆されるが、広く慣用もさ
れている。 なお上記の水溶性試験により得られる液は水
溶性の良好の場合は濃度0.1重量%のポリマー水
溶液であるが、これに1M濃度相当の塩化ナトリ
ウムを加え、BL型粘度計でBLアダプターを用い
て25℃ローター回転数60rpmで粘度を測定した
(標準粘度)。このような方法で得られる標準粘度
は分子量に相関のある値として慣用されるので本
実施例においても併用した。未反応アクリルアミ
ドはポリマーサンプルに水20重量%を含むメタノ
ールを加えて1夜振とう抽出し抽出液をガスクロ
マトグラフにかける方法により定量した。 アクリルアミドポリマーの試験結果:以上の操
作で最終的に得られたアクリルアミドポリマーに
ついて、第1表のような試験結果を得た。 第1表にいつしよに示した比較例は、次のよう
に行なつた。 比較例 1 脱AN処理に於て、充填リングの量を半分にし
て得られるアクリルアミド水溶液中のアクリロニ
トリル含有量を900ppmとした以外は、実施例1
と同様に行なつた。 比較例 2 脱銅処理を省いた以外は実施例1と同様に行な
つた。 比較例 3 塩基処理を省いた以外は実施例1と同様に行な
つた。 比較例 4 カチオン交換処理を省いた以外は実施例1と同
様に行なつた。 比較例 5 弱塩基性アニオン交換処理を省いた以外は実施
例1と同様に行なつた。 比較例 6 カチオン交換処理と弱塩基性アニオン交換処理
を省いた以外は実施例1と同様に行なつた。 比較例 7 塩基処理とカチオン交換処理を省いた以外は実
施例1と同様に行なつた。 比較例 8 塩基処理、カチオン交換処理及び弱塩基性アニ
オン交換処理を省いた以外は実施例1と同様に行
なつた。 実施例2及び比較例9 硫酸第2銅水溶液を50℃に加熱し、次亜燐酸ソ
ーダ水溶液を滴下し、暫く放置後カセイソーダ水
溶液を加えて銅触媒を調整し、これを実施例1の
ラネー銅の代りに用いて以下実施例1及び比較例
8と同様の試験を行なつた。その結果も第1表に
併記した。 実施例3及び比較例10 ペレツト状酸化銅をステンレススチール製反応
管に充填し、これを水素―窒素混合ガスで約200
℃で還元して還元銅とし、これにアクリロニトリ
ルと水とを供給して実施例1と同様の接触水和反
応を行ない、以下実施例1及び比較例8と同様の
試験を行なつた。その結果も第1表に併記した。 実施例 4 実施例1で実施した塩基処理において、重合防
止の為に、ステンレススチール製ラシヒリングを
充填したカラムの下端から0.1mm/秒の空塔速度
で空気を吹込んだこと以外は実施例1と同様に処
理し且つ同様の試験を行ない結果を第1表に併記
した。 比較例 11 脱アクリロニトリル処理をカチオン交換処理の
次に行なつた以外は実施例1と同様に行なつた。
この実験において貯蔵なしの場合の水溶性評価は
〇であり、標準粘度は4.6cpsであつた。また1箇
月貯蔵後の水溶性評価は×であり、従つて標準粘
度は測定不能であつた。 比較例 12 弱塩基性アニオン交換処理を脱銅処理の次に行
なつた以外は実施例1と同様に行なつた。この実
験において貯蔵なしの場合の水溶性評価は×であ
り、従つて標準粘度は測定不能であつた。1ケ月
貯蔵後も同様であつた。 比較例 13 実施例1の塩基処理に於て、カラムの下端にガ
ラスボールフイルターを通して空気を4cm3/秒の
割合で吹込む以外は実施例1と同様に行なつた。
その結果、貯蔵なしの場合の水溶性評価は△であ
り、標準粘度は5.8cpsであつた。また1ケ月貯蔵
後の水溶性評価は×であり、従つて標準粘度は測
定不能であつた。なお、上記の空気量をカラムの
断面積(10.7cm2)で割ると、単位断面積当たりの
空気量として、0.37cm3/cm3・秒=3.7mm/秒が得
られ、特公昭52−31847開示の好ましい条件がこ
こではむしろ不利であることがわかつた。 比較例 14 比較例6の塩基処理に於て、カラムの下端にガ
ラスボールフイルターを通して空気を4cm3/秒の
割合で吹込む以外は比較例6と同様に行なつた。
その結果、貯蔵なし、ありのいずれの場合も水溶
性評価が×であり、従つて標準粘度は測定不能で
あつた。この実験は塩基処理のあとのカチオン交
換処理と弱塩基性アニオン交換処理を省くことに
より、実質的に特公昭52−31847開示の方法に近
づいた方法となつているが、結果は比較例13より
一層悪く、到底適用できないことがわかつた。 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 銅系触媒の存在下アクリロニトリルを接触水
    和して粗アクリルアミド水溶液とし次いで精製す
    るアクリルアミドの製造において、粗アクリルア
    ミド水溶液を(イ)未反応アクリロニトリルを含有す
    るアクリルアミドに対して100ppm以下に留去す
    る工程(ロ)銅を同じく10ppm以下に除去する工程(ハ)
    塩基性化合物を添加して液のPHを11.5〜14.0の範
    囲に調製したのち重合防止の為に酸素含有ガスを
    吹き込む場合を除き酸素含有ガスを吹き込むこと
    なく直列に接続された2つ以上の撹拌槽、または
    充填塔もしくは棚段塔により流通式で処理する工
    程(ニ)カチオン交換処理する工程(ホ)弱塩基性アニオ
    ン交換処理する工程より成る工程により順次処理
    することを特徴とするアクリルアミド水溶液の精
    製方法。
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